鉄血の旗の元に《完結》   作:kiakia

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第五十七話 姉として、妹として、陣営代表として

 ガスコーニュが新たに艦隊に加わり数日が経ち、ヴィシアでの生活にも慣れてきたある日の事。俺はシュペーに部屋に呼び出され、緊張で胸を高鳴らせながら扉の前で深呼吸をしていた。

 

 先日シュペーに告白されたのだが、俺とシュペーの関係に何ら変化はなかった。シュペーはいつもの様に俺に優しく接してくれて先日の告白がまるで夢だったのではないか?と錯覚してしまう程にいつも通りの日常を過ごしているのだが、それは彼女が返事を待ち続けてくれているという事だ。

 

 そんなシュペーに突然部屋に来て欲しいと頼まれたのだから俺の心は騒めき、不安が胸中に渦巻く。はっきり言って俺が今行っているのは二股どころか三股だ。自身に好意を抱いてくれる三人の女性相手に未だに答えを出せない俺を既婚者の妹が見ればどう思うだろうか?

 

 

(いや……考えるまでもないよな)

 

 

 あの優しく、1人の男性を愛する為に祖国を離れた妹は俺に呆れ果て、軽蔑の眼差しを向けるだろう。それでも俺が彼女たちの気持ちに向き合わなければ、きっと後悔するのは目に見えている。俺は覚悟を決めて部屋の中に入ろうとした時だった。

 

 

「指揮官、ちょっと早かったね?」

 

「……シュペー」

 

 

 背後から声をかけられ振り返るとそこにはシュペーの姿があり、彼女は穏やかな笑みを浮かべたまま、こちらを見つめていた。

 

 

 

 ───何故か花柄のエプロン姿だったが。

 

 

 

 

「えっと……その格好は?」

 

「ふふっ、これ?実はね……」

 

 

 そうシュペーが答えようとした途端、後ろから何かを抱えたガスコーニュが同じくエプロン姿でゆっくりと歩いてくる。シュペーと違いこちらは水玉な紋様のエプロンを着ており、ガスコーニュは俺を見るなり恥ずかしそうに頬を染める。

 

「到着予定時刻より20分の誤差。主(メートル)……もうちょっとだけゆっくり来て欲しかったかも……」

 

「ごめんね、ガスコーニュちゃん。そう言えば言ってなかったけどヴァイスっていっつも約束したら30分以上前から待ってくれてるんだよ」

 

 

 シュペーの言葉にガスコーニュは目を丸くして俺の方を見るが、俺は頬を掻きながら言葉を濁す。というか何故ガスコーニュまでここに?それに2人共かなり打ち解けている様子であり、大人しくて人見知りやシュペーがここまで彼女と……恋敵のガスコーニュと和やかに話せるとは思わなかった。

 

 

「さあ入って指揮官」

 

「お邪魔します……」

 

 

 シュペーに招かれるがままに部屋の中に入ると部屋の内装は同じ宿舎なのだから変わるはずもなく、シンプルで清潔感のある部屋となっていた。しかし何処となく甘い匂いが漂っておりそれがシュペーの香りではないか?と我ながら変態な考えが浮かぶが慌てて首を振って邪念を振り払う。

 

 

「えっとね、今日ヴァイスを呼んだのは2人で作ったお菓子を食べてほしくて……あのダンケルクさんって、お菓子作りが趣味って言ってたから、甘いものが好きなヴァイスの為に色々と教えてもらったんだ」

 

 シュペーはそう言いながら抱えていた菓子をテーブルに置くと、それはシンプルな袋に包まれたバターケーキだった。見た目は至って普通だが、漂う甘い匂いに思わず喉が鳴る。どうぞと渡されて口に含むと口の中で蕩けるような甘さが広がっていき、俺は思わず感嘆の声を上げる。

 

 

「美味い……!」

 

 

 素朴だが何処か懐かしい味に思わず声を上げてしまう。バターの風味と甘味が舌の上で広がり、飲み込むと同時に幸福感が全身に駆け巡っていく。

 

 

「よかった……ガスコーニュちゃんと仲良くなりたいなって思って、色々と話してる内にヴァイスの好みについても色々と聞かれてね?それで折角だから2人でダンケルクさんに色々習ったんだけど喜んて貰えて作った甲斐があったよ」

 

「ありがとうシュペー。それにガスコーニュも」

 

「……え、えっと……シュペー…?主(メートル)?こんな時どんな顔すれば……?」

 

「素直に喜んだら良いんじゃないかな?ガスコーニュちゃん、作ってる時も凄く楽しそうだったから」

 

「……うん、わかった」

 

 

 シュペーに言われてガスコーニュは少し恥ずかしそうに微笑みが、その笑顔に思わずドキリとしてしまう。感情を獲得したばかりのガスコーニュの情緒はまだ完成しきっておらず幼い子供の様に振る舞う事もあるがそんなガスコーニュを見つめるシュペーは何処かお姉さんの様な雰囲気を纏っていた。

 

 

 

「……焦らなくても良いからね?」

 

 

 

 シュペーは俺の目をその青い瞳に捉えて優しく語りかける。まるで俺の不安を見透かしたかのような言葉に思わず動揺してしまう。

 

 

「私とガスコーニュちゃんの事なら心配しないで。貴方が納得するまで、そして本当に答えが出た時に、その時に答えを聞かせてくれれば私は構わないから」

 

 

 シュペーは穏やかな笑みを浮かべたまま俺の手を取る。俺の手を優しく包み込み、まるで母性を感じさせる様な温もりが伝わってくる。

 

 

「指揮官、今はまだ答えが出なくていいから。せめて出撃のない日くらいは楽しもうよ。最近の指揮官はずっと悩んでるみたいだし、たまにはリフレッシュしないと駄目だよ?」

 

「……ごめん」

 

「大丈夫。ずっと私は待ち続けるから」

 

 

 

 シュペーはそう言うと、そのまま手を引いてベッドへと腰掛けさせる。そして隣に座ってくると、肩を寄せて頭を預けてきた。

 

 

「だから……偶にはこうして肩を休ませよう?」

 

「……ありがとう」

 

 

 シュペーはそう言ってこちらを見上げると俺は自然と彼女の頭に手を乗せていた。シュペーのサラサラとした髪に触れ、撫でると彼女は心地良さそうな表情を浮かべる。

 

 

「ふふっ、あの時と違って今度は自分から髪に触ってくれたね?それだけでも一歩前進かな」

 

「……悪いな、待たせてばかりで」

 

「ううん、気にしてないよ。だって指揮官が私達の事を大切に想ってる事、知ってるから」

 

 

 

 シュペーは頬を染めながら幸せそうに微笑むと、その姿に二つの感情がまるで蛇のように絡みつく。一つはこんなに優しい女の子を待たせ続けている罪悪感。そしてもう一つは……シュペーがこんなに可愛かったんだと改めて認識してしまった事だ。そう、俺は異性としてアドミラル・グラーフ・シュペーという女の子を魅力的だと感じ始めて……ぐえっ。

 

 

「主(メートル)……シュペーとばかり話さないで……!」

 

 

 いつの間にかシュペーの反対側に陣取る様にガスコーニュは俺の隣に座ると頬を膨らませて不満げに呟く。シュペーが俺と仲が良い事に嫉妬している様子でぎゅっと腕に彼女は抱きついてくるのだがDカップの胸がムニムニと押し付けられて思わず硬直してしまう。

 

「今のはヴァイスが悪いよね?私にばっかり構ってガスコーニュちゃんを無視なんてしたら可哀想でしょ?」

 

「……ごめん、つい……」

 

「……いい、気にしてない。だから……もっと構って」

 

 

 ガスコーニュは不機嫌そうに俺の腕を抱き締めたまま視線で何かを期待する様に上目遣いで見つめてくる。その気持ちを一瞬で理解して頭を撫でてあげればガスコーニュは満足そうに微笑んでくれた。

 

 

「……あぁ、ガスコーニュちゃんずるい!私も指揮官に頭ナデナデされたいなー……な~んてね」

 

「シュペーもして欲しいのか?」

 

「……うん、お願いします」

 

 

 シュペーは俺の手を掴むと自分の頭の上に乗せて撫でる様に促してくる。シュペーのサラサラとした髪を撫でていくとシュペーは嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「……えへへっ♪やっぱり嬉しいな。スキンシップっていうのはこういうのを言うんだね」

 

「主(メートル)……バターケーキの代金は現金ではなく頭への愛撫を求む。もっと優しくして?」

 

「……わかったよ」

 

 

 ガスコーニュの注文通りに優しく撫でてあげるとガスコーニュも心地良さそうに目を細めていた。シュペーとガスコーニュ、2人の女性に左右から挟まれ同時に頭を撫でていく。それは告白について悩んでいた俺の心を癒し、心が穏やかになっていく様だった。

 

 シュペーとガスコーニュ。そしてヴェネトさんの想いに応える為にも俺はこの答えを見つけ出さなければならない。だからこそ俺は……

 

 

「シュペー、ガスコーニュ」

 

「んっ?」

 

「主(メートル)?」

 

 

 俺は、自身を異性として慕ってくれる2人の少女にヴェネトさんとペンフレンドであり……以前告白されたと話すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、説明通り北桜同盟の一員としては貴方達に一言だけ言っておく必要があると思ってね!」

 

 舞台は変わって、ここは地中海のサディア帝国、マルタ基地にて。ロイヤルから奪ったこの基地はレッドアクシズの技術によって再編が進み、その指揮と雑務の為に訪れていた総旗艦ヴィットリオ・ヴェネトは黒髪の少女からの提案を興味深そうに聞いていた。

 

 少女の名はパーミャチ・メルクーリヤ。先日行われた第二次ダイナモ作戦にも秘密裏に夫である指揮官と共に参戦した北方連合最古参のkansenであり、彼女は長門とソユーズの二人の親書、そして一つの提案書を片手にようやくヴェネトとの面会の日を迎えていた。

 

 

「エリトリア地域の売却の提案、ですか」

 

「そうね。貴方達がウッチャリ条約で五十年?くらい前に獲得したアフリカのエリトリア地域。それを重桜に売却して欲しいのよ。不良債権と化したあの地域を高値で手放せるのはそっちとしても悪くない提案だと思うわ!」

 

 

 ニッコリと笑うメルクーリヤにヴェネトは即座に冷徹な国粋主義者の一面をもつ総旗艦として北桜同盟の意図を考える。ウッチャリ条約とは言わば植民地獲得レースに乗り遅れたサディア帝国がアフリカ唯一の独立国であるエチオピア帝国との戦争で獲得する際に結んだ講和条約であり、エリトリアはアフリカ地域への植民地化の為の橋頭堡としての場所である。

 

 

 1869年にスエズ運河が開通してからというものの、インド洋と地中海を結ぶ中間地帯であるエチオピア帝国。そのアフリカ最後の独立国を支配下に置く為にサディア帝国はこのエリトリア地域より『本来の歴史』であれば侵略の為の謀略を行い、エチオピア帝国との戦争に発展する事になる。

 

 

 しかし、この世界の歴史ではウッチャリ条約によってエリトリア地域を獲得して1年も経たない内に現れてしまった人類種の敵セイレーンによって異なる歴史を歩む事になる。

 

 

 kansenが生み出される前の黎明期は人類は大半の海路を失い、その後生み出されたkansenによって主要海路の多くを奪還したとしてもユニオン以外の全ての国家は疲弊しており、更に第一次セイレーン大戦終結後の国際協調路線も重なり史実と比べてサディア帝国のエリトリアの植民化事業やエチオピア帝国への侵略的拡大路線も全て白紙となってしまったのだ。

 

 

 更にウッチャリ条約によってエリトリア地域はサディアの領土であると国際的に認められてしまったのもサディア帝国にとっても最早悩みの種だった。史実とは違いセイレーンの妨害によってまともに植民地化も進んでおらず、開発も進んでいないエリトリアの防衛の為に貴重な軍事的リソースを結果的につぎ込む事となり、セイレーンの脅威やアズールレーンとの対決姿勢を打ち出した今、肉は無いが味はある。赤字ではあるが捨てられない鶏肋とも言える地域をサディア帝国は保有し続ける羽目になったのだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 例え鉱物資源があっても国際運河とはいえ、スエズ運河を事実上ロイヤルが保有している以上差し押さられるリスクもあり、いっそ鉄血やヴィシアに売却しようと過去に提案した事はあれどこの二国は既にアフリカへの橋頭堡を保有しており、不良債権と化したエリトリアを欲しがる理由もなかった。

 

 いっそエチオピア帝国に二束三文で返還すればいいとヴェネトは考えてはいたが、過去に先人達が血を流して手に入れたこの地域をみすみすアフリカの三流国であるエチオピアに返還するのか!?と反発が沸き起こり、結局はそれも出来ず。どうしたものかと常々頭を悩ませている所で突如彼女達が現れたのだ。

 

 重桜がエリトリア地域や利権を全て購入しエリトリアに植民したサディア帝国の民が本国への帰還を望むなら自分達が輸送船や保証を出す。但し売却した3年後に重桜はエチオピア帝国にこの地域を返還すると。

 

 

「エチオピアに直接返還じゃなくて私達に売却した後なら国民だって納得するはずよ!それに今貴方達は無人のマルタ島だってあるんだから帰還した国民の新たなる新天地としてマルタ島を提供する事もできるはず。貴方達は不良債権を高値で売却できて更にマルタ島の実効支配を強める事が出来るんだからメリットしか無いと思うわよ!」

 

「……インド洋と地中海を結ぶ中間地帯を失う事になると言う点については?」

 

「そんなの今の貴方達は鉄血と仲良しじゃない!鉄血領のアフリカ植民地の市場に今後参入出来る可能性も高いのに、わざわざ不良債権のアフリカに領土なんて保有する必要なんて無いと思うわよ?そもそも……貴方達はスエズ運河と欧州の海路の中間地帯であるマルタ島を獲得した今、アフリカへの領土的野心はもうないでしょ?下手に植民地を広げた結果、世界中に植民地を持つロイヤルが植民地防衛の為どれだけ苦労してるのか見てるはずなのに」

 

 

 メルクーリヤの言葉にヴェネトの脳裏に一つの光景が浮かぶ。何故ここまで北桜同盟はエリトリア地域をわざわざサディア帝国より購入し、エチオピアに返還しようとしているのか。ある一つの未来を頭に思い浮かべたまま彼女はメルクーリヤに静かに語る。

 

 

 

 

 

 

「貴方達は……北桜同盟は、新たなる同盟国を育てようとしているのですか?」

 

 

 

 

 

 

メルクーリヤは笑顔だが一瞬だけその笑みが凍りつく事をヴェネトは見逃さなかった。

 

 

「アフリカ唯一の独立国であるエチオピア帝国。かの地の市場を求めて恩を売るために我が国からエチオピアにとっては失地であるエリトリアを購入し、返還する事でアピールを行い。植民地競争に乗り遅れた貴方達はアフリカへの新たな市場への参入を目指すだけではなく、技術支援によってエチオピア帝国の海軍を強化。そして北桜同盟の新たなる戦力となるであろう存在を育てる為の土壌を作る。それが貴方達の狙いですね」

 

「……」

 

 

 無言のままヴェネトを見つめるメルクーリヤの表情はニッコリと笑みを浮かべていたが、内心では冷や汗をかいていた。まさかここまでこちらの狙いを看破されるとは思わなかったからだ。

 

 

(うっそ~、この人勘鋭すぎない!?なんなのこの人の洞察力!!)

 

 

 彼女は端的に言えばヴェネトを舐めていた。交渉前までの穏やかな雰囲気を纏った人物とは全く違う。今目の前にいる女性はただの軍人ではなく、一個の国家の軍を統べる者としての威厳と風格を兼ね備えた一人の女性だ。

 

 彼女の鋭い眼光に気圧されながらもメルクーリヤはどうにか平静を保ちながら口を開く。

 

 

「まぁそういう事よ。エチオピア帝国はサディアにエリトリア戦争で敗北した事で近代国家として改革を行おうとしたけど、彼らは鎖国から国際社会に姿を表したと同時にあっという間に近代化を進めて、四大陣営の一つとなった重桜に興味を持っている事はこっちの調べでわかってるのよ。確か皇帝の甥が一度外交で重桜に来た時に重桜好きになって重桜からお嫁さんが欲しいと周囲に言い始めるくらいには」

 

「お嫁さん……」

 

 その一言でヴェネトの目が一瞬和らいだ事にメルクーリヤは気付いた。これはチャンスだとばかりに彼女は畳みかける。

 

 

「えぇそうよ。だからこそエリトリアを購入後に重桜はエチオピアに名家の女性を送って婚姻を結びつつ技術支援を行なって重桜、北方連合に並ぶ新たにkansenや多数の無人艦を保有する近代海軍を持つパートナーにするつもりね。それは引いてはアフリカ地域の自己防衛にも繋がってヴィシアや鉄血の植民地海軍の縮小にも繋がり、レッドアクシズ全体にもメリットはあるし、貴方達は重桜と北方連合のお金で近代化するエチオピアって新たな市場に参入する事が出来る。まさにウィン・ウィンの関係じゃない!」

 

 

 サディアとしては不良債権を返還だけではなく、勝手に成長していくエチオピアという北桜同盟が支援する見込みのある市場に参入出来るチャンスもあり、今ならば重桜経由の売却ならば、イオニア海海戦によって浮かれている元老院や国民を納得させるのも容易いだろう。

 

 不安材料としては北方連合というコミュニスト国家の思想がアフリカを圧巻する可能性や、将来的にレッドアクシズと北桜同盟が敵対した場合にエチオピアという勢力がアフリカのど真ん中に存在するとどうなるかといった所だろうか。しかし現状ではサディア帝国にとっては余りにもメリットの方が大きいと判断したヴェネトは決意する。

 

 

「……わかりました。この話を受けましょう。とはいえ元老院の方々の説得の必要もありますので必ずエリトリア売却が可能であるか?と言われれば首を縦に振れませんが、個人的にはその案を支持します」

 

「ふぅ……良かったわ。これで安心して帰れるわ」

 

「ですが、かの地は結構高いですよ?エリトリア地域には鉱物資源が眠っていますし、現地のサディア人の説得の為の費用も含めて……ふふっ、これ以上は売却が決まった後に話しましょうか」

 

「あーうん……こっちとしては北方連合の資源である程度のバーター取引の案もあるって伝えておいてね。こっちもセイレーン相手に大変だから必要以上にふっかけないでよ?現実的な値段にしてくれるならエチオピア市場参入の時にこっちも手助けしてあげるから」

 

 

 メルクーリヤは笑顔でヴェネトと握手をするが、目の前の女は油断すれば尻の毛すらもむしり取りかねない程に吹っかけてくるであろう油断ならない相手だと改めて認識し、その情報も含めて本国の三笠やソユーズに伝える事を決意する。後に北桜同盟内でヴィットリオ・ヴェネトを見た目の印象以上に油断ならない最もレッドアクシズ内で警戒すべき女だと認識された瞬間であった。

 

 

「今後とも良き関係を築いていきましょうねヴェネト♪」

 

「えぇ、よろしくお願いします。我々サディア帝国は、レッドアクシズは北桜同盟との『友好』と『平和』を求めているのですから」

 

 

 二人は互いに微笑み合うが、メルクーリヤにとってはまるでヴェネトの笑みは獲物を目の前にした肉食獣のような笑みを浮かべていたと、ベッドの上で愛する指揮官に愚痴る事になるのであった。

 

 

 そして、メルクーリヤは安堵する。これで仕込みは終わりだ。

 

 

「さて、話はこれで終わりね!じゃあ色々とこっちも準備があるから───」

 

 

「……メルクーリヤさん?そう言えば私達は第二次ダイナモ作戦で明石さん達重桜出身者の方々に入国許可は出しましたけど北方連合の方々は出していないのですが……現在貴方達は不法入国と領海侵犯を行っていますね?」

 

 

 

 突如笑みを消して真顔となったヴェネトにメルクーリヤの表情は一瞬で凍りつく。しかしヴェネトは次の瞬間柔和で温厚な表情を浮かべて口を開く。

 

 

「冗談ですよ〜ふふっ♪貴方達は北方連合の特使なのですから今滞在中の場所からこちらが用意した高級ホテルに移動してくださいな。滞在中の費用は全てこちらが出しましょう。北方連合の方はバカンスだと想ってお過ごしくださいませ。願わくばサディアを心地の良い国だと思って頂き、本国への帰路に向かえる事をサディアを代表して願いましょう」

 

「あ、あはは……」

 

 

(この人怖いわよ!?えっ、今一瞬目が笑ってなかったね?もうやだ……ダーリン助けて~!!)

 

 

 メルクーリヤは内心で涙目になりながらヴェネトから用意されたホテルの説明を受け、いつもは愛する指揮官を甘やかしているが、今夜は自分が甘えようと心に決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんで、こうも顔を合わせるんだ」

 

「いやそんな事言われましても……」

 

 

 ガスコーニュとシュペーのお礼は勿論、グラーフとヒッパーに色々と迷惑をかけたヴィシアの方々への差し入れを購入しようと1人トゥーロンの街に向かおうとした所、軍港内でジャン・バールさんにバッタリと出会ってしまった。

 

 

 あの日の会議以降一度も顔を合わせてはいなかったが、私服姿のジャン・バールさんはめちゃくちゃ嫌そうな顔で俺を見つめている。まぁそりゃそうだよね……今から思えばあの時の会議で蛇野郎なんて言われるくらい警戒されていたからなぁと苦笑していると彼女は無言で手を動かして、ついてこいと言わんばかりに近くのベンチに腰掛けた。

 

 

 俺は仕方なく彼女の隣に座り、何か話しかけようかと思ったが何を話せばいいのか分からず、とりあえず沈黙に耐えかねたのか彼女が口を開いた。

 

 

「……ガスコーニュにはヴェネトの事は話したのか?」

 

「はい。その後シュペーに告白されて2人に全てを話しました」

 

 

 本気で格闘戦を行った事もあってなのかシュペーという単語を聞いた途端複雑な表情となるジャン・バールさんは更に俺を嫌そうな目で睨みつけるが、それでも一応聞いておくかと言うように質問を投げかけてきた。

 

 

「それで?なんて2人は答えたんだ?」

 

「最初はヴェネトさんに手紙で告白された事に驚いていましたが『ちゃんとヴェネトさんとも話し合って答えを出してね』って……」

 

「そうか」

 

 

 ジャン・バールさんは静かに頷く。シュペーはずっと前にヴェネトさんに告白された事何故言えなかったのか?と言う点も立場的にこんな情報皆に話せないと即座に納得してくれて、ガスコーニュも一度も俺を責めなかった。

 

 

 これから先の未来は分からない、それでも誠実とは程遠い状況である事は百も承知とはいえもっと彼女達の事を知り、もう一度ヴェネトさんと再会

するまでに覚悟を決めなければと改めて思う。

 

 それからしばらく黙ったままベンチに座り続けると、ふとジャン・バールさんが口を開く。沈黙を破って発言した彼女の横顔はガスコーニュの姉とヴィシアの護教騎士である二面性を併せ持っているように思えてしまった。

 

 

 

「……まあ、報告するのにちょうどいいか」

 

 

 

 ふう、と一息つくとジャン・バールさんは艦隊をまとめるモノとしての瞳になる。

 

 

「そちらのロイヤルとの会談、出席について、だが……非常に、非常に業腹だが…オレの代理としてオブザーバーとしてガスコーニュが向かうことになりそうだ」

 

 

「それって……」

 

 

「オレに聞くな…!どこから知ったのかしれんが、ガスコーニュの件からか上層部の連中が派遣をするなら開発艦でオレの妹というインパクトも含めてガスコーニュに行かせろ、とうるさくて敵わん……クソ!素直にアルジェリーかフォッシュ辺りに行かせりゃいいものを……!」

 

 

 怒り心頭と言った様子で拳を強く握りしめるジャン・バールさん。俺は何と言えば良いのか分からずにいたが、そんな俺を見て気まずくなったのか彼女は大きくため息をつく。

 

 

「……上はロイヤルとアイリス、各国のオブザーバーにガスコーニュを見せつける事でヴィシア聖座が正統政府である事をアピールしつつ、馬鹿な姉達への牽制にする構えだ。セイレーンが大量発生した肝心な時にロイヤルに引きこもっていた枢機卿と違い、国民を守り続けてきた陣営代表の妹。ガスコーニュを『アイドル』として国際社会にアピールしつつ、ガスコーニュの政治的な立場をはっきりとさせようしてな……ちっ……出来る事ならアイツを表に出したくは無かったが、鉄血のお前達に存在を知られた以上こうして顔を出した方がガスコーニュの身を守る事に繋がるからな……」

 

 

 そこまで言うとジャン・バールさんは立ち上がる。そして俺を見下ろすようにして視線を向けると、鋭い目つきで俺を睨みつけた。その目は先ほどまでのガスコーニュを想う優しい姉の目ではなく、まるで獲物を狙う狩人の目であった。

 

「鉄血の。正直に言えばオレはお前が嫌いだ。例えガスコーニュに手を出していないとしても自国の女と他国の女を天秤にかけて答えを先延ばしにしているお前を見ていると殴りたくなってくる」

 

 

 姉として妹の幸せを願うジャン・バールさんの言葉に俺は胸が痛くなる。彼女はガスコーニュを溺愛している。ぶっきらぼうな言葉の端々からは妹への愛情が伝わってきており、彼女が俺を嫌うのも当然だろう。

 

 

「だがな……ガスコーニュがお前を信用する以上オレはお前に妹を託す……勘違いするなよ?ロイヤルの奴ら相手にオブザーバーをしている間って意味だ」

 

「わかりました。ガスコーニュは……貴方の妹をは鉄血海軍の軍人としてだけではなく、一人の男として必ずヴィシア本国に帰られるように誓います」

 

 俺の言葉を聞いて舌打ちをしつつも無言でジャン・バールさんは頷く。ヴィシアの代表として国際社会にその存在をアピールするであろうガスコーニュだが彼女の内面や情緒はまだ幼い部分も残っている。

 

 

 陣営代表としてはガスコーニュの有用性を理解しつつ彼女の身を守る為にその姿を見せるしかないと判断したジャン・バールさん。しかし、姉としては幼い妹を送り出す事に複雑な心境だったのだろう。

 

 だからこそ俺は誓うしかない。恐らくガスコーニュはヴィシアのオブザーバーとして俺と共に過ごしたいと言ってくれるはずだ。そんな彼女を国賓として、そして俺を信頼し、愛してくれた彼女を必ず無事に帰らせると。

 

 

 

「ガスコーニュは必ず無事に帰らせます」

 

「ふん、当たり前だ」

 

「それと……」

 

「まだ何かあるのか?」

 

 

 ジャン・バールさんは怪訝な表情を浮かべる。そんな彼女に俺は改めて決意を固めると、口を開いた。

 

 

「いえ……これから先の未来について、です」

 

「ほう、言ってみろ」

 

 

 そう言うとジャン・バールさんはベンチに座り直す。

俺の話に興味を持ったようだ。分裂し、弱体化しているヴィシア聖座に報いる為にどうすれば良いのか?という一つの未来について緊張しながら口を開く。

 

 

「自由アイリス亡命政府の方々を……出来れば処分は最小限で再び戦後ヴィシアに吸収すると言うことは難しいでしょうか?」

 

「……お前はバカか?」

 

 

 唐突な俺の発言に呆れてものも言えないのか、ジャン・バールさんは首を横に振る。自由アイリス亡命政府はヴィシアにとっては裏切り者であり現在ロイヤルに亡命している面々、彼らは例えこの戦争がどんな結果に終わっても厳しい処分を受けるだろう。だが俺はそんな彼女に対して構わずに話を続けた。

 

 

「勿論亡命を主導したリシュリュー枢機卿やその幹部に本来厳しい処分は避けられないでしょう、国家を分裂させ、結果的に国民の大多数を見捨ててロイヤルに亡命した結果ヴィシアは大変な目にあったのですから」

 

 

 何を今更とジャン・バールさんは俺を睨みつける。自身の姉が何も言わずに多くのkansenや国家のエリート層を連れて亡命した結果苦労したことを俺の様な国外の人間に改めて指摘された事に不愉快に感じているのか、俺を睨む視線には敵意がこもっていた。

 

 

「ですが……鉄血の認識ではリシュリュー枢機卿はロイヤルのクイーン・エリザベスに脅され、亡命した国民を人質に取られて傀儡化された挙げ句、ヴィシアと戦うように強要された被害者なんですよ」

 

「何が言いたい?」

 

「いっそ便乗しませんか?」

 

 

 俺の言葉にジャン・バールさんは眉を潜める。

 

 

「この国に滞在して観察して分かりました、未だにリシュリュー枢機卿の影響力は大きい。亡命したリシュリュー枢機卿一派に厳しい処分をすれば彼女の支持派閥は暴走する恐れもあって国内は乱れるでしょう。しかし、あくまでリシュリュー枢機卿はクイーン・エリザベスに脅されたと言うシナリオならば、枢機卿が国民に頭を下げ、幹部達を公職追放や左遷する「だけ」で済みます。裏切り者ではなく被害者として扱えば国内の混乱を最小限に抑えられます」

 

 

 無言でジャン・バールさんは睨みつけながら複雑な表情を浮かべていた。本心としては彼女は姉やその一派が亡命した事に激怒しているだろうが、家族であるガスコーニュをあれだけ愛してる以上、姉であるリシュリュー枢機卿にも複雑な感情を抱いているはずだ。今もアイツは売国奴だと罵る事はせず、ただ無言で俺を睨んでいる。

 

 陣営代表としては公開処刑すらも辞さない覚悟で戦後自由アイリスの面々に厳しい処分を下さなければならないと思っていても、リシュリュー枢機卿の妹としての本心は、姉の処分に葛藤を抱えているはずだ。その葛藤の中で俺の提案を聞いている。

 

 

「……」

 

 

「もちろん、これはあくまでも鉄血ではなく俺の考えです。貴方達が亡命政権を認めないならそれでも構いません。ですがビスマルクさんは演説にてこう語っています」

 

 

 

 

 

『そう、クイーン・エリザベス達はセイレーンから人類を守る為に戦っていたヴィシア海軍に先制攻撃を仕掛けたのだ。仮にこのボロボロになったヴィシア海軍がその後セイレーンに襲われていればヴィシア国民の多くが犠牲と成ったであろう事は想像するに難くない。それほどまでに無慈悲に、卑劣に、クイーン・エリザベスは自国の利益を優先し、さらに亡命政府のトップであるリシュリュー枢機卿を脅し、傀儡国とする為に自由アイリス教国と名乗る陣営を作り上げるように要求したのだ!クイーン・エリザベスは!!同じ神を信仰する国民同士を自国の利益と利潤の為に殺し合いを強要したのだ!!』

 

 

 

 明らかにビスマルクさんは全責任をクイーン・エリザベス個人に押し付けようとしていた。それはリシュリュー枢機卿や亡命政府に対するメッセージなんだろう、今ならば国家を裏切った売国奴ではなく、エリザベスに騙された被害者というシナリオが世論に通じるぞと暗に伝えていたのだ。

 

 反ロイヤル感情が世界中で高まりエリザベス=『悪』という風潮が今なら通じる。だからこそ俺は思い切ってジャン・バールさんに提案しようと決意する。

 

 

「ビスマルクさんの様に、国際社会に向けた演説であくまでリシュリュー枢機卿達はエリザベスに脅されて亡命せざる得ない状況に追い込まれた被害者であると言ってみるのは如何でしょうか?機材は鉄血が貸し出しますし、穏便な形で亡命政府の方々が祖国に帰還できるように鉄血も協力を惜しみませんから」

 

 

 ロイヤルと自由アイリス亡命政府の関係に亀裂を入れる為の離間策でもあり、あえて穏便な形で自由アイリスの面々が祖国に戻れるようにするという提案にジャン・バールさんは目を丸くしていた。

 

 

 確かにリシュリュー枢機卿が亡命したのは事実であり、それを国民の前で否定するのは難しい。しかし、あくまでエリザベスに脅された被害者であり、彼女達は仕方なかったと主張すれば反発を抑え込め、スムーズに亡命した面々が国内に帰還した上で分裂した国家の再統合も進むはずだ。

 

 

 勿論処分を受ける人も多いだろう。しかし、それでも祖国を裏切った売国奴ではなく、エリザベスに脅された被害者ならばトップであるリシュリュー枢機卿であっても地位や艤装の剥奪。どれ程罪が重くなっても、軟禁、追放処分程度に抑えられる可能性は高い。

 

 鉄血やサディアもその決定に関しては歓迎こそすれど内政干渉で批判はしないだろう、ヴィシアの国力が回復するのが早ければ結果的にレッドアクシズの繁栄に繋がるのだから。

 

「やってみる価値はあるとは思いませんか?もしリシュリュー枢機卿がこちらを否定してもこちらがその事を言う様にロイヤルに脅されたと反論すれば、国際社会はリシュリュー枢機卿達が何を言っても『エリザベスの蛮行の被害者』として見られます、相手の思惑がどうであれ結果的にロイヤルと自由アイリスに亀裂が産まれるはずです」

 

「……何故、そこまでリシュリューを庇う?」

 

「鉄血軍人としては鉄血、ひいてはレッドアクシズの国益の為に繋がるから。個人としてはリシュリュー枢機卿はガスコーニュのお姉ちゃんですから」

 

 

 俺の言葉を聞いたジャン・バールさんは複雑そうな表情を浮かべていた。結局の所、俺は自由アイリスの面々が穏便な形で帰ってきてヴィシアの国力云々と理由をつけても、俺の本音はガスコーニュを悲しませたくないだけであると気がついたんだろう。

 

 ガスコーニュは感情を獲得して間も無い純真無垢な女の子であり、ジャン・バールさんがガスコーニュを愛する様にガスコーニュも姉である彼女をジャンお姉ちゃんと呼んで慕っている。そんなガスコーニュにとっては顔も見た事もないとはいえもう一人の姉であるリシュリュー枢機卿が厳しい処分を受ければきっと悲しむはず。

 

 

 レッドアクシズの利益やヴィシアとアイリスの再統合の為の布石と言う言葉に嘘偽りはない。だが、俺の本心はただガスコーニュという女の子が傷ついて欲しくないと言うエゴ以外の何者でもなかった。やがてジャン・バールさんは小さくため息をつく。

 

 

「……考えておこう」

 

 

 一言だけ呟くと彼女はベンチから立ち上がるとその場から離れていった。その後ろ姿は陣営代表であるジャン・バールと国を裏切った姉に責任感じているジャン・バール。そして妹を愛するジャン・バールという三つの影が重なっている様に思えた。

 

 

 

 

 

 

 それから数週間が経ち、ヴィシアには数十人の鉄血出身のkansen達が姿を見せる事になる。ジャン・バールさんと俺達鉄血艦隊の面々は彼女達を出迎えるとそこには鉄血の切り札とも言える存在が何人も姿を見せていた。

 

 

「あら?久しぶりねボウヤ……元気にしていたかしら?」

 

 鉄血が誇る決戦兵器。アズールレーンキラーとして誕生し圧倒的な力でピュリファイアーを屠ってみせたフリードリヒ・デア・グローセさんは静かに微笑み。

 

 

「ええ、私の方は初めましてですね~開発艦、重巡洋艦のローンと申します……よろしくお願いしますね、『英雄』さん?」

 

 

 ゆるふわで家庭的な雰囲気を持つ温厚そうな金髪美人のローンさんは握手を求め。

 

 

「お前は……」

 

「初めまして卿、ツェッペリン。グラーフ・ツェッペリン級二番艦ペーター・シュトラッサー……貴方の妹よ」

 

 

 そして、最後に現れた巨大な空母生体艤装を持つ落ち着いた雰囲気を持つ黒髪の女性はグラーフの妹と名乗り、彼女に手を差し伸べる。

 

 

 決戦に向けてのカウントダウンは間近に迫っていた。

 

 

 

 




・エリトリア
 史実では1889年エチオピアからイタリアが獲得したアフリカ植民地。農作に適した地域であり各種鉱物なども有しているこの地域をイタリアは獲得したと同時にアフリカ唯一の独立国であるエチオピア帝国への領土的野心を隠さず1936年に勃発した第二次エチオピア戦争によってイタリアに占領される事になりました。しかし、今作では1890年内以降にセイレーンが出現してしまい、史実と違ってまともにイタリアがモデルであるサディア帝国は植民地の開発を進めることが出来ず、第一次セイレーン大戦終結後(縹映る深緋の残響の時期)も国内に余裕はなく、アフリカに植民地を持つロイヤルとの関係悪化も重なり赤字を垂れ流すとわかりつつも植民地防衛のために艦隊を出さざる得ないなど非常に苦労してしまう事に。

 鶏肋とも言えるこの地域を重桜と北方連合は高値で購入してエチオピアに返還。技術支援を行い、新たな同盟国を作り上げると策略の為にサディア帝国にこの地域の購入の打診を行う事になるのでした。


 ・「確か皇帝の甥が一度重外交で桜に来た時に重桜好きになって重桜からお嫁さんが欲しいと周囲に言い始めるくらいには」

 これも史実通りであり史実ではエチオピアの皇帝戴冠式の返礼の際に日本に訪れたエチオピアのアラヤ皇子は親日家となり日本人女性と結婚がしたいと要望。華族である黒田氏との婚姻目前となりエチオピアと日本は同盟寸前にまで漕ぎ着けたのですがイタリアの妨害によって破談する事に。しかし今作ではサディア帝国がエリトリア地域を手放し、アフリカへの領土的野心を(ロイヤルが世界から悪役認定される中エチオピア侵攻なんて出来ない事もある)捨てざる得なくなった結果恐らくこの結婚は成立し、北桜同盟は長い目でエチオピア帝国の海軍を育てる事に。近い将来黒人で陰陽術の使える北方連合式生体艤装を装備したエチオピア海軍のkansenが見られるかもしれません。ちなみエチオピアと日本を巡る関係に関してはゲーム、ハーツオブアイアン2でも歴史イベントに存在しています。

【挿絵表示】



・援軍
今回の鉄血側の援軍に関してはまた後日。因みにこれらの選択肢もダイスで決まっており

dice1d10=10 (10)
1~5いつものグナイ&シャルンの艦隊だ
6~9.…黒髪ツインテール…?
10.*おおっと*←ファンブル


*おおっと*
dice1d10=8 (8)
1~3.ピッピ!?ピッピナンデ!?
4~6.おでん&マインツて
7~9.うわぁ…闇ママと…その金髪さんは?←確定
10.*おおっと*

 ダイスのファンブルの結果フリードリヒ・デア・グローセとローンという鉄血が誇る特別計画艦の二人が中心となった艦隊が追加で派遣される事に。本来は鉄血の決戦兵器とも言えるグローセ達と過剰とも言える援軍を派遣すると言う事はそれ相応のメッセージを暗にビスマルクはヴィシア側に伝えているのでした。

 次回はそんな援軍を巡るお話を。いよいよ大量発生したセイレーンの大元を破壊するヴィシアと鉄血の共同作戦のカウントダウンが迫ります。

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指揮官の後世の評価はどうなる?

  • 戦争を終わらせた立役者
  • サディアを救った救国の英雄
  • ロイヤル最大の敵
  • 女の子に手を出しまくりの色を好む英雄
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