鉄血の旗の元に《本編完結》   作:kiakia

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サディア編終了までの主要キャラまとめ

 キャラ紹介まとめ

 鉄血公国

 

 

 ヴァイスクレー・ヘルブスト(20)

 

・本作の主人公、指揮官歴二ヶ月ほどで対ロイヤル戦にて絶大な戦功を上げた結果、鉄血海軍期待のホープとして注目されるだけではなく、その交渉能力の高さや、家族構成から政治的な意図を以て、サディア帝国への使者として抜擢された茶髪で甘党な新人指揮官。

 

・指揮官としての能力ははっきり言って未熟極まりなく、未だに全体的な指揮を全て任された場合ヒッパーは怒りを通り越して嘆息する程上達しない。しかし、情報処理能力が低いわけではなく、戦場ではオペレーターとして次々と戦場の情報を把握して皆に伝え、敵の攻撃の回避指示や意見受諾による一斉攻撃の指示などを行なっている。指揮下のkansen達が優秀だからこそできる行為であり、本来褒められたものではないが結果として多くの戦果を勝ち取ることに成功した。

 

・性格は基本的には温厚かつ真面目で誰にでも優しいという絵に描いたような好青年ムーブをしているのだが、その本質は無意識に自らの命をゴミ同然に思っており、他者の命を重視しつつも自らの命には執着を持たず、躊躇いなく自身の命を捨てようとする男であり、戦場にて最悪の形で発揮された結果、グラーフから指摘されたことでようやく自らの本質に目を向けることに成功した。

 

・また、他者の命を奪う命令を出す際は指揮下のkansen達に殺人という業を背負わせる現実や命を奪うという行為を想像して嘔吐するなど指揮官としては問題行為も多く、ようやく自覚した結果、現在は様々な助けを得て矯正しようと決意している。

 

・サディア帝国滞在中に勃発した『イオニア海海戦』では、イラストリアスの航空隊による奇襲を間一髪で奇跡的に防ぐことに成功し、結果的に勝利の立役者に。更に自らの思惑はどうであれ、結果としてイラストリアスとウォースパイトを捕虜にすることに成功。現在サディア帝国内部では英雄視されており、近々その名前と共にレッドアクシズを代表とする指揮官として『英雄』という役割を演じ、プロパガンダに参加することを了承するのであった。

 

・人間関係に於いては鉄血の指揮下のkansen達とはイオニア海海戦を経て、よりいっそう硬い絆で結ばれている。しかし、シュペーは異性として指揮官を意識しつつあり、また本人も気がつかない内にヴィットリオ・ヴェネトに一目惚れされている。それらに気がつく様子はなく、今後の関係に波乱の兆しあり。

 

・最近起きた出来事

 ベーコンと目玉焼きにメープルシロップをかけて皆にドン引きされた。

 

 

  グラーフ・ツェッペリン

 

・鉄血が誇る唯一の空母型kansen。ビスマルクの右腕でもあり、指揮官を司令として任命したある意味物語の元凶ともいえる人物。

 

・自らを構成する艦歴故に孤独感や絶望感を感じつつ、世界を憎んですらいたものの、キール第三基地に配属以降、信頼出来る戦友達との交流を経て、彼らを失いたくないと思うようになる。そして自らが選んだ指揮官の行き着く先を見たいが故にその憎しみは薄れていくのだった。

 

・指揮官へのスタンスは家族で例えるのならお母さん。『イオニア海海戦』ではビンタをして激昂するなど叱る時は叱り、時には手をあげることも辞さないものの、人として危うい面を持つ指揮官を見守っている。

 

・『イオニア海開戦』ではタラント港に殺到する大量の艦載機を迎撃。対空戦闘機の数の有無などの有利性もありタラント港の防衛に成功。友軍の基地の防衛の中心人物となり、更に空母イラストリアスとの世界初の空母対決に勝利したことによって、その名は世界に知れ渡ることに。艦歴には存在しない栄誉を勝ち取ることに成功した。報道では『黒衣の狩人』の二つ名を勝手に名付けられたようだが、本人は少しだけ嬉しそうな顔をしていたという。

 

 

・最近起きた出来事

 マルタ島でのパーティーで多くの男性に胸をガン見され続けたことを仲間に愚痴ったところ、ヒッパーに無言で胸をビンタされ、シュペーは自らの胸を見てため息を吐いていた。

 

 

 アドミラル・グラーフシュペー

 ・重巡型kansen。小柄で華奢な体躯に似合わない巨大な腕型艤装を常に身につけている少女。性格面は指揮官から天使とまで例えられており、シスコンな姉であるドイッチュラントを家族に持つ。

 

・シスコン気味な姉の庇護から逃れて独り立ちするために、そしてグラーフからこの基地に所属すれば何か面白いものが見れるかも知れないと誘われてキール第三基地に配属。交流を経て、自分に優しくしてくれた彼らを守るために、自らの居場所を守るために戦い続けることを決意する。

 

・内心自らは人間ではなく、戦うための兵器であると定義していたものの、サディア滞在を経てずっと身につけている義腕型艤装を外すようになるなど、心境に変化が見られていた。

 

・指揮官へのスタンスはあくまで大切な仲間。しかし、リットリオとの交渉を経て精神的に参っていた指揮官に膝枕を行い、『イオニア海海戦』では海に飛び込んだ指揮官を救うために艤装を放り捨てて彼を救おうとしてマインツに止められるなど、心境にどんどん変化が生じ、マルタ島の戦勝記念パーティーでのダンスを経て指揮官に対し異性として好意を抱いていると自覚することに。とはいえその大人しい性格上大胆な行動はできず、面倒くさい姉の存在もあって内心ヤキモキしているそうな。

 

・最近起きた出来事

 腕型艤装を常時身につけていたせいで駆逐艦達からは怖い人だと思われており、そのことを別艦隊のZ2ゲオルク・ティーレに指摘されて少しショックを受けた。

 

 

 

 

 アドミラル・ヒッパー

・シュペーと同じく重巡型kansen。小柄な体躯であり、姉妹艦と比べて胸がないことを気にしている勝気な少女

 

・どちらかと言えば物静かな性格ばかりの艦隊メンバーの中では最も明るい性格ではあるものの、実際には物静かではあるものの大胆な行動を取りかねない皆に常に頭を悩ませており、いわば部隊のストッパー兼ツッコミ役。通常業務における指揮官の主な秘書であり、指揮能力の低さを補うための学習をサポートするなど文句をいいつつも献身的に指揮官を支えている。

 

・指揮官へのスタンスは家族で例えるなら姉。本人曰く時として最も好き放題する妹であるオイゲンが可愛く見える行動を取りかねないヘルブスト指揮官は放っておけず、何かあれば真っ先に殴ってでも指揮官を止めようとするのは間違いなくヒッパーであると思われる。

 

・『イオニア海海戦』は対空を担当、そしてイラストリアスを亀甲縛りした人物であり、蝶よ花よと育てられていたロイヤル令嬢にイケナイ扉を開かせてしまった。

 

・最近起きた出来事

 鉄血に帰還して以降、久々に出会った姉妹に指揮官への愚痴を話しまくった結果、オイゲンがニヤニヤした目で眺めていたことにヒッパーは気がつくことは無かった。また、姉妹であるザイドリッツがどうやら最近忙しいそうな。

 

 

 

 マインツ

 

・軽巡型kansen。本部直属の人員であり、戦うために遺伝子一つ一つを弄って生み出された特別計画艦。本来であればヴェーザー演習作戦の後に北欧戦線に配属される予定のはずが、作戦中止によってサディアに向かうヘルブスト指揮官をサポートするためにビスマルクの命を受けて一時所属することに。コーヒー好きを通り越してコーヒー狂信者であり、サディアでは通常の数倍以上のコーヒーを飲んでおり、それでいて寝付きは良いので鉄血艦隊の皆から羨ましがられた。

 

 

・あくまで仮の配属ということもあって艦隊メンバーの中では一歩引いた立ち位置に。しかし、だからこそ客観的にヘルブスト指揮官を評価することが可能であり、軍人としては危うい彼がいつか大きな事故を引き起こさないように忠告を与えていた。

 

・『イオニア海海戦』では対空を担当。しかし、彼女の活躍はむしろ戦後処理からが本番であり、鉄血本国につながる大型通信機をサディアに授与や、ヘルブスト指揮官の今後の扱いについてビスマルクに報告するなど裏方として活躍。一足先にサディアから鉄血に渡る使者を護衛するために水先案内人として鉄血に帰還するのであった。

 

・最近起きた出来事

 凄まじい量のコーヒーをサディアより持ち帰った結果、自身の部屋には収まりきらずに途方に暮れていたところ、同じ特別計画艦であり同期のオーディンのアドバイスによってコーヒーの保管のためだけに最近部屋を借りたそうな。

 

 ビスマルク

 

・鉄血の陣営代表。実質鉄血海軍の実働部隊の幹部であり、優れた指導者として国内では圧倒的な支持を。ロイヤルにおいては戦争を引き起こした大罪人として敵意をもって迎えられた女性

 

・何かと騒ぎを起こすヘルブスト指揮官が配属されて以降寝不足に悩まされていたものの、彼らがサディアに派遣されたことによってしばらくの間安眠生活を送ることに成功する。しかし、『イオニア海海戦』が起きてしまい最近はまた催眠時間が削られつつある。しかし、彼女は知らない、ヘルブスト指揮官が重桜の人員を連れて鉄血に帰還しようとしていることを。彼女の安息の夜はしばらくは訪れないようだ。

 

・また、つい最近とある実験を開始したようであり、その結果どこかやつれた様子を見せており、姉妹や幹部からは心配されている。

 

・最近起きた出来事

 ヘルブスト指揮官がサディアに向かった時期は、U-556とケーキを食べる程に心理的余裕が生まれていたものの、秘密実験への参加の影響や、ヘルブスト指揮官が帰還して以降は固形物が中々喉を通らなくなった。

 

 アードラー・プロイセン(14)

・10歳の頃よりキューブ適正を認められ、現在に至るまで片目を失っても戦い続けた、第二遊撃艦隊を率いる眼帯を付けた歴戦の指揮官。現在14歳ながら貴重な主力艦を二隻ビスマルクより任せられるほどの信頼を得ている少年。艦隊メンバーはグナイゼナウ、Z2が初期メンバーであり、後にZ1が加入。とある海戦で勝利を収めた結果更にシャルンホルストが配属され、以後この四人を指揮して遊撃艦隊を率いてセイレーンの脅威に関する火消し役として活躍している。

 

 ・実年齢よりかなり小柄であり、元ネタは別GMのダイスに登場する主人公指揮官。ある意味では前作指揮官枠。遊撃艦隊を率いてすぐさま援軍に向かうという任務に従事しているためか、戦場でキール第三基地の面々と共闘することも。ヘルブスト指揮官のことは口先だけでロイヤルを降伏、足止めに成功した新人として少し注目している。

 

・ビスマルクが最も信頼に値する指揮官の一人として挙げており、本人もビスマルク個人に絶対的な忠誠を捧げている。その鉄血としては安直なことこの上ない名は指揮官となってから名乗り始めた名前であり、本名は不明。そして本人はその名前を捨てており二度と名乗ることはない。

 

・戦災孤児であり、汚水で喉の渇きを癒やし、犬に投げつけられたエサを奪うなど地獄のような日々を送った経験あり。配属直後は不気味な程に模範的であろうと艦隊運営に打ち込み、子供らしさどころか人間らしさすら消失しており、一時期はビスマルクの善意の行動の結果廃人状態に陥ったものの、現在は回復して子供らしい素振りも見せるようになった。

 

 

・ケッコン指輪も送り、家族のような関係となったグナイゼナウ、シャルンホルスト、Z1、Z2との日々を守るために今日も戦い続けている。しかし忠誠を誓うビスマルクがとある実験を開始したようで……

 

・実は彼の存在が鉄血国内での指揮官への待遇面に関してかなり影響を与えており、ビスマルクは今も彼に善意で行った行動を悔やんでおり、そのことがビスマルクの行動原理にも少なからず影響を与えている。善意の行動の結果起きた出来事に関してはいつか描写予定。

 

・最近起きた出来事

ペットのカナリアの『プロイセン』が産んだ卵から雛が数匹産まれており、最近鳥籠の数が増えたそうな。

 

 サディア帝国

 

 ヴィットリオ・ヴェネト

・サディア帝国の陣営代表のkansen。自己主張が控えめな温厚な平和主義者であると同時に、サディア帝国の威光を知らしめるための決して抜かりのない冷徹な国粋主義者の側面をもつ女性。

 

・しかし、サディア帝国に使者として派遣されたヘルブスト指揮官に一目惚れした結果乙女になってしまい、彼の妹の存在の発覚やテルマエ外交を経てどんどん想いは強くなり、『イオニア海海戦』で彼らが祖国を防衛したこともあって想いは固まる。なんとしてでもヘルブスト指揮官を射止めるためにアプローチを行おうとするも、戦後処理の激務の結果遂に彼が帰還するまでまともに話すことはできなかった。しかし情熱の国サディアの陣営代表である彼女が諦めるはずもなく……

 

・『イオニア海海戦』では混迷する戦場にてレッドアクシズの戦士達を鼓舞、更に策略を以てヴィシア聖座を動かすことにも成功しており海戦で大勝利を収める立役者となった、その際の演説は『サディア海軍、全力を以て進軍せよ』というフレーズと共に世界的にも有名となり、彼女もまた本来『タラント空襲』によって敗北する歴史を覆し、歴史にその足跡を残したといえるだろう。

 

・最近起きた出来事

 ビスマルクとジャン・バールに直接顔を合わせて、レッドアクシズ三国会談を行い、国益のためだけではなく、その護衛としてヘルブスト指揮官を呼び込むことでもう一度、彼と再会しようと何度か要請しているものの、スケジュールの都合などで二人に断られては涙目となっている。

 

 リットリオ

 

・ヴェネトの妹であり実質的なサディア海軍の実働部隊のNo.2とも言える人物。趣味はナンパであり飄々とした口調でシニョリーナを惑わす男装の麗人であるものの、祖国のために命を捧げるヴェネトをサポートするために自らが汚れ役になることも辞さない覚悟を持つ。

 

・ヘルブスト指揮官に姉が一目惚れした結果最近胃薬が手放せなくなった苦労人。そのため姉を惑わす鉄血のアホを時折からかうこともあるが、『イオニア海海戦』にて彼らに祖国を救われた結果、内心ヘルブスト指揮官を認めつつあり、彼を『英雄』にすることでレッドアクシズの団結を促そうと行動する。

 

 しかし、その真意は彼を『英雄』にすることで、姉の恋の行方の障害を取り除こうとする意図もあり、今日も胃薬に手を出しながら姉であるヴェネトの恋のサポートを陰ながら行っている。

 

・『イオニア海海戦』ではカブール、チェザーレと共にロイヤルの戦艦ウォースパイトと交戦。傷つきながらもどうにかロイヤル最強の戦艦を足止めすることに、彼女の逃亡を阻止することに成功した。

 

・最近起きた出来事

 鉄血艦隊が帰還した後も有名アマチュア問わずにクイーン・エリザベスを皮肉る風刺画が次々と軍に届いており、いっそ全てを展示する博物館でも開こうか?とカラビニエーレに愚痴っていた。

 

 ザラ

・重巡型kansen。ヴェネトの腹心の一人であり『帝国の懐刀』の異名を持つ。しかしその異名は軍やマスコミが勝手に決めたものであり、本人としては大仰で恥ずかしさを感じている。

 

・主にホテルで滞在する鉄血艦隊の皆の世話役や、彼らと本部を繋ぐパイプ役。そして監視する任務を与えられており、ヘルブスト指揮官に同じレッドアクシズだというのに、完全には信頼できない現状を嘆いていた。

 

・『イオニア海海戦』では妹のポーラと共にロイヤルの重巡ヨークと交戦。ヨークに信号弾を撃たれた挙句、中立地帯への逃亡を許しており、全体では大勝利に終わった『イオニア海海戦』で失態を取り続けたことを今も引きずっている。

 

・最近起きた出来事

 『イオニア海海戦』以降サディア海軍では鉄血ブームが起きており、軍の食堂では毎日鉄血式の食事が出るようになった。

 

 

 ツィトローネ(16歳)

・ヘルブスト指揮官の妹。2年前、当時14歳だった彼女はサディア陣営留学生の青年と恋に落ち、兄であるヴァイスの助けを得て両親を説得し、現在はサディア国籍を得てサディア国民として暮らしている。

 

・どちらかと言えば大人しい性格の兄とは違い、明朗な性格で鉄血時代の友人も多い。兄妹仲はかなり良好だったようであり、再開した際は真っ先に兄に抱きつく程。その後少しの時間ではあるが旧交を温めて、兄妹の絆を再確認すると同時に、妹の生活を守るために兄はサディアを守る決意を新たにするのであった。

 

・『イオニア海海戦』では夫と共に避難に向かう途中、ヴェネトの演説を耳にしており、何故兄が遠路はるばるこの国にやってきたのか。そして兄が今、サディアを守るために命をかけてロイヤルと戦っていることに気がついた。

 現在はサディア帝国の軍人が彼女と夫を陰ながら護衛を行なっているものの、兄のことを心配しつつもごく普通の生活を送っている様子。

 

・最近起きた出来事

 鉄血公国への国民感情が極めて良好になる中、周囲のお隣さん達が鉄血産まれの自分にかなり優しくなった。とはいえ『イオニア海海戦』の話題になるたびに兄のことを思い出し、夫と共にその身を案じる毎日なようだ。

 

 

 

 

 ヴィシア聖座

 

 ジャン・バール

・ヴィシアの陣営代表。国内の分裂による弱体化や宗教を重視する国家であるが故に、教皇より枢機卿である姉に代わり、メルセルケビール海戦以後、凄まじいまでの反ロイヤル感情に支配されたヴィシア聖座の中心を担い、司法、立法、行政を慣れないながらも統括している気性が激しい男勝りなkansen。

 

・レッドアクシズに所属しながらも自国を鹵獲セイレーンで監視をしていた疑惑のある鉄血公国や、セイレーン大戦中のイザコザからサディア帝国との関係も良好とは言えず、そこを付け込まれたゲーム内では真っ先にロイヤルによって事実上壊滅状態に追い込まれ、彼女も本来の歴史であるのなら、集団自沈を命じて果てたはずであった。

 

・今作では本来はサディアの敗北によって戦いが起きる筈もなく、介入しないはずの『イオニア海海戦』にて、深夜にヴェネトの大音量演説によって叩き起こされて、トゥーロン海軍基地の全戦力を国境付近に張り付かせることにより、ロイヤルネイビーの逃亡の阻止に成功。勝利とメルセルケの復讐を果たすも、否応なしにレッドアクシズの戦いにヴィシア聖座は巻き込まれていくのであった。また他の国と違いヴィシア聖座はとある弱点を抱えており、そのことに関してもジャン・バールは悩んでいるそうな。

 

・最近起きた出来事

 海戦の影響で忙しいながらも教会にプライベートで毎週訪れており、疲れた様子で何かを呟いている姿が確認できるそうな。

 

 

 ラ・ガリソニエール

・ヴィシアに所属する軽巡型kansenであると同時に異端審問や処刑の権限を与えられており、砲撃戦の他に処刑用の巨大な斧を使った近接戦の心得もある女性。

 

・気分屋であり、その行動原理は物事を楽しいかどうかで判断をする一見すれば危険な人物といえるが、戦闘狂であっても狂戦士ではなく。その内面はヴィシア海軍屈指の良識人であり、個人としては枢機卿を今も信奉している。『イオニア海海戦』では彼女だからこそ可能な「極めて真面目かつ穏便」な対応がなければ、ロイヤルネイビーの逃亡部隊は海の藻屑と化していた可能性は高かった。

 

・最近起きた出来事

 つい最近セイレーン戦にて近接戦ばかりを楽しんだ結果斧が折れてしまい、もう斧が折れたのはこれで何回目だ、いい加減に近接戦は控えろとジャン・バールに叱られたが全く反省していない。

 

 

 

 

 アズールレーン

 

 

 ロイヤル王国

 

 クイーン・エリザベス

 

 ・鉄血と敵対するロイヤル王国にて陣営代表の地位だけではなく、その手腕をもって議員議席やロイヤル国内で王族待遇を得ている少女。過去に自らが保有するスキル『女王号令』によって、この世界には並行世界が多数存在しており、世界はその並行世界と同じ歴史を歩んでいることを知り、最終的なロイヤルの没落の運命を回避するための『再現』を行うことを決め、ロイヤルの覇権を世界に示すために軍事行動を開始した。

 

・本来の歴史的事象である『タラント空襲』を引き起こすことによりサディア帝国を叩く。そして、国内外に航空戦力の有用性をアピールすることによって、近い将来レッドアクシズに加入する重桜がユニオンに宣戦布告と同時に奇襲攻撃を行う『真珠湾攻撃』を引き起こすことを望み、ユニオンの本格参戦の布石とするために暗躍していた。

 

・しかし、『タラント空襲』は失敗に終わり植民地帝国であるロイヤルにとっての要衝マルタ島はレッドアクシズの手に。まさにロイヤルネイビー設立以来の大敗北に終わり、国内ではマルタ島で捕らえられた捕虜の家族を中心にクイーン・エリザベスに責任を求める声も少しずつ上がっている。

 

・クイーン・エリザベス本人も側近ウォースパイトを失い、大失態に終わった『イオニア海海戦』に頭を悩ませ、数十万人の捕虜を取られつつ、再現史上主義に染まっているロイヤルネイビーは重要な分岐点に立ったといえるだろう。

 

・最近起きた出来事

 徹夜続きやストレスによって完全に固形物が喉を通らなくなり、冷えたスープと紅茶以外は最近口にできなくなった。

 

 

 ウォースパイト

・戦艦クイーン・エリザベスの姉妹艦であり腹心。ロイヤル最強の戦艦と称されるkansen。

 

・サディア帝国の使者として派遣され、まるでサディアを挑発するような言動を連発するが、それは『タラント空襲』を引き起こすための策略であり、本来の歴史であるのならイラストリアスがタラントを火の海にした混乱の最中脱出を行い、イラストリアスと共にマルタ島に凱旋し、女王陛下に勝利の美酒を差し出す筈であった。

 

・しかし、『タラント空襲』が失敗に終わり、急いで逃亡を図るも混乱せずに組織的に行動が可能であったサディア海軍に包囲される。リットリオを中心にした戦艦3隻を相手に優勢で戦闘を行うも時間を稼がれ、結果としてイラストリアスの痴態を見せつけられつつ、マルタ島の陥落と共にヘルブスト指揮官の勧告を受け入れて屈辱的な降伏に同意。

 

 

・現在はサディアの高級ホテルで捕虜とは思えない程の高待遇を受けているが、戦争前とは比べ物にならないほどにその闘志は霧散し、やつれ果て、憔悴している様子。また降伏の際に女王陛下より授かった剣を取り上げられ、よりにもよってサディアが主催したマルタ島の戦勝記念パーティーで展示されてしまった。だからこそ、自らの剣がプロパガンダに利用されたことを彼女が知らないのは幸運といえるだろう。

 

・最近起きた出来事

 今でもあの夜の出来事を思い出す。もっと上手くやれたのではないか?と自責の念に染まった彼女は、今日も亡者のように捕虜生活を送っている。

 

 イラストリアス

・ロイヤルネイビーの空母型kansenの一人。幹部の一人でありロイヤルネイビーでもかなりの発言力を持つ貴族待遇の爆乳の女性。緊急避難とはいえヘルブスト指揮官が初めて口づけを交わした相手でもある。

 

・国のためなら全てを犠牲にしようとする陛下の覚悟を知り、ロイヤルの未来のために『タラント空襲』を引き起こし、史実では圧倒的勝利を収めた彼女であったが、この世界では『黒衣の狩人』によって阻止される。その後、世界初の空母対決にたった一隻ながらも挑み、ヨーク脱出の時間稼ぎのために奮戦するも、最後は敗北してしまう。本来は英雄となる筈であった彼女は、卑劣な奇襲を阻止されて敗北した挙句に虜囚となり、世界に恥を晒した愚者としてその名が世界に知れ渡ることになってしまった。

 

・また、ヘルブスト指揮官に救出され、ヒッパーに縄で強く亀甲縛りにされた結果何かに目覚めてしまったようで、現在は鉄血の指揮艦の捕虜室で本国に向かっている途中ではあるが、時折喘ぐような声が聞こえてきており、鉄血艦隊の皆はイラストリアスへの接触を色々な意味で最低限にして世話をマンジュウ任せにしているようである。

 

・最近起きた出来事

 今でもあの夜のことを思い出す。その度に身体は熱くなり、自らの身体をぎゅっと抱きしめる。今日も彼女は夜に時折嬌声をあげながら捕虜生活を送っているようである。

 

 ヨーク

・重巡型のkansen。イラストリアスよりサディアが牙を剥いた瞬間に信号弾を放つように命令を受け、『イオニア海海戦』開始の合図を掲げた。

・本来であれば勝利するはずの空襲は失敗し、ヨークはサディア軍に包囲される。それでも時間稼ぎのために奮戦するイラストリアスとウォースパイトの遺言を家族に伝えるために生き恥を晒してでも生き残ろうと、武装の多くを放棄しながらひたすら逃亡を続けて、スエズ運河への逃亡に成功。見事その役目を果たし、情報を持ち帰り、最後の言葉を伝えることに成功した

 

・余談ではあるが本来は中二病とも評される台詞がデフォルトである彼女であるが、原作ダイスに於いてはGMも頭を悩ませたようで、最終的には謝罪の上でヨークが標準語オンリーになったエピソードも存在していた。

 

・最近起きた出来事

 彼女の人生で最も辛いと断言できたエピソードは、ユニコーンにイラストリアスの最後の言葉を伝えた際の出来事であったという。

 

 

 

 ラムリー・リスター少将

・マルタ基地海軍の副司令であり、史実では地中海艦隊の司令官を務め上げ、海軍元帥にもなったアンドルー・カニンガム中将の副官。キューブ適正はなく、『再現』というオカルトにロイヤルネイビーが染まり、その結果マルタ島が陥落する事態に繋がったために、彼はクイーン・エリザベスに怒りを隠せなかった。

 

・カニンガム中将の命を受けて夜間のヴィシア領海を進み、どうにか本国に帰還しようと離脱艦隊の指揮を執るも、運悪くヴィシア艦隊と遭遇。降伏を決意することで敗軍の将になるも、多くのロイヤルネイビーの軍人達の命を救う決断を行うのであった。

 

・元ネタは史実イラストリアスの艦長。本来の歴史、kansenが登場しない史実においては『タラント空襲』の発案者の一人であり、たった一隻の空母でイタリア海軍を行動不能にした彼は、皮肉にもこの歴史においては自らが遠い世界で企画した空襲計画に反発し、振り回されることになってしまう。その性格は温厚かつ穏やかで部下思いな人柄として知られており、だからこそ彼は部下や国民をオカルトで危険に晒したクイーン・エリザベスや、それを支持する上層部に反発するのであった。

 

・現在はヴィシア聖座にてサディアより護送されたカニンガム中将と共に、一般兵と同じく捕虜収容所で過ごしており。捕虜の待遇改善や捕虜の暴発を防ぐために身を粉にして働いている。

 

・最近起きた出来事

 同じく行動を共にしていたオーロラ達の姿を全く見かけなくなり、彼女達は無事なのか?と心配している。

 

 

 

 北方連合

 

 北方連合指揮官(20)

・国内がセイレーン塗れとなっている北方連合に所属する指揮官。真っ先に赤軍として革命に参加した海軍軍人を祖父に持ち、キューブ適正を持つ父親の血を引いた軍人家系出身。コミュニズムを信奉しており、北方連合では『英雄』を演じ、共産党に奉仕を行う模範的な北方連合軍人として宣伝され、人民のための希望の星となっていた。艦隊メンバーは初期にパーミャチ・メルークリヤにタリン。後に英雄としてプロデュースをするためにソビエツカヤ・ベラルーシアが着任。メルクーリヤの妊娠を経て一時戦力に穴が空いたために、英雄である指揮官をカッコいいと慕っていたストレミテルヌイが新たに配属された。

 

・妻であるパーミャチ・メルクーリヤと結婚済みであり、現在は一児の父。kansenと指揮官の素質を受け継いだ北方連合初のハーフの息子を気にかけており、最早指揮官となる道しか残されなかった自分以上に我が子がごく普通の人生を歩めないという未来を思い、罪悪感を感じており、現在は最前線のシベリア戦線配属が決まっている。

 

・妻であるパーミャチ・メルクーリヤとの関係は極めて良好でベラルーシア曰くバカップル。ベッドの上では常に妻の胸に甘えており、もし妻に甘えることができなければとっくの昔に自分はプレッシャーに押しつぶされていたと口にしている。

 

・元ネタは同作者の北方連合ダイスの主人公。パーミャチ・メルクーリヤに一目惚れされてアプローチをかけられ、甘やかされて陥落しており、作中内でメルクーリヤは妊娠していた。北方連合で英雄としてのレールが敷かれた人生を歩むも、妻だけは自分で選ぶことができた人物であり、ただひたすらに他の選択肢に逆らい、メルクーリヤをただ一人愛し続けた。

また、鉄血の指揮官と比べると国内限定の英雄であり、本名ではなく偽名で讃えられているなど差異が存在している。

 

 

・最近起きた出来事

 僕の嫁と息子が可愛い過ぎる。

 

 

 

 パーミャチ・メルクーリヤ

・kansenが登場した黎明期に誕生し、近代化改修を受けつつ、戦死者も多数存在していた地獄の北連戦線を今まで戦い続けた北方連合の重鎮。『重桜海海戦』や『北方革命』など数々の歴史的な事象に関わっており、アヴローラと同じく陣営代表ソビエツキー・ソユーズが敬語で接する数少ない人物。

 

・本編開始の一年程前に配属された新人指揮官に一目惚れしてしまい、現在では一児の母に。慣れない育児と軍務を両立しながら、家族の未来のために一人で抱え込み、悩む夫を支え続けた。

 

・指揮官が甘やかしプレイに目覚めた元凶であり、初夜以降は恋人ではなくセフレとして指揮官を甘やかし続け、正式に恋人となって結婚した後もほぼ毎日赤ちゃんプレイで甘やかし続けた結果、真面目な好青年だった旦那の性癖が最早取り返しのつかない程に歪んでしまった。

 

本人曰く

 

「反省はしてるけど基本おっぱいばかりでオムツとかそういうことは要求してこないから良いかなって。というか、そもそもクーちゃんに甘えてくるダーリンが可愛過ぎるのが悪いのよ!」

 

と口にしながら今日も旦那を甘やかしているそうな。

 

 

・最近起きた出来事

 私のダーリンと息子が可愛い過ぎる。

 

 

 

 重桜

 

 明石

 ・重桜海軍所属の工作艦であり、同時に商船団のリーダーでもある人物。重桜が本格的に他国と交戦してないのをいいことに世界を股にかけて今日も商売に勤しんでおり、品質と口の堅さによってアズールレーン所属国家だけではなく、サディア帝国やヴィシア聖座とも少数ながらも取り引きの経験があるとされている。

 

・『イオニア海海戦』に巻き込まれてしまい、サディア軍に拘束。更にマルタ島陥落によって最大の顧客の一つであるロイヤルとの取引が困難となるも、即座に明石はレッドアクシズの代表である鉄血公国との取引を計画。滞在していたヘルブスト指揮官達を説得し、利益のために鉄血公国に向かうことに。

 

・商船団の設定は本小説のオリジナル。また、ゲーム内に於いてもセイレーン作戦にて、国境なきセイレーン作戦出張所にて陣営問わずに商売に勤しんでいるようではあるが、どうやらこの出張所にはバックにとある人物が関わっていることが示唆されているが……

 

・最近起きた出来事

リットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃリットリオ怖いにゃ……!!!

 

 

 

 

 セイレーン

 

 ピュリファイヤー

・全てにおいて不明な存在。ヘルブスト指揮官達にサディアに行けば何かある。そして、その事象に関してはセイレーンはレッドアクシズの部隊を襲わないと口にしていたが、事実『イオニア海海戦』では一切セイレーンが出現することはなかった。何かを画策しているようではあるが、指揮官はもしやピュリファイヤーはこの戦いを予知していたのではないか?と警戒心を露にしている。

 

・また本作では独自の設定としてオブザーバーではなく、テスターがビスマルクとファーストコンタクトを果たしており、その際にビスマルクは未来を変えるために『何か』をテスターから受け取っている。

 

 ・最近起きた出来事

 とある指揮官により一層興味を持ったようであり、近々接触を図ろうとしている。

 

 

 

 

 

本作での時系列

 

1582年

・本能寺の変によって天下統一に迫った織田信長が明智光秀の謀反によって自害する。蒼龍のキャラストーリーによれば重桜は戦国時代は史実通りの流れを辿っていた。しかし、設定資料によれば鎖国体制を解除したのはセイレーンが出現した時期であり、50年ほど長く鎖国しており、また鎖国体制を解除したのも徳川幕府ではなく当時の巫狐であったようで、戦国時代から鎖国体制解除までの流れに明確な史実との差が存在しているようである。

 

 

1890〜1900年前後

・人類種の敵であるセイレーンが出現。世界各国が未知の生命体との戦いによって海路、沿岸都市がズタズタにされるなどの打撃を受ける中、当時の巫弧が鎖国政策を解除して、ミズホの神秘と呼ばれる独自の自然との交信の結果、動物上の身体的特徴を身につけた人々が暮らす謎に包まれた国家『重桜』が歴史の表舞台におよそ250年振りに出現し、世界に衝撃を与える。

・同時期に発見されたキューブによって人型兵器kansenが誕生。対セイレーン国際防衛組織アズールレーンが結成され、長きにわたる戦いが始まる。

 

 

1904年

・史実の日本海戦とは違いアヴローラ、三笠達重桜・北方『帝国』の2カ国による共同作戦によって、セイレーンの大攻勢を重桜海地域で食い止める。

・この時指揮を取った重桜軍人、荒々しい山羊のツノを頭に生やしたトーゴー提督は後に『我が国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ』とZ旗を掲げて指揮を執り、セイレーンの大艦隊を相手に圧倒的勝利を収めた結果、世界三大提督の一人として名を連ね、鎖国状態であり謎に包まれていた重桜の力を世界に示したとされている。

 

1915年

・北方連合指揮官の父親が着任、この時期の北方連合ではセイレーンの出撃数、要塞の数はねずみ算式に増えていった。

 

1918年

・北方革命が勃発、内戦の結果短期間のうちに皇帝一家はロイヤルに揃って亡命し、革命政府は政権を握り帝政が打破される。同時に各国は素早く北方連合の成立を認めるも、共産主義という新たなるイデオロギーに脅威を抱き、国内の共産主義者の弾圧が始まる。

・また、この革命で真っ先に赤軍として参加した将校の一人が北方連合の指揮官の祖父であった。

 

 

1920年

 

・鉄血指揮官ヴァイスクレー・ヘルブスト及び北方連合の指揮官が誕生。

・フランクフルトにて誕生した鉄血の指揮官の幼少期は特筆事項は無し。セイレーンの脅威が続く鉄血においては内陸部の大都市出身ということもあり比較的幸運な幼少期を過ごす。

・キューブ適性を持つ指揮官と一般人の女性との間に産まれた北方連合指揮官は、次男ではあるが三兄弟の内唯一キューブ適正を受け継いだために、産まれた瞬間から指揮官となる道を定められた。

 

 

 

 

???

 ・ロイヤルの陣営代表クイーン・エリザベス、女王号令のスキルによって並行世界の観測と配下のkansen達の艦歴の修復に成功、いずれ起こる戦争とそれに伴う没落の未来を回避するために動き出す。

 

 ・鉄血の陣営代表ビスマルク、人型セイレーンのテスターと接触。ロイヤルによる破滅の未来を回避するために黒いキューブなどの技術提供を受け、破滅の未来を回避するべく動き出す。

 

・北方連合にて未知のデータが多数存在する秘密海域が発見される。その後北方連合にて鉄血とはテクノロジーが少し異なる生体艤装が開発されるも、アズールレーンのその他国家を刺激しないために現在に至るまで秘匿されていた。

その徹底振りは凄まじく、特に支援物資を提供するロイヤルなどのアズールレーン国家へのホスト役として、主に生体艤装を装備していない旧式艦であるアヴローラに担当させていたという。(凛冽なりし冬の王冠プロローグ)

 

 

 

1920年代

 ・主要航路の大部分の奪還とセイレーンの出現頻度の低下によって、アズールレーンに所属せずに闘い続けてきた北方連合は猛反対するもセイレーン大戦の終結宣言。同年軍縮条約により各国のkansen保持数に制限、予備役とするワシントン軍縮条約が締結される。

・また無人艦の研究が実を結び、各国では有人艦から無人艦+kansenがセオリーになっていく

 

・同時期に重桜にて重鎮であった戦艦天城が戦艦加賀との一騎打ちの数日後、息を引き取る。彼女の死に多くの人々は悲しみ、後を引き継いだ空母赤城は姉の願いである重桜の未来のためにその身をカミに尽くす決意を固める(『縹映る深緋の残響』)

 

・この時期に鉄血がセイレーン技術の積極的な研究を提案するもロイヤルを中心にした各国によって却下され、溝は深まっていく。

 

・同時に北方連合は他国の支援を受けつつも単独でセイレーンの脅威と戦い抜くべく、軍縮条約の脱退を宣言して大祖国戦争宣言。セイレーンの影響が及ばない内陸部での無人船建造ドッグや集団農場のために、人民の強制移住なども含めた強権的な政策は他国に批判されるが、後の歴史学者は口を揃えて、この時点で決断しなければ北方連合は現在地図には残っていなかったと記している。

 

1930年代

・ついに鉄血公国はレッドアクシズを結成。サディア帝国と共にアズールレーンを離脱して緊張状態に。同時期に国防上の観点から北方連合がアズールレーンに正式加入。

・アイリス国内ではレッドアクシズ派とアズールレーン派との対立が深刻化に

・同時期にセイレーン大戦以後減少傾向にあったセイレーンの出現数が徐々に増大していく。

・ロイヤルと鉄血の溝が深まる中、ソビエツキー・ソユーズの外交政策の成果の結果、各国から数隻の新型kansenが派遣されることに。ムルマンスク、タシュケント、タリンは以後北方連合に帰属する。

 

1936年

・第二遊撃艦隊指揮官、アードラー・プロイセンが着任。同年ビスマルクの『善意の行動』の結果一ヶ月間まともに戦えない廃人状態と化すも、グナイゼナウ達艦隊のメンバーによって立ち直る。

 

・その後、幼い指揮官の身に起きた悲劇を考慮しつつもビスマルクの軍事改革は進んでいき、現在では余程のことがない限りは民間人の死傷者が出る前にセイレーンに対応が可能な防衛網の構築に成功する。

 

・条約によりスエズ運河及びパナマ運河を国際運河として中立武装地域に。ただし運河の領有権は変わらず、スエズ運河をセイレーン大戦以後も強引に人類の要衝の保護という名目によって駐留をし続けるロイヤル王国と保護国であるナイル政府(エジプト)との対立は強まっていく。

 

・同時期に各国ではkansenの研究が進んだ結果人為的に遺伝子情報を操作することによって、より対セイレーンに特化したkansenを生み出す研究が開始。ロイヤルのモナーク。アイリスのサン・ルイ、鉄血のローンと少しずつその成果は出始め、この時期に鉄血では初の国産空母kansenのグラーフ・ツェッペリンが誕生する。

 

1938年

・鉄血指揮官の妹であるツィトローネ・ヘルブストが結婚と同時にサディアに移住。この頃から鉄血指揮官は親サディアの側面を見せることになる。

・鉄血内にてマンジュウの開発に成功。

 

 

 

1939年

・北方指揮官着任。その数ヶ月後ソビエツカヤ・ロシアも所属する父親の艦隊が人型セイレーンであるエクセキューター級3隻を中心とした大艦隊に襲われるも、救援に向かった指揮官達の決死の奮戦によって脱出に成功して事なきを得る。その結果ソユーズはその成果をプロパガンダとして国内に広め、彼に『あなたには英雄になってもらう』と肩を叩く。

 

・同年一目惚れしたメルクーリヤのおっぱい甘やかし電撃戦によって遂に指揮官は陥落。当初はセフレからの関係として始まるも、やがてデートを重ねて恋仲となり結婚。

 

・アイリス教国において政治的クーデターが発生、ロイヤル派である枢機卿率いる勢力は信奉する多数の国民・軍人と共にロイヤルへ。国内は親鉄血派のヴィシア聖座が握り、レッドアクシズ加入への動きを見せていく。

(光と影のアイリス前日談)

 

 

 

1940年

7月

・『メルセルケビール海戦』勃発

レッドアクシズとアズールレーンの初の戦闘はロイヤルネイビーの勝利に終わり、同日自由アイリス教国の建国が宣言される。この戦闘によりヴィシア聖座は正式にレッドアクシズの加入を宣言し、世界屈指の反ロイヤル国家となっていく。(光と影のアイリス、及び帰路は海色の陰りへと)

 

 

8月

・メルセルケビール海戦の結果ビスマルクは北欧戦線を作り出すヴェーザー演習作戦の遅延を決意。特別計画艦の研究を最優先とされ、マインツ、オーディンが誕生。

・鉄血指揮官着任。着任当日ロイヤルのグラーフツェッペリン暗殺特務部隊、キール第三基地艦隊、セイレーンとの三つ巴の戦いである『バルト海海戦』が勃発。最終的に勝利を収めた鉄血はロイヤルの五人の捕虜を獲得するも、導火線に火をつけることを両国は望まずに秘密裏の戦いとして闇に葬られた。メルセルケビール海戦以後に続く睨み合いによる小康状態をロイヤルではファニー・ウォー(まやかしの戦争)、鉄血ではジッツクリーク(座り込み戦争)と後に呼ばれることになる。

 

・『レス島防衛戦』及び正式にヴェーザー演習作戦の無期延期が確定する。同時に非公式ながらセイレーンの人型であるピュリファイヤーとヘルブスト指揮官との会談が数回行われた。

 

 

10月

・サディア帝国による大規模なセイレーン前哨基地の攻撃が実施。ビスマルクは鉄血艦隊の派遣を決定し、空母グラーフ・ツェッペリンを中心とした部隊が派遣されることに。史実ではこの派遣は行われておらず、歴史が少しずつ史実から解離していく。

・救援艦隊としてキール第三基地の面々はマインツを加えてサディア帝国へ。ビスマルクの40日以上にも及ぶ連続残業、不眠記録が途絶える。

・パーミャチ・メルクーリヤ出産。北方連合初のkansenと指揮官のハーフの男児が誕生する。

 

11月

・『イオニア海海戦』が勃発。史実とは違いタラント空襲を鉄血艦隊が防ぎ、ヴィシア艦隊が介入した結果、ロイヤルネイビーは歴史に残る大敗北を味わい、ウォースパイト、イラストリアスと共にマルタ島は数十万人の住民ごとサディア帝国の手に。

 

 

 

 戦いはまだ終わらない。しかし、地中海を舞台にしたこの海戦は水に投げ込んだ石のように大きく波紋を作り出し、世界に影響を与えていくことを彼らは知らないのであった。

 

 

 

 




 ・重桜
 重桜は英語名ではサクラエンパイアと呼ばれており、作者も重桜皇国を正式名称としようとするも、公式設定本によれば国家の指導者は「カミ」であり、その「カミ」より神託を受けた巫狐が国家権力の中枢。それらを政府に属する人間が統治するロイヤルと同じく立憲君主制らしき政治体制と描かれている。

 しかし、「カミ」あの「現人神」では無い様子であってこの世界の重桜には現実の「現人神」に変わって宗教的指導者が巫狐(巫女など様々な評価がされるも今作では巫狐で統一)となっており、本当に「現人神」……天皇陛下や皇族が存在するかどうかは伏せられている。その為に今作ではあくまで国内表記は重桜に固定される事に。メタ的に言えばゲーム内に現実世界の皇族を示唆する事を描く事などは菊タブースレスレであり、巫狐であり象徴である長門が史実の天皇陛下のような立ち位置になっていると予測される。

 余は長門、考察すれば教皇より三権を任されているとされる枢機卿と並んで、陣営代表どころか国を左右するめっちゃ偉い人物になってしまった長門である。



・番外編について
次回から始まる新シリーズはヘルブスト指揮官の活躍と同時に国際情勢が動くパートも多くなり、他国を描写する番外編パートが多くなる予定

章のタイトル名は「指揮官○○○○○○編」

『イオニア海海戦』によってロイヤルが敗北し、歴史が崩壊したこの世界。更なる変革の道を進む世界にヘルブスト指揮官は巻き込まれている事に……

 次回は鉄血に帰還する指揮官と道先案内を担当しているザラのお話。新たな章が開始する中、それまでの疑問点や質問などがあれば感想欄でお答えしますので気軽に疑問などを描いて頂けると幸いです、コメント、感想、評価をお待ちしております。

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