今年も『鉄血の旗の元に』をよろしくお願いします
柔らかな朝の日差しと共にカリカリと書類にペンを走らせる音が執務室で静かに鳴り響き、時折窓の外からは小鳥たちのさえずりが聞こえてくる。そして、部屋の中央にある大きな机の上には、山のように積まれた資料や報告書の束。
その一番上に重ねられた一枚を手に取り、そこに書かれた文字を目で追う男は慣れた様子で次々と書類を処理していく。
ここは鉄血海軍の総本山キールに存在する無人の労働ロボットであるマンジュウの研究と、バルト海とカテガット海峡を防衛することを目的として作られたキール第三基地。そして今、私の目の前で仕事している人物こそが鉄血海軍の指揮官ヴァイスクレー・ヘルブストその人だった。
指揮官は着任してまだ日も浅いというのに、嫌な顔ひとつせず書類仕事を黙々とこなしている。その姿を見つめながら、私は秘書として彼のサポートを行なっている……のだが、正直な話やることはほとんど無かった。
というのもこの指揮官。最初の頃はもし間違いの一つでもしていれば注意くらいしてやろうと思っていたのだが、普段のデスクワークに関しては欠点らしい欠点がない。コイツは仕事に取り掛かると目の色を変えて黙々と作業を進めるのだ。そのため私が手伝おうにも邪魔にしかならず、こうしてただボーっと眺めていることしかできなかったりするのだ。
もしサボれば嫌味か小言の一つくらい言ってやろうか?と思ったのだが、認めざるを得ない。コイツは少なくとも普段の事務仕事に関しては優秀であると。
朝からきっかり10分前には仕事に取り掛かり、一度もサボることはなく最後まできっかりと終わらせる辺り、本当に生真面目な人物像であることが伺える。
私は指揮官と出会ってまだ1ヶ月も経ってないが、指揮能力がクソ雑魚であることと、突拍子のない行動を勝手に行うなどを除けば指揮官としては好ましい人物であると認めざるを得なかった。とはいえ戦闘中にいきなり突っ込んで降伏勧告を行なったり、相手からの通信傍受を恐れてグナイゼナウたちが援軍にくるまで耐えるという、本当の狙いについて伝えなかったのは未だに許してはないが。
とはいえ、私から見たヴァイスクレー・ヘルブストという人物への印象はそれほど悪いものではなかった。いやむしろどこぞの見た目以外は真面目要素はないバカ妹と比べてもかなり好感を持てるとすら言えるだろう。
確かに緊急時は問題行動は多いし、頭おかしいんじゃないかと思うこともあるけど、休日や休憩の合間などでは自発的に勉強を行い、ロイヤルの捕虜への対応も紳士的であり、鉄血軍人としては好ましい人物であると言えるだろう。
正直な話グラーフには借りがあったからこの誘いにのったが、もし指揮官が頼りないバカなら根性を叩き直すか、さっさとサイン済みの異動届を出してやるつもりだったがその必要がなくなったのは幸いだ。
とはいえ、お人好しというか純粋で優し過ぎるシュペーはともかく、何故グラーフの奴があれ程までに指揮官に期待をしているのかまだ正直分からないが。真面目ではあるし、欠点に目を瞑れば好ましい人物ではあるが、それでも指揮官はまだ着任してまもない新人だ。
まぁ……書類仕事を押し付けたアホのオイゲンと比べれば、自分としては彼は良くやっていると思うし、好ましい人物であると言えるだろう。だから私は見極めなかった、グラーフが選んだ人物が。そして私の指揮官……本当に鉄血のためとなり、私が彼の元へ配属されてよかったのか?と心から頷けるかどうかを。
「んっ?どうかしたのかヒッパー?」
そんな事を考えていると無意識に彼を見つめていたんだろう。指揮官は優しく私に微笑みかけてくるが、その姿に少しだけ焦った私は厳しい言葉を投げつけてしまう。
「はぁ?自意識過剰よ、アンタが仕事をサボってないか見張ってただけよ。さっさと仕事終わらせなさいっての」
まるで突き放すかのような言動をした後に私は後悔する。まただ、また指揮官に厳しい言葉を投げつけてしまった。シュペーやグラーフにはそんなことがないというのに、何故か指揮官を前にするとつい強く当たってしまう。本当はこんなこと言いたくないのに、どうしてこうなんだろうか……?そんな私の葛藤を知るはずもなく、指揮官は別段傷ついた様子もなく、苦笑いを浮かべながら再び仕事に取り掛かる。カリカリとしたペンの音が再び執務室に響き渡る。
なんか調子が狂う。
嫌だ、面倒臭いという訳ではないが、彼の元で働くようになってから、コイツと話すようになってからひたすら調子が狂ってしまう。男という奴はこんな奴ばかりなのだろうか、それとも指揮官が例外なのだろうか?なんて考えつつも今日も私達はいつも通り仕事をこなすのであった。
暖炉の炎がチラチラと燃える控室にて、私は同僚のシュペーと共に暗い雰囲気で二人で過ごしていた。シュペーは肩を震わせて何かを恐れるように怯えており、目に見えるほどに憔悴している様子が痛ましい。声をかけようかと思っても、私も上手く声がでない。何を言えばいいんだろうか?気休めの言葉をかけても、きっとよりシュペーを傷つけるだけに過ぎない。
ここは鉄血海軍の本部。査問室の横に並列された関係者専用の控え室だ。そう、私たちは査問委員会に出席する指揮官とそれを弁護、説明するために呼び出されたグラーフをずっと待っているのだ。もう30分も経つというのに査問会が終わる様子はない、気不味く、重々しい雰囲気が部屋を満たす中、私の心も後悔の海に沈んでいた。
今回指揮官が軍法会議に呼び出された理由はつい数時間前に行われた海戦での彼の、いや私たちの艦隊の問題行動が要因だった。私たちは因縁もあって忌々しいロイヤルのスパイと思わしき存在を捕縛するために独自に行動をとっていたのだが、それが問題だったのだ。
「オイゲンあんた……」
嘆息混じりに、いやもう何度嘆息したのか分からない。私の妹の一人でもあるプリンツ・オイゲンは私と指揮官がスパイに銃撃されたことに激怒。私たちがいない会議で鉄血の幹部やkansenたちを説得して断固としてスパイを撲滅しようとしたらしい。その結果があの海戦前のビスマルクの演説に繋がった。
もちろんオイゲンの気持ちは複雑とはいえ嬉しい。あの子は私のために、私と指揮官のためにスパイを合法的に始末するように『善意』でクイーン・エリザベスに報復しようと場をセッティングしたんだろう。問題は本部で水面化に行われていたその事実を私たちは知る術がなかったということだ。
断固としてスパイを撲滅して、鉄血の同胞を傷つけたクズ共にその末路を見せつけたい鉄血海軍。
甘さもあるといえ、情報を引き出すために逃亡するスパイを捕縛することを望んだ私たち。
二つの思惑は食い違い、更に第三勢力のセイレーンの乱入によって戦場は混乱に包まれ、後一歩のところでスパイの逃亡という最悪の事態を招きかけた。幸いスパイは追撃した駆逐艦たちの猛攻に耐えきれずに降伏したものの、相手を捕縛するためにグローセの攻撃の妨害や独断で通信を切っての突撃。更に結果として何としてでも、例えセイレーンを無視してでも撲滅する必要があったスパイの逃亡を許すなど、私たちは鉄血海軍の動きを妨害してしまった。
結果としてはスパイは捕縛できたとはいえ、それはあくまで結果論だ、知らなかったではすまされない。まず間違いなく私や指揮官たちは処罰されるだろう。
全ての思惑が食い違い、ボタンを一つ掛け違えたらどうなっていたのかと思うとゾッとする。そして同時に理解した、私たちは調子に乗りすぎていたと。本来ビスマルクが撲滅命令を出した時点でスパイは何としてでも沈めなければいけないというのに、私たちは『いつものように』捕縛のために動いたのだ。
バルト海の時も上手くいった。
イオニアの時も上手くいった。
戦場でロイヤルの戦士を捕縛して、捕虜として連行することに慣れすぎていた。
今度も上手くいく、指揮官の提案に私たちは何の疑いも持たずに賛同して……ビスマルクが何故撲滅命令を出したのか推測することもせずに動き、結果としてこうなってしまった。でも仮にピュリファイアーが出現しなければ、私たちはロイヤルの二人を降伏させるために説得、無理でも手負いの二人を殺さない程度に追い込んで……あーだめだ、私全然反省できてないわねこれ。
捕虜を取ることに異論は無かった。寧ろ私たちを銃撃した捕虜に文句の一つも言いたかったくらいなのだから。でも無線を切って敵に突撃して友軍の妨害を行った挙句に敵に逃亡されかけたとか、そりゃ鉄血の上層部もキレるわと頭を抱えたくなる。もし、敵の撲滅を決定したあの会議に私たちの誰かが出席していればまた違った未来があったかも知れないし、指揮官だってそのことを知っていればまた別の対応を見せたかも知れない。だけど全て終わってしまった。過去の出来事は変わらないのだから。
シュペーは相変わらず俯いたまま時折震えている。前から思っていたけど、あの子は軍人としてはあまりにも優し過ぎる。今回の出来事で言い訳みたいなことを考えている私と違い、あの子は本当に責任を感じているんだろう。いや、むしろ……シュペーは私たちが離れ離れになることを恐れているのかもしれないと推測する。
あの子は特に指揮官に甘く、優しく、そして懐いていた。恋愛感情が彼女にあるのかどうかは分からないけど、大切に思っているのは確かなはず。そんな指揮官と離れ離れになることを、指揮官が処罰されることを恐れているはずなんだ。
スパイの捕縛が結果論として成功したのだから、指揮官が銃殺されることはまずないだろう。しかし、部隊の解散や指揮官が予備役に落とされる可能性はある。少なくとも基地司令を解任されることはほぼ確実だろう。私だって、ビスマルクと同じ立場ならそう考えるはずだ。
シュペーは恐らく自分の失敗で私や指揮官に迷惑がかかると思っているんだろう、だからこそ、呑気な私以上に罪悪感を覚えていて、後悔している。
「ヒッパーちゃん……」
「ん?なによシュペー」
「……離れたくないね。私たち、やっとお互いのことを知ることができたのに……指揮官、大丈夫かな?」
シュペーは俯いたまま、絞り出すように言葉を紡ぐ。
それはまるで懺悔するかのように。こんなに怯えている女の子が数時間前にピュリファイアー相手に大立ち回りしていたなんて想像もつかない程に。
「ヴァイスのことだから上手く立ち回るわよ。あの馬鹿、指揮はザコでマヌケなのに口だけは上手いんだから」
私はその言葉に応えるように、彼女に安心させるように努めて明るい声を出す。
確かに、指揮官は戦闘はからっきしだし、艦隊運用なんて全くの素人だった。でも、あのバカは空母運用に関しては鉄血指揮官としては誰よりも理解があり、それまでの功績も計り知れない。
上層部は確実に指揮官に何らかの処分を与えるとはいえ、その有用性、功績の上で使い道のある人材を切り捨てることはない……と信じたかった。
なんか調子が狂う。
シュペーにそんな月並みの言葉をかけながらも居心地の良い、帰るべき場所だと無意識に思っているこの部隊が。解散することに嫌だと感じている自分がそこにいるのだった。
「あぁ……シュペー、ヒッパー……終わったぞ」
やがて控室のドアがゆっくりと開き、査問会に参加をしていたグラーフが疲れた様子で戻ってきた。いつもの気怠げな表情とは違うが、心が擦り切れるまで疲れた感じが嫌でも伝わってくる。査問会で何があったのだろうか?サディアでイラストリアスと戦った後だって、こんな顔をグラーフはしていなかったというのに。
「グラーフさん!!指揮官は!?」
「落ち着けシュペー。ビスマルクが卿を傷つけるはずがないだろう。処分は決定して、今はその手続き中だ。少し遅くなりそうだから早めに帰って欲しいと卿は言っていた」
シュペーはグラーフの横に指揮官がいないことに焦った様子であったが、彼女の言葉で安堵のため息を漏らす。だが、それでも心配そうな表情は変わらず、シュペーは今にも泣き出しそうであった。
「それで、ヴァイスや私たちの処分はどうなったの?」
「まず我々kansenの処分に関しては卿が頑なに命令を強硬した自分だけが悪いという立場を崩さず、ビスマルクも今回の件は部隊の代表である指揮官の判断ミスであり、処罰も指揮官のみが適正であるという流れに同調した」
グラーフは椅子に腰掛けながら私たちに今回の顛末を話し始めた。まぁ、予想通りと言えばそれまでだけど、指揮官らしいわねと思わず頭を抱えたくなる。これで私たちに全く責任を被せずに全て自分が悪いと言い出すのがアイツらしい。
「さて、結論から述べよう。我らキール第三基地の面々、そして基地司令であった卿に下された処分は……独断による単艦隊による突撃、及び結果的に作戦目標であったロイヤルの捕虜を逃しかけたことに関する処分は……無しだ」
「……はぁ!?」
思わず耳を疑った。
自分たちは処分を下されると思っていたのに、上層部の判断はお咎めなしと来たか。一体どういうことなのか、私には理解ができなかった。シュペーも困惑した様子でグラーフを見つめると、グラーフはその顛末について語り始める。
「結論から言えば上層部の処分はこのようなものだ。今まで我らが管理をしていたロイヤルの捕虜は、これから『危険性が生じたために』本部預かりになる。卿は2月になるまで『療養』を行うためにマンジュウに関するもの以外の軍事に関する全ての業務から外されて、基地で『傷ついた身体を癒すために』外出を禁じられて療養生活を送ることになる」
「えっ…ちょ、ちょっと!」
「そして我らは部隊の代表である指揮官が『戦傷によって一時的に戦線を離脱』したために、本部で短期間の別の任務が与えられる。それまで『傷ついた』卿に刺激を与えないためにあまり会うことはできなくな──」
「だからグラーフ待ちなさいって!?どういうことなの!?」
私は二つの意味でグラーフの言葉が理解できなかった。思わずグラーフに問い詰めて声を上げてしまうが、グラーフは当然だろうと頭痛でもしたのか頭を抱えだす。
一つめは私たちの処分だ。その内容は……あまりにも、軽すぎる。
本当にいくら何でも軽すぎる。減俸や基地司令の解任、なんなら不名誉除隊や懲戒処分として刑務所送りになることも視野に入れていた。流石に不名誉除隊や刑務所送りなら自分も声を上げたが、実質ほとぼりが冷めるまで何もするなと言われただけ。
正直拍子抜けだった。
上層部がここまで自分たちに温情をかける理由が全く理解できない。確かに罪に問われることは予想していたし恐れてもいたが、それでも2~3ヶ月ほどの謹慎が終われば全て元通りになるなんて予想できるはずがない。
二つ目に、その処遇の内容だ。独断専行や友軍の妨害ではなく、まるで指揮官が重症でも負ってそれが理由で謹慎だなんて……いや、謹慎ですらなく療養のためとはどういうことなのよ!?指揮官はあの戦いで死にかけたとはいえ、本人は五体満足で怪我ひとつなくピンピンしてるじゃない!それなのに何故、上層部はそんな判断を下した!? 分からない。あまりにも情報が少なすぎて思考が混乱の坩堝に巻き込まれ、シュペーも心配そうに見つめてくる始末。
「……どう思う?シュペー」
「多分だけど、指揮官は何かやったんじゃない、かな?」
「でしょうね。上層部相手にあのバカが口だけで大立ち回りでもしたのか……何がどうしてこうなったのか全然わからないわ……一体何をしたらこんな処分が下されるのよグラーフ!」
「……シュペー、ヒッパー。それで納得するんだ。そして今から我が述べる言葉は何があっても口外せず、墓場に持っていくと誓ってくれるか?」
グラーフは真剣な表情で私たちを見つめてきた。いつもの気怠げな表情とは違うそれに、私もシュペーも息を飲み込む。
「今回の事件は全てロイヤルが企てたものであり、我らは被害者という筋書きとなっている。あの海戦で我らの指揮官は慈悲の心と人道的な観点からイラストリアスの時と同じく降伏勧告を行うも、その直後に示し合わせたようにセイレーンが出現。スパイたちは卑劣にも我らに押しつけて逃亡した。我らはスパイではなく人類種の敵であるセイレーンと戦いを優先し、見事人型個体を撃破、そのサンプルの回収に成功するも、セイレーンとの激戦によって指揮官は重症を負って昏睡状態に陥る。意識こそ回復するも傷は深く、指揮官は療養のために2月まで基地で休み、安全と国防の観点から捕虜は全員本部管理。これも全て卑怯で卑劣で降伏勧告を無視した挙句セイレーンを無視して逃亡した下劣なロイヤルが行動が招いた結果…というわけだ」
グラーフは一気に言葉を発して疲れたのかアイスコーヒーを一口飲む。……えぇっと。つまり、要約すると。
・ロイヤルの捕虜は本部預かりになり、危険が及ばないように監視が付く。
・ロイヤルの行動が原因で上層部は処分なしとした。
・私たちは寧ろ被害者であり、指揮官は重傷を負った上に療養のために2ヶ月間基地から出られない。
・悪いのはロイヤル。全部ロイヤル。何もかもロイヤルであって、更にセイレーンを呼び出した疑惑すらある……か。
いくら何でも都合が良過ぎるような気がするが、恐らくビスマルクはこの海戦をプロパガンダに利用してロイヤルを貶めようとしているのだろう。ロイヤルは鉄血にスパイ行為を行った挙句、無様に捕虜となり醜態を晒した。そして指揮官はそんなスパイを捕縛しようとするも、人類の共通の敵であるセイレーンとの交戦を優先して負傷するというカバーストーリーを作ったのだろう。全ては……
「全部サディアとの関係悪化を避けるため。そしてロイヤルの被害者であるサディアと共同で声明を出すことでプロパガンダとして使うつもりなのね……」
「そうだ。今回の件は我らだけで処理する問題ではない。故に、ビスマルクの言う通り我々は『被害者』として振る舞う必要がある。幸いにも此度の件に関して、我らは即座にその筋書き通りにロイヤルに抗議をするも、ロイヤルからは謝罪も賠償もなく、逆にこちらに責任があるかのような物言いをしているとの情報もある。当然だろう、交戦国にスパイを送り込むこと自体、ロイヤルが認めるはずもないのだから」
今頃スパイ二人は不当に拉致されたなんてあの小さな女王は喚いているだろうとグラーフは苦々しげに口にする。そう、自分たちに処罰がなく全て上手く収まったというのに、彼女の表情は苦虫を何匹も噛み潰しているかのように歪んでいた。
「ビスマルクにも言われたよ。今回の処分は決して指揮官の有用性や功績が理由だからではなく、ただサディア帝国との友好関係の維持のために過ぎないと。もしも次に同じようなことが、軍規を違反して本部にも報告せずに単独行動に移った場合、サディアが何を言おうが厳しい処分を行うとな……」
サディア帝国は、あまりにも急速に鉄血との仲を深め過ぎた。
その関係は当事者の一人の私から見ても劇的でドラマティックな展開だ。和平を望むサディアを襲う卑劣なロイヤルの夜間空襲。後一歩で港が焼き払われる直前に現れた鉄血の若き英雄が率いる救国の艦隊。そして英雄である指揮官はサディアだけでなく敵ですら危険を顧みずに救助し、ロイヤル最強の戦艦ウォースパイトすらも降伏に追い込んだ。これで興奮しないサディア帝国の国民はいないだろう。
鉄血としても想定外ともいえるサディアとの急速な接近は喜ばしいことだが、そこで『英雄』を処罰したとサディアに知られれば蜜月関係の崩壊にもなりかねない。軍規違反、単独行動をしてしまった救国の艦隊への失望、もしくは英雄を処罰したビスマルクに怒りの矛先が向きかねない。例えビスマルクが正しいとしても、情報をどう思うのか?どう受け取るのか?はサディア帝国次第なのだから。
グラーフによれば幸い私達が戦闘の直前まで無線を切っていたことも重なり、今回の私たちの行動を知るものはビスマルク、ティルピッツ、グローセ、そして上層部の一部と本人たちだけなのだから口裏合わせや隠蔽は容易かった。
『貴方の役目は2月になるまで何もせずに、人にも見つからずに、重症を装うこと……それが処罰でもあり、新たな任務よ。これから鉄血はロイヤルに関して持てるカードを全て使い外交攻勢を仕掛ける。だからこそ貴方はサディアの英雄であり、卑劣なロイヤルの被害者、犠牲者である必要があるのよ。だから貴方は何もしないで。そして謹慎期間の間一人でゆっくりと、鉄血軍人としての自分を考え直しなさい』
ビスマルクは査問会議の最後に指揮官にそう伝えたらしい。査問会議に参加していた上層部の人々の表情は様々なもので失望や怒りの色もあれば、セイレーンの乱入さえ無ければと擁護に回る人もいる。今回の処分に関しては紛糾したらしいが、ピュリファイアーの撃破と腕という生体サンプルの確保や、グローセの擁護、作戦目標の確保の成功なども重なり最終的にはこの処分に落ち着いた。
空気は重苦しく私たちに伸し掛かる。失態を起こしたというのに、それを自覚したというのに実質的には無罪放免という結果は予想以上に堪えてしまう。そしてこの状況を招いた一人でもある私は何故、どうしてあの時単独行動を、無線を切るなんて言語道断の行動を止めずに同調してしまったのだろうか?と胃が痛くなる。
「今回の件は我も含めた四人全てに責任がある……恐らくこのままでは馴れ合いの結果、更に酷い事態を招いた可能性もあろう。今回のことを反省して、今一度我らは鉄血の旗に集う戦士として本当の信頼の意味を、そして軍人としてどうあるべきか考え直すべきなのだろう」
その言葉を最後に沈黙が包み込む。今日は部屋に帰れば私たちは2月までの間基地を離れるために荷物をまとめる必要があるだろう。やがてグラーフは我も手続きの必要があると部屋を後にして、控室には私とシュペーだけが残される。
「……荷物まとめて待機する必要もあるし、帰ろっかシュペー」
そうシュペーに声をかけたのだが、シュペーは躊躇いがちに首を横に振りながら力なく微笑んで私を見つめる。
「ありがとうヒッパーちゃん……でも遅くなっても、私は指揮官を待ってるよ。多分明日にはもう、しばらく会えなくなるから……」
シュペーの瞳には気のせいかも知れないが、少しだけ涙が浮かんでいるように見えた。彼女は私やグラーフ以上に指揮官に甘い、信頼し過ぎると思ってはいるがもしかすると……彼女は指揮官に信頼以上の感情を抱いているのかもしれないなんて、ふと思ってしまうがその疑惑は一旦捨てておこう。
「多分……今はアイツを一人きりにさせてあげた方がいいと思うわよ、グラーフも言ってたでしょ?私たちはそれぞれ一人で考え直す必要があるって」
「でも!……うん……そう、だね…ごめんヒッパーちゃん、ちょっとドイッチュラント姉ちゃんの所に行ってから帰るから、先に戻っておいて……」
シュペーなりに指揮官を心配した結果ではあるが、今は一人でゆっくりと反省して考え直す必要があるはずだ。そして指揮官は多分……今私たちと顔を合わせても、気を遣われても余計に責任を感じてしまうだけだろう。アイツは常に自分のことは考えないのに、人のことに関してだけは人一倍敏感なんだから。
なんか調子が狂う。
私も今までのことを、そしてこれからのことを、何がダメで、今後はどう行動するべきかを考えながら、私たちはそれぞれ部屋を後にするのであった。
「……!ぷはー!もう一杯お願い!」
査問会議から五日程の時が経ち、私は新たな戦闘データ収集任務をこなしつつ、仲間たちの居ない日々を過ごしていた。
結局あの後指揮官と顔を合わせることはなく、私は荷物をまとめてオイゲンと共に過ごしていた部屋に今は一時的に戻っている。それまで、基地に配属される前と同じ変わらない日常。だというのに、皆と会うこともできず、更に自己反省や罪悪感を胸に秘めた私はこうして基地に設置されたバーでビールを飲んでいた。
正直なところ、査問会議の後からはずっとこんな感じだった。自分があまりにも情けなくて許せない上に、皆と会えないストレスは相当なもので私は酒に逃げてしまう。私は自分が思っていた以上にあの艦隊に愛着が湧いていたらしい。仕事が終われば浴びる程にビールを喉に注ぎ込み、それが終わるとベッドで眠りにつく生活。
シュペーやグラーフは何をしているんだろうか?そんなことをアルコールで頭がぼぉっとなる中で考える。なによりも指揮官は、ヴァイスは本当に大丈夫なんだろうか?会いに行きたいと思う気持ちはあれど、謹慎中である彼に会うことは望ましいとは思えずに、今はお互い心の整理が必要……まぁ整理なんてほっぽりだしてビール飲んでる私よりはマシだと思うけどね、まったく。
「あらあら…荒れてるわね?」
そうやってビールを数杯飲んでいると、仕事終わりなのか妹のオイゲンが苦笑しながら私の隣の席に座ってくる。彼女も査問会議から今日までの間はずっとこの調子だから心配していたのだろう。オイゲンとはスパイに関しての会話は暗黙の了解として一切していないが、今の私にとってはそれすらもありがたかった。
「はぁ!?どこをどう見たらそうなんのよオイゲン!」
「あら、いつものヒッパーを知ってたら誰でもそう思うわよ?
いつもはそんなに荒っぽく飲んだりとかしないじゃないの」
酒のせいでいつもより気が荒くなりつつオイゲンに反論すれば、彼女はテーブルの上に大量に置かれた空のジャッキを指差しながらクスクスと笑い出す。初老のバーテンダーは何も言わずにジョッキを手渡してくれるが、やはり小柄な女が浴びるように酒を飲むのは目立つのだろう。数名の基地で働く軍人らしき客たちがチラチラとこちらを見つめていることに気がつくと私はグラスに残っていた最後の一杯を飲み干し、大きく息を吐いて椅子に深く座り込む。
これだからオイゲンは憎めない。この女は見た目以外はクール要素のない上に、不器用でガサツで直ぐに懐いた人間に物事を押し付けて指しゃぶって余裕綽々な表情を浮かべているというのに、人の感情の機敏については不思議と敏感であり、必要以上に踏み込まない距離で接してくる。それが心地よくてつい甘えてしまう時もある、今もこうして私が酒を飲んでいるのを見兼ねてやってきたのだとしたら……うん、やっぱりこいつは……。
「相変わらず酒豪ね?」
「うっさいわよ……」
「もしかして……そんなに愛しの指揮官に会えなくて、貯まっちゃってるのかしら?」
「んっ……んっ!?!?!?」
気管にビールが入ってむせると同時にゲホゲホと咳き込みながら口元を抑えると、目の前のカウンター越しに初老のバーテンダーは静かに水を差し出してくれた。私はそれを一気に飲み干すと、今度は落ち着いてゆっくりと深呼吸。前言撤回。このアホ妹完全に私を揶揄ってるじゃない!!爆笑しそうにすんなバーカ!!!
「は、はぁ!?何よ愛しのって!私とアイツはそんなんじゃない…ないわよこのバカ!」
「聞いていた話から半分くらいは冗談のつもりだったけど…その反応だと大当たりみたいね?ヒッパー姉さんおめでと〜♪お酒が美味しくなるわね~♪」
アホのオイゲンは自身もビールを注文しながら嬉々とした様子で私の背中をフレンドリーにバシバシ叩いてくる。全く、この女のこういうところだけは本当に苦手よ!!何なのこのバカ!?ちょっとは空気読んで黙ってゆっくりしてねって言ってくれたザイドリッツを見習えばいいのに…!というか断じて!断じてアイツとはそういう関係じゃないっての!!!
「だ、だからそういうのじゃないってえの!その…そうよ、私はただあのマヌケがまた謹慎期間中にやらかしたりしてないか心配なだけよ!それ以外にないわよ!」
「素直じゃないわね、そこがヒッパーの可愛いところだけど」
かんっっぜんに!勘違いしたオイゲンはビールを片手にニヤリとした笑みを浮かべると、まるで恋する乙女を見るかのような視線を向けてくる。あーもう本当なんなのコイツ!絶対信じてないし楽しんでるでしょ!!私は溜息をつくとグラスに残ったビールを飲み干し、バーテンダーに追加のビールを頼む。
「というか、そんなに指揮官が心配なら、会いに行ったりしないのかしら?きっと指揮官も喜んでくれると思うわよ?」
「アンタ何言ってるのよ!アイツは謹……療養中で面会は基本的にするなって言われてるのよ!?」
「そうね?病人なんだから刺激を与えちゃダメね?でも病人ってことは、面会謝絶でも差し入れくらいなら許されると思うわよ?」
思わず謹慎中という言葉を誤魔化して用意されたカバーストーリーをオイゲンに語れば、彼女は机の上にメロンを置きつつ微笑むように、全てを理解したかのように私に話しかける。
「このメロン高かったのよ?でもちょっと仕事が立て込んでてね?それに一度もあったことのないkansenが療養中の病人に会いに行くのも急だと思わない?あーメロンが腐る前に、指揮官と面識があってお見舞いに行ってくれる親切な女性はいないかしらねー?」
すっとぼけるようにわざとらしくオイゲンはメロンを眺めながら首を傾げてみせる。いや、あんた絶対に分かってるでしょう!?よく考えたら円卓会議に参加するくらいビスマルクに信頼されてるんだから、事の顛末を全てオイゲンは知っていてもおかしくはなかったことに気がついてしまう。
「あ、アンタねぇ…!」
「真面目な話そうやって酒に溺れるより、一度くらい指揮官にあって色々と話し合うのも大事だと思うわよ。一人になって考えることが下手なヒッパーみたいに、貴女の指揮官だって一人で悩んでるかもしれないもの」
オイゲンはビールおいし〜♪と鼻歌を歌いながら注文したナッツを口の中に放り込みつつ、私に諭すような口調で話しかけてくる。その言葉は確かに一理あるかもしれないが……いや、確かにこうして酒に溺れて2月になるのを待つよりも、いっそ指揮官に会ってみるのも気持ちの整理がつくかも知れない、か。
今までの自分を振り返っても、罪悪感や孤独感が胸中を支配して結局ほぼ毎日ビールに溺れてしまう。それならもう一度指揮官の顔を見て、色々と振り返るのも悪くないだろう。何よりも私はあの人に別れの挨拶も告げられずにこうして本部に戻ってしまったのだから、ヴァイスのことが心配なのも確かだ。
「うっ…その、行くわよ、今度ね、今度!」
「あ、言質は取らせて貰ったわよ?」
「ちょ、何よオイゲン!?なんで録音なんてしてるのよ!?」
躊躇いがちにそう答えれば、オイゲンは小型の軍用録音機を取り出して再生すると、私の言った言葉を確認してからニヤリと笑う。くぅ……これじゃあ逃げられないじゃない!!てかそれヴァイスだって欲しいって言ってたクソ高い貴重品なのに、なんでオイゲンが持ってるのよ!?自分の妹のコネの豊富さに困惑する顔を見て、オイゲンはニヤニヤとムカつく笑顔を向けてくる。
「だってヒッパーってばこうでもしないと言い訳して動かないもの…久しぶりの会話、楽しんでらっしゃいね?」
「……わかった、わかったわよ!ちゃんと行くから後で消しときなさいよね」
「はいはい、考えておくわね?あっ店員さん、追加で生ハムでもお願いするわ。後このメロン使って生ハムメロンでも…」
「それ私のために用意したんじゃないの!?」
「あら?だれがそんなこと言ったのかしら?それにヒッパーってメロン嫌いなの?好きなの?」
「……好きよ」
「ならよろしい♪」
本当にオイゲンのフリーダムさには呆れつつ、数分後に差し出された生ハムメロンは何故か凄く甘くて、美味しく感じて……そう言えばヴァイスは甘党だったわね?一応差し入れで自分でもメロンを買っておくかと予定をいれつつも。
「頑張りなさいよね、ヒッパー」
「言っとくけど指揮官と私はそういう関係じゃないっての!まぁでもその……ありがとう」
『私は、指揮官が、好き、ありがとう、好き、好き、』
「何やってんのよこのバカ!!!」
「最近の録音機って言葉を継ぎ接ぎに組み合わせることもできるのよね。流石化学の国鉄血で開発されただけのことはあるわ、ふふっ♪指揮官好き好き〜♪」
「消せ!!今すぐ消さないと海に沈めるわよこのバカ妹!!」
本当にこの妹嫌い!私嫌い!いつか仕返ししてやるわ!!なんてギャーギャーと騒ぎつつ、どうにか録音機を奪い取りデータの削除に成功する頃には嫌でも酔いが覚めてしまい、今後どうしようか?と別の意味で頭を抱えつつも……不安よりも、久々に指揮官に会えることに喜びを覚えている自分がそこにはいるのであった。
本当に……調子が狂うわ。アイツに関わってから色々な意味で私の心が変化していることを改めて自覚するのであった、断じて好きとかそういう感情はないけどね。
「……にしても、ヒッパーがあそこまで気にかけるなんて…私も少し気になってくるわね?やっぱり」
ヒッパーが部屋に戻る頃、オイゲンはふとヒッパーの指揮官について考える。あのツンデレ姉は指揮官に友情や上官と部下、同胞以上の感情を秘めているのは何となく把握しているが、それが本当に恋愛感情なのかどうかは分からない。それでも面白いことになりそうだとニヤリと笑みを浮かべつつも。
「それに……そろそろ楽しいことが始まるものね、あの女王陛下がどんな顔して弁明するんでしょうね……誇りも、地位も、名誉も、尊厳も、栄光も。あの女が築き上げてきた全てを私たちは奪ってやるわ」
決して、姉たちを傷つけたロイヤルをそう簡単には許すはずもなく、オイゲンは執念深く、獰猛に、残酷に未来を想像しながらも、これから始まるであろう大騒動に向けて準備を進めるのであった。
・上層部
ネタバレとなりますが、アズールレーンの最新イベントでは最早上層部を裏切り者か敵と認定したkansen達が独自に物資を使って作戦を行う、勝手に勢力同士でやり取りを行うなど上層部の不信感を隠しきれずに完全に反旗を翻し、独自行動を行う様子が描かれていますが、今作の上層部はいわゆるセイレーンの汚染や腐敗などは進んでいません。
CWや母港時空の描写を見る限り、上層部が明らかに怪しい、セイレーンと繋がっているのでは?となっている『枝』はセイレーンが実験の為に介入を行った時限定の珍しい枝だと推測されます。これも指揮官というゲーム内ではたった一人しか存在しない特異点的な存在なども大きく影響しているでしょう。
今作の上層部は明らかに怪しい行動を(不可解なジェノヴァ砲撃の指示やTBの派遣など)ビスマルクや陛下達が反旗を翻すなんて可能性は限りなく低い枝……なのですが、逆に政治色が強い『史実』通りの上層部であり、「努力、希望の計画」ウェールズ達が戦っていた枝に近いと言えるでしょう。
とはいえ、政治、民族、宗教なども関わる為かある意味セイレーンがCWの様に上にそれ程介入しなかった為なのか大変面倒な事に。セイレーンに介入されていないからこそ最早制御不可能であり史実のような泥沼の大戦争に陥る可能性が充分存在するのでした。
現在の上層部は四大陣営で表すと。
鉄血→スパイを公開処刑を行いロイヤルとの決戦、報復を目指すタカ派が力を強め海軍の指導者の一人であるビスマルク(ロイヤル目線だと超タカ派の国粋主義者扱いされている)はどうにか押し止めている。
ユニオン→安定しつつもモンロー主義を拗らせて出来る限り引きこもり戦力を蓄えて自国近くに存在する巨大なセイレーン基地や鏡面海域の攻略を目指しているユニオン第一主義に染まる。
ロイヤル→マルタ島の失陥によって王族待遇であり圧倒的な権力を与えられたクイーン・エリザベスに不信感を持ち、ゲーム内だと最も安定して盤石だと思われた体制に少しずつヒビが入りつつある。
重桜→もはやアズールレーンもレッドアクシズも関係なく軍内で派閥間で公然と罵り合うような最も酷い状況。長門は頭を抱えつつどうにかしようと派閥がそれぞれ納得する状況を作り出す為に北方連合との接触にうつる。
それぞれ自国の国益を追求する各勢力。最も安定しているのはユニオン、そして最も酷い状況は重桜となっているのでした。因みにサディアは元親ロイヤルの貴族が陛下の肖像画にトマト投げつけるレベルで反ロイヤル、親鉄血に染まりつつあり王室間の婚姻すら視野に入るレベルに。
・指揮官への処罰。
処罰に関しては表向きには今回の件は不問どころか美談として、そしてロイヤルを糾弾する為のエピソードの一つになりそうですが、ビスマルクは仮にサディアとの蜜月関係さえなければ間違いなく指揮官達に正しい処罰を与えていたでしょう。結果的に全ての泥を被る事になったシェフィールド、エディンバラは本人達も知らない間に……陛下の苦悩、そして姉妹が卑劣な暗殺犯認定されたベルファスト、ニューカッスル、サウサンプトン、グラスゴーの心境は…
・バーでのひと時
このシーンは実は私だけでは無く、許可を得た上でGMが制作した指揮官が謹慎中のシーンに描かれた短編から台詞などを少し流用させて頂いています。メタ的にはこの後指揮官の元にヒッパーがやってくるのですがそれも全て公平に謹慎生活中のダイスによって決められたもの。そんなヒッパーが何故謹慎中の指揮官の元に向かったのか?を補強するエピソードですので、補強したエピソードをさらに補強したエピソードと言えるでしょうね。
次回はいよいよ三部、指揮官暗殺未遂事件のラストのお話。
ヒッパー、シュペー、グラーフ、そして指揮官の謹慎生活とは…
指揮官の後世の評価はどうなる?
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戦争を終わらせた立役者
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サディアを救った救国の英雄
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ロイヤル最大の敵
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女の子に手を出しまくりの色を好む英雄