SIDE:黒川 光
ピリピリと肌に何かが刺さるような感覚。
それは俺が便利屋としての仕事でよく味わう物、戦場の空気。
あるいは強者が持つ威圧、非日常の象徴。
それを俺はフブキの家の近くで受けた。
・・・その威圧感が発せられる場所はフブキの家の近く。
そして俺が今まで一番長く接してきたもはや目を瞑っていても近くにいれば分かる相手。
・・・フブキが出しているものだった。
おそらく俺の居場所を把握した上で威圧して、動いてないんだろう。
今から逃げ出しても追いつけるから動かないのか、それとも必ず会いに来ると分かっているから動かないのだろうか。
『まぁ、フブキだし・・・分かってるんだろうな。』
俺はそう言ってフブキに向かってゆっくり歩く。
なんでアイツのことが分かるのかって?
子供の頃からよく一緒に居たんだぞ?昔の俺ならともかく今の俺なら分かるさ。
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数分そのまま歩いて行って、家のすぐ近くで鼻歌歌いながら座り込むフブキの姿を見つけた。
見た目は隙だらけだが・・・実際のところはかなり警戒している。
俺のことはやっぱり分かってたんだろうな。
『・・・フブキ』
「おや?その声は・・・!やっぱり、光くんですね!!」
声をかけるとフブキはこちらに振り向き笑顔で俺に話しかけてくる。
その笑顔は・・・俺は何度も見たことがある、俺が何度もこの顔にしたことがある。
だから分かったんだろうな、このフブキは俺の
・・・まぁ、あやめ達が違う世界の皆だったんだからフブキだけ同じ世界の訳ないか。
『ああ・・・そういうフブキは・・・ちょっと痩せた?料理のカロリーを少し高いものに変えた方が良いか?』
「にゃ!?ふ、太らせなくていいですよ!!痩せたんだったらこのままで良いんですよー!!」
そう言って俺に怒ってくるフブキ・・・ああ、その顔は何処までも似てるけど。
『それに少し見ない間に、随分と妖力が増えたみたいだな?・・・フブキがもともと
「・・・ふぅん?やっぱりあなたはすぐに分かるんですねぇ。」
『・・・隠す努力もしてないのに良く言うよ。』
そのフブキのまとう妖力の異様さ・・・俺の知るフブキが持つ妖力の数倍はあるであろう妖力を纏い、俺に笑ってくるフブキ。
何時もと違うその事を指摘するといつもの調子から真面目な時の声に変わる。
『で、お前の世界の俺は何をしたんだ?・・・正直、フブキを・・・お前を泣かして、怒らせるっていうのは大分ヤバいことをしたみたいだが。』
「ん~・・・秘密ですね!それに・・・今の貴方に言っても分かるとは思えませんから。」
「でも、ヒントを言うなら・・・世界を捻じ曲げてでもやりたいレベルですね」
俺の質問に答えると刀を手に召喚し、俺に笑いかけてくる。
だが今の答えに一つ気になる点があった。
『世界を・・・捻じ曲げる??』
「ええ!そうですよ?文字通り世界捻じ曲げて時間を遡ったり別の世界に
『・・・この事件の犯人、お前かよフブキ。』
笑いながらとんでもない事を言ってくるフブキ。
言ってることが本当ならまるでカミのような所業だ。
時間を巻き戻して、複数の世界から特定個人を招き寄せたということになる。
・・・そんなことは並大抵の努力じゃなせることじゃない。
魔王とか・・・アヤカシの首領・・・若しくは「都市」の星、いや、不純物の様なレベルの存在が頑張ってようやく出来るかどうかの事だ。
とても信じられなかった、力が足りないのもあるが・・・フブキがその力を手に入れても使うとは思えなかったから。
『・・・なぁ、フブキ』
「はい?」
『何をお前を突き動かすんだ?なんでこんな事をやるんだ?』
俺はなぜこんな事を・・・俺以外の皆を、俺に心に傷を付けられた皆を集めたのか。
なんで俺を呼んだのか、その理由が知りたくて質問した。
俺がそう質問するとフブキは笑顔を辞め、真顔で俺を見てくる。
「貴方が好きだからです、貴方の事が何よりも大好きだからです。」
「貴方の事が好きだから貴方の心を折ります、それが貴方の一番の幸せにつながると思ってますから。」
「そして貴方が嫌いだからです、憎んでいるからです。」
「貴方のために一緒に戦いました、皆が貴方のやることを見続けることに耐えられなくなって離れていく中私一人だけ常に一緒にいました。貴方が大好きでしたから。」
「傷付く貴方を見ているのは辛かったです、何度もないてもう戦うのを辞めてほしいって言いました。けど貴方は絶対に戦いを辞めず取り憑かれたかのようにいろいろな事件に関わりましたね。」
「そして・・・貴方は私の事を全然見ていませんでした。私が貴方のことを思って沢山の涙を流したのに貴方は一度も気づきませんでしたね?」
「ずっとずっっと隣で一緒に戦ってきたのになんで私の事を見てくれてないんですか?どうして貴方のことを思う人の涙に何も感じなかったんですか??」
「それが悲しかったです、とてもつらかったです。貴方の事が好きな筈なのに恨みと敵意が芽生えました。」
「そして、こうして戦うことがとても嬉しいからです。こうして戦う相手になったんですから貴方は嫌でも私の事を見てくれますよね?」
「ずっと見てくれなかった私を見てくれますよね??だからとっても嬉しいんです。」
「・・・あれれ?可笑しいですね、こうして言葉にすると私は今どういう感情なんでしょうか??」
「
俺はフブキがほぼ途切れもなく話すのを黙って聞いていた。
その声はとても不安定だった、嬉しそうな声かと思えば怒った声になり、そして急に悲しげな声になりそして最期にとても冷えた声で、冷静にそういった。
現代となってからはもう存在しないとされていたはずの物。
『・・・カミに・・・ホントになったのか??』
「ええ、はい!そうですよ?だから白上はこんなに強い力を宿してるんですよ?ってあぁ!!」
「この事話さないって言ったばっかりなのに話しちゃいました・・・失敗ですね。」
そう言ってフブキは尻尾と耳を下に下げながら項垂れる。
・・・情緒不安定・・・いや、さっき言ったことが本当なら・・・俺はフブキを・・・一番最悪の形で傷つけたんじゃないのか??だからこうも・・・
「む~・・・こんな所で失敗してしまうとは・・・いやいや、ここで失敗しておけば後々失敗することはないと思っておきましょう、うんそうしましょう!」
「さてさて、じゃあ早くやること終わらせましょう!そして沢山光君の匂いを嗅いで、体を噛んで、傷を付けて、絶対に私のことを忘れないようにして私のものだってマーキングをしないと行けませんね。」
「まずは逃げれないようにしますか。貴方は逃げることはとても得意ですもんね♪」
そう言い切るとフブキは手を振りかざし、結界を張る。
結界は瞬時に展開され、俺が妨害することが出来ない速さで構成され、俺とフブキをその中に閉じ込める。
見た感じ時間をかけないと逃げることは出来ないだろう、けどフブキはそれを許してくれないだろう。
俺はフブキが次に何をしてくるか警戒しながらフブキを見つめる。
「む~・・・ただ結界を張っただけなんですからそんなに警戒しないでくださいよ~?そんなに警戒されてると白上ちょっと悲しいです。」
「ああ!そう言えば光くんの治療とかがまだでしたね・・・大丈夫です!私なら貴方を完全に治療することが出来ますから。」
再びフブキは手を振りかざす、その手から生まれた光は一直線に俺に向かって飛んできてぶつかる。
俺はそれを何とか防御しようとして両手で防ぐがその光は俺にぶつかりそして・・・俺の体を癒やした。
『は・・・?』
なんでこんな事をするのか理解できずアホみたいな声を俺はこぼす。
俺を捕まえるかなにかしようとしてるのに治す意味が全く分からない。
そして何よりも可笑しいのは治った体だ。
・・・この世界に来る前の俺、わかりやすく言えば全盛期の俺の力になっていた。
「そして道具もプレゼントー!しっかり受け取って下さいね?」
そしてフブキは空から俺に向かって何かを降らしてくる。
ドゴンという爆発音とともに瓦礫と爆風?が俺に飛んでくる。
『っと!?』
頭に飛んできた破片に当たりそうになるがギリギリ躱して飛んできた物を見る。
『これは・・・刃桜に緋桜??』
それは二振りの日本刀。
俺が贔屓にしてる【桜工房】*1の制作物であり、俺のために作られた一品物。
どんな物を切り裂く切れ味と工房名と同じく桜色の刀身を持つ刃桜。
そして緋色の持ち、スティグマ工房とは違った手法で刀身が熱を持ち切った物をその熱で焼く緋色の刀、緋桜。
その2本がそこに突き刺さっていた。
『なんでコレがここに・・・』
「も~だから言ったじゃないですか!?世界を超えて干渉するぐらい今の白上には簡単なんですよ~」
フブキはそう言ってドヤ顔を決める。
『なら、なんでここまで相手に有利になることをするんだ?・・・慢心だとすれば良くないぜ?』
俺はその2本を掴み腰に取り付けながら質問をする、本当に・・・どうしてここまでしてくれるのかが分からない。
「簡単ですよ!全力の貴方に勝たないと意味がないからです!全力の状態で負けないと貴方は本当の意味で折れませんよね?諦めませんよね?」
「だから私は全力を出せるように手伝ってあげてるんですよ?さぁさぁ!コレでもう準備は出来ましたね?」
「だったら早くかかってきてください♪今の私なら・・・カミの力を使える私なら簡単に貴方を倒せますから。」
笑顔でフブキは俺に笑い、刀を突き付ける。
・・・壊れてはいるが・・・俺のそういうところは分かってるんだな。
俺はそう云う所まで分かる仲だったのにどうしてここまでフブキを壊したのかその自分に問い詰めたい気持ちに襲われたが今はそんなことは出来ない。
だが、なんて事をやらかしたんだという気持ちは押さえきれずため息をこぼし、そして戦いのために刃桜に手を添える。
『・・・自分が生きてきた中で一番つらいことをお前にしちまったんだな。その結果お前は・・・フブキはこうなったんだな。』
『だったら、俺のやることは唯一つだ。俺の全力をもってしてフブキ、お前を
『お前に涙は似合わないから、悲しい顔は似合わないから、何より惚れた人には笑顔で居て欲しいから。』
「面白いことを言いますねぇ・・・ただの人間がカミに叶うわけないじゃないですか?」
そう言ってフブキは笑う、ああ。たしかにそうだろうな、ただの人間がカミを倒せるかどうかなんて結果は明らかだ。
『だけど、そんなカミを倒すのは人間が何時もやって来たことだよ、昔話で語られるようにな。昔の人が出来たことが今の人間に出来ない道理はない。』
過去の人達に出来たことが今の人達が出来ないなんてことがあるだろうか?いやそんな事はないだろう。
・・・何より、俺は、
今度は出来ない、なんてことは無い。
『だから・・・覚悟しなよフブキ、今日カミが一人倒されることになるだろうから。』
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他人の痛みを理解する心、他人の痛みを哀しむことが出来る心、共感
何処かの世界の誰かの最期の心の声。
何度彼の姿を見て心を痛めただろう。
何度彼を止めようとしただろう。
何度涙を流したことだろうか。
私はずっとずっと彼を一番近くで見続けた。そして彼が今までやってきたこと、受けた傷。
そういった物をすべて見てきた。
どうして彼は理解してくれないんだろう、こんなにも泣いたのに。
どうして彼は気付いてくれないんだろう、何度も頼んで居るのに。
どうしてあなたは・・・私の痛みを理解してくれないんですか・・・?
・・・理解してくれないならもういいです、何度も何度も頼み込むことが・・・理解してもらおうとしたのが間違いだったんですね。
だったら私は無理矢理でもそれを分からせます。
其のために、一緒に磨いたこの力を使います。
たとえ貴方がどんなに嫌がっても私は絶対に其の願いを曲げません。
だって・・・あなたは何度も私の願いを断ったでしょう??
だったらこの程度の事代価だと思って受け入れて下さい♪私は何度も何度もお願いして断られ続けて心を痛めたんですから。
誰かの痛みを理解せずただ自らの道を突き進んだ先にあるのはあなたを想う誰かの涙。
次回、「光死す!」 次回の動画投稿まで待ち給え!!(盛大なネタバレ予告)
まぁ、真面目に言うと強すぎじゃねって位がんばります光君。
正直一部の技に限っていえばオーディションクラスのスキルです。
・・・まぁ、この光君はあくまで可能性の一つ、強くしすぎても構わんやろ(尚しっかりと条件満たせば本編でも同じ性能になりうる)
フブキちゃんの精神状態ですが怒っていて、悲しんでいて、そしてとても嬉しい気持ちで一杯です。
・・・いろいろな感情が同時にあるので色々と不安定です、まぁ光くんが言ったとおりぶっ壊れてるのもありますが。
最近他の人とのコラボ用に光くんに何か屋台でもやらせようかと思う今日このごろ・・・ラーメン屋でもやらせようかな、どこぞのライオン釣れそうだし・・・()
どうでも良い解説:フブキちゃんの世界での光君はRTA走ってた。
そしてフブキちゃんは基本的にコミュ取らなくても一緒に戦ってくれる便利なパートナー、そして走者の目標はカミの討伐(フブキちゃんではないよ)
其のためにわざとカミに関連するような事件に関わり、無事目標は達成しました。
・・・しかし最速のために色々な物を犠牲にして色々とツケが溜まっていましたが・・・走者は【討伐までの時間】が一番大事。
EDがバッドエンドだろうがなんだろうが知ったことじゃないです。
・・・そのせいでこうなりました。
エイプリルフールのネタは何が良い? 因みに3番目は簡単に言うと守れなかった事を後悔して2度とそうならないように努力して自らに怒ってる子になるかな?
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全部だぁ!!さっさと書きやがれ!!()