重桜。
およそ250年もの長きに渡って他国との貿易や出入国を制限し、謎に包まれた鎖国体制であったこの国が国際社会に再びその姿を見せたのは全てセイレーンの出現が原因であり、過去にロイヤル、ユニオン、北方「帝国」が寄港地として重桜の鎖国体制を解除させるために幾度となく交渉に赴いたが、懐柔や武力による恫喝を乗り越えて常に他国との関わりを拒否してきたこの国の鎖国体制はセイレーンという人類種共通の敵の出現によって終わりを迎えることになる。
セイレーンによって多大な損失を受けることになった重桜は、当時の巫狐の決断によって国際社会への復帰を決断し、実行に移す事になるのだが、鎖国体制の結果、独自の文化を作り上げてきたこの島国の実態が明らかになるごとに世界中に大きな衝撃を与えることになる。
多神教であるヤオヨロズの神々を崇拝する国民は全て、人と『カミ』との調和によってケモノ付きと呼ばれる一種の精霊と融合した状態となっており、その身体に動物のような特徴を有しており、その結果ヤオヨロズの神々を信仰するこの国が国際社会に復帰した結果、世界の宗教界に大論争を引き起こすことになるのだがそこは割愛させていただこう。
狐や犬や猫だけでなく、中には重桜に本来生息しないはずのスカンクのような身体的特徴を持つ人々も存在している。『ミズホの神秘』と呼ばれる精霊との交信の結果はやがて生み出されることになるkansenにも影響を与え、動物の身体的特徴を受け継ぐだけではなく、式神と呼ばれる下級精霊と艦載機を融合させた空母kansenの出現など多岐にわたる影響を与えることになる。
『ミズホの神秘』とアズールレーンに所属するロイヤルからの技術支援による軍事技術の強化によって、あっという間に力をつけた重桜海軍は周辺海域のセイレーンの撲滅に乗り出すことになり、後に『重桜海海戦』と呼ばれる北方帝国との共同作戦の結果、それまで太刀打ちできなかった大規模なセイレーン艦隊相手に大勝利を収め、その武勇と名声は世界中に広まっていく。
そして政治的なイザコザの結果国家分断されたアイリス教国や、他国と比べて異常とも言えるセイレーンの襲撃の結果没落した北方連合になり代わり、現在は世界を代表する四つの大国を示す『四大陣営』の一員に至るほどの発言力を得ることになる。
現在では多数の空母や戦艦などの主力kansenを保有し、アズールレーンだけではなく国際社会で少なくない発言力を得ることになった重桜。しかし、他国からは順風満帆に見えるこの国は、鉄血のレッドアクシズの結成を皮切りに不穏な動きが見られていき、現在重桜内部では火種が生まれつつあり、陣営代表である連合艦隊旗艦であり、国内の権力の中枢である巫狐であるkansen、長門は重大な選択を迫られているのであった。
季節外れな美しい夜桜が咲き誇る神社の中、美しく長い黒髪を揺らしながら歩く女性が一人居た。彼女は和装に身を包みながら、まるで散歩でもしているかのように気楽な様子で境内の中を歩いていく。
彼女の名前は赤城。重桜海軍にて幹部待遇となっている空母kansenの一人であり、重桜空母の代表とも言える程の発言力を持つ女性である。彼女の傍らには小柄な従者である駆逐艦のkansen野分が緊張した表情でついてきており、彼女の手に持つ提灯には火の明かりが幽鬼のように青く、幻想的な光を見せていた。
「江風。道を開けなさい、私は今から長門様に会わなければいけませんわ」
やがて境内の最奥にて立ち止まった赤城は、扉の前で刀を片手に無言で立っている一人の少女に声をかける。美しい銀髪と白い和装。そして鳥の羽のようなケモノ耳を持つ武人然とした雰囲気を醸しだす少女の名は江風。この重桜の代表である長門の従者であり、彼女がもっとも信頼をしている護衛の一人であった。
「申し訳ございません赤城さん。幾ら貴女の頼みであっても現在巫狐様は祈祷を行なっています。それに面会の時間は過ぎました、どうぞお帰りください」
口調こそ丁寧であるがその青い瞳は絶対零度の如く冷たいものだ。彼女達は巫狐に仕える護衛であり、普段は巫狐の身辺警護や神事を取り仕切っているが、その職務の中には巫狐の私的な時間の護衛も含まれる。
巫狐は国の象徴であると同時に政治の中枢でもあるため、重桜海軍の最上位に位置する存在として常に厳重な警備がされている。
自由もなく、神事を中心とする激務によって私的な時間も少ない主君の時間を突然脅かそうとする赤城に対し、江風がどう感じたのかは言うまでもないだろう。
「もう一度言いますわ。江風、道を開けなさい。事態は可及的速やかに対処を行う必要がありますわ。国家の一大事なのですから私は長門様と今すぐ話し合う必要が──」
そう言いながら更に一歩前に赤城が進んだ途端、江風のまとっていた空気が一変した。刀に手をかけて赤城達を睨みけるその姿からは尋常ではない殺気が放たれており、歴戦の戦士である赤城ですら一瞬息を呑む程のものだった。
「それではわたしももう一度言いましょう。赤城さん。面会の時間は過ぎました。今すぐ、どうぞ、お帰りください」
だがそんな態度をとられてなお赤城に怯んだ様子はない。むしろ堂々とした振る舞いで江風に対峙していた。同時に江風が刀に手をかけた途端、赤城の従者である野分も小太刀に手をかけており、辺りはまさに一触即発ともいえる厳しい空気に包まれる。
「野分。今ここでわたしが刀に手を置いた意味がわかるな?」
「えぇ……だからいって引くことはできません。もし江風ちゃんが赤城さんに手を出すのであれば私は……!」
野分は睨みつける江風の視線に冷や汗をかきながらも、その目だけは絶対に引かないという決意を感じさせた。
重桜において陣営代表である長門の傍にいるkansenは特別な存在である。その戦闘能力の高さだけではなく、その身に宿す主君への忠誠も他の追随を許さない。アズールレーンにおいては、ロイヤル陣営の ベルファストやアイリス陣営のジャンヌダルク。レッドアクシズでは鉄血のグラーフ・ツェッペリンやサディアのザラが挙げられるだろう。例え江風は一般的には弱輩扱いされかねない駆逐艦であっても、その実力は戦艦さえも肉薄され兼ねない程のものとなっていた。
しかし、それでも野分は引き下がらなかった。
目の前の少女がどれだけ強いのかなど関係なく、ただ主人である赤城の命に従い、彼女に害をなす者を許せないという純粋な忠誠心だけが彼女を奮起させていたのだ。例えそれがプライベートでは知人である江風であっても野分の行動に躊躇いはなかった。
二人のkansenの鋭い視線が交差する。その様子を眺める赤城も刃傷沙汰となることは望まず、今日は諦めようかと二人に声をかけようとしたところ、突然鋭い声が一触即発の空気を破壊したのであった。
「赤城!!江風!!野分!!お主らは何をやっておる!?」
その瞬間、先程まで張りつめていた緊張感は一気に霧散し、まるで時間が停止したかのように三人の動きは静止する。そしてゆっくりと振り向いた先にいたのは、重桜の象徴である幼い風貌の少女の姿だった。
公的な場で身に纏う軍服ではなく、巫狐装束に身を包んた彼女は長い黒髪を揺らしながらゆっくりと歩いてくる。その表情は普段では考えられない程に怒りに満ちた憤怒の形相であり、江風は無言となり、野分は可哀想なほどに焦った様子を見せ、赤城は無表情でそんな長門を見つめていた。
「ここは神聖なカミに祈りを捧げる聖域であるぞ!それをお主らは血で汚そうとしておるのか!!」
「申し訳ございません長門様」
「こちらからも謝罪させていただきますわ。野分、刀から手を離しなさい」
「は、はい!」
長門と赤城の命令によって従者達は刀から手を離すも、長門の怒りは収まらないようであった。それも当然だろう。彼女は巫狐としてカミに仕える身であり、例えどのようなことがあろうとも、神聖なる境内を血で汚すことはカミに対する侮辱と同義であると考えている。しかし、赤城はそんな長門の怒りをものともせず、役目を果たすべく彼女に話しかける。
「長門様、今すぐ貴女にお話がございます。国家の一大事ですので面会の許可を」
「……許す。ついてまいれ」
「長門様!?」
江風は赤城と長門の言葉に驚きの声を上げる。それはそうだ。今の重桜において国母に近い存在と言える長門に対し、不敬にも程がある赤城の対応を咎めるのは当然だろう。だがそんな赤城を許すだけではなく、こんな夜に突然の面会を許可する長門の対応にも驚きを隠せない。
「今日の神事は全て終了した、赤城。お主が何を言いたいのかは予想がつく。ついてこい。江風、赤城と二人で話をする。護衛は不要だ。お主は野分と共に別室で控えておれ」
「……了解致しました」
「面会の許可を頂き感謝しますわ。野分、私は長門様との用事がありますから貴女は江風についていきなさい」
「は、はい!」
こうして長門が先導する形で二人は廊下の奥へと消えていく。待機を命じられた従者である二人の表情はそれぞれ違っており、ホッとした表情の野分と比べて江風は苦い表情を隠しきれない。
「……ごめんね江風ちゃん…私もこうしないといけなかったから」
野分は申し訳なさそうに江風に対して頭を下げる。確かに無礼な赤城や即座に刀に手をかけた江風にも対応に問題はあったが、野分はプライベートでは度々話す間柄であった江風に刀を向けた事実に罪悪感を抱いていた。彼女達の立場を考えれば仕方のないことでもあったので江風は全く気にしてはいないものの、まだ赤城の護衛となって日が浅い野分は知人に刀を向けかねない護衛任務を割り切れてはいないことが伺えた。
「気にしなくてもいい、互いに主を命をかけて守るのが役目なのだから…ただ、荒れそうだな」
「赤城さんも長門様も大丈夫かな…?」
江風の呟きに野分は不安げな表情を浮かべる。既に主従関係を結んでいる以上、赤城と長門の間に亀裂が生じることはないとは思うが、それでも野分は心配してしまう。
「こんな時にあの人がいてくれれば……」
「やめろ野分。あの人は亡くなったんだ。死人に縛られるな。それはあの人の想いに泥を塗ることになる」
現在の重桜は幹部ではない野分から見ても不安定なものであったが、こんな時に『あの女性』がいれば全て丸く収まったかもしれないと野分は呟くも、江風はバッサリとその発言を切り捨てる。野分が持つ提灯から漏れる青い光がそんな従者達を照らし続けているのであった。
境内の廊下を無言で歩く長門達。長門は突然立ち止まると、一眼見ただけではなんの変哲もない壁に隠されている小さなボタンを指で押し込む。すると壁の一部が音もなく横にスライドしていき隠し通路が現れる。
どう考えても神に仕える巫女である長門達が知っているとは思えない仕掛けであるが、彼女は手慣れた様子でその道を進む。長い年月を経ているせいか薄暗くなっている地下道の中を進んでいくと、その先には十人ほどの人間が入っても余裕があるであろう清潔な隠し部屋が存在していた。その部屋の中央に長門達は座り込み、上座も下座となくお互い向き合う形で座る。そして赤城は自ら語り始める。
「単刀直入に申しますわ。先日噂を耳に挟みましたが……話が進んでいたユニオンへの真珠湾攻撃の件、白紙になったという噂は本当なのでしょうか?」
赤城の発言を聞いて目を細める長門。やはりこの女は只者ではないと長門は赤城への警戒度を上げていく。真珠湾攻撃の作戦案そのものが中止されたことはまだ公表されていないため、一部の人間しか知らないはず。その計画を知っているとなると、赤城は独自の情報網を持っているということになるだろう。長門はそう考えてながらもゆっくりと口を開く。
「その通りだ。何れ御前会議で余は皆の前で真珠湾攻撃の中止とアズールレーンへの残留を発表する。一度は承認され、お主らが計画を進めていた中でのちゃぶ台返しは思うところもあろう。しかし……」
「──なりませんわ」
静かに、明らかに怒りを込めた声で赤城は長門の言葉を遮り、長門の狐耳がピクッと動く。
「このままアズールレーンに残留し続けていても、ロイヤルやユニオンはきっと我々を東洋の番犬としか思わないでしょう。今でこそユニオンはレンドリースによって重桜を支えていますが、それはあくまで自国の国防の延長であり、太平洋の防衛を重桜に強要しているだけです」
赤城の目つきが変わる。まるで獲物を狙う肉食獣のように鋭い眼光を長門に向けてくる。その姿に思わず息を飲む長門であったが、赤城は構わず続ける。それは長年に渡り祖国のために戦ってきた彼女だからこそ言える言葉であった。
「重桜は鎖国をしていたために植民地をまともに保有しておらず、戦略物資も貿易頼りの島国です。そんな開国直後のセイレーンとの戦争にて、ユニオンはレンドリース支援によって重桜を支えてくれました。えぇ、今は良いでしょう。ですが遠い将来……果たしてユニオンはずっと重桜に優しいと言えるのでしょうか?」
赤城の言葉に反論する人間は誰もいないだろう。確かに彼女の言うとおり、ユニオンは重桜に対してレンドリースと軍事技術の提供を行い支えてくれている。しかし、それは善意でもアズールレーンの理念に賛同したからでもなく、太平洋地域のセイレーンを重桜の力で排除することをユニオンは望んでいるからだ。
もしも、明日レンドリース支援が無償ではなく有償になればどうなるのだろうか?
もしも、アズールレーンとしてユニオンが重桜海軍に危険なセイレーンの前哨基地攻撃の単独攻撃を『要請』をした場合、支援物資に頼り切りな重桜は果たして拒否できるのだろうか?
もしも、ユニオンやロイヤルが突然輸出入の禁止を宣言した場合、資源も、植民地を持たない重桜が干上がらないと誰が断言できるのだろうか?
「開国以降、重桜はアズールレーンに参加することでセイレーンを打ち負かし、現在では四大陣営と呼ばれる地位となりましたが、あまりにもユニオンやロイヤルの支援頼りの状況に陥ってしまいました。このままでは、重桜はユニオンやロイヤルの靴を舐め続けなければ生きていけない家畜のような存在になってしまうかもしれません」
「だからこそ、干上がるよりも、家畜になるよりも前にレッドアクシズに加入してユニオンやロイヤルから南方の資源地帯を奪い取り、鉄血のセイレーン技術を使って自国を強化。それが国家百年、いや千年の計であると…お主は以前余にそう言っておったな」
赤城は無言で頷いてみせる。そのためにユニオンには奇襲攻撃によって混乱から立ち直る隙を与えず。空母を主体とした打撃部隊によって真珠湾を奇襲して太平洋方面部隊を壊滅させる。
その後ユニオンが混乱から立ち直れない状況でロイヤルを攻撃しつつ、南方の資源地帯を奪取。最後に再び艦隊決戦を挑んでユニオンとロイヤルの残存艦隊を撃滅しつつ、西海岸攻撃を示唆してユニオン政府を脅すことによって講和を迫る短期決戦案。長門は難色を示しつつも賛同者も多く、一度は計画も承認されていたこの作戦が頓挫してしまったのだ。立案者であり中心人物であった赤城が、わざわざ長門の下に直接押しかけたとしても仕方ないだろうと長門は内心理解を示す。
「だが赤城。真珠湾攻撃はお主が立案した空母打撃群による基地攻撃が作戦の肝となっておる。ここまで言えばなぜ中止になったのか、理解できないお主ではあるまい」
「……イオニア海での海戦、そこで攻撃側の空母であったイラストリアスが醜態を晒した結果、敗北して捕虜になった。そのせいで上層部は空母による奇襲攻撃は上手くいかないと判断してしまったのでしょうね」
拳を握り締めながら悔しそうに赤城は言い放つ。遠い地中海で行われた戦いでロイヤルの空母イラストリアスが奇襲攻撃に失敗し、グラーフ・ツェッペリン達に敗北した挙句、捕虜となって世界に醜態を晒したことは重桜にも伝わっていたのだ。
「ですが長門様。それは防衛側に偶然鉄血の空母がいたからであって、そうでなければイラストリアスの奇襲はきっと成功して…」
「ユニオンは鉄血以上に空母がいる。赤城、お主もユニオンの英雄エンタープライズの名前は知っておろう。少なくとも空母は空母に迎撃されてしまえば奇襲攻撃の意味はなくなり、むしろ損害を受けかねない。既にユニオンは重要拠点に戦闘機を満載にした空母を配備しておろう」
焦るように言葉を紡ぐ赤城に対して、長門はユニオンの英雄エンタープライズの名を口に出して例えてみせる。イオニア海海戦の戦訓の結果、攻撃空母が防衛空母に高確率で敗北するという具体例が示されてしまった。真珠湾攻撃を行おうにも、ユニオンは戦闘機を満載にした空母を並べて待ち構えている可能性があり、こちらの空母部隊が壊滅する可能性すら存在している。
その可能性がある以上。そして重桜が立案した空母による基地攻撃がすでにロイヤルによって実行され、大失敗に終わってケチがついた今となっては、それまで支持されていた赤城達の案が否定されてもおかしくないだろう。仮に奇襲に成功したところで既にユニオンは空母の強さと弱さを地中海での戦いを経て理解しており、情報や戦術のアドバンテージも消失した今、すんなりと作戦を遂行できるはずもない。赤城は内心ロイヤルの女王とイラストリアスを引っ叩いてやりたかったが、それを堪えながらも焦る様子で口を開く。
「それならば長門様。真珠湾攻撃は本来であれば一、ニ、五航空戦隊と共に行う予定でありましたが、予定を変更して軽空母も参加させましょう。こうすれば万が一ユニオンに空母が待ち構えていたとしても…」
「諦めよ赤城。既に軍部は中止に舵をきった。それに、当初は賛同していた蒼龍達もイラストリアスの敗北と効果的な実戦でのデータがない以上反対だと言っておる。そして、この情勢でユニオンに攻撃を仕掛けても、ロイヤルのように非難されかねまい…」
「長門様…!」
「理解できないのであればハッキリと言っておく!!余を含む重桜上層部は、現状『アズールレーンの脱退とユニオンへの奇襲攻撃を含めた宣戦布告』の計画は白紙としている!!」
長門の言葉に赤城は何も言えずに俯く。彼女が立案した計画が上層部によって潰された事実と、ユニオンへの奇襲作戦が失敗する可能性が高い現実が突きつけられればそれも仕方ないだろう。しかし、赤城は黙り込んだまま顔を上げない。その姿を見ながら長門は内心溜息をつく。
「……このままではユニオンやロイヤルとの戦力差は広がります。今こそ、最後のチャンスなのです。その時に後悔しても遅いですわよ?」
「我々『アズールレーン』の最優先目標は、セイレーンから青き航路と民の命を守ること…それはレッドアクシズの鉄血すら行なっている。それを忘れるでないぞ赤城」
部屋は静寂に包まれる。二人の視線が絡み合い沈黙が続く中、先に折れたのは赤城だった。赤城は肩を落としながら目を伏せるとそのまま無言のまま部屋の扉に向かって歩き出す。
「長門様、その決定は誰かに吹き込まれたのではなく長門様の意思で決めたことなのですね?」
振り返らずに、長門が誰かに唆されていないのか?と語る赤城の質問に対して長門は静かに口を開く。
「余の個人としてはこの開戦に反対であった。そしてイオニア海海戦から間もなく金剛達が余に接触してきたという事実は認めよう。余がその意見に同調していたということも事実ではあるが……だが例え金剛が動かなくとも既に軍の反ユニオン派、お主ら空母を支持する航空派といった軍人の意見はイラストリアスの敗北の結果弱体化している。何よりも真珠湾攻撃に賛同していた蒼龍、飛龍が離脱して最古参の鳳翔すらも反対に回った今、例えお主や加賀が張り切ろうにも、余に直談判したところで結果は変わらぬよ。」
長門は開戦には最後まで反対はしてはいたが、政治的にも軍事的にもあまりにも強力な権限を有しているからこそ、その強権を使うことをよしとはしなかった。しかし元ロイヤル出身の金剛を中心とした親アズールレーン派閥が真珠湾攻撃に反対するロビー活動に絶好のタイミングで成功した今、例え赤城が何をしても真珠湾攻撃は否定されると静かに語り始める。
「正直な話心情的には金剛達に向いてはいるが、今回の件は最初から最後まで余は関わってはいない。赤城、お主の国防への想いと愛国心は重々承知している。だからこそ、お主には今の重桜は真珠湾攻撃を望んでいないと理解して欲しい。今お主らが暴走すれば確実に重桜は割れてしまうのだから」
とある世界では、いや多くの世界では重桜という国家は対アズールレーン路線への動きを見せて、どのような形であれど親アズールレーン派の重鎮であり英雄でもある三笠が介入を開始するまでの間、開戦前は一つの目標に邁進して団結することに成功していた。
しかし、この世界においては開戦前の段階で親レッドアクシズだった赤城派とも呼べる派閥と、史実においては親アズールレーンだった三笠派と呼ばれる人たちが三笠ではなく金剛を中心に団結してしまい、いわば現在の重桜海軍という組織は、親アズールレーン、親レッドアクシズの二つの派閥に開戦前から別れつつある。更にその派閥内においても親ロイヤル、親ユニオン、反鉄血、反ロイヤル、反ユニオン、航空攻撃派、大艦巨砲主義者、そして日和見な者達や隠れコミュニストに迷う者達。自身の利益を追求する俗物なども含めて人、kansen問わずにその思想はモザイクのように混ざり合い、この国を内側から崩壊させかねない程に不安定な状況に陥っている。
そして、その状況を長門と赤城は正しく認識しており、彼女達の行動次第では最悪血で血を洗うクーデターによって内乱状態に陥るかもしれないということを理解していた。事実同じ宗教国家のアイリス教国ではロイヤルに亡命した自由アイリス教国と、国内に残った親レッドアクシズのヴィシア聖座に分かれてしまった。アイリスでは下手をすれば同胞同士で、同じ神を信じる者達が殺し合う可能性すら存在しているのだ。そして長門は何としてもアイリスの二の舞になることだけは避けるために、赤城にゆっくりと頭を下げる。
「すまぬな赤城……お主には本当に、迷惑をかけた。一度承認した案をひっくり返すのだから、お主には屈辱を与えたはずだろう。しかし、今重桜をアイリスの二の舞にすることだけは避けねばならぬ。重桜海軍は地中海での騒ぎの結果、アズールレーンへの残留を求めつつある。だから、だからお主は耐えてくれぬか?この愚かな巫狐の情けない願いを聞いてくれまいか?」
それは、一人のkansenとしてではなく、一人の軍人として、一人の巫狐として、一人の陣営代表としての誇りを捨てた行動であった。
己の信念のために戦い、そして敗北するのならばまだいい。しかし、今回の件で赤城は確実に発言力を失うだろう。戦場ではなく地中海でのイラストリアスの敗北を発端とした理不尽で唐突なちゃぶ台返しによって政治的に敗北した赤城達重桜空母の発言力の低下は明らかであり、長門は彼女の根底にある愛国心と国防への想いを。姉に託され、必死に自分なりに考えて、この重桜という国家を存続させるために全てを犠牲にしてでも戦い抜こうと行動をしていた赤城の想いを、長門は土壇場で踏み躙ったのだから。
だから長門は頭を下げることしかできなかったのだ。例え彼女が真珠湾攻撃に内心では反対していても、同じ重桜という旗の下に集い、国家をより良い方向に導こうと必死になっていた赤城達の気持ちを踏み躙ったのだから。
長門の言葉に赤城は立ち止まる。彼女の言葉を聞いた赤城は無表情で長門を見つめる。その瞳はまるで氷のように冷たく、何もかもを凍てつかせるような威圧感を放っていた。しかし、同時に何処か疲れたような様子も見せており、赤城はゆっくりと振り向く。
「先程までの発言を聞いていましたが、その中に貴方の意見は殆どありませんでした。長門様は……なにもなさらないのですか?」
「余は長門。重桜の長門であり、連合艦隊旗艦の長門であり、巫狐の長門であり……だからこそ余の権力は強大ではあるが無闇矢鱈に行使するべきものではない。ただお主らの想いを決して無駄にしないことだけは、長門という個人として約束しよう。赤城、笑いたくば笑え、この傀儡のような情けない私を……」
自嘲するように長門は笑う。その姿を見た赤城は何も言わずにそのまま振り返り、その場から去っていく。その背中には悲しみや怒りといった感情はなく、長門は赤城の気持ちを決して読み取ることはできなかった。その背中を見送りながら、長門は自分の言った言葉を後悔する。
(情けない…私は…私にエリザベスやビスマルクのような決断力があれば、赤城達に言われるがままに真珠湾攻撃案を選択することも、金剛達に言われるがままそれを廃案として赤城の名誉を傷つけることもなかったというのに……陸奥よ、お主が過去に例えたように、私はお人形さんでしかないのかも知れぬな)
長門の脳裏に浮かぶのはかつて共に戦った、他国の陣営代表の姿であった。自身は他の国家の陣営代表のような決断力もなく未熟であると彼女は理解していた。必要であれば新たな陣営を作り上げる鉄血のビスマルクや、必要であればどこまでも冷徹に切り捨てることができるクイーン・エリザベスと違い、長門はただ軍の最大派閥の要求を鵜呑みにして決定案にハンコを押すだけの傀儡と化していた。
それが重桜のためになるならと、自身が強権を振り回した先にあるのは独裁であり、それを避けるために彼女は自身の意見を殆ど述べない。しかし眩いばかりに自身の信念に従って行動する他の陣営代表と比べれば、自身は考えることを放棄しているに他ならないだろうと彼女は自嘲する。長門もクイーン・エリザベスやビスマルクのように行動することはできた。だが、自分はしなかった。できなかった。その結果が現在の不安定な重桜を作り上げたと、彼女は罪悪感で胸を掻きむしりたくなる。
「世界は確実に変革を迎えつつある、その先にある未来を余は……信濃。微睡んでいるお主は余の決断をどう思うだろうか…」
現在重桜のために静かに微睡んでいる一人の女性を思い浮かべつつ、長門の脳内ではもう一人、かつて重桜を導いていた一人の女性を思い出していた。
もし『彼女』なら、『彼女』が生きていればどうするかを考えようとするが、結局答えなど出るわけもない。そんな時だった。赤城が去った後、控えめに扉をノックする音が耳に届き、長門は「入れ」と短く口にすれば、重桜では珍しいアッシュブロンドの髪と瞳をもつ少女、長門の護衛の一人でもある駆逐kansen海風が申し訳なさげに扉を開いた。
「畏れ多くも失礼いたします、長門様。申し上げます、行方知れずであった三笠様の所在が判明致しました」
控えめに口を開く海風の表情はどこか怯えた様子である。元々海風という少女は能力こそあれど、控えめで自己評価が低めであることを長門は理解していたが、もしかするとここに来るまでの間に赤城とすれ違い怯えているのだろうかと長門は思わず苦笑してしまう。
「そうか、ようやくか……海風。悪いがお主はこの手紙を三笠様に届けてくれぬか?」
そう言って長門は懐から手紙を取り出すと海風に手渡し、海風は畏れ多くも失礼致しましたとペコリを頭を下げて去っていく。
長門は必死になって考えていた。赤城と金剛にその他重鎮は意見こそ違えど祖国のために働いてくれている。だからこそ、長門は自分なりに必死になって考えた。その結果が三笠に、セイレーン大戦中に重桜海海戦で英雄となったkansenであり、現在は隠遁している英雄三笠の所在を調査して自らの理想を実現するために。そして、赤城や金剛の想いを無駄にしないために助けを求めた。だが、その思いは届くことはないかも知れない。そして長門は自身の選択が正しいかどうかも未だに納得はしていなかった。
それでも、ここにきて自分が動き出さなければ本当の意味で傀儡となってしまい国家は分裂しかねない。彼女は自身が裏切ることになった赤城の国防への想いを決して無駄にしないために三笠と接触をはかり、もし三笠が了承してくれるのであれば、何れは御前会議で自身の考えを述べるつもりであった。強権を振り回すことを良しとせず、ただ傀儡のままであった少女は今ここに動き出す。
隠し部屋を出て地上に一人戻った長門は境内からでも見ることができる、春夏秋冬、365日咲き続け、決してその輝きを失わない美しい夜桜を眺める。こうして長門は桜の花を見ると思い出す、自身の生命が尽きる今際の時に、長門の頭を優しく撫で、この綺麗な桜を守ってくださいと呟いたあの女性の手の温もりを。
「天城……こんな時に、お主が生きていれば、どうなったのであろうな」
桜は決して何も言ってはくれなかった。
重桜。
作中ではアズールレーンに所属しながらも、突如レッドアクシズに鞍替えをしてユニオンの真珠湾に奇襲攻撃と同時にレッドアクシズへの加盟と宣戦布告を行なった国。しかし今作では様々な運命の巡り合わせか、重桜では真珠湾攻撃を行う案は否決され、アズールレーンに残留し続けるという選択をとりました。
実のところ、史実の大日本帝国はアメリカへの禁輸措置や日露戦争から始まる日本の暴走の結果始まった太平洋戦争。しかしアズールレーンというゲーム内では日清戦争以後の歴史はセイレーンと戦い続けたために、ユニオンとの関係悪化に繋がる要素もなく、何故重桜が宣戦布告を行ったのか?ということに関しては一切不明であり、断片的な情報から推測するしかありませんでした。
媒体によっても
・ゲーム版。天城に託された赤城の愛国心と国防意識。更に天城を失って暴走を始めた赤城の行動の結果。
・アニメ版。加賀の発言から極秘に製造中であった戦艦オロチの完成までの時間を稼ぎつつ、オロチの力を見せつけることで、各陣営に牽制をいれて自国の発言力のために行動していた。また赤城はそれすらも隠れ蓑にして死者である天城の復活が目的であった。
などと別物であり、今作では。
・鎖国政策の弊害で植民地が形成されていく帝国主義への遅れの結果、他国と比べて資源地帯である植民地を持たず、アズールレーン復帰以降重桜はユニオンからの支援も含めた他国の貿易に依存しなければいけない状態に陥ってしまう。そして貿易もセイレーンの再出現の結果不安定となり、その気になれば資源の供給元であるユニオンやロイヤルといった資源を持つ国々が禁輸措置を取ることも可能であって、資源という名の喉元を抑えられている状態に陥っていた。
・現状を座していれば重桜は東洋の番犬としてユニオンやロイヤルの靴を舐め、傀儡、家畜になりかねない。だからこそ天城からの想いを受け継いだ赤城は、この世界では疑問視されていた空母による奇襲攻撃を中心としたユニオンへの攻撃とロイヤルやユニオンの資源地帯を奪取。そしてレッドアクシズに加入することで、そのクビキから逃れようとしていた。
・更にレッドアクシズの優れた技術を用いれば天城の復活の可能性もある。以上のことから赤城は暴走と暗躍を続け、ゲーム内ではイラストリアスのタラント攻撃の成功などの後押しを得て、空母の発言力の向上と根回しの結果、連合艦隊旗艦の長門を傀儡にすることによって真珠湾攻撃が執り行われた。
などの解釈となり、本来であれば赤城に有利な情勢が重なり真珠湾攻撃に繋がる……はずでした。
しかし、今作では先に奇襲を行なったイラストリアスが敗北どころか一方的に反撃されて捕虜となった上で拠点陥落の要因となるなど世界に醜態を晒した結果、史実とは違い赤城達は一年後に行われるはずであった真珠湾攻撃の根回しに失敗。更に元ロイヤルである金剛を中心としたアズールレーン残留を目指す勢力のロビー活動も重なり真珠湾攻撃は白紙となり、赤城は諦めざるを得ない状況に追い込まれました。
これにより重桜は今後、史実通り真珠湾攻撃と共にユニオン、ロイヤルを攻撃して宣戦布告を行いレッドアクシズに加盟する可能性は限りなく低くなったと言えるでしょう。ロイヤルが望む最大の再現は地中海での蝶の羽ばたきの結果、東洋で嵐を巻き起こし、結果として本来の歴史と異なる未来を歩み始めますが、ロイヤルと鉄血は重桜の真意を知ることはありませんでした。
しかし、ゲーム内では赤城を中心にまとまっていた組織が隠遁生活から表舞台に復帰した三笠の行動の結果分裂を始め、それぞれの派閥が形成され、それはセイレーン作戦が始まっても溝はなくなることはありませんでしたが、今作では隠遁している三笠ではなく金剛がその役割を担うことになり、一年程早く国内は混乱に陥りつつあり、親レッドアクシズ、親アズールレーンを中心とした派閥。
更に親ユニオンや反ユニオンに親鉄血などそれぞれの思惑も重なりモザイクのように乱れてしまい、現在の重桜海軍はそれぞれの郷土愛と愛国心という想いの果てに、極めて乱れつつある状況に陥ってしまいました。例え赤城が大人しくなっても風船は肥大化を続けており、アイリス教国のように最悪の結果を生み出しかねない現在。長門はそんな現状を打破するために隠遁生活を行なっていた三笠にゲーム内とは違い自発的に彼女の居場所を探し出し、接触を果たそうとしますが。長門の真意は不明です。
果たして混迷の世界にて、他国の陣営代表と比べても凄まじい権力を保有している長門は重桜を導くことができるのでしょうか?全ては本来はあり得ない早期での三笠との接触が鍵を握ると言えるでしょう。
国際関係HOI2風(最大値+200、最低値-200)
(ア)ユニオン→+75
ユニオンとの関係は史実とは違い1940年代に於いても諍いになることもなく良好ではありますが、国内ではユニオンを危険視する声も上がっており、ある意味重桜が最も乱れる要因になった国と言えるでしょう。関係的には良好であり重桜はレンドリースを受け取っており、何度か共同作戦も実施済み。アズールレーン本部のNYシティでは重桜のkansenも派遣されており、緑色の髪をした猫耳商人の姿も度々見かけるそうな。
(ア)ロイヤル王国→+50
元ロイヤル出身者の金剛、三笠なども在籍しておりこちらも良好な関係。ただしロイヤルは十中八九重桜は『再現』の結果自国に宣戦布告を行うとクイーン・エリザベスは警戒しており、赤城達もロイヤルの資源地帯の奪取を狙っている。国内では元ロイヤルでありクイーン・エリザベスとも交流があった戦艦金剛が親アズールレーン、親ロイヤルを表明している。
(ア)自由アイリス教国→+30
アイリスとの関係はロイヤルやユニオンも比べると薄く、一応は自由アイリス教国を承認しているものの関わりは薄い。
(レ)サディア帝国→-20
レッドアクシズとして敵対している国家ではあるが今まではそれほど深い関係ではなかった。しかし、地中海を舞台とした『イオニア海海戦』は重桜に衝撃を与える。
(ア)北方連合→-30
かつては帝国時代の北方連合と共同作戦を実地していたが、共産革命の結果信教の自由を与えられず、時として弾圧を行う北方連合に宗教国家と言える重桜は警戒しており、現在は重桜との交流はほぼ途絶えている。
(レ)鉄血公国→-50
レッドアクシズを結成し、アズールレーンを離脱した鉄血への感情は国家としてはマイナスではあるものの、国民にとっては「鉄血?なにそれ?」と言わんばかりに無関心。というよりも重桜は主要国家から遠く離れた陣営であり、鉄血が脅威と言われてもそれほど自覚や関心を持てないといったところだろうか?
現在では赤城を中心とした親レッドアクシズの派閥も存在しており、赤城の真珠湾攻撃案こそ否決されたものの、むしろグラーフ・ツェッペリンの勝利によって鉄血を評価する重桜軍人も増えつつある。
(中)東煌→-75
公式設定で明確に敵対していると断言された国、恐らく重桜が鎖国するまでの間に史実通り行ったとされる朝鮮出兵への対策の結果国内がガタガタになってしまい、鎖国を解除した後も東煌はその歴史を忘れずに危険視しているのかも知らない。今作では満州事変や日清戦争や日露戦争も起きてはないが重桜と東煌は冷戦状態に。中国本国版では重桜と東煌が戦うミニイベントも過去に実装されたそうな。
・宣戦布告
実の所重桜がユニオンに宣戦布告を行いレッドアクシズに加盟した事は事実ですが、ロイヤルとはいつ交戦に陥ったのはアニメやゲームなどの媒体によって違っており。セイレーンがかつて閲覧していた記録ではこちらの史実の流れの様に先にロイヤルに宣戦布告をした様な記録も存在しており、逆にアニメ版の様に真珠湾攻撃と同時にユニオンとロイヤルに宣戦布告を行う流れも存在。ゲーム内ではぼかされており、今作では多数の並行世界が存在するという原作設定を重視し、アニメ版やゲーム版で推測できる。真珠湾攻撃と同時に重桜はユニオンとロイヤルに宣戦布告を行なったという説を採用させて頂きました。ただし『努力、希望と計画』の様にロイヤルに宣戦布告をしてからユニオンに後に宣戦布告をするという説も存在しており、こればかりは並行世界毎の差異と言えるでしょう。
・金剛
彼女が親ロイヤルでありアズールレーン残留の為に最後まで抵抗していたというのは本作オリジナル設定。ゲーム内では寧ろ元ロイヤル出身者だからこそ真っ先にロイヤル攻撃を支持する動きを見せてもおかしくはありません。また彼女が親ロイヤルという設定は三笠が登場する『軍神の帰還』イベントにて登場する彼女の姉妹艦である比叡が三笠と行動を共にしていた事から、親アズールレーンでありアズールレーン復帰派であった三笠に賛同していたと予測でき、恐らくゲーム内でも金剛型四姉妹は三笠派閥に属していると思われます。
・赤城
媒体によって性格や描写変わる事に定評のある女性。CWの様に天城とじっくり話し合えたのか始終落ち着いた性格の世界に、反対に後に登場する事からリセットできるという前提であったとはいえ「紅染の来訪者」では重桜kansenの魂を操作して傀儡の様に扱う描写も存在しており。はたまた基本天城以外に興味も薄いアニメ版の様な媒体も存在しています。
今作ではどちらかと言えば亡くなった天城の遺言の結果暴走しており、「紅染の来訪者」や「オロチ計画」などの非道に手を染める前、つまり一線をこえる前にイラストリアスの敗北の影響によって真珠湾攻撃案が白紙となり発言力が落ちてしまいました。しかし赤城も黙っているのではなく、重桜の為、そして天城の為に暗躍をし続けるでしょう。
本作で登場する従者の野分は「紅染の来訪者」の発言や秘書の発言やその他媒体などの発言から赤城派であり赤城を慕っていると思われ、長門に対する江風の様に赤城の護衛を務める事に。
・天城
一言で言えば銀河英雄伝説のジークフリード・キルヒアイス枠。長門や赤城だけではなく多くの人々に慕われつつも故人となっており、彼女の死は重桜の人々に暗い影を落とす事に。もしも彼女が存命であれば重桜はまた違った形になったでしょう。もっとも本人は自身を過大評価し過ぎであると確実に謙遜するはずであり、事実天城が生存していた所で本当に良い未来になったかどうかを知るものは観測を続けるセイレーンくらいでしょう。
また、メタ設定では今作の元ネタになった鉄血ダイスの前作のひとつである重桜編では重桜出身の犬耳の指揮官と天城が恋仲、肉体関係、愛人となっており、その世界では天城が存命している為なのか重桜は自然とアズールレーンに残留し続けており、鉄血編以後のダイスに於いても天城が登場する=史実ルートとかけ離れた重桜はアズールレーンを離脱しないという展開になるのでした。
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