鉄血の旗の元に《完結》   作:kiakia

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今回のお話では指揮官がやらかすポイントがいくつかあります。それを頭に入れて読むと……


第四十話 鉄血の旗の『下』に

 冬用の軍服を着ていても寒さを感じるバルト海を俺たちの艦隊は切り裂くように突き進んでいく。手袋越しに感じる風は刺すように冷たいが、今の俺にはその寒さすら感じる余裕はなかった。

 

 俺の指揮艦を中心にヒッパー、シュペー、グラーフの3人は輪形陣を組んで猛スピードで現場に急行しようとするが窓越しから見える彼女たちの表情は緊張した面持ちであり、俺たちは次々とひっきりなしに本部から届く通信を無線越しより聞いていた、

 

 調査の結果敵スパイの隠れ家を発見し、武装した憲兵隊が乗り込もうとしたところ、相手は艤装を展開して海に向かって逃走中。

 

 

 潜水艦艦隊第一陣10隻出撃。

 

 駆逐艦を中心としたパトロール艦隊の出撃、

 

 俺達とも馴染みの深いグナイゼナウさんたちが所属する第二遊撃艦隊の出撃。

 

 

 聞いたことのある名前、聞いたことも無い名前が次々と読み上げられていく。キールに所属するほぼ全てのkansenはバルト海に集い、排除対象を確実に仕留めるために展開していく。レーダーをみれば友軍が後方より多数接近して来ており、その数は膨大であった。

更には北方からの増援が続々と集結しているのだが、目標である敵の動きは一向に掴めない。

 

 だが、それも当然と言えるだろう。

 

 何故なら、相手はたったの二体しかいないのだ。

 

 

 たった二体のkansenらしき存在を潰すためだけに本部の鉄血艦隊はしらみつぶしに捜索を開始しており、その様子には執念すら感じられた。しかし、そんな鉄血艦隊の包囲網も空しく、何時まで経ってもその標的を見つけることはできなかった。

 

「予想はしていたけど、あのスパイ二人はロイヤルのkansenだったみたいだね」

 

 

 未だに痛む足を軽く撫でながらそう予想する。数日前に俺の足を銃撃した奴らの正体はやはりと言うべきか王家の戦士であったらしい。ピュリファイアーの言葉を信じるのならクイーン・エリザベスが独自に鉄血の情報を抜き取るために派遣した二人なんだろう。

 

 

「どうやら上層部はスパイに激怒しているらしいが……当然か。ビスマルクの言うとおり、卿がスパイに襲撃されてそのまま逃せば我が国は世界中の笑いものになる。是が非でも見せしめのために排除する必要があるからな」

 

グラーフが緊張した面持ちのまま呟くと、俺は彼女の言葉に同意しつつポケットからチョコレートを取り出して口に含む。糖分が身体中に染みて緊張がほぐれていくのを感じながらも無線越しからの情報を整理していた。

 

 あのスパイコンビは軽巡タイプらしいが武装はほぼ全て投棄したらしく、動きを身軽にして煙幕を張りながら逃亡中。監視台や偵察中の部隊の情報をまとめると、北部に存在する中立国ユトランドの領海近くであるカテガット海峡に向けて逃亡中であり、恐らくはそのままロイヤルの領海に逃げ込んで本国に帰還、もしくは親ロイヤルである中立国であるスカンジナビアに逃亡する気なんだろう。

 

 ここからは時間との勝負と言えるだろう。ロイヤルの二人の勝利条件はスカンジナビアへの逃亡か、スカゲラック海峡に逃げ込みロイヤル本国を目指すこと。鉄血海軍の勝利条件は、それまでにスパイを対処することだ。考えてみれば俺の初出撃はスカゲラック海峡を通ってグラーフを暗殺しようとやってきたイーグルたちの迎撃であったが、今度は鉄血本国から逃げようとするロイヤルを逆に追い詰めようとするのだから、少しだけ皮肉な運命を感じてしまう自分がそこにいた。

 

「だがカテガット海峡は我ら艦隊の庭のようなものだ。恐らく他の鉄血艦隊よりも早くロイヤルのスパイと接敵し、交戦状態となるのは我らとなるが……どうする?卿?」

 

 通信越しよりまるでグラーフは試すように俺に聞いてくる。確かに現状では俺たちが一番早くその海域に到達する可能性は高い。しかし、問題はその後だ。カテガット海峡に入った瞬間、俺達を見かけた奴らは全力で逃亡に移るだろう。他の鉄血艦もダメージを与えようとしていたらしいが、相手はこちらを目視した途端に照明弾や煙幕を利用して必死に逃亡するはずだ。

 

 つまり、その前に逃げる二人を捕捉して仕留めるか、最低でも足止めをする必要がある。幸いこちらには相手の逃亡を防いだ実績のある空母グラーフが存在し、相手は軽巡とはいえ武装を殆ど破棄しているために危険性は薄いが、このまま逃亡成功させることだけは避けなければならない。

 

 仕留めるか、降伏させるか。その二つの選択を暗に投げかけたグラーフに、俺は少しだけ迷いつつ指揮艦を見つめる皆にゆっくりと返答する。

 

 

「悪いけど……できることならスパイの二人は捕縛したい。最初に降伏勧告を行い、無理なら自決する前に死なない程度に攻撃を行って、理想はどっちも、無理なら片方だけでも身柄は確保したい。皆、それでいいかな?」

 

「卿ならその選択を選ぶと思っていたさ、了解」

 

「はぁ……了解」

 

「うん、了解」

 

 ため息混じりに返答するヒッパー、即座に了承してくれるシュペー、まるで苦笑するかのように口を開くグラーフ。三者三様の返答であったが、全員が捕縛の選択を支持してくれたことに少しだけ驚いてしまう。サディアでイラストリアスのために海に飛び込むような無茶をした俺に文句や反対の一つでも飛んでくると思っていたというのに。

 

 

「……本当にいいのか?轟沈より難易度は上がって無茶なことを皆に頼むことになるけど……」

 

 

「卿は卿なりの考えがあるのだろう。圧倒的に有利な状況かつ、ロイヤルの援軍の可能性が少ないと我も判断しただけだ。それなら卿の言う通り情報を引き出すために捕縛を試す価値はある」

 

 

 グラーフはまるで俺の選択を予想していたかのように口を開く。確かに現在ロイヤルのスパイがスカンジナビア領海近くに既に逃げ込んでいるのなら俺も迷わず皆を危険に晒さないために、本部の指示に従い倒すことを前提に考えた。

 

 

 しかし、スカンジナビアが中立国でありながら親ロイヤルであるのと同じように、カテガット海峡の大部分を領有する中立国ユトランドは親鉄血だ。それを相手が理解しているからこそ逃げ込むことも難しく、カテガット海峡で捕捉できるのであれば、急な逃亡である以上ロイヤルから友軍が援軍に来ることは無い、来たとしても間に合わないはずだ。イーグルたちが孤立無援になって降伏を選択するしかなかったように。

 

 敵の援軍の可能性が限りなく低い以上、スパイコンビが逃亡に成功しない限りは生殺与奪の権利は鉄血が握っていると言えるだろう。なら、できる限り降伏させたい。相手がスパイである以上、捕縛することに成功すればロイヤルの情報だけではなく、どこまで鉄血の情報が漏れたのか調べることもできる。

 

 情報を握る者は戦いを制する。だからこそ人道的な観点から見ても、情報戦の観点から見ても、彼女たちには迷惑をかけるができればその身柄を確保したい。それが将来の鉄血のためにもなるだろうと俺は考えていた。

 

「アンタの性格くらい分かってるっての。本当に全く……つくづく思うけどアンタって本当にバカなのね。自分を銃撃した相手の命を気遣うなんて……」

 

 

 ヒッパーが艤装で海を滑りつつも腕組みしながら呆れた表情を浮かべて溜息をつく。実際に色々と言い訳はしているし、その言い訳は本心ではあるが、できる限り相手を殺したくない、皆に相手を殺さなくても良い状況であれば手を汚して欲しくないと願ってしまうのもまた事実だった。

 

 結局のところ、どう言い繕っても自分のエゴだ。自分や皆の手を汚したくないからこそ言い訳で頭を回転させて、敵の命すら奪うことを躊躇っている自分の。優しさではなく自己満足であり、軍人としては最低の考えだろう。だが、それでも。セイレーン戦以外で命が消える瞬間を見たくなかった。

 

 

「っていうか、今回はアンタの言うことは聞くけど今度交戦中に撃破したり、自決を選んだ相手を救うためにまた海に飛び込もうとしたら砲撃するわよバカヴァイス!!」

 

「同感だな。卿、絶対にバカな真似はするな。仮に敵の援軍が出現すればスパイの撲滅を我は最優先とする。卿も躊躇いを捨てろ、いいな?」

 

 

 ストレートな二人の言葉の裏には俺を心配する優しさが感じられ、覚悟を決めるために拳をぎゅっと握り締める。彼女たちの期待の優しさに応え、目的を果たすために俺は再びマイクを取る。

 

「さて……鉄血艦隊の皆に告げる。恐らくあと少しで逃亡中の敵と遭遇するが、今回の目標はスパイの捕縛だ。難しいかもしれないが相手の援軍の可能性が限りなく低い以上、追い詰めればその可能性はある。帰りは縛ったロイヤルの二人を連れてビスマルクさんに突き出したあと、第三基地で取れた芋をロイヤルの手荒いレディたちに振る舞うためにも、今度も皆で生き残ろう。我が同胞のために鉄血の力とならんことを!」

 

 俺の言葉に鉄血艦隊の三人は無言で頷いてくれた。後は時間との勝負だ、ロイヤルの二人が逃亡するよりも前に、鉄血の他の艦隊がスパイを粛清する前に、こちらで逃亡を阻止して身柄を確保しなければ。

 

 

「えっと、指揮官ちょっといいかな?」

 

 

 通信を終えてからすぐ、シュペーが俺に個別通信をしてきた。先程までの会話で一人だけずっと無言だったためになにか思うところでもあるのかな?と彼女の言葉を待つ。

 

 

「指揮官の命令なら私はなんでも聞くよ。指揮官のことを信頼しているし、指揮官は皆のことを信頼してくれるから。でもね」

 

 

彼女はそこで一度言葉を切ってからゆっくりと続ける。

 

 

「私たちも軍人なんだから相手を殺すことの覚悟はできてるんだよ?だからね、指揮官はそのことに責任を感じなくてもいい。指揮官は優し過ぎるから私たちが相手を殺すことに罪を感じるのかも知れないけど、それは違うと思うんだ。だって、相手が自分たちの国を守るためなら仕方ないって割り切っているように指揮官を銃撃した、私たちも相手が敵なら殺すしかないと思ってる。そして、それが全部悪いことだとも思わないよ。きっと、そうじゃないと戦争なんてできないんじゃないかな」

 

 シュペーの言葉が耳に届くと俺は心臓を抉られるかのような衝撃に襲われる。自己満足の気持ちもあるとはいえ、確かに俺は彼女たちにできれば戦争でも相手を殺さなくてもいい状況であれば殺させたくないと思っていた。だが、その甘さがシュペーのこの発言に繋がったんだと。

 

 改めて、指摘されると同時に自分が情けなかった。自分のエゴのせいでシュペーたちを傷つけていたのだと、彼女たちは女の子であると同時に鉄血のために忠誠を尽くす軍人で、俺が思っているより余程タフな女性であると改めて自覚する。

 

 

「戦いは殺戮のためにあらず、勝利のためにあり……指揮官はもっと楽に考えても良いんじゃないかな?貴方は自分を卑下してばかりだけど優し過ぎるからそうやって全部の責任を背負おうとする。そんな必要は無いんだよ。むしろ、誰も死なないで、殺さなくても済む道を考えてくれる優しい指揮官だからこそ皆ついて行くんだから」

 

 

 優しく諭すような声色で話すシュペー。ふと見上げると窓の外で並走するシュペーは巨大な義腕で優しく手を振ってにっこりと笑ってくれる。その瞳の奥底には信頼、そして包み込むような柔らかな慈しみが感じられる。

 

 

「私が戦う理由の一つがそんな優しい指揮官を守るためなんだから。多分、いや間違いなくヒッパーちゃんやグラーフさんも。だからね、指揮官。私から言いたいことは二つ。皆が好きな指揮官なんだからもう無茶はしないこと。そして罪の意識を一人で背負わずに私たちにも分けて欲しいってことかな」

 

 

 それだけ言うと、シュペーは速度を上げてスパイたちを追いかけていった。残された俺は胸にこみ上げてくる熱いものを押さえながら、自分自身の未熟さを恥じるのであった。

 

 

 

 

 鉄血艦隊はカテガット海峡に入り、緊張した様子で進んでいくとやがてレーダーには遠方にロイヤルの反応が二つ確認できた。相手は全速力で北に向かって逃亡中ではあるが、潜水艦による待ち伏せなども恐れて対潜レーダーでも見ながら進まざるを得ないのかその速度は遅い。どうにか間に合ったと安堵するが……突然レーダーにもう一つの反応が現れる。

 

「ピ、ピヨ!?ピヨヨ!」

 

 

「後方より接近中の未確認のkansen?鉄血海軍所属だけど艦名などは不明…?」

 

 

 索敵していたマンジュウが困惑気味に俺にそう伝えようとする。自身もレーダーを見てみるが、鉄血海軍所属であることは確認できたがその名前は「unbekannt(不明)」と表示されており、艦種すらも不明という徹底ぶりだ。

 

 

「なぁ、グラーフ!これって……」

 

 

 あと少しでロイヤルの二人と交戦するのだから不確定情報はできる限り潰しておきたい。そう思った俺はビスマルクさんの右腕でもあるグラーフに通信を入れようとしたところ、集音モードにしていたためかその謎のkansenの声が艦内に響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

『調べを奏でよ!貴方たちの罪が浄化され、貴方たちの魂が救済されることを願わん。そして同胞に刃を向けた貴方たちに憎悪、恐怖、絶望を味合わせるために』

 

 

 

 

 

 

 

「この声……まさか!?」

 

 

 グラーフは珍しく焦った様子で偵察機を二機、スパイ二人に。そして妖艶な美声を奏でる謎の美女に飛ばしていく。遠くから見える彼女の姿はグラーフよりも更に巨大な生体艤装を装備しており、友軍であることは確認できるが、同時に圧倒的な威圧感を与えており。

 

 

 

 

 

 

 

「Sinfonie Nr. 9…合唱せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、世界は破壊の渦に包まれた。

 

 

 

 

 耳を覆いたくなるような轟音と共に凄まじい数と密度の弾幕攻撃がたった一人のkansenによって行われ、それはまるで天変地異が起きたかのような光景だった。

 

 目の前で落雷が発生したと錯覚するような音に思わず全員耳を塞ぐ。

視界に入るだけでも海を覆うかのような夥しい数の弾幕が鉄血艦隊を紙一重で避けるように展開され、全ては逃亡中のロイヤルのスパイ二人に向かっていく。

 

 相手も弾幕に気がついたのだろう。レーダーの二人が逃げる速度は一気に上がるが、視界を覆う凄まじいまでの範囲攻撃を避けられるはずもなく、あっという間にレーダーの二人は無傷から中破判定を受けてしまう。必要最低限の武器を捨てて素早く回避に移った二人だからこそ中破判定で済んでおり、恐らく油断していたり、判断に迷えばあの弾幕の一撃で二人は海の藻屑になっていたはずだ。

 

 

「なんだよ…あれ…!」

 

 いくら相手が強力な武装を持っていたとしても、ここまで一方的な戦いになるなんてありえないと脳が理解を拒む。例えイラストリアスでも、ロイヤル最強の戦艦ウォースパイトでも、余程状況が有利ではない限り、たった一隻で戦場を支配するなんて普通ではあり得ないんだ。

 

 彼女たちは強いが、それは友軍の援護があるからであり、実際に単艦で孤立したウォースパイト、イラストリアスは強力なkansenであったが俺たちによって敗北した。かの有名なユニオンのエンタープライズでも単艦で全てを圧倒するのは不可能であると俺は思っている。

 

 

 だが現実としてロイヤルのスパイたちは次々と被弾していく。あの弾幕はたった一隻で戦艦十隻近くの砲撃に匹敵する程の密度であり、いくらkansenにスキルというものがあっても、あそこまで常識外れなスキルを聞いたことは無かった。

 

「フリードリヒ・デア・グローセ……上層部は正気か…!?」

 

「グラーフ!あれ何なのよ!あんなkansen私知らないわよ!?」

 

 驚愕するヒッパーは唸る生体艤装を撫でながらグラーフに怒鳴るように問いかける。圧倒的な破壊力をその目に見た彼女たちの生体艤装は興奮しているのか飼い主を無視して首を上げて雄叫びを上げており、シュペーの比較的大人しい生体艤装ですらそうなっている。

 

「知るはずもなかろう。グローセは鉄血でも限られた存在しか知らない決戦兵器であるkansen、普段は情報の秘匿のために地下で幽閉されている特別計画艦の一人なのだから」

 

 そうしてグラーフは舌打ちをしながら彼女を、遠方のグローセさん見つめながら説明する。マインツもかなり強いkansenではあったが、あのグローセという女性は恐竜を感じさせる巨大な生体艤装といい、圧倒的な力を通り越して理不尽すらも感じさせる。

 

「特別計画艦にはそれぞれ実験をかねて作られた存在だ。第一に作られたローンはドイッチュラント級の砲撃力とアドミラル・ヒッパー級の防御性能を両立。第三に作られたオーディンは対潜と電気を帯びた特殊弾頭の研究のために。第四に作られたマインツは相手の攻撃に反応して自動で反撃する炸裂シールドと周囲を溶解させる特殊弾頭の研究のために産まれた。そして第二に作られたフリードリヒは……」

 

 ────対セイレーンだけではなく、対アズールレーン戦を想定して作られたkansenキラーとも言える存在だ。

 

 グラーフは苦々しげに何かを思い出すように頭に手を当てる。

 

「彼女に与えられた役目は圧倒的な火力でただ敵を粉砕するというシンプルなもの。攻め寄せるアズールレーンのkansenたちをたった一隻で薙ぎ払い、蹂躙し、撲滅する。鉄血最強の決戦兵器、それがグローセだ。しかし彼女は性格こそ温厚ではあるが、試験ではあまりにも強大な力でセイレーンの大艦隊をたった一人で数分足らずで壊滅させてしまい力を示し過ぎた。故にビスマルクや上層部の判断によって余程の有事以外は存在すらも秘匿され、地下室に幽閉状態になっているが……」

 

「こうしてスパイを潰すためだけに出撃したと……」

 

 本来は本土決戦や大規模な攻略作戦に参加する予定であったグローセさんが、ただ二人のスパイを殺すためだけに出撃した。白昼堂々に鉄血本土で銃撃した挙句逃走中のスパイ二人はビスマルクさんも含めた鉄血の上層部の逆鱗に触れ、ここまでの行動を取らせる程に激怒させたという事なんだろう。

 

「それにしても、まさかこんな形であのグローセが出撃するとはな……時間がないぞ卿。次にあの弾幕が放たれればスパイの二人は間違いなく轟沈する」

 

 このまま、何もしなければ俺たちの任務は終了するだろう。最早あの弾幕を受けて中破判定となったスパイ二人はレーダーからでも分かるほどにその速度は減速している。やられるのは確実であり、このままでは時間の問題だろう。

 

 介入することも難しく、グローセさんに攻撃をやめさせるのも容易ではないことが窺える。何より俺を銃撃したのならまだしもヒッパーを蹴り上げ、民間人ごと煙幕に巻き込んだあの二人を助ける義理は情報が欲しいことを除けば無いと言い切れるが……よし。

 

 

 

「なぁグラーフ、グローセさんって人は味方ごと攻撃することはないんだよね?」

 

「間違いないだろう。苛烈な戦闘こそするが、鉄血海軍所属である彼女は決して同胞を……あぁそういうことか」

 

「その通り。じゃあ突っ込むか!」

 

「はぁ!?アンタは何言ってんの!?」

 

 

 ニヤリと笑うグラーフを見て、ヒッパーは叫ぶようにツッコミを入れる。あのグローセさんの弾幕の中へと突っ込むのかと言わんばかりに食ってかかってくるが、グラーフの言葉から俺は一つの確信を得ることができた。

 

 

「彼女の火力は強力だけど、だからこそ調整は難しい。弾幕発動にはタイムラグがあり、今の内に俺とヒッパーとシュペーが単横陣を組んで射線を邪魔すれば、きっとグローセさんは攻撃を躊躇うはずだ。後はグラーフに少しだけ待ってほしいとグローセさんを説得してもらいつつ、傷ついたロイヤルコンビを説得、無理なら沈まない程度に傷つけて捕縛すれば良い」

 

 

 考えようによってはこれはチャンスだ。ロイヤルの二人が中破判定となった今、シュペーやヒッパーであれば確実に追いつけ、有利な状況で戦闘ができる。煙幕や閃光弾が残っている可能性は高いが、グラーフの戦闘機を幾つか出してもらい、監視しながら機銃で脅せば相手は最早スカゲラック海峡にもスカンジナビアにも逃げ込むことは不可能だろう。

 

 あと少し、あと少しでスパイの二人を捕縛できるんだ。忠誠心の高いロイヤルネイビーらしく相手が自決の選択肢を選ぶ可能性もあるが、このまま撲滅されるのを黙ってみるより、俺は捕縛の可能性に賭けてみる。

 

「指揮官、多分グローセさんは抗議すると思うけど……」

 

「一時的に無線を切るよ。機材の故障とか戦闘に集中してましたとか、適当な理由つけてさ」

 

「アンタ本当にバカというかなんというか……あぁもう!付き合うわよ!私もあのスパイの二人に文句言いたいんだからこんな所で死なれてたまるもんか!」

 

 無線を切ることに不安はあるが、相手の逃亡がほぼ不可能となった今、捕縛できる可能性があるとグラーフが説明すればきっとグローセさんは受け入れてくれるだろうと信じるしかない。

 

「本当に…面倒くさい任務になったわね、全く!」

 

「でも、私たちらしいんじゃないかな?指揮官。もし説得が無理なら……」

 

「あぁ。その時はシュペーとヒッパーの命が最優先だ。だけどもう少しだけチャンスに賭けてみたい。悪いね二人とも」

 

「指揮官の望むことなら、なんでも」

 

「あーもう!バカヴァイス!どんな結果になっても今度は飛び込むんじゃないわよ!飛び込んだらキールの海に沈めてやるっての!」

 

 

 この場を放置すれば間違いなくスパイ二人は死ぬが、それを黙って見ていることはできなかった。俺の足を攻撃したことは正当防衛とはいえまだ許していないが、それでも死んでほしいとは思わない。イラストリアスの言葉が一瞬頭によぎるが無視をして、グラーフにグローセさんの説得を任せ俺達は横に広がり、ノロノロと逃亡中のロイヤルの二人に向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このタイミングで、増援ですか」

 

「こ、こ、このエディンバラ様はそんなことでは負けませんからね!」

 

 複数回の砲撃によって相手の動きを止め、相手を目視できる距離となったが二人の様子は酷いものだった。

 

 武器は殆ど放棄しているが艤装はボロボロとなっており、着用しているメイド服も所々が破れている。そのメイド服を見る限りこの二人はキュラソーと同じく本来であればロイヤルメイド隊の一員なのだろう。しかしシェフィと名乗った一人はこちらに睨みつけながらも最低限残った武器を構えている。

 

 焦っているからなのか本名を名乗ったエラ……いや、エディンバラは明らかに狼狽した様子でアタッシュケースを片手に焦っている。彼女たちの姿を見て様々な感情が流れるも、俺はシュペーとヒッパー、グラーフが用意してくれた護衛用の戦闘機に見守られつつ、マイクに手をやり国際チャンネルで降伏勧告を行おうとする。

 

 先程の弾幕で傷つき、後方から他の鉄血kansenが迫り、こちらに現在地を捕捉された以上、あの二人は逃亡は不可能と理解しているはずだ。こちらにダメージを与える装備はもはや無く、煙幕を焚かないところを見る限り最早煙幕すらも使い切った、もしくはあのグローセさんの攻撃で装置が壊れたのではないか?と予想する。

 

 

 大丈夫だ、やれる。強情に抵抗するならどちらか一人を轟沈寸前に追い込み、もう一人を脅すくらいのことをしなければならないだろうが、相手が即座に自決を選ばなかった以上可能性はある。できればあのアタッシュケースも入手したいと願いながら、深呼吸と共にマイクの電源を入れて、口を開きかけたところ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメダメ!君みたいな子は面白いけどさ!ここであの二人には沈んでもらって泥沼になって貰う必要があるんだから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然、レーダーが赤く染まり。同時に海は霧に包まれていく。

 

 

 

 グラーフとグローセさんの二人、後方より接近中だった鉄血艦隊のkansenたちは突然現れた大量の敵生体と交戦を開始する。

 

 

 

 

 あのさぁ!!!本当にさぁ!!!俺だってこの戦いがイーグルたちと戦った時と似ているなと思ったよ!?でもこんなところまで再現する必要ないだろバーカ!!!バーカ!!!!

 

 

 

「まさか…セイレーン!?やはり鉄血は……!」

 

 

 シェフィは突然霧と共に現れてこちらを観察する人型セイレーン……俺たちにとってはある意味因縁深く、交渉相手でもあったピュリファイアーと俺たちをじっと殺意と疑惑が入り混じった目で睨みつける。

 

 

 相手からすれば鉄血がセイレーンと手を組んで自分たちを殺そうとしていると考えているんだろう。いやこっちだって知らねぇよ!?と思わず悪態をつきたくなるのを必死で堪える。

 

 唐突に湧きあがったセイレーンの影響で、レーダー上では次々と鉄血艦隊とセイレーンが交戦を開始して戦場は混沌に包まれていく。グラーフ達を放置していたセイレーンがグローセさんによって凄い勢いで次々とレーダーから消えていく様を見ながらも、俺たちの周囲にはピュリファイアー以外の個体は出現せず、ピュリファイヤーは面白がるように更に口を開く。

 

 

「という訳で悪いけどキミたちは大人しくしてくれないかなぁ?もし何もしなかったらコイツら殺して仕事終わらせてすぐ帰るからさ。それにビスマルクの奴もあの二人殺せって指示出してるんだから、別に私が殺しても問題ないよね!!」

 

 

 ハイテンションに語るピュリファイヤーはシュモクサメのような巨大な艤装を展開しながらロイヤルメイド二人にむかって一発の砲撃を敢行。轟音と共に放たれたそれをどうにか二人は回避するものの、あくまでこれは挨拶代わりなんだろう。

 

 

「泥沼ね……俺たちがサディアに行く時に、こっちはこっちなりに目標はあるって言ってたけど、こうなることを期待していたのか?」

 

 

 唖然とした表情になっているロイヤルの二人と、即座にピュリファイアーに砲身を向けるシュペーとヒッパーを横目に俺がピュリファイアーに話しかければ、相手は驚く程にあっさりと白状する。

 

 

「うん、あそこでイラストリアスかウォースパイトのどっちかをキミたちが対処してくれるって期待してたんだけどさ、ちょっとキミは働き過ぎたよ。まさか両方助けて更にマルタ島から逃げる奴らまで捕縛されるなんて、キミと総旗艦サマの行動は想定外にも程があったかな?まぁ結果として世界は今までにないくらい面白いことになってるんだから、こっちとしてはこの結末も万々歳なんだけどね!!」

 

 

 ピュリファイアーはゲラゲラとムカつく笑い声を上げながら俺を指差してそう口にする。何かセイレーンが企んでいるのは百も承知だったが……ようやくピュリファイアーの考えが読めた。

 

 わざわざ俺を交渉役に選んだ理由は、イラストリアスの空襲をセイレーンは予見していてその対処のためにグラーフが派遣される可能性を少しでも上げるため。サディア帝国でセイレーンが出現しなかったのはあくまで国家間、勢力間の戦争であることをセイレーンは望んだため。

 

 セイレーンが鉄血に親切にしたのは決して優しさではなかった。そして何らかの事情でアズールレーンとレッドアクシズの全面戦争を望んでおり『イオニア海海戦』がレッドアクシズの大勝利で、血は流れずに終了した今、次にセイレーンが望むことは……

 

 

「面白いって言うなら俺たちを見逃してくれる…なんてことはないよな?」

 

「うーん、キミたちとは交戦する予定もないし、任務も無いから見逃すよ?ただキミには悪いけどさー、そっちの二人は今ここで沈んでもらう必要があるんだよねぇ!」

 

 

 彼女が望むことはロイヤルのスパイ二人が鉄血によって殺されるという状況。例えセイレーンが出現しても、俺たちが即座に撤退を選んだとしても、ロイヤルは確実に鉄血によって二人が殺されたと判断して態度を硬化。まやかしの冷たい戦争は二人の死によって導火線に火が付き全面戦争になり、泥沼になる可能性が高い。

 

 

「そっか……なら、仕方ない。シュペー!ヒッパー!交戦目標、ピュリファイアー!こっちとしても黙ってセイレーンを引いてくれるなら君と戦わないが…!」

 

 

「ははっ!面白いね!その選択イエスだよ!!こっちもずっと出番がなくて裏仕事ばっかで退屈だったからさぁ!楽しもうじゃないか!闘争を!!」

 

 

「っ!右方向に前進!盾になれ!」

 

 

「ピヨっ!」

 

 

 こちらの提案を無視してピュリファイアーは案の定ロイヤルの二人に向かって砲撃を加えるも、その射線に指揮艦を割り込ませて盾となる。青いシールドは一撃でヒビがついたが、後方の二人は無傷だ。

 

 

「そこのロイヤルメイド!!この乱戦じゃもう逃げるのは不可能ってわかるだろ!!死にたくなけりゃ下がって降伏して鉄血の保護受けろ!それが嫌なら邪魔だから逃げ回ってろ!この包囲網から逃げられると思うなよ!後で絶対捕まえるけどなぁ!」

 

 

 俺の叫ぶような通信を聞いたロイヤルの二人は返答もなしに逃亡を図る。クソっ!さっさと白旗あげて降伏しないとセイレーンと鉄血の二勢力に殺されるぞ!と舌打ちをしながら俺たちはピュリファイアーと対峙する。

 

 

「……なんで助けるのさ。鉄血は轟沈命令出してるし、相手は君を銃で殺しかけた相手だよ?」

 

 

 先程までのニヤニヤ顔を辞めて心底分からないといった表情でピュリファイアーは砲門を構える。というかやっぱりリアルタイムでこっちの命令とか把握してるんだなと新たなビスマルクさんに渡すべき情報を頭のメモ帳に書き写しながら怒鳴るように俺はピュリファイアーに叫んだ。

 

 

 

「うるせぇよ!!!レッドアクシズはセイレーンに対処するために産まれた組織で、最優先目標はお前たちセイレーンだ!話し合いが決裂した以上!今優先すべきことはお前の撃破!沈める、沈められるって戦争もお前たちとしかやりたくねぇんだよ!もしこの戦いの後またセイレーンが使者を派遣するなら、その時にまた話し合いの窓口は開けておくけどなぁ!今は沈んどけピュリファイアー!!」

 

 

 

 もう、うんざりしていた。今思えばある意味これは俺の本音だったんだろう。本当は蒼き航路を守るために指揮官となったというのに、やってることは同じ人類であるロイヤルとの戦闘ばかりでフラストレーションは溜まっていく。英雄になることに了承したのも、この戦争をさっさと終わらせて対セイレーン戦を集中するためだ。それが溜まりに溜まった状態で爆発したかのように俺はピュリファイアーに向けて叫んでいた。

 

 

 そのことでロイヤルの二人が再び逃亡に図ったことも気にせずに、本来の任務を無視してセイレーンに向かって叫ぶこの時の俺は既に冷静さを失っていたんだろう。そこまで言い切るとピュリファイアーは腹を抱えて爆笑する。ようやく謎が解けたかのように。

 

 

「アハハハ!!成る程ね!そういえばキミはそういう行動ばっかとってたねぇ!そりゃ異分子どころか『王』、『特異点』かもしれないってオブザーバーたちも言い出すわ!!……さぁ、交渉は決裂だ!キミのことは嫌いじゃないけどこっちも仕事なんでね!やるなら手加減なしで……殺し合おうかぁ!!」

 

 

「シュペー!ヒッパー!気をつけろ!相手は強力な個体だ!グラーフが戻るまで時間稼いで、グラーフが戻ったら攻勢に移るぞ!」

 

 

「ほんっっっとう!!なんで毎回事態がややこしくなるのよ!ヴァイスあんた呪われてるんじゃない!?この戦闘終わったらお祓いでも呪術でも受けなさいっての!!」

 

 

「ロイヤルの二人はカテガット海峡に向けて逃走してるけど……抜け出した足の速い駆逐の子たちが追いつきそう。だから気にせず目の前の相手に集中してね指揮官!」

 

 

 

 彼女たちの言葉を聞いて無線を回復した途端、鉄血の回線からは次々とセイレーンと交戦中の艦隊同士の連絡が飛び込んでくるが、それまでの記録から指揮と操舵を行っているらしいピュリファイアーを撃破すれば大幅に残りのセイレーンは弱体化するだろう。今も戦う鉄血の友軍のために、そして再び逃亡するロイヤルの二人を捕まえるために、俺はグラーフに短く現在の状況を伝えて指揮を取る。グローセさんには後で干し葡萄のワインを送ろうと決意しながら、目の前の敵を排除するために行動を開始する。

 

 

「我が同胞のために鉄血の力とならんことを。そして祖国の、鉄血の旗の下に……誓ってお前を倒す!!」

 

「上等!その旗ごと焼き払ってやるよ!さぁ宴の始まりダァ!!!」

 

 

 

 戦闘、開始だ。

 

 




・かの有名なユニオンのエンタープライズでも単艦で全てを圧倒するのは不可能であると俺は思っている。

 実際にはエンプラさんは一隻で無双してますのであの人はアニメの描写を見る限りセイレーン戦では無双、四隻のkansenに囲まれても余裕で勝利しかねないからこそ鉄血が撤退を選ぶなど、強さが色々おかしい例外と言えるでしょう。ちなみに更にゲーム内の作中描写でおかしいと言えるのはたった2隻(実際にはシャングリラが写真撮影していた為に一隻)セイレーンの軍団を粉砕し、母港時空の演習では雪風曰くたった一隻でやり遂げたとまで言われたエセックス。

・フリードリヒ・デア・グローセ

 鉄血が誇る決戦兵器である特別計画艦。今作ではその余りの強さから切り札や虎の子として地下で幽閉され、然るべき戦いに備えて情報が徹底的に秘匿していましたが激怒した鉄血海軍によってスパイ二人を仕留める為に実戦突入される事に。ロイヤルで幽閉中の特別計画艦組とおなじく幽閉こそされているものの、彼女自身はビスマルクの過剰とも言える地下シェルターの幽閉部屋の設備投資や自身の影響力を理解しておりそれなりに満足度しているそうな。とは言え監禁されている環境や本来は世話好きな性格だと言うのに同胞達と会えない環境に少なからずフラストレーションは溜まっており、それが圧倒的な戦闘力に繋がった。

ちなみに彼女が戦闘に介入する可能性はシェフィールド達の現状把握ダイスにおいて。

dice1d10=8 (8)
1~2.数が少ない事を利用してうまく逃げている…
3~7.損傷しながらも撤退中のようだ…
8~9.…上層部は殺す気で?←確定
10.*おおっと*


dice1d10=10 (10)
1~7.グナイシャルンの艦隊も参加してる
8~9.オーディン…?
10.闇 マ マ←登場確定

とかなりの低確率であり結果としては鉄血艦隊のブチギレ度がよく分かる結果に繋がるのでした。


・セイレーンの目的

 セイレーンの目的は様々な過去の並行世界に干渉して彼女達が敗北したとされる『X』と呼ばれる謎の勢力に対抗するための術を求めていた。その為に様々な並行世界に働きかけているのがアズールレーンという作品の根幹であり、レッドアクシズとアズールレーンを殺し合うように誘導させて蠱毒によって覚醒(META化?)するkansenなどを求めたり、異なる並行世界同士(コラボイベント)繋げる事でその反応を調査していると見られている。

 今作でピュリファイアーが行っていた実験は。

『タラント空襲が鉄血によって阻止された場合どの様な影響を及ぼすか。そして戦いをイラストリアスかウォースパイトという重鎮が死ぬ事で、戦いを泥沼化させて新たなる特異個体の発見を求める』

 というものであり、失敗する可能性もありましたが見事モルモットである指揮官達は役目を果たしました……そう、セイレーンにとっては頭を抱えるほどに大勝利を。誰も血を流さずにロイヤルが降伏してヨーク以外の全ての戦力がレッドアクシズの手に落ち、報復による泥沼以上にクイーン・エリザベスの政治生命が絶たれかねない程に、戦争が早期終結する可能性すら出るほどの大勝利を。

現在も歴史が崩壊して変わりゆく世界を観察していますが、ピュリファイアーとしては泥沼になって貰わなければデータは集まりません。だからこそ彼女はここでスパイの二人を殺害した上で工作を行おうとしたのですが、また彼女の前に『モルモット』は立ち上がるのでした。

ピュリファイヤーが登場する可能性も本来ならシェフィールド達への降伏勧告の場面で、

dice1d10=10 (10)
1~3.うるせえめんどくせえ死にたくなきゃ降伏しろください
4~6.ここで死なれたら約束破る羽目になるんだよ
7~9.…悪いけど、死なない程度にダメージは受けて貰うぞ?
10.*おおっと*←ファンブル


dice1d10=8 (8)
1~3.…闇ママは狙撃もできるようだ
4~6.ああもう!時間もないだろうし今すぐ選べ!ここで死ぬか!それとも他のやつと一緒に助かる可能性は持つか!
7~9.ダメだよ?キミみたいなのは面白いけど、その子達はここで沈んで貰わないとさぁ←来ちゃった♡
10.*おおっと*

 とかなりの低確率であり、今回のお話はファンブルの連続によって混迷する戦いとなるのでした。

・指揮官のやらかし。
指揮官達視点では休暇、入院していたり、退院するまで付き添っていたなどの情報の不足もあるのですが、今回指揮官は相当鉄血海軍視点では色々とやらかしています。そのやらかしなどの説明や何故そうなったのか?などはまた別の機会に。


 次回は恐らく今年最後の投稿になる予定ですが、来年も皆様よろしくお願いいたします。

 コメント、感想、評価などをお待ちしております……

指揮官の後世の評価はどうなる?

  • 戦争を終わらせた立役者
  • サディアを救った救国の英雄
  • ロイヤル最大の敵
  • 女の子に手を出しまくりの色を好む英雄
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