鉄血の旗の元に《完結》   作:kiakia

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第四十五話 クリスマスプレゼント

 

 

 

 そろそろクリスマスも近いのか街中ではクリスマスツリーによって彩られ、モミの木の飾り付けやイルミネーションなどで賑わっている。キール軍港近くの市場では商人たちがシュトーレンや焼き菓子といった菓子類だけではなくクリスマス用のオーナメントなども売っており、子供たちがその品々を見て目を輝かせている。

 

 

 そんな光景を思い浮かべながらも、俺の心は後悔でいっぱいだった。そろそろクリスマスも近いが俺は故郷であるフランクフルトに帰るつもりもないし出来ない。だからこそ戦友であり、それ以上に俺にとっては大切な存在であるシュペー、ヒッパー、グラーフの3人やマンジュウ達も含めた細やかなパーティでもして出来れば過ごしたいと思っていたが、それももう叶わない。

 

 謹慎中であり、国内では大怪我をして療養中扱いとして報道された俺は理由が無ければ外を出歩く事も、彼女達と顔を合わせる事もやめた方がいいとビスマルクさんに忠告されており、そもそも極秘任務中であるらしい彼女達が今は何をやっているのかも分からない。このキール第三基地に配属されて初めてのクリスマスは彼女達と過ごせないという事だ。

 

 

(はぁ…まぁ仕方ないか)

 

 

 全ては俺が招いた事だ。俺があの日スパイ殲滅戦で何度も軍人としては愚かな行動を連発した結果が現在の状況であり、一時的には罪悪感で無気力になっていた状況と比べれば、精神的にはヒッパーとの話し合いもありかなり回復したが、クリスマスに近づく度にその事に気付かされる。

 

 一人で過ごすクリスマスは全て自分の行動の結果が招いた事。せめて来年は彼女達とクリスマスを過ごしたいと思いながら、俺は執務室で昼食であるチキンソテーを憂鬱げに食べていると、基地司令宛への通信が届き、慌てて俺は通信機を手に取る。

 

『指揮官、申し訳ないのだけれど午後に本部で貴方と話す事は可能かしら?』

 

 通信相手は予想していたが俺の上司であり、鉄血海軍の陣営代表kansenであるビスマルクさん。彼女は挨拶もそこそこに要件を告げてきたのだが、どうにも声色からは焦りのような物は余り感じられずにリラックスした声音であるように感じてしまう。

 

 

「えぇ、大丈夫ですが……どうかしました?」

 

『そう、なら良かったわ』

 

 

 少しだけ安堵したようなビスマルクさんは、その後軍服姿で出来る限り誰にも見つからない様に自身の執務室に来るように伝えるとあっという間に通信がきれる。

 

 何となく『英雄』としてのクリスマスのプロパガンダの協力か、それとも先日結ばれた北方連合と重桜の同盟である『北桜同盟』絡みの何かだろうか? だが今の所はまだ何も聞いていないし知らされていない以上考えても無駄だろう。

 

 それにしても今日は随分と寒い気がする……。暖房器具があるとはいえ室内にいるにも関わらず震える程とは一体どういうことなのか。窓の外を見ると雪がちらついている事から寒さの原因はこれか。

 

 

「雪、か……」

 

 

 鉄血では冬になると気温が氷点下を下回る事も雪が降る事も珍しくはないが、改めて窓の外から雪を見ると子供時代を思い出して思わず笑みがこぼれてくる。故郷のフランクフルトでは妹のローネと二人でよくクリスマス近くになると庭に出て遊んだものだ。

 

 特に子供の頃はサンタクロースを信じていたからこそ、夜中にこっそり起き出してプレゼントが置かれているかどうかを確認するために枕元に置いてある靴下の中に手を突っ込む瞬間が一番ワクワクしていたっけ。結局サンタの正体を知った時はショックだったが、それでも毎年楽しみに待っていた記憶はある。

 

「……グラーフ達に会えるのは謹慎が明けてからになるけど、その時遅めのクリスマスプレゼントでも贈ってみるか」

 

 そう呟くと俺はビスマルクさんとの約束の時間まで、彼女達にはどんなプレゼントを贈れば良いのか。そして来年のクリスマスまで戦い抜き、面と向かって皆で楽しく基地内でパーティを開くことを新たな目標にしながら考え始める。

 

 世界はこの3ヶ月程度、俺が着任してからと言うものの高速鉄道の如く目まぐるしく変化していった。まずはイオニア海海戦でサディア帝国と共にロイヤルの攻撃部隊を退けてマルタ島を奪還したり、俺がロイヤルのスパイに殺されてかけて報復の為の海戦が起きた後クイーン・エリザベスを痛烈に非難する演説がビスマルクさんによって行われ、更には共産主義国家である北方連合と宗教国家である重桜。謎に包まれた二つの国が同盟を結んだ事は世界中に衝撃を与えた。

 

 世界はどんどん変わりつつあるが少なくとも今はレッドアクシズが有利と言えるだろう。ロイヤルは孤立しつつあり、潜在的な敵国である重桜と北方連合は鉄血と和平を結ぶ事を選択してくれた。世界はクリスマスまでに戦いが終わるなんて信じてはいない。しかし、来年のクリスマスは……出来る事なら終戦を迎え、生き残り、彼女達と一緒に祝えたらと願うばかりだ。

 

 何だか死亡フラグみたいだなと苦笑しつつも俺はコートを羽織りつつ教本を片手に、ビスマルクさんからの指定の時間まで待ち続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、二人きりだから前置きは前にも言ったけどいらないわ。リラックスしてそこに座りなさい」

 

 午後、指定の時間となった俺は着替えてビスマルクさんの執務室に入ると敬礼しようとするが、彼女は手で制すると俺が座っていた椅子の隣にあるもう一つの席に座ってくる。

 

 いつも通り凛とした表情を浮かべつつも、どこか疲れを感じさせる彼女に少しだけ心配になりながらも言われた通りに腰掛けると俺は姿勢正しく着席した。

 

 そんな様子を見ると小さくため息を吐いたビスマルクさんは、懐から世界地図を取り出すと机の上に広げてみせる。

 

「今日貴方を呼び出したのはいくつか理由があるわ、まず一つは先日の北桜同盟に関しての事よ。ラジオはもちろん聞いたわよね?」

 

 ビスマルクさんの問いかけに俺は無言で頷いてみせる。商人明石の故郷であり動物のような身体的特徴を持つ人々が暮らす重桜はセイレーンの出現によって250年ぶりの開国によって世界の表舞台に姿を表し、陣営が二つに分かれたアイリス教国やセイレーンの度重なる襲来によって最も被害を被った北方連合になり代わり、現在は四大陣営の一角を担っている。

 

 同時に宗教国家でもあり「ヤオヨロズノカミ」と呼ばれる八百万の神を祀る神道という独自の信仰を行い、陣営代表である長門は軍事だけではなく教皇の様な役目も努め、kansenが国家のトップに君臨するなど何かと珍しい国であると言えるだろう。

 

 だがこれだけは言える。共産主義は宗教を否定、時に弾圧をしてきた歴史があり、それもあってか重桜と共産主義国である北方連合の関係は同じアズールレーンに所属していながらかなり冷え込んだ物になっているのだ。そう、これまでは。

 

「宗教国家とコミュニストが同盟を結ぶだなんてびっくりしましたよ……一体何があったのでしょうか?」

 

 俺はビスマルクさんに思わず聞いてみるが、ビスマルクさんも困った様な表情を浮かべて分からないと首を横に振ってみせた。

 

 

「私にもさっぱりね……ただ、重桜と北方連合の間で何かしらの変化があったことだけは確かでしょう。あの二人が手を組むだけで世界は大きく変わるという事だけは確かでしょうね……貴方には言っておくけど北桜同盟の講和提案を私達は受け入れるつもりよ。最も色々とその為の準備が必要なのだけどね」

 

 

 ビスマルクさんは地図上の極東地域を指差しながら俺の方へと視線を向ける。

 

 

「まだ信頼しきっている訳じゃないけれど、北桜同盟と鉄血が講和。同時に不可侵条約を結べば私たち鉄血はサディア帝国、ヴィシア聖座と共に対ロイヤル戦だけに集中する事が可能になる。モンロー主義に染まったユニオンの参戦の可能性は低く、この戦争は実質的にレッドアクシズVSロイヤルの構図になるわ」

 

 

 ビスマルクさんの言葉に俺は思わず地図を凝視してしまう。後はロイヤルさえ追い詰めればこの戦争は終わりを迎える。ビスマルクさんの演説によってロイヤルは孤立しつつあり、同時にレッドアクシズの団結は強く強固なものになっていく。

 

 

 もしかすると戦争が終わるかもしれない。勢力間の戦争は出来る限り避けたいと思っている俺にとって確かな希望が今見えつつあるのだから。

 

「だから鉄血の今後の目標は三つ。ロイヤルを更に追い詰め国際的に孤立させて根を上げるまで締め上げること。レッドアクシズ同士の結束を高める事。そして北桜同盟との講和条約と不可侵条約の締結を急ぐことになるわ。貴方を呼び出したのはこの三つ目の北桜同盟について一つだけ言っておきたい事があってね」

 

 ビスマルクさんはそう言いながら世界地図を再び指差す。確かこの場所は北方連合の領地であるクリミア半島と呼ばれる地域だ。その言葉の意味が分からず、俺は彼女の方へ顔を上げるとその疑問に対して答えてくれるように口を開いた。

 

 

「クリミア半島に存在する都市ヤルタ……先日明石経由で北桜同盟からの親書が届いたわ。この地でレッドアクシズと北桜同盟の講和条約の締結を行うらしいの。そこで……」

 

「まさか、そこにビスマルクさんが?」

 

 

ビスマルクさんの言わんとしている事を察した俺は思わず彼女の言葉を止めてしまうが、しかし、彼女はそんな俺の反応を見ても特に気にする様子もなく、むしろ当然だとばかりに小さくため息を吐いた。

 

「講和条約を結ぶことになるのだもの。レッドアクシズとしては陣営代表である私がいかなければならないわ。恐らくレッドアクシズではサディアのヴェネト、ヴィシアのジャン・バール。北桜同盟では重桜の長門に北方連合のソビエツキー・ソユーズ……世界各国の陣営代表が集い講和条約の締結と今後の戦争やセイレーン対策についての話し合いを行う必要がある。だから貴方に言っておくわ。私は年が明けて早ければ一月、遅くても二月辺りにヤルタに向かう事になると」

 

 

 彼女はそう言うと机の上に広げていた世界地図を丸めるとそれを執務用の引き出しの中に仕舞い込む。

 

 

「それまで貴方は謹慎中ではあるのだけど以前の様に人型セイレーンとの接触が貴方にくる可能性はゼロじゃない。ヤルタの事もあり、更にサディアと色々と動く必要があるから貴方の口から直接その情報を聞けない可能性は高いわ」

 

 

 ビスマルクさんの言う通り、俺たちの艦隊は何度か人型セイレーンであるピュリファイアーと会談を行なっており、いくつかの情報提供を受けていた。これはトップクラスの機密であり、もし他国にその事がバレれば鉄血はセイレーンと手を結んだ国家として世界中から信頼を失いかねない。だからこそビスマルクさんは忙しくなる前にその事について話し合うと俺を呼び出したのだろうとようやく理解する。

 

 

「もし私がいなければ私の妹であるティルピッツに。ティルピッツも難しいのであればそうね……オーディンは貴方も知らないでしょうからマインツにでも伝えなさい。通信は傍受の可能性があるから直接に。最も、セイレーンとの接触なんて厄介ごとが無ければ一番だけど注意しなさいね」

 

「了解しました」

 

 

 俺はビスマルクさんの言葉に素直に返事をする。そうか、セイレーンが接触する可能性があるのか……

 

 

「えっと、ちなみにピュリファイアーがもう一度現れる可能性は…?」

 

「高いでしょうね。フリードリヒが彼女の腕をちぎって粉微塵に粉砕してはいるけれど人型セイレーンのしぶとさはゴキブリ並よ」

 

 

 ビスマルクさんは俺の質問に対して即答すると、まるで害虫を見るような目で窓の外を見つめる。マジかよと言葉を飲み込みつつ、あの海戦の後にピュリファイアーに感じた憐憫を捨て去る。ついでに今日から窓はちゃんと閉めて、警戒体制も強化しておくかと決意する。

 

 

「まぁ……貴方がピュリファイアーの腕を咄嗟の判断で拾ってきてくれた事は研究に大きな前進をもたらしたわ。改めて感謝させてもらうけれど、それとこれとは話は別。もう一度だけ言っておくけど勝手な行動はしない様に。そして、貴方は『英雄』であり貴方の一挙一動は国際社会に影響を及ぼす。くれぐれも慎重に行動する様心掛けて頂戴」

 

「分かりました、肝に命じておきます」

 

 

 

 ビスマルクさんは俺の方へと振り返りながら忠告を口にする。俺はそれに二度と過ちは繰り返さないと誓いつつ返答を返すと、彼女は小さくうなずき返した。

 

 改めて『英雄』になったことへの責任が胃にのしかかる。ビスマルクさんの演説によって俺の名前は鉄血だけではなく世界中に広まってしまった。最早前回の様な失態は自身の失敗ではなく祖国そのものの失敗だと周りから思われてしまう。ビスマルクさんが本国から離れる以上、この謹慎期間を使って更に自身を見つめ直して慎重な行動を選択し続けなければ。

 

 そうやって新たに覚悟を決めているとビスマルクは少しだけ微笑みながら、もう一つの要件と言わんばかりに机の下から何かを取り出すとそれを俺に見せつけるように広げて見せた。何だろうと思う間も無くビスマルクさんは口にする。

 

「それと……これはグラーフ、シュペー、ヒッパーからのクリスマスプレゼントよ。謹慎期間中の貴方達との接触は好ましくない以上に、あの子達は訳あって特殊任務で今鉄血を離れている……でもね、離れる直前に3人揃って私に代わりに渡してくれと言ってきたわ。だから、はい」

 

 

 彼女はそう言いながら俺の手にビスマルクさんはプレゼントを押しつけ、困惑しながらもそれを受け取る。

 

 

「中身は今ここで開いても構わないわ」

ビスマルクさんに言われるがままに、俺は唐突な彼女達からのプレゼントに実感が湧かないまま袋の中からプレゼントを取り出した。

 

 

 一つ目はオルゴールであり筆箱程の大きさのそれは蓋を開けると綺麗な音色と共に音楽が流れ始める。曲は聞いたことの無い物だが、どこか懐かしい気持ちになる曲だった。

 

 

 二つ目の包み紙を開くとそこにはラッピングされた鉢植えの中に綺麗なオレンジ色の花が姿を見せる。確か記憶によればガーベラと言う花だっけ?少なくともこれはガーデニングが趣味であるヒッパーのものかと納得しながら俺は三つ目の品物を袋から取り出した。

 

 

 三つ目は見たこともない栗で出来たお菓子の様だった。栗を砂糖漬け……いやシロップ漬けか?したお菓子は手作りのようで可愛らしいラッピングと共にその姿を見せる。

 

「オルゴールはグラーフ。ガーベラの鉢植えはヒッパー。そしてそのマロングラッセって名前のお菓子はシュペーからのプレゼントよ」

 

 

「これが……俺へのクリスマスプレゼント……」

 

「えぇ、そうよ」

 

 

 俺は目の前に並べられた三つの贈り物を見て思わず聞き返してしまい、それに対してビスマルクさんは当たり前のように肯定する。

 

 

「3人とも貴方とクリスマスを共に過ごさない事を残念に思っていたようだし、同時にあの子達は貴方の事を心配していたわ……それだけ、貴方はあの子達から大切な存在だと認識されている事で……指揮官?」

 

 ビスマルクさんは俺の様子を見て言葉を止める。何故ならば俺は3人からのプレゼントによって感情が昂り、目頭が熱くなっていたからだ。

 

 この3ヶ月の間俺はあの子達と共に過ごす事が当たり前となっており、謹慎期間中彼女達と出逢えない事に心の底ではまるで空虚な穴が開いたような感覚に襲われ続けていた。

 

 ヒッパーによって立ち直った後も、マンジュウしかいない基地内で過ごす日々は灰色の日常の様で、大掃除や本など様々な事をしても結局心に空いた穴は埋まることは無かった。寧ろ冷静に自分を見つめ直す毎にもう二度と過ちは繰り返させないと誓いつつも、寂しさと同時に寂しさや不安で埋め尽くされていたのだ。

 

「……ふぅ……すいません」

 

「……泣きたい時は泣きなさい。貴方には反省すべき点も多いけれど、同時に貴方だからこそ3人の信頼を勝ち取った。私はそんな貴方を誇らしく思うわ」

 

 

 

 ビスマルクさんは俺の目元に溜まった涙をハンカチで拭いながら優しく語りかける。俺は恥ずかしさを覚えながらも、彼女の優しさに感謝しつつ溢れ出る思いを抑える事は出来なかった。

 

 

「ありがとうございます……本当に…」

 

 

「その言葉はグラーフ達と再会してから彼女達に直接伝えるのよ。もし貴方が三人やヴェネトにプレゼントを贈りたいと思うのならまた私に声をかけなさい。それくらいなら……」

 

「いえ……プレゼントのお返しは直接再会してからします。それが、俺に出来るせめてものお返しになりますから」

 

 

 俺の言葉にビスマルクさんは何も言わずに小さくうなずいた。そうして暫くするとビスマルクさんが俺の肩に手を置きながら口を開いた。

 

 

「いい加減顔を上げなさい。いつまでも泣いてないで少しくらい笑顔を見せてくれてもいいんじゃなくて?」

 

 

 彼女はそう言いつつ俺の顔を覗き込むように見つめてくる。俺はそれに慌てて目を擦ると、改めて彼女に向き直り頭を下げた。

 

 

「……はい!ビスマルクさん、色々と有難う御座いました!」

 

「私は彼女達からプレゼントを代理で渡しただけよ。本来なら私も鉄血の為に尽くしてくれた貴方に何か渡した方がいいのだけれど……謹慎中の事もあるし、誰かを特別扱いするのは出来ないのよ。ごめんなさい」

 

「それでもです」

 

「そう……まぁ、私としては貴方の元気そうな姿が見られて満足よ。貴方の様子はグラーフ達に伝えておくわ。鉄血の軍人としての自分をもう一度振り返りつつ、あの子達へのお礼の言葉も一緒に考えておきなさい、ね?」

 

 

 ビスマルクさんは最後にそれだけ言うと要件は終わりよと伝え、俺はソファーから立ち上がって部屋を出ようとする。プレゼントの重さと暖かさを感じながら再び袋の中にプレゼントを戻しながら部屋を出ようとすると最後の言葉と言わんばかりに敬礼する俺を見ながらビスマルクさんは呟いた。

 

 

「それと、捕虜のロンドンも貴方にプレゼントを渡したいって希望してるから、帰り際に面会室まで寄ってくれるかしら?」

 

 

 ロンドン……ロンドンが?ロイヤルからこちらに降伏したロンドンは基地を離れて現在本部で身柄を拘束されて捕虜暮らしをしていると聞いたが、三人ならまだしも、まさかの名前が耳に届き俺は思わず驚きを隠せない。

 

「彼女は他の捕虜と同じく情報のシャットダウンがされているから余計な事は口に出さない事よ。同時に彼女は貴方に是非プレゼントを渡したいと言っているわ」

 

「俺にですか?一体何を……」

 

「それは本人から直接聞きなさい。ただ、ロンドンとの面会前に一つ注意事項があるわ」

 

 

 ビスマルクさんにそう言われ、俺は思わず身構える。しかし、彼女が言った内容は予想外の物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お願いだからヴェネトみたいな騒動はもう辞めて頂戴ね……ロンドンに限ってないとは思うけれど、貴方に捕虜である彼女が惚れた何て事があれば、正直もう私の胃も限界になるから……」

 

 

 

 

 

 

 そう、心の底から疲れて吐きそうな顔しながら俺を見つめるビスマルクさんに俺は何も言えないままビスマルクさんに無言で敬礼をして部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりです、鉄血の指揮官さん」

 

「うん。元気そうでなにより……と言いたい所だけど、基地から離れて本部預かりになって色々と不便はないかい?」

 

「そうですね……他の捕虜の皆と面会が出来なくなって、出歩く事が一切禁じられて、窓に鉄格子が嵌められましたがそれ以外は以前と変わりません。食事も満足のいく量ですし、嗜好品や本も頼めば用意してくれますから」

 

 メガネをかけたロイヤルネイビー出身のロンドンと和やかに会話は進んでいるが、そんな会話とは裏腹に俺達の周囲はとても心穏やかとは言い切れない環境だった。

 

 シンプルで殺風景な面会室でロンドンと再開したが、彼女は手錠で手を後ろに拘束されており、常に二人の女性兵士が無言で銃を構えながら監視している。更に面会室を見渡せば催涙ガスの発生装置と思われる物が置いてあるのが見える。もし万が一にも彼女が銃を奪ったり、俺を傷つけようとすれば即座に部屋はガスで充満して彼女は無力化されるだろう。

 

 そんな状況の中、俺は彼女からのプレゼントを受け取るべく椅子に座って彼女と向かい合っていた。俺の言葉に対して彼女は特に気にしていない様子で答えるが、その表情には何処か寂しさを感じさせるような笑みを浮かべていたのを見て俺は内心気がついてしまう。

 

 彼女はシェフィールドが俺を銃撃した事も、俺がその後の海戦で謹慎処分となった事も、クイーン・エリザベスがビスマルクさんの演説によって名誉が傷つけられた事も、北桜同盟の事も何も知らないはずだ。ただ彼女なりに自身の待遇が変わり本部預かりになった事で色々と推測する事も出来るはずだ。直前にロンドンはサディアでの一幕を知っているイラストリアスと会話した事もあるのだろうから。

 

 それに何よりも……以前と違い、和やかに紅茶を飲みながら世間話をする事も、二度と気楽にロンドンとお茶会をする事も出来なくなったと気がつき、それが自身が招いた事だと思えば罪悪感が胃を蝕んでいく。

 

「そんな顔しなくても大丈夫ですよ鉄血の指揮官さん。監視されているから、鉄血の待遇は最高ですと口に出しているのではなく、以前と比べて少しだけ窮屈になりましたが鉄血は捕虜である私達を紳士的に扱ってくれているのは事実ですから」

 

「……何かあればすぐに力になるよ。」

 

 

 手錠で拘束されている彼女に俺はそう言葉を口にするしか無かったが、彼女は優しく微笑むとありがとうございますと呟いた。ロンドンは捕虜生活中に色々と迷惑をかけたが、それでも恨み節の一つもなく俺と向き合ってくれるのだから、きっと本国でも皆から慕われていたんだろうと予想していると、ロンドンは壁と一体化しているように無言で銃を構えてこちらを見つめている女性兵士に声をかける。

 

 

「申し訳ございません、鉄血の指揮官さんにプレゼントをお渡しして頂けますか?」

 

 

 ロンドンからの言葉を聞いて女性兵士は頷くと、無言で向かい合う俺達の机の上にロンドンが用意したと思われるプレゼントをそっと置く。そして捕虜や俺と会話するのは職務ではないと言わんばかりに再び銃を構えてロンドンに無言の威圧と警戒を続けるのであった。

 

 

「捕虜から貴方にプレゼントを贈る訳ですから、憲兵の方に危険性はないか調査してもらいました。だからその……安心は保証されていますので受け取って頂きますか?」

 

「……いいのかい?俺は、君たちを捕らえた張本人だよ?」

 

 

 思わずロンドンの善意の言葉にそう尋ねれば、彼女は苦笑いしながら答えた。

 

 

「えぇ、貴方が鉄血の指揮官である事は理解しています……ですが貴方が私達ロイヤルの捕虜の待遇の為に色々と掛け合ってくれたのも知っていますし、ジャージーちゃんを気にかけてくれたのも、イラストリアスさんの命を救ってくれたのも全部、鉄血の指揮官さんだと聞いてますから。私から精一杯のお返しです、気に入らなければ処分して頂いて構いませんからね?」

 

 

 ロンドンの言葉を聞き、俺は彼女の目の前に置かれた箱を手に取る。そして中身をひらけば黒い毛糸で編み上げられた暖かそうな手袋が目の前に現れる。

 

 

「これを、君が?」

 

「捕虜生活でやる事もありませんでしたので編み物に挑戦してみたのですが……お気に召しませんでしょうか……」

 

 

 不安げに見上げるロンドンに俺は首を横に振って否定する。彼女が編んでくれた手袋は温かみのあるデザインで肌触りもよく、サイズもピッタリだ。

 

 

「まさか。こんな素敵な物を貰えるなんて思ってなかったから驚いただけだよ」

 

 

 鉄血の冬は寒く、雪も多く降る。そんな時期にこの手袋があれば温かいだろうと思いながら俺は感謝の言葉を告げる。

 

 

「本当にありがとう、大切に使わせてもらうよ。」

 

 

その言葉を聞いたロンドンは嬉しげにはにかむと、小さく頭を下げて口を開く。

 

 

「よかった……初めての編み物でしたので、気に入ってもらえるかどうか心配だったんです」

 

「初めてなのか?正直市販品よりも上手く出来てると思うが……色々とありがとうな、ロンドン」

 

 

 素直に関心していると彼女は照れた様子で頬を赤めながら俯いていた。

 

「そこまで言われるのはお世辞と分かっていても照れますね……因みに女性から男性に手袋に送る手袋の恋は本来であれば私を捕まえて、なんて意味があるのですが、ふふっ、捕虜である私が貴方にこれを送るのも中々面白いですね」

 

 

 笑顔のロンドンの一言に思わずドキリと心臓が跳ね上がる。彼女にとっては何気ない一言だと理解しているが、ヴェネトさんに手紙で告白されてからと言うもののそういう恋愛的な意味のある贈り物はどうにも意識してしまうのだ。

 

 

「あー、うん。そうだね……」

 

 

 俺の反応を見て何かを察したのかロンドンは悪戯っぽく笑う。

 

 

「ふふっ、鉄血の指揮官さんは、意外と初心なんですね?」

 

「そういうロンドンだって初心なはずだろう?」

 

 

 

 そんな軽口を叩き合いながら殺風景な面会室で笑顔の花が咲き乱れる、和やかな空気が辺りを包み込みと同時にこちらを今も警戒している憲兵の二人や催涙ガス発生装置がアンバランスな空間を生み出しているが、それでも俺達二人は本心かひとしきり笑い合うと手錠をつけたロンドンに話しかけた。

 

 

「クリスマスを今年は鉄血で捕虜として君は過ごす必要になるのは申し訳ない。でも全てが終われば、この戦争がどんな形であれ終戦すれば俺は君が、君達が姉妹や友人。クイーン・エリザベスと再開出来る様に出来る限りのサポートは行うよ。だから今は悪いけど我慢してくれ。」

 

 

 

 

 

『私達は本国に帰るんです……妹達も待っている家に!皆で何としても!』

 

 

 

 バルト海で彼女が俺達と交戦した時、ロンドンは最後まで諦めずに王家の栄光を胸に。そして姉妹との再開を果たす為に戦っていた事を思い出す。

 

 

 思えばロンドンのその一言が自身の妹であるローネを思い起こし、俺はロイヤルネイビーの皆を捕虜とする為に降伏勧告を行った。そう考えれば俺が今ここに立っているのはロンドンが原因なのかもしれない。

 

 

 だからこそ、俺は彼女を捕虜にした責任を取る必要があるし、彼女の願いも叶える必要がある。例えそれがどれだけ困難な道であろうとも。この戦争を自分なりに終わらせる為に全力を尽くし、そして再び彼女が祖国の地を踏み、大切な姉妹と再開する為に。

 

「鉄血の指揮官さん……いえ、閣下。貴方と出会えてよかった。変な言葉かもしれませんが、貴方の艦隊の捕虜となれたことを誇りに思います……どうかご武運を……信じます。閣下の事を」

 

 

「ああ、お互いにね。」

 

 

 俺は鉄血の軍人であり、ロンドンはロイヤルのkansen。本来であれば交戦中の俺達は敵同士だ。だが、例え敵同士であってもこうして言葉を交わせば和やかな時間を過ごす事が出来る。ビスマルクさんの謀略にクイーン・エリザベスが黙っているとは思えず、今後戦いは激化していくかも知れない。

 

 

 それでも……俺はロンドンとの会話に一筋の光明を見出したのは甘すぎるのだろうか?

 

 

 

 ロンドンから受け取った黒い手袋を彼女の目の前で自身の手に嵌めてみる。手袋のお陰で寒さだけではなく、同時に孤独感も少しだけマシになった気がした。

 

 

「ありがとう、ロンドン。とても温かくなったよ。この手袋があれば冬場の任務が楽になりそうだ」

 

「それは良かったです。」

 

 

 嬉しげ微笑むロンドンの笑みはどこまでも魅力的なもので、この子めちゃくちゃ優しいが無意識の内に何人も男を惚れさせてそうだなと思いながら、俺はロンドンと面会時間が許されるまで会話に花を咲かせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 

 

 指揮官がロンドンと会話を楽しむ中、ビスマルクは頭を抱える様に冷たいコーヒーを喉に流し込む。彼女の頭痛の原因は勿論指揮官であり、また面倒な事になったと彼女は窓の外を眺めた。

 

 

「やっぱりあれって……ちゃんとした意図があるはずよねぇ…」

 

 

 指揮官にクリスマスプレゼントを代理として渡したビスマルクであったが、そもそも男女間のプレゼントには意味合いというものが存在するのだ。例えばグラーフが指揮官の為に用意したオルゴールは「いつもありがとう」という感謝の気持ちが込められており、きっとグラーフは指揮官にその意味合いも兼ねて選んだのだとビスマルクは推測する。

 

 

 ヒッパーの花もそうだ。ガーベラの花言葉は「希望」「常に前進」「前向き」であり、特にオレンジ色のガーベラには更に「忍耐」「我慢」の意味合いが込められている。ヒッパーなりの指揮官への励ましの意味合いもあるのだろう。

 

 

 そこまではいい。オルゴールもガーベラの花も、どちらも彼女達らしいチョイスだなとビスマルクは感心する。しかし問題はその次なのだ。

 

 

 

 

 マロングラッセ……アイリス教国では有名であるが鉄血ではマイナーなお菓子であり、指揮官にとっては少し珍しいお菓子くらいくらいの感覚だろう。だがその意味合いは「永遠の愛」。

 

 

 かつてアレキサンダー大王が、最愛の妻に愛を込めて贈ったとされる伝説がある程の深い愛情の意味が込められている代物なのだ。

 

 

 

 

 

 

 ビスマルクは以前、鉄血がまだアズールレーンに在籍していた頃に、リシュリュー枢機卿が土産として持ってきてその意味合いを雑学として語っていた事を思い出す。

 

 そしてシュペーがわざわざマイナーなアイリスの菓子を手作りで作り、指揮官に贈るという選択したという事はほぼ間違いなくシュペーは指揮官を異性として意識しているのだと理解する。

 

 

「はあ、全く。あの子は本当にもう……!」

 

 

 溜息をつくビスマルク。ヴェネトが指揮官に情熱的に手紙で愛を伝えて間もないと言うのに、まさか艦隊メンバーの一人であるシュペーがヘルブスト指揮官を異性として愛している判明。ヘルブスト指揮官、シュペー、ヴェネトの三角関係がいつのまにか産まれてしまったのだ。

 

 ヴェネトと指揮官が婚約すれば大切な同胞であるシュペーは傷つくだろう。シュペーと指揮官が婚約すればドイッチュラントが五月蝿いだけでなく文通相手であるヴェネトもなんらかのアクションを起こすはずだ。最悪三角関係のせいでレッドアクシズの結束に綻びが出る可能性まで出てきてしまい、思わずビスマルクは叫んでしまう。

 

 

 

「バーカ!バーカ!もう知らない!私、知らない!!!!!」

 

 

 

 軍事や内政面、科学技術に関しては天才であるビスマルクであるが部下の三角関係についてはてんで疎かった。故に彼女が気付いた時には既に手遅れであり、ただ私にどうすればいいのよこんなの!!と思わず胃薬を片手に嘆く事しか出来なかった。

 

 

「もうどうにでもなーれ……」

 

 

 机に突っ伏したビスマルクの虚しい呟きを聞くものは、いつのまにか部屋に入ってゴロゴロと喉を鳴らす黒猫だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジブラルタル。ロイヤルの要衝であり地中海の出入り口を抑える戦略的要衝。マルタ島を失ったロイヤルにとっては重要な拠点の一つであり、またスエズ運河からの物資の集積点としてアズールレーンにとっても重要地点の一つである。

 

 

 ジブラルタルさえ落ちればサディア帝国とヴィシア聖座の海軍は大挙をなして押し寄せてくるのは確実であり、軍事的にも政治的にもロイヤルが何を犠牲にしても守らなければならない地域であって国際的な緊張が高まりつつある現在では24時間警戒体制で周辺海域のパトロールが行われていた。

 

 

 そんなジブラルタル海峡を一人のkansenが進んでいく。彼女の名はザラ、サディア帝国に所属する燃える様な赤髪と豊かな爆乳が特徴的な女性であり、陣営代表ヴィットリオ・ヴェネトの懐刀として活躍する歴戦の猛者である。

 

 

「あら?早かったわね……」

 

 

 ジブラルタル海峡に足を踏み入れた途端、彼女が小型レーダーを除けばジブラルタル基地所属と見られるロイヤルネイビーのkansen達が蜂の巣を突いたかの様に次々と現れ、停船しろと国際チャンネルからザラに向かって威嚇する様に語りかけてくる。

 

「了解。こちらサディア帝国所属のザラ級重巡一番艦のザラ。サディア帝国の使者としてロイヤルに親書を持ってきたわ。交戦する気はないから停船命令には従います。大人しく受け取ってくれるかしら?」

 

 そうして、ザラが手持ち無沙汰に武装を解除してしばらく待っていれば、やがて基地からは硬い表情を浮かべた金髪の淑女が現れる。彼女の姿を見たザラは口笛を吹きながらまさかの人物に少々驚きを隠せない。

 

 

「フッド卿が出迎えてくれるだなんて……ジブラルタルの防衛にロイヤルも本気という訳ね?」

 

「……何が望みですか?」

 

 

 親しみを込めてチャオ♪と手を振るザラと違い、フッドは警戒心を露わにして主砲をザラに向けている。彼女はロイヤルネイビーでは一際高い地位である摂政の地位であり、クイーン・エリザベスからの信任を得ている人物である。

 

 普段であれば模範的なロイヤルレディとして優雅に一礼をしていた所だが、領海内にいきなり現れた敵国の使者に当然ながら親しみではなく敵意と疑惑で出来たナイフを向けながらザラを睨みつける。

 

 

「あら?何故主砲を向けるのかしら?私は『使者』として現れたというのに……いや、それがフッド卿なりの『外交』である事はメルセルケビールで証明されているのだから私は気にしないわよ、ふふっ♪」

 

 

 この構図はまさに現在のロイヤルとサディアの現状を表したものだろう。余裕綽々なザラは巫山戯る様に、いや挑発するかの様な言動をフッド達に向けて、フッドの周囲のロイヤルのkansen達は怒りに満ちた表情を向けるが、彼女たちは何もする事は出来ない。

 

 今、使者として現れたザラに攻撃なんてしてしまえばただでさえ国内外から非難を向けられつつあるロイヤルは更なる窮地に立たされてしまうからだ。だからこそ、フッドは歯噛みしながら、しかし冷静に交渉を行う為に笑顔を能面に貼り付けてザラに問いかける事にしたのだ。

 

 

「それでは詳しい話はジブラルタル基地で聴かせて貰いましょう。ヴェネトが何を望んでいるのかきっと陛下も興味があると思いますから」

 

「あらあら、歓迎感謝するわ。きっと陛下も『敗北』して『降伏』して『捕虜』となったウォースパイトの様子を知りたいでしょうから、お互いにとって有意義な時間となる事を望みましょう」

 

 

 フッドがヴェネトの事を総旗艦でなく呼び捨てにすれば、ザラは捕虜となったクイーン・エリザベスの姉妹艦であるウォースパイトが敗北した事を強調するかの様に口にする。

 

 とても和やかな空気に包まれたままこうしてザラはフッドに導かれるままにジブラルタル基地に誘導されていく。

 

 

 

 

「ザラさん……大丈夫なんでしょうか」

 

「知らん、帰るぞマルス」

 

 

 

 そんな光景を領海付近から眺めていたル・マルスにヴィシアの指揮官は心底興味なさげに吐き捨てると、ザラの護衛任務を終えたヴィシア艦隊はアルジェリア基地への帰路につくのであった。

 

 




・クリスマスプレゼント

 グラーフ、ヒッパー、シュペーはそれぞれ指揮官に一足早いクリスマスプレゼントを送っていますがそれぞれには本編にもある様に意図が存在しています。グラーフは感謝の気持ちを。ヒッパーは指揮官を励まそうという意図がありますがシュペーは永遠の愛の意味合いを持つマロングラッセを送ることに。指揮官が甘党ということもあり、同時にその意図がなんとなく伝わればいいなと思いながらの手作りのプレゼントは残念ながら指揮官には本来のメッセージは届きませんでしたが、それでもシュペーは積極的になったという証拠でしょう。

 ロンドンの送った手袋は本来は恋愛的な意図もあるのですが、文字通り彼女は捕虜であり、物理的に指揮官に捕まっている事からその様な洒落も含めての贈り物に。カタログを見て注文もできない捕虜である彼女なりの性一杯のプレゼントはきっとクリスマスに向けて寒くなる鉄血で指揮官の手を温め続けるでしょうね。

・ザラとフッド
 ザラは使者として派遣されましたが、それを出迎えたのはフッドであり、ジブラルタルがまさに要衝であってフッドクラスの人物が派遣されなければならない程にその重要度はマルタ島の陥落によって増しています。ジブラルタルが落ちれば簡単にレッドアクシズは連携する事が可能であり、同時にスエズ運河からの物資が欠乏することになりかねないのですからロイヤルも本気で更なるジブラルタルの要塞化を進めているでしょう。そんなジブラルタルにやってきたザラの意図とは……


・ビスマルクの胃

 ヘルブスト指揮官とシュペーとヴェネトの三角関係を知ってしまった彼女はどう転んでも。シュペールート、ヴェネトルート、お前達が俺の翼ルートでも面倒臭いことになる恋愛模様に陛下とは別の意味で大変なことに。彼女に安息の日が訪れるのはいつになるのでしょうか?


指揮官の後世の評価はどうなる?

  • 戦争を終わらせた立役者
  • サディアを救った救国の英雄
  • ロイヤル最大の敵
  • 女の子に手を出しまくりの色を好む英雄
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