鉄血の旗の元に《完結》   作:kiakia

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番外編 第十話 情勢説明鉄血編 禁断の力は祖国の為に

 むかしむかし、ある所にごく普通の少年が住んでいました。

 

 鉄血公国の小さな漁村に住んでいた少年は幸せな日々を過ごしていました。父親は地主であり、母親は料理上手。頼りになるお姉ちゃんにお兄ちゃんに、可愛い妹。毎朝温かな部屋で目を覚まし、優しい家族と共に過ごし、夜は温かなスープと白いパンを食べながら笑い合い、ふかふかのベッドで眠りにつく日々。こんな毎日が続いていき、いずれはお父さんのように働いてみたい。そう願いながら健やかな日々を送る毎日。

 

 

 しかし、そんな日常はある日突然終わりを迎えました。気がつけば少年の家は轟音と共に崩壊し、目の前には砲撃によって手足が吹き飛びぐちゃぐちゃになった優しいお父さんだった肉塊、兄弟達の姿は見えませんでしたが、泣き叫ぶ母親と何か肉が焼ける匂いがしたことが今も少年は忘れられません。

 

 

 それが、人類種の敵であるセイレーンの襲撃が原因であると少年が知ったのはずっと後のことです。少年の幸せな日常はあっという間に崩壊して、漁村は全て炎の中に消えていき、少年は怪我によって片目の視力の殆どを失ってしまいました。生き延びたのは小さな妹と、お母さん。しかし、お母さんの性格はその襲撃によって大きく変わってしまいました。

 

 

 

 

 お前はなんで生きている?

 

 

 お前を見るとあの日の夜を思い出す。

 

 

 死んでしまえ。

 

 

 

 

 それらは全て、家族を失った母親のヒステリーだったのでしょう。家を失い、内陸の片田舎に移り住んだ三人家族の生活はとても豊かとは言えず、母親は内職で家族を支えようとしましたが徐々にストレスが溜まっていき、少年は八つ当たりのように毎日罵倒され、時に殴られることもありました。

 

 しかし、少年は仕方がないことだと諦めていました。母親が暴力を振るうと決まって翌朝には泣きながら謝罪を行い、もうこんなことはしないと抱きしめる。少年は既に母親の精神が限界を迎えていることを幼いながらも理解してしまい、せめて、妹にその暴力が向かないことに感謝をしていたのです。

 

 生活は日々困窮していき、少年は必死で母親を支えようとしましたが、弱視で幼い少年の働く場所など殆どなく、セイレーンの襲撃の影響により、物資の困窮の波は内陸部にまで広がっていき、2日に一度食べられたパンは3日に一度に。母親のヒステリーもどんどんと酷くなり、少年は辛い日々を送ります。

 

 

 

 

 ある日、少年は母親に連れられて田舎を出ます。電車に乗り、母親に連れられてやってきたキールという街は鉄血海軍の本拠地があるらしく都会であり、少年は見るもの全てが新鮮なのでした。

 

 何よりも嬉しかったのは、その日の母親はとても優しかったということです。クッキーやキャンディを買っては少年に与え、ニコニコと優しく少年の頭を撫でます。少年は少し疑問に思いつつも、優しいお母さんが帰ってきたと喜び、田舎に残してきた妹にもこのクッキーを食べさせてあげたかったと少しだけ残念そうな顔をしていたそうです。

 

 

 

 お昼は何が食べたいの?

 

 

 

 少年に笑顔の母親は問いかけると、少年はリンゴが食べたいと口にします。少年は昔からリンゴが大好きでしたが、村が焼けてからは一度も口にしていませんでした。

 

 公園のベンチに座って待っていると、母親はリンゴがいくつか入った紙袋を少年に持っているように伝えます。そしてこう口にしました。

 

 お母さんは今から用事があるから少しだけ待っていて欲しい。ちょっとだけ時間がかかるけど夜までには戻るから。待っている間りんごは全部食べていていいからね?

 

 少年は頷きます。母親の背中を見ながらリンゴを一つだけ食べました。とても美味しかったです。ですが残りのリンゴは紙袋にしまって待っていました。この美味しいリンゴは家に帰ってから妹にも母さんにも食べさせてあげたいから。家族みんなで久々にリンゴを食べようと思い、笑顔でお母さんの帰りを待ちました。

 

 しかし……母親は夜になっても帰ってくることはありませんでした。リンゴを草むらに隠してベンチで眠り、また起きては母親を待つ少年。しかし3日も経つと少年は全てを察してしまいました。

 

 

 

 

 

 僕はお母さんに捨てられたんだと。これからは一人で生きなければいけないんだと。

 

 

 

 

 冷静に少年は状況を把握してしまいました。もしくは、諦観によって全てがどうでもよくなった結果なのかもしれません。

 

 あの日、母親が上機嫌だった理由は想像ができますが、ならこのリンゴはいったいなんなんだろう?別れ際のせめてもの餞別なのか、それとも罪悪感故のものなのか?少年には分かりませんでした。ただ、残ったリンゴの味は何故か塩辛く、最初に食べたものよりも美味しくないと感じてしまうのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、たった一人で少年は一ヶ月間も生き延びました。寝るときはボロ布を身にまとい、ゴミを漁り、犬の餌を奪って食べることもありました。仕事もなく、空腹のあまり盗みを働いて殴られたこともありました。少年は未だにコーヒーは好きではありません。泥水を飲んで腹を下した経験を思い出すからです。

 

 当時七歳であった少年は誰かに頼るという考えは頭にはありませんでした。もし、警察に声をかければ。もし、巡回する軍人に声をかければ、少年にはまた違った未来があったのかもしれません。

 

 しかし、一度親に捨てられた少年には誰かを信じるという選択肢はなく、生きるためには自分以外に頼れるものはありません。少年が一ヶ月間も生き延びたのは奇跡といえるでしょう、何故生きているのか、何のために生きているのかも分からず、ただ生きるために必死で足掻いた少年はやがて痩せ細り、服は汚物に塗れ、弱視はさらに酷くなり、少年の命は最早限界を迎えつつありました。

 

 

 

 

 

 

 母親に捨てられてから一ヶ月程がたったとある日。その日の夜は雨が降っていました。ボロ布はびしょ濡れになって体温を奪っていき、もう五日近くなにも食べていない少年の意識は朦朧としていました。

 

 石でネズミを殺して食べようとしましたが、ネズミは素早くて狙いを定められません。拾った缶詰めの容器で水を飲みましたが、水だけを飲んでもお腹は膨れません。

 

 高熱にうなされて意識は朦朧としながらボロ布を纏って深夜の夜を練り歩く少年の姿は浮浪者、いや幽鬼のような何かでした。道ゆく人の中には時折少年を見つめる人もいますが彼らは不気味な少年を声をかけません。関わりたくも無いのでしょう。それは人にとって当たり前の選択でしょう。そして歩き続けた少年は疲れてしまい、路地裏で倒れ込んでしまいました。

 

 

 

 あぁ、僕は死ぬんだろうな。

 

 

 

 少年はもうそれでもいいと思う程に生きることに疲れていました。盗むことへの罪悪感に、空腹と腹痛に悩まされる毎日。こんなことになるなら母さんは、村近くの森で僕を捨ててくれれば良かったのにと少年は呟きます。

 

 母親がここまで少年を街に連れて来たのは森で獣に食われるよりはという慈悲の心だったのかもしれません。或いは周囲に噂を立てないために、子供が行方不明になったと村で判明しても、絶対に見つからないようにするために、ここまで連れて来たのかも知れません。

 

 しかし、少年にとってはもはや関係ありませんでした。体温は奪われ、空腹で腹は鳴り、汚物に塗れた少年は薄れゆく意識の中、最後にせめて妹の無事を祈りながら……ゆっくりと目を閉じるのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「良かった……気がついたようね」

 

 

 

 

 

 

 しかし、少年が次に目が覚めたとき。辺りは路地裏ではなく、白く清潔な部屋に変化していました。ふかふかのベッドの上で目覚めた彼の着ていた衣類は清潔なものへと変化しており、ここが天国なのかな?それとも夢なのかな?と少年は混乱してしまいます。そんな少年のすぐそばで、金髪の女性は安堵した様子で語りかけます。

 

 綺麗な人だ。少年は正直にそう思いました。黒い衣服に身を包み、帽子を頭に被った長い金髪を肩まで伸ばした美女。青い瞳で少年を見つめる目には敵意や訝しさもなく、ただ心配した様子が感じられ、本来警戒しなければいけないというのに少年は彼女にどこか安心感を覚えてしまいます。

 

 

「最近キールの街で噂になっていたわ。ボロ布を纏った幽霊が犬の餌を食べているって……最初は噂話か何かだと思っていたけど、それは貴方で間違いないのね?」

 

 少年は頷きます。

 

「……ごめんなさい。失礼なことを聞くけど貴方に家族はいるのかしら? 」

 

 いました。でも村が焼けて母さんに……そう少年は短く呟くと、ビスマルクは深いため息を吐き出します。

 

「貴方は付近を巡回していた軍人に見つかって、ここまで運び込まれたのよ。もっと早くここに来てくれれば……もっと早く警察や軍に頼ってくれれば……」

 

 疲れた様子でうつむく彼女を見て、少年は思わず謝罪します。同時に少年は過去に自分が盗みを行ったことも彼女に話すと、彼女は少年を糾弾することもなく、ただボサボサになった少年の頭を撫でました。

 

「……気にしなくてもいいわ。もし盗んだ店に目星がつくのなら後で教えて頂戴。強制するようで申し訳ないけど、貴方にはここで2〜3日過ごしてもらった後、国の経営する孤児院に移ってもらいます。贅沢はできないけど、きっと前よりはマシな生活を送れるはずよ」

 

 こじいん?と少年は聞き慣れない単語に疑問に思ってしまいますが、そんなことは今はどうでも良いと感じてしまいました。優しく、慈しむように頭を撫でてくれる金髪の女性。こうして頭を撫でられたのは村を焼かれて以来で……少年はどこか懐かしさを感じてしまいます。

 

 

 

 

 ──今までよく、頑張ったわね。

 

 

 

 

 そう、女性に……鉄血の陣営代表であるkansen、ビスマルクに優しい言葉をかけられながら頭を撫でられた少年は、村を失って以降、そしてあのリンゴを食べてから、決して流すこともなかった涙を流しながら恩人であるビスマルクに、ありがとうございます……と掠れた、小さな声で呟くのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 その後についてはあまり語ることはありませんでした。少年はその後、身体検査の結果キューブ適正が発覚し、孤児院ではなく軍の施設で指揮官となるために教育を受けることを希望しました。

 

 適正が認められて以降、血の滲むような努力を少年は続けていき。普通の子供が数学を学ぶ時間に戦術を学び、普通の子供が遊ぶ時間に戦史を学び、普通の子供が寝る時間になっても彼はただひたすら勉学に励みます。

 

 そのようなことは本来であれば認められる筈はありません。ロイヤルやユニオンであれば15歳未満の少年を指揮官にしてはいけないという規定も存在しており、その他の国も規定こそ存在しませんでしたがどれほどまでに若い指揮官であっても18歳以上の年齢ばかりです。

 

 しかし、当時の鉄血には余裕がありませんでした。レッドアクシズ成立の宣言の結果アズールレーン所属国家からは経済制裁を受けており、その直後に世界中で再活発化したセイレーンによって鉄血の航路はズタズタにされ、国家は困窮しつつあり、当時のビスマルクは起死回生のための軍政改革の真っ最中であり、少しでも戦力を欲していました。

 

 鉄血公国は軍の主力となりつつあるkansenの指揮を行うキューブ適正者、指揮官を鉄血は求めていたのです。新任指揮官を選抜するために国中では少しずつ検査が行われつつあり、軍に志願した指揮官候補生は三年後、キールに集います。

 

 男女の区別もなく、貴族や平民や年齢も関係なく集められた数人の候補生達。しかし、その中でも一際目立つ人物が外見も出自も異彩を放った十歳の小柄な少年でした。

 

 

 

「私が艦隊を運営し君たちを指揮することになる、アードラー・プロイセンという者だ。以後私のことは指揮官と呼ぶように。よろしく頼む」

 

 

 自らの指揮官は優秀な成績を収めて上層部の薦挙を得て選ばれた人物である。そう、kansenグナイゼナウとZ2ゲオルク・ティーレは話を聞いていましたが、思わず面食らってしまいます。

 

 

「年齢は十歳。その年齢故に不安に思うだろが、異論があるというのなら三日以内に異動届けを提出してほしい。それでは執務がある故に退出してほしい。何か業務について質問があると言うのなら答えよう」

 

 

 目の前の黒い眼帯を身につけた少年の顔立ちは厳しく、10歳とは思えない程に険しい物でした。値踏みをするように二人を見つめておりフレンドリーな様子はカケラもありません。動作や言動に至るまで全てにおいて、まるで鉄血の教本から現れたかのような人物だというのに、見た目はその年齢以上に小柄でぴっちりと黒い軍服を身につけた少年。アンバランスな様子にグナイゼナウ達は驚きを隠せません。

 

 少年は指揮官となると決めたその日、自らの全てを捨て去りました。本来の名前を捨て、その過去を捨て、ただ自らを救ってくれたビスマルクや鉄血海軍に忠を尽くすために。全ては理想的な指揮官となるために全てを捧げ、優秀な成績故に主力艦の一人である巡洋戦艦グナイゼナウを指揮する権限を与えられます。

 

 しかし、自分は模範的でなければならない、自分は軍に忠誠を誓わなくてはならない。でなければ自分に価値はなく、ビスマルク様に恩を返すこともできない。そう心に秘めて努力を続けたのです。あの地獄のような日々と比べれば彼は幾らでも自分を追い込むことができ、貪欲に知識を求め、理想的な指揮官となるために死に物狂いで学び続けました。

 

 

 結果、少年は優れた能力を代償に子供らしさを。人間らしさを捨て去り。過去の自分の全てと決別することにより、どこまでも模範的かつ理想的で優れた指揮官が誕生するのでした。

 

 

「指揮官は何故、戦うのですか?」

 

 

 少年が指揮官として配属されて数日後、秘書として彼をサポートするグナイゼナウはコーヒーを差し出しながら質問します。

 

 

「私は、指揮官でなければ生きる価値がないからだ」

 

 

 書類を片手に絶句するグナイゼナウの顔を見ることもなく、彼は当然のように呟きます。その会話を最後にグナイゼナウと少年は話すこともなく。その日の執務の終了まで黙々と作業を続けるのでした。

 

「私はコーヒーが苦手でな。更に秘書としての業務には飲食物を上官に差し出すという業務は存在しない。グナイゼナウ。以後、私にコーヒーは入れなくてもいい」

 

 

 仕事の最後に立ち去るグナイゼナウの背中にそう投げかけながら、棚から教本を取り出す少年。冷めたコーヒーは最後まで飲まれることはなく、艦隊指揮の習熟のために夜の闇で外が覆われても、いつまでも彼の執務室は光を暗闇に投げつけているのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 曇り模様の青空の心情を示すかのように、外を吹く風は冷たく感じ、吐息は白く霞んでいる。周囲は無骨な赤煉瓦で作られた建物ばかり構築されており、寒さを包括した潮風が彼女の美しい金髪を撫でつける。軍服姿の彼女は軍用コートを上から羽織らなかったことを少しだけ後悔しつつも、次の瞬間響き渡る声によって思考回路を即座に切り替える。

 

 

『それではテストを開始します、ビスマルク様。ゲオルク・ティーレの合図と同時に、装置を起動してください』

 

 どこか幼さが残る少年の声がスピーカー越しから鳴り響き、それを合図に鉄血の陣営代表ビスマルクは覚悟を決めて艤装を身につけ、自分の心情にリンクしたかのような曇り空を見上げながら合図を待つ。

 

 ここはペーネミュンデ兵器実験場。バルト海に浮かぶ小さな島、ウーゼドム島の小さな街の近くに建設された海軍の実験施設。その隔絶された立地故の情報の秘匿性からセイレーン大戦中は黎明期であるkansen各種技術を。そして現在ではセイレーンの装備を参考にしたとされる生体艤装だけではなく、各種様々な実験が日夜行われている研究施設の一つだ。

 

『それでは……3、2、1……実験スタート』

 

 いよいよか。そうビスマルクは呟くと、スピーカーから流れる少年の秘書であるZ2のやや平坦な声を耳に秘め、張り切っているのかウズウズと喜びを隠せない自らの生体艤装の頭を撫でつける。前方にあらかじめ設置された衝撃吸収マットの上に立ち、生体艤装の側面のボタンを押し込んでいく。

 

 それと同時に生体艤装はギシギシと音を立てながら雄叫びを上げると……ビスマルクの身体は地面から足が離れてゆっくりと浮かんでいく。物理法則を無視した本来であればあり得ない挙動にビスマルクは微笑を浮かべる余裕さえあるようで、くすりと笑みを浮かべてこう呟いた。

 

「やっぱり、まだまだ慣れないわね」

 

 kansenの身体の一部ともいえる艤装は本来であれば屈強な男性であってもまず装備をすることはできない程の重量を誇っており、それが戦艦の生体艤装ともなるとその重量はキロの単位を3桁は軽く超えてしまうだろう。だが、現実としてこの世界では海戦の主役はkansenが担っており、例外を除けばごく普通の女性と力も変わらないkansen達はそんな艤装を身につけて日夜セイレーンと戦っている。

 

 それが可能な理由は、彼女達の艤装には反重力とも言える斥力を発生させることによって重量を軽減する能力があり、本来であれば数百キロの重さを誇る艤装もボタンひとつで綿菓子のような重さに早変わりするからだ。そして、特殊な生体兵器であるkansenと専用の艤装が共鳴をすれば海を滑るように移動することも可能となっており、その圧倒的な火力や、海ツバメのように俊敏な機動力は数十年という短い期間で海上戦の花形であり、主役を旧来の巨大な有人艦から奪い去ることに成功したのだ。

 

 無論、これらの研究はアズールレーンとレッドアクシズに勢力が分かれた後も各国で独自に進められており、今回のビスマルクの目的は鉄血が独自開発した自らが作り出した装置の兵装実験だ。最も信頼する艦隊の一つを護衛として同行させ、こうしてキールより離れた僻地に身を隠し、鉄血の兵器実験場に現れ、彼女は各種実験を行っているのだった。とある指揮官が鉄血国内にロイヤルのスパイが入り込んでいると報告したことも要因の一つだろう。

 

 今回の実験はその艤装に備わった反重力の制御を重点的に行ったものであり、陣営代表だけでは無く技術者・研究者としての側面を持つ才女ビスマルクはkansenが空を飛び、より効果的な戦闘を行うことができないのか?と試作型装備を開発し、自らの身を化学のために捧げているのであった。

 

「実験は成功ね。ただ現状では浮かぶだけで、あまり自由に動くことができないから、実戦では標的になるのが関の山かしら? 」

 

 そう言いながらも空中に少しずつ浮かんでいく彼女は急いで前方に進むことを念じれば、マットを中心にぐるりとその身は弧を描く。

 

 

 前に進めと念じるとその通りに艤装は前に進み、失敗は許されないとビスマルクの精神は一気に研ぎ澄まされていく。とはいえ海上戦の際の俊敏な動きと比べればぎこちないことに変わりはない。そういえば極東の国家である重桜は独自の文化、技術を得ているが、もしかするとこの実験を円滑に進めるためのヒントがあるかもしれないとビスマルクは頭をフル回転させて新たなる改良点を模索しつつ、マットの上に到達すると、彼女はやがて空中に立つように停止する。

 

『それでは今から5分間空中に停止してください。何か違和感や不快感があれば即座に装置の停止、最悪生体艤装をパージすることも視野に入れてくださいね。ティーレ、タイマーを』

 

『了解しました。ええ、暴走しても近くで待機しているシャルンさん、グナイさん、レーベ君がいますのでご安心を。観測を開始します』

 

 ティーレが言葉を終えると共に、ビスマルクは腕時計を眺めて時を待つ。精神を集中させて5分間空中に待機しなければいけないが、彼女の理想としては、海上戦のように自由自在に空を飛びたいが流石に今は技術力が不足していると悔しさを感じてしまう。

 

 もっと強く、もっと先に。アズールレーンとの戦争中にも鉄血の技術力は増していくが、心なしか戦争中である現在の方がセイレーンの活動が収まっていた時期と比べれば明らかに技術開発のスピードが上がっているが、それでも彼女はまだ満足してはならなかった。全ては鉄血の未来のために、明日への歩みを止めないためにも彼女は常に祖国のために自らの身を捧げ続ける。

 

 

 彼女は決してこのような実験を他人に行わせることは無かった。全ての実験を自分が行い、最終試験を終えて、安全性を確認した上でようやく部下にその完成品を使わせようとする。そのためにテストの失敗によって不利益を一人被ったこと、その生命を危険に晒したことも一度や二度ではなく、鉄血の化学の発展の裏には彼女の献身的な奉仕が存在していることを、同行した少年指揮官は敬愛する彼女の姿をその目に焼き付けながら痛感していた。

 

 

『5分経過、試験は成功です。それではゆっくりと降りてきてください』

 

 

 地上より5メートル程離れた地点で空中に停止しながら、少年の合図と共にビスマルクは装置を解除する。反重力装置が徐々にその効能を失っていき、ゆっくりと落ち葉のように地面に落ちていく。マットの必要は無かったわね、と内心安堵しながらも、これでようやく試験は全て終了した。

 

 

 新型生体艤装の試験に、生体艤装に設置された小型の反重力装置の試験。更に遠方のサディアで行われた海戦の結果、鉄血では空母技術の重要性が再評価されており、重巡型kansenのコンバート改装の研究だけではなく、空母型kansenの特別計画艦の開発もスタートした。ビスマルクがこのペーネミュンデでやるべきことは全て終了し、後はその研究成果をまとめてキール軍港に戻ればいい。

 

 

『本日の、いえ。これで全ての試験は終了です。お疲れ様でした、ビスマルク様』

 

「いや、まだよ」

 

 

 だが、ビスマルクは満足できなかった。小型の通信機越しから待機する少年に否定の言葉を送ってみせる。その瞬間、吐き気がする程に嫌な予感が彼女を遠目に見守る少年の頭によぎるが、やがてその予感は事実であったと判明した。

 

 

「プロイセン。悪いけど例のアタッシュケースを持ってきてくれないかしら?いい機会だからもう一度あの試験をーー」

 

『危険です!! 』

 

 

 プロイセンと呼ばれた少年はビスマルクが言葉を言い切る前に慌てた様子で拒否を示す。傍のZ2ゲオルク・ティーレも渋い顔を隠さず、彼らの周囲のマンジュウ達も心なしか焦った様子で状況を見守っていた。

 

 

『ダメに決まってるじゃないですか!!三日前のことを私は忘れてませんよ!? 』

 

「いえ、あの時も最初は上手くいっていたわ。例え長期使用が危険でも、短時間でも使えるのであればもう少しデータを集めたいのよ。次に試験ができる日の目処もまだついていないのだから」

 

『三日前!! 』

 

 

 それでも頑なに試験の続行を口にする上司に向かい、声を震わせながら少年は抵抗する。傍らに立つ小柄な少女はぎゅっと無言で少年の手を握りしめる。

 

『貴方の身体は吹き飛んでいてもおかしくはなかった!一度目の試験で貴方は気絶!二回目の試験で生体艤装は狂ったように暴れ出し、爆発寸前になっていました!そんな状況に追い込まれたのに何故、貴方は躊躇いなくもう一度試験を行おうとしているのですか!?再発防止の処置もなく、原因の究明も解明もなされていない不安定な代物を! 』

 

 思えば彼は常にビスマルクの身を案じてくれていた。過去に自分は彼を傷つけ、彼を廃人同然まで追い詰めてしまったというのに。ビスマルクは一度たりともあの忌々しい出来事、自身の誤ちを忘れたことはない。それでも、彼女に変わらない忠誠を捧げてくれた小さな忠臣の言葉に。悲痛な叫びをビスマルクは黙って聞き届けていた。

 

 

『ビスマルク様……お願いします。お身体を大切になさってください。鉄血には貴方が必要なんです。『アレ』については更に研究を重ねてもう少し安全処置を施した上で運用試験をなさってください。そして……』

 

 

 ──これ以上危険な実験に僕の家族を巻き込まないでください。

 

 そう言葉を発する前にグッと少年は言葉を飲み込んでみせる。そう答えれば確実にビスマルクは実験を辞めてくれると薄々少年は理解していた。彼女は自身を犠牲にして科学の発展と祖国の繁栄のために尽くすも、同時に同胞である鉄血の軍人を傷つけるような真似は決して行うことはないからだ。

 

 しかし、彼は最後の言葉を口にすることはなかった。その言葉は軍人として絶対に口に出すことは許されないのだから。なによりも、少年は敬愛するビスマルクがどれ程の覚悟を持ってこの試験を強行しようとしているのかを理解しているのだから。

 

 その気になればビスマルクは強権を振りかざして自身の言葉を封殺することもできる権力を持っている。護衛である自分達を解任して、たった一人で危険な試験を行う可能性も高く、だからこそ、彼はただ辞めて欲しい。今は、安全性が確立するまでは考え直して欲しいと伝えるしか手段はなかった。

 

 

「……貴方の気持ちも、貴方の忠誠は嬉しく思うわ。でもね、プロイセン。もう少しだけ試験に付き合って貰えないかしら? 」

 

 

 しかし、ビスマルクの意思は鋼のように固かった。

 

 

「アレの危険性は私も理解しているわ。でも、私達にはもう時間がない。貴方も分かるはずよ、あの力の強大さを。そして、あの技術のコントロールに成功すれば確実にこの戦争を終わらせる勝利の鍵になり得るのよ。貴方も見たでしょう、一瞬で消滅した標的艦の末路を」

 

 

 ビスマルクは鉄血の状況を理解していた。本部から送られてきた地中海の戦いの顛末は完全勝利に等しいものであり、グラーフ・ツェッペリンやあの騒動の元凶である指揮官はよくやってくれたと、彼女の心に確かな希望を与えていた。

 

 しかし、七つの海を支配するロイヤルネイビーは数の上ではサディア帝国、鉄血公国の全海軍勢力を優に上回っており、仮にロイヤルが世論を無視して植民地のセイレーン防衛を完全に捨てさり、無理やり戦力を集めて進軍すればキールは確実に火の海になるだろう。

 

 イオニアの海戦を経て、レッドアクシズに内でのサディアと鉄血は建国以来の友好関係の構築に成功。何れはヴィシアとの関係を深めることも可能かもしれない。しかし、同時に側近であるウォースパイトを捕虜にされた上で、30万人以上の国民を虜囚にされたロイヤルの面子は丸潰れになり、より一層本格的にこの戦争が激化する狼煙となり得たことをビスマルクは予見していた。

 

 恐らくクイーン・エリザベスはこの敗戦によってなりふり構わない行動を取るだろう。議会を説得して人質が巻き込まれる危険性を捨て去り、30万人の人質を解放するために大艦隊を編成してマルタ島に舞い戻る可能性もゼロではなく、敗北を誤魔化すために、目先の勝利を獲得するために鉄血やヴィシアに進軍する可能性もある。

 

 何よりもビスマルクが最も恐れているのは北方連合、重桜、ユニオンといった各国をロイヤルが説得し、戦力の派遣を求めるという展開。そうなれば確実にレッドアクシズは破滅への道を歩む他ないだろう。

 

 鉄血は備えるしかない、数がダメなら質を、kansenが居ないのなら無人機の強化を、そして更に戦力を増やすためにレッドアクシズ内の連携を深めるだけではなく、生体艤装の強化や特別計画艦の運用なども含めた自軍の戦力の強化も必須。だからこそ、彼女は未来を掴むために、あのテスターに魅せられた破滅の未来を回避するために力を求めたのだ。

 

 

「貴方もあの力の強大さを理解したはずよ。確かにあの力は人の身には過ぎたるものかも知れないけど、制御できればアズールレーンとの戦争を優位に進め、相手を講和のテーブルに着かせることも可能になるわ」

 

 

 例えそれが人類種の敵から与えられた禁断の力であっても。自らが利用されている可能性を考慮しても。同胞が幸せに暮らせる望む未来を勝ち取るために、彼女はその身を犠牲にしてでも禁断の力をものにするために、この戦争を勝利に導くために、なりふり構わず禁忌の力に手を伸ばすのであった。

 

 

「何かあればすぐに砲撃して抑え込み、アレを破壊してでも……もし危険であるのなら、私を殺してでも止めなさい。ティルピッツには既に話したわ。申し訳ないけど、貴方達にはもう少しだけ……私のわがままに付き合って欲しいの」

 

 

『……貴方を殺すという言葉には同意できません。ですが、約束してください。無理はしないでいただけると。命の危険を感じれば、強行せずに即座に実験を中止して欲しいと』

 

 

 数分間の沈黙を経て、スピーカー越しに少年の静かな声が鳴り響く。別室で待機をしていたグナイゼナウ達はどうしようもない現状に嘆息する他なかった。

 

 ビスマルクの国防への想いに、指揮官の悲痛な叫び。どちらも彼女達には理解できるのだから。お互いに祖国と同胞を想う気持ちは同じだというのに、どうしてこんなに二人は苦しまなければならないだろうか?

 

 彼女達にはビスマルクの真意やテスターが見せつけた暗黒の未来についての知識はない。ただビスマルクが生半可なものではなく、何か悲壮な覚悟でアズールレーンを離脱し、この戦争を引き起こしたということだけは理解しており、一人で全てを抱え込もうとする同胞ビスマルクを支えようとしていたのだ。

 

 

『ただ、一つだけ覚えていてください。今マルタでの戦勝に盛り上がる中、貴方を失えばレッドアクシズは瓦解しかねないと。貴方の命の価値は貴方が思っている以上のものであると……それを忘れないでください』

 

「ごめんなさいね。こんな事に巻き込んでしまって。貴方にはいつも苦労ばかりかけるわね」

 

 

『……私は、まだ貴方に恩返しの一つもできていません。お願いしますビスマルク様、もう二度と死ぬなんて言葉は口にしないでください。20分後、アタッシュケースを持っていきますので、それまでせめて英気を養ってください』

 

 ビスマルクはその言葉に返答することは無かった。諦めたように力なく椅子に座り込むと、無言でティーレは小柄な眼帯を身につけた少年の背中に抱きついてくる。普段は安心感を与えるはずのその抱擁すらも指揮官、アードラー・プロイセンの諦観と主君を止められなかった罪悪感を癒すことはなかった。

 

 

「あの人は……ビスマルク様は、常に前で進んでいく……怖いよティーレ……気がつけば僕の目の前からあの人が、ビスマルク様が消えてしまうんじゃないかって……」

 

「……指揮官は上手くやっています。ええ、きっとビスマルクさんも指揮官の気持ちはきっと伝わっていますから」

 

「ティーレ……ごめん、もう少しだけ……こうしてもらえるかな」

 

「ええっ、好きなだけ」

 

 

 ぎゅっと背中を抱きしめてくれる家族の暖かさを感じつつも、指揮官は不安だった。ビスマルクは何かを焦っているんじゃないか?と。イオニア海海戦の顛末を知るものは鉄血ではまだ多くはない。しかし、地中海の戦いの結果を知らされて以降、まるで何かに取り憑かれたかのようにビスマルクはあの危険な代物のテストを繰り返し、その度に疲弊している。

 

(ティルピッツ様や、他の幹部。U-556さんがいるとはいえ、こんな時にビスマルク様を、こうして抱きしめてくれる人はいるんだろうか……あの人はもしかすると、今も孤独を抱え込み一人で戦っているんじゃないが……?)

 

 その問いに対する答えを述べる人物は誰もいなかった。指揮官はビスマルクの信頼を勝ち取ることはできても、祖国に忠を尽くすビスマルクの心に寄り添うことは最早不可能であると内心既に諦めている。ただ彼にできることは、こうして危うい主君が更に暴走しないように目を光らせるだけなのだから。

 

 数分後、ビスマルクの元にはアタッシュケースを抱えたマンジュウがピヨピヨと歩み寄る。厳重に中身が保管されている特注のアタッシュケースの仕掛けを無言で解除していくビスマルク。そして最後の仕掛けを解除したビスマルクの目の前には……十数個の禍々しい紫色の光を放つ黒いキューブが存在していた。

 

 

『それでは追加の試験を開始します。試験内容、特殊キューブ実験。ビスマルク様、重ねて申し上げますが、何かあれば即座にそのキューブを手放してください』

 

「了解。付き合わせて悪いわね、全てが終わった後に、貴方達には追加でボーナスを支給するように手配するわ」

 

 

 通信越しよりビスマルクは場を和ませるために、似合わない軽口を叩くも指揮官が返答することは無かった。せめてこの実験が終わった後に、ここまで付き合ってくれた彼らに報いようと頭の片隅で考えつつも、ビスマルクは黒いキューブを一つ手に取りながら曇り空を見上げる。

 

 曇り空が晴れるのは、まだまだ時間がかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 情勢説明

 

・鉄血公国

 イオニア海海戦の大勝利によってサディア帝国とは蜜月関係を構築することになった鉄血。現在はサディア帝国に生体艤装のデータの提供や、人材派遣などを行なっており、本来の歴史とは違い、セイレーン技術を利用した生体艤装を身につけたkansenが近い将来現れる可能性が高く、後に産まれるアクィラやマルコ・ポーロの艤装の造形は本来の歴史と異なった禍々しい生体艤装になると予測される。

 

 また、ヴィシア聖座との関係修復も急いでいるものの、こちらは歴史上における不信感からかサディアと比べてあまり上手くいっていない様子。それでも史実と比べると遥かに連携を行える体制をレッドアクシズは構築しつつあり、この世界に於いてはトーチ作戦にてヴィシア聖座は孤立してユニオン・ロイヤル連合軍に叩かれる可能性は無くなったといえるだろう。

 

 反対に史実ではこの時期には連携を行っていた重桜との接触はなく、関係も未構築。しかし、史実とは違ったタイミングでヘルブスト指揮官が重桜海軍所属の明石達を連れて帰還間近であるが果たしてこの接触がどのような影響を与えるのだろうか?

 

 国内の方針としてはレッドアクシズ加盟国であるサディア、ヴィシアとの信頼関係の構築と共同作戦の実施を目指すも、史実とは違い防衛重視であってヴェーザー演習作戦や北方連合への攻撃など大規模な攻撃作戦の予定も余裕も無し。

 

 現在ビスマルクは急ピッチで戦力増強のために動いており、中にはセイレーンから提供された謎のエネルギー体、黒いキューブの実験を自らの身体で繰り返すも、圧倒的な破壊力を示すデータと引き換えに、彼女は疲労と衰弱に悩まされている。

 

 

国際関係、HOI2風

 

(レ)サディア帝国→+200、イオニア海海戦の影響に、リットリオ達のプロパガンダ工作の成功なども重なって建国以来の蜜月関係。レッドアクシズのみならず事実上の同盟間近。サディア海軍内ではフローテ・ディ・サルヴェッツァ(救国の艦隊)は英雄視されており、指揮官や『黒衣の狩人』の功績も後日新聞やラジオにて全国に公開予定。

 

(レ)ヴィシア聖座→+30、イオニア海海戦でロイヤルを打ち破ったことによって国民感情は改善。しかし過去の歴史的事情に、国内の鉄血に併合されることを望む強烈な親鉄血派グループへの反発。メルセルケ以前に鹵獲セイレーンを監視としてヴィシア領海に放っていた疑惑などもあって交渉は難航。

 

 

(ア)重桜→0、敵対しているが遠過ぎて可もなく不可もなく。そもそも重桜はセイレーン技術の否定はそれ程しなかっただけではなく、国内には少なくない親レッドアクシズ派も存在している。

 

(中)東煌→-20、ロイヤルのプロパガンダの影響でやや友好度は低いが、中立勢力ではあるものの、どちらかと言えば隣国重桜を危険視しており鉄血には興味なし。

 

(ア)ユニオン→-50、ロイヤルのプロパガンダの影響。好かれる要素もないが嫌われる要素もそれ以外になく、国民の多くにとっては対岸の火事。

 

(ア)北方連合→-50、共産主義と絶対君主制という真逆のイデオロギーの差が大きい。もっと言えば北方連合は鉄血に構っている余裕は一切ない。

 

(ア)自由アイリス→-150、元から新ロイヤル派、反鉄血派な面々ばかりが亡命しており鉄血への敵愾心も強い。

 

(ア)ロイヤル王国→-200、鉄血と交戦状態。レッドアクシズ完全に殺すモード。とはいえ人質の捕虜を奪還しようにも植民地海軍の使用の難しさに、やる気のないその他アズールレーン諸国と今のところは報復する余裕はない。

 

 

 

 




・黒いキューブ

原作ゲーム、アニメでは複数個登場した黒いキューブ。
ゲーム本編に於いてはオブザーバーからの投与されましたが今作ではテスターからに。オブザーバーは観察の際に多くの世界でレッドアクシズの結成の後押しのためにビスマルクと接触しているも、同時にいくつかの差異を発生させて変化を調査していました。

今作ではオブザーバーではなくテスターが過去の最も最悪な歴史を歩んだ映像をビスマルクに見せつけ、テスターがオブザーバーの役目を果たすという事に。他にもピュリファイアーやコンパイラーが接触する事も、黒キューブを渡さない事も、中には決定的な情報を追加で与える事もありました。そして多くの世界のビスマルクというkansenは絶望の未来を知れば、ほぼ全ての個体が鉄血の未来を救う為にセイレーンからの技術投与を受け入れてレッドアクシズを結成するのでした。


・プロイセン指揮官
10歳でありながら優秀な成績を収め、グナイゼナウとZ2を初期艦として艦隊の運用を始めた指揮官ですが、ビスマルクの期待に応えようとする為にその人間性は当初は完全に消えており、正に教科書から召喚されたかの様な不気味なほどに優秀で模範的な人物になってしまうのでした。そんな彼がどの様な経緯で廃人となり、そして立ち直って人間性を少しずつ回復させていったのかはまた後日描写させて頂きましょう。

 一つだけ言えるのは、現在は戦傷の結果、弱視を通り越して片目を既に摘出しており、眼帯はシャルンホルストからプレゼントしてもらったお揃いのものに変わっています。

・HOI2
実在する戦略シュミレーションゲームの傑作。現在はスウェーデンのメーカーによってHOI4まで発売されており、当時存在する様々な国家で第二次世界大戦を戦い抜く歴史シュミレーションゲームの傑作。

 あくまでこの作品は実はゲームでしたなど展開にはならないものの。IF展開としてこの作品の未来にてHOI2風の歴史シュミレーションゲームが発売されたという設定で、攻略wikiや掲示板の様な番外編を企画予定。その際ロイヤルにとっては『救国の艦隊』イベントは間違いなくマウスを投げつけたくなる程のクソイベントになるでしょう


次回更新は少し遅れて11月7〜10日を予定。
シュペー視点で明石から指輪を受け取った指揮官との一幕を。

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指揮官の後世の評価はどうなる?

  • 戦争を終わらせた立役者
  • サディアを救った救国の英雄
  • ロイヤル最大の敵
  • 女の子に手を出しまくりの色を好む英雄
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