ポケットモンスター Let’s Go! ピッピ   作:ディヴァ子

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アオイ:「スプーンって、力いっぱいぶん投げれば普通に曲がると思うのよね」
シン:「最近の忍者って全く忍んでないよなぁ……」
マツリカ:「うぐいすパンおいしい」


自称☆エスパー少女と汚いニンジャピンク

 つぎのひ(`・ω・´)!

 

「さぁ、やって参りました、ヤマブキシティ! どの辺が山吹色なのか全く分かりません!」

「たぶん、歩道がそうなんじゃね?」「ほんとだー」『バウ!』

 

 私たちはヤマブキシティに到着した……徒歩で。だって、歩いて数分の隣町なんだもん。

 さて、そんな近場のヤマブキシティだが、発展具合は郊外であるタマムシシティとは雲泥の差がある。何せビル以外の建物が殆ど存在しないのである。平屋は精々、ポケセンとモノマネ娘の邸宅のみ。FSはビルと一体化しているし、エスパー親父の家でさえ、高層マンションの一階にある。

 うん、明らかにLPLE本編より発展してるな、これ。カントー地方最大の都市というキャッチコピーに偽りなし。

 いや、ゲームを現実に変換すると、これくらいは当然なのかな?

 まぁいいや。コンクリートジャングルになっていようが何だろうが、シルフイベントが発生していないヤマブキシティなど、ただのゴミゴミした大都会でしかない。

 あ、野生のニャースだ。木の実を恵んであげよう。しっかり繁殖して環境を破壊するんだよ。

 

「……で、まずはどうする?」

「そうねぇ……少し探索しましょうか」

「さんせー」

 

 という訳で、ちょっくら散策。理由は言うまでもなく、技マシンとかの回収である。

 

『やぁ、アオイ! えっ、私が誰かって――――――』

「いいからよこせや」

「うわーん、ママー!」

 

 まずはモノマネ娘と戯れ、

 

「分かっている、これが欲しいんだ――――――」

「黙ってよこせやぁ!」

「ドペェーッ!」

 

 エスパー親父に粗品(拳)を贈り、必要な技マシンをゲット。物真似は微妙だけど、サイキネはあると便利だからね。ついでに月の石もゲット。使い道がまるでないけど、ボックスの子たちでも進化させておけばいいか。

 

「よし、それじゃあヤマブキジム……じゃなくて、格闘道場に挑もうか!」

「何だこのボロ屋?」「ゴミ屋敷?」

「言ってやるなよ……」

 

 ……って事で、廃墟――――――じゃなくて、格闘道場に挑戦である。

 格闘道場と言えば、お隣さんのヤマブキジムとの勢力争いに負けてしまった悲劇の場所。見る限り、経営破綻寸前にまで追い込まれているように見える。

 まぁ、この初代はかくとうタイプ(笑)状態だったし、第七世代である筈のLPLEでも改善させて貰えなかったから仕方ないね。ついでに言うとヤマブキジムは一部がゴース系を使って来るので、余計に勝ち目がない。哀れなり。

 ただ、私なら頑張ったら勝てる自信はある。LPLEはしっかり特防の高さが反映されてるし、技構成と使い方次第でどうにでもなる。タイプ相性は基本にして極意だけど、ポケモンバトルはそれだけじゃない。今更言っても仕方ないが。

 さぁさぁ、それはともかく、サクサクとクリアしていきましょう。多少は手持ちが変わってるだろうけど、マジで脅威に感じない。使って来るのがワンリキー系かニョロモ系だもんなぁ。

 

「行けぃ、ニョロボン! 「ばかぢから」!」『ボォァンッ!』

「はいはい、アカネちゃん「ムーンフォース」」『ドリャー!』

「『ヴァー』」

 

 はい、終了。

 確かに面子やレベルはマシになってたけど、はがね技やどく技の無いかくとうタイプなんて、アカネちゃんの敵じゃないんですよ。

 唯一、空手大王のタケノリには少し苦戦したが(こいつニョロボンに毒突き搭載してやがった)、それだけだ。他にもエビワラーにサワムラー、カイリキーも繰り出して来たけど、やっぱり敵じゃなかった。

 むしろ、エビワラーを起点にコズミックパンチのコスモパワーを積めたので、アカネちゃん無双状態だった。出す順番が確実に間違ってる。道場がこうなったのもエスパーに弱い云々以前に、使い手に問題がある気がする。

 しっかりと修行してから出直して来やがれ!

 

「くっ……修行不足か! 道場は一旦閉める! だが、いつか必ず舞い戻り、ジムの座を勝ち取って見せようぞ! ……こいつらは看板代わりだ、持っていけぇい!」「……仕方ないわね、ワタシも付いて行くわ」

 

 しかし、まさかマジで修行の旅に出るとは思わなかった。それも道場閉鎖というおまけ付き(置き土産はエビワラーとサワムラー)。えっと、何かゴメン……。

 是非ともスリバチ山でコーチトレーナーのチヨリさんと末永く爆発して来て下さい!

 なお、門下生の一人(「どくづき」「たきのぼり」「ばかぢから」「さいみんじゅつ」という割とガチ構成なニョロボンを使って来たタイキさん)がロケット団に入団希望な模様。青年よ、大志を抱け。例え対人式破壊光線を食らう未来が待っていようとも。

 さてと、格闘道場は軽くクリアした事だし、このままの勢いでヤマブキジムに挑もう。

 

「さぁ、ヤマブキジムに挑戦よっ!」「おーっ!」「いぇー」『ピッピィ~♪』『プリ~ン♪』『バウワウ!』

 

 という事で、やって来ましたヤマブキジム。

 先述の通り、エスパータイプのジムなのにゴース系が混じっている不思議な場所で、内装も意味不明である。何をどうやってビル街をジムの中に造ったんだよ。あれか、超能力を使って亜空間でも形成してんのか。

 ま、別にいいさ。ワープパネルがちょっと面倒臭いだけで、苦戦する要素はない。最大火力がサイコキネシスの威力90止まりだし、LPLEはそこそこあく技が充実している。その上、エスパータイプは耐久力に難があるので、単純に力でも押し切れるだろう。

 ホント、何で負けたんだろう、格闘道場。ゴローニャとかサワムラーもいたじゃん。地震連打とか、真空飛び膝蹴りとか、突破出来る要素はあるのに。

 我が強い奴も結構いたから、全員で猪突猛進に仕掛けて返り討ちに遭ったのかもしれない。チームワークに欠ける道場って一体……。

 

「お前、ナツメに会おうとしてるな!?」

「黙れ小僧!」

 

 当たり前の事を未来予知と言い張る阿保を始末したり、

 

「ナツメさんは私より年下ですが……尊敬しています(ポッ♪」

「おい、しっかりしろ、エリートトレーナー」

 

 百合っぽいお姉さんを正気に戻し、

 

「迷えるトレーナーか……!」

「お前は色々と間違ってるぞ」

 

 神父みたいな事を言い出す祈祷師に喝を入れ(こいつ何気にゲンガー使って来やがった)、遂にナツメの下へ辿り着いた。

 正直、トレーナー戦よりワープパネルの方が辛かったです、ハイ。記憶が古過ぎて、ジャンプ位置なんぞもう覚えていないんじゃ~。

 

「……やっぱり来たわね! 予感がしたのよ! 何気にスプーンを投げて曲がって以来、私……エスパー少女なの」

「そーなのかー」

 

 どんだけ力いっぱい投げたんだろうね。そりゃ曲がるよ。

 それにしても、ナツメって意外と可愛い顔してるな。

 深緑のパッツンロングヘアーに赤紫色の瞳、キリッとした感じの顔立ちだけど、そのツンとした表情が逆に萌える。スタイルも良いし。何なんだ、あの胸部ミサイルは。ふざけてんのか。

 なお、恰好は相変わらず濃い赤を基調とした悪の女幹部っぽい感じの模様。腰巻やタイツは髪と同じ深緑色だが、同時に黄色いラインも入っているので、旧作やポケスペっぽい印象も受ける。さすがに鞭や人形は無いか……。

 だが、容姿は勝負に関係ない。倒させてもらおう!

 

「戦いはあまり好きじゃないけど、貴女が望むなら――――――私の力、見せてあげるわ!」

 

 ――――――ジムリーダーのナツメが勝負を仕掛けて来たっ!

 

「行って、バリヤード!」『バッバァ~ン!』

 

 ナツメの初手はバリヤード(Lv56)。何か初対面なのに強化後と同レベルになってるような気がするんだけど。

 まぁ、ジムリーダーは相手の強さに合わせて手持ちを替える決まりがあるみたいなので、単純にレベルを上げ過ぎたのかもしれない。

 ようするに、自分で自分の首を絞めただけの事だ。甘んじて受けよう。

 

「レッツGO、アンズちゃん!」『ギャアアォヴッ!』

 

 私のトップバッターはアンズちゃん(Lv53)。弱点は突かれるけど、こっちも抜群を取れるから、ごり押しで行くぜ行くぜ行くぜぇっ!

 

「バリヤード、「リフレクター」!」『バリリァッ!』

「アカネちゃん、突っ切って「どくづき」!」『クァォン!』

 

 リフレクターを張るのは良いが、お前の種族値じゃ焼け石に水だし、どくタイプが弱点になってるから、耐えられないと思うぞ。上手く毒も入ったし。

 

『バァバァーン!』

 

 何か倒れ方がカッコいい。我が生涯に一片の悔いなしって感じ。ラ○ウか貴様は。

 しかし、壁を張られたのも事実。ここは怒りの前歯も交えて着実に削って行こう。

 

「行って、ヤドラン!」『ヤァドラァン!』

 

 お次はヤドラン。壁を張られた状態で耐久ポケモンは結構キツいな。

 だが、交代はしないぞ……度忘れとか積まれちゃ、堪ったもんじゃないからなっ!

 

「アンズちゃん、「いかりのまえば」!」『ガァヴヴッ!』

「くっ……「サイコキネシス」!」『ドラァアアアンッ!』

「耐えろ! そして、「かみくだく」!」『ガヴォォン!』

『ガァァァァ……!』「ヤドラン……!」

 

 怒りの前歯でHPを半減させてからの噛み砕くで突破。アンズちゃんも致命傷に近いダメージを負ったが、これは大きい。タイミング良くリフレクターも時間切れになったし。これは流れが来てるぞぉ!

 

「仇を取って、ギャロップ!」『ヒィィイイイン!』

「ぶほぁっ!?」

 

 とか何とか思っていたら、ガラルギャロップが出て来た。マチス戦以来のリージョンフォームである。

 LPLEだとワイルドボルトもサイコカッターもなく、ほのおタイプ技も使えないが、それでもメガホーンやドリルライナーに角ドリルといったドリル技は健在なので、全く以てハンデになってない。

 まぁ、半死半生状態のアンズちゃんでは、どっちにしろとも耐えようがないけど。

 

「仕留めなさい、「ドリルライナー」!」『ギャルルルップッ!』

『キュアアアアァッ!』「……戻って、アンズちゃん。次はアナタよ、アカネちゃん!」『ピピピッ!』

 

 順当にアンズちゃんが倒れたので、控えのアカネちゃん(Lv55)と入れ替える。コズミックパンチでさっさと倒してしまおう。

 

「ギャロップ、「メガホーン」!」『ブルゥヒヒィィイイィン!』

「アカネちゃん、耐えて「コズミックパンチ」!」『オラーッ!』

 

 メガホーンなんて大技をキッチリ当てたのは褒めてやるが、その程度じゃアカネちゃんは倒れない。逆にコズミックパンチでぶっ飛ばしてやる!

 

『カッ……!』「ギャロップ……!」

 

 さすがに威力100で弱点を突かれては耐えられなかったのか、ギャロップは文字通り吹き飛び、ビルの下へと落下して行った。すぐボールに戻るんだろうけどね。

 さぁ、次は誰だ!?

 

「頼むわ、ルージュラ!」『ジュラジュラルージュラブッチュララン♪』

 

 何て鳴き声で登場するんだ、お前は。普通に気持ち悪いんですけど。

 

「「あくまのキッス」!」『ん~まっ♪』

「誰が食らうかぁ! アカネちゃん、全力で避けて「コズミックパンチ」!」『ドラララァッ!』

 

 汚物は消毒だぁ!

 

『イヤァアアアアン♪』「バ、バナナ! ……じゃなかった、ルージュラ!」

 

 貧弱な物理耐久故に一発KOされたルージュラが、バナナを残して倒れる。やっぱりそれが本体なのか。あと、バナナって、お前……。

 

「次は貴方よ! スリーパー!」『ロリダロリダ、ブヒョヒャヒャッ!』

「何でだぁあああああああっ!」『ピェール!』

 

 後続は、まさかのピンクなスリーパー。

 おい、もしかして、この個体って――――――。

 

「この子は人の醜さを知っている! だからこそ、共に戦うのよ!」

 

 ほほぅ、やっぱりあいつらの手持ちだった奴か。なら、グリーンのあの子もそうなのかな。

 ……つまり、あの二人、撤退してから改めて捨てたのか。マジで救いようがないな、あいつら。

 まぁ、アローララッタ共々、良いトレーナーに拾われて良かったと言っておこう。

 

「アカネちゃん、「ウルトラクッキング」!」『ハァアアアアアアッ!』

 

 だけど、気持ち悪いから死ねっ!

 食らいやがれ、ウルトラクッキングタァ~イムッ!

 

『ギィェエエエエエエエエエッ!』「ロリーパーぁぁああああああっ!」

 

 こうして、ロリコン共は始末された。

 つーかさ、実はそいつの事、嫌いだろ。ロリーパーって……。

 

「こうなっては仕方ない……最後の切り札を使うわ! 出番よ、フーディン!」『フゥゥディンッ!』

 

 さてさて、ようやくナツメの切り札、フーディン(Lv58)のお出ましか。

 

「目覚めし我が超能力(ちから)よ、フーディンにサイコパワーを与えよ! メガシンカ!」『フォッフォフォフォ……!』

 

 さらに、当然のようにメガシンカ。ケムール人みたいな声で笑っていやがる。

 エリカお嬢様の時から思ってたけど、ハードル上がり過ぎだろ。どの辺がトレーナーに合わせた選出なんだよ!

 

「さぁ、「めいそう」からの「サイコキネシス」よっ!」『ボフォフォフォフォフォフォッ!』

『ギエピーッ!』「アカネちゃーん!」

 

 もちろん、太って動けないアカネちゃんに成す術はなく、瞑想された上にサイコキネシスで止めを刺された。

 しかし、私にはまだ切り札が残っている。

 

「アカネちゃんの仇を取っといで、ユウキ!」『ブッブィッ!』

 

 それが相棒イーブイことユウキ(Lv66)だぁ!

 手持ちの不思議な飴全てを投入した、圧倒的レベル差を思い知れっ!

 

「フーディン、「はかいこうせん」!」『ビビビビビビビビッ!』

「『ブゥギャアアアアアアアアアアッ!』」

 

 いや、何でだよ!?

 有効打が無いからって、ごり押しするんじゃねぇ!

 

「だ、大丈夫、ユウキ?」『ブイッ!』

 

 ま、まぁ、私を悲しませまいとギリギリで耐えてくれたし、ここから反撃よ!

 

「ユウキ、「びりびりエレキ」!」『ンンッ……ブィッ!』

 

 まずは麻痺を入れて素早さを奪い、

 

「続けて「こちこちフロスト」!」『ブリャアアアアアッ!』

 

 いきいきバブルと入れ替えておいた「こちこちフロスト」で瞑想を無力化しつつダメージを与えていく。

 

「「はかいこうせん」!」『キュラキュラキュラッ!』

「躱して、「わるわるゾーン」でトドメよ!」『ブイブイブーイ!』

 

 そして、特防が元に戻った隙を突いて「わるわるゾーン」で抜群を取り、どうにか仕留めた。破壊光線が掠った時は生きた心地がしませんでした、本当に。

 

「は、激しい戦いだった……!」

「ある意味でな。後半、お互いにもうヤケクソだったろ」

 

 シンくん、辛辣ぅ~♪

 だが、勝ちは勝ちである。身ぐるみ剥されたくなかったら、さっさと瞑想の技マシンとゴールドバッチを頂こうか!

 

「なかなか楽しかったわ。……機会があったら、また戦いましょう」

 

 今更カッコ付けるなよ、エスパー少女。

 ま、いいさ。殿堂入りしたら考えてやるわ。

 

「それじゃ、バイビ~♪」

「それ、グリーンさんの台詞……」

「バイバイキ~ン」

「マツリカ、それはブルーの台詞……」

 

 その後、シンくんも無事ナツメに勝利。

 ピジョット(Lv61)のね、砂掛けエアスラッシュ羽休めがえげつないのよ。熱風で火傷も入れちゃうし。

 次鋒のアローラガラガラ(Lv59)も強かった。弱点突けるわごり押し出来るわ、やっぱり鬼火で火傷を入れるわと、とんでもないダークホースだった。きっと、お母さんも草葉の陰でビックリしてるよ。

 しかも、彼らを倒しても後にプリン(Lv60)やピカチュウ(Lv60)が控えている。どっちも相棒ポケモンな上に、催眠金縛り攻撃と先手で麻怯みを仕掛けて来るのだから、もう見てられなかった。ついでにレベル差が酷い……。

 確かに強いしカッコいいんだけど、ラストに彼がチャンピオンとして立ちはだかるかと思うと――――――勝てるのかな、これ? 無理じゃね?

 ともかく、これでヤマブキジムはクリア。もうヤマブキシティに用はない。さっさとセキチクシティへ行こう。

 

「よーし、それじゃあ、このままセキチクシティまで強行軍だぁ!」「オーッス!」「みらいのチャンピオ~ン」

 

 そういう事なので、一旦タマムシシティに飛んで行き、きちんと回復を済ませてから、元サイクリングロードである16番道路→17番道路→18番道路を駆け抜けていく。

 さすがに後半というだけあってトレーナーの手持ちも強く、どいつもこいつも最終進化形かつ実戦級のガチな技構成で攻めてくる。フルアタ型のスターミーだとか、エリカも使った不意打ちウツボットだとか、色々いましたよ。

 ただ、一番苦労したのは、意外な事に鳥使いのススムだ。

 こいつ、原典だとカモネギ(Lv39)×3を使って来るというネタ枠だったのだが、この世界では通常種(Lv59)、ガラル種(Lv59)、オーレン種(Lv59)の三タイプを使用する、色枠にメガシンカしていた。道中誰もオーレンポケモン使わなかったのに、何でお前だけ持ってるし。

 特にオーレンカモネギがヤバかった。何せこいつ、ネギガナイトに進化出来ないからって、ステータスを物凄く上げているんだもの。

 以下、オーレンカモネギのデータ。

 

◆カモネギ(オーレンのすがた)

 

・分類:けんごうポケモン

・タイプ:はがね

・レベル:59

・性別:♂

・種族値: HP:82 A:125 B:105 C:50 D:95 S:50 合計:507

・覚えている技:「スチールブレード」「ばかぢから」「つるぎのまい」「はねやすめ」

・図鑑説明

 山地の奥深くで、剣を交えるに相応しい敵を待ち続けている。厳しい修行で鍛えた身体は鋼のように硬く、剣の腕前は刀よりも鋭い。

 

 まさかのマサムネギ☆爆誕である。鋼のようなって言うか、はがねタイプそのものじゃん。

 ちなみに、「スチールブレード」は威力90の急所に当たり易い、はがねタイプ版のリーフブレードだ。これで専用技じゃなかったら完全に悪ふざけな性能である。リーフブレードは無いのに、どうしてこうなった。命中率が若干低め(95%)なのがせめてもの救いか。100%だったら殺す。

 しかし、まさかカモネギに追い詰められる日が来るとはなぁ……。

 アカネちゃんが一撃仕留められた時は肝が冷えたよ、マジで。油断は大敵って事ね。

 最近、苦戦らしい苦戦をして来なかったから、良い切り替えになったわ。ありがとう、ススムくん。ご飯でもおかわりしてて下さい。

 さぁ、勝って兜の緒を締めた事だし、セキチクシティへゲートインよっ!

 

「セキチクッ!」

「他に言う事ないのか……」

 

 ありませんけど、何か。

 だってさぁ、サファリゾーンの無いセキチクシティに何の価値があるのよ。ふれあいパークだけで、GOパークは無いっぽいし。ポケモンGOが存在しないからって、この仕打ちは無いでしょー。

 という事で、特に感動も何もなく、趣味も気持ちも悪い金の入歯をパークの園長に渡してヒジュツ・オシダシを学び、ラプラスお兄さんからヒジュツ・ミズバシリを教わり、ポケセンで相棒技を更新して、はい終了。実に粛々としたフラグ回収。つまんねぇ……。

 

「ここがバクチクジムかぁ!」

「また燃やしたりするなよ!?」

 

 さて、気を取り直して、セキチクジムに挑もう。言うまでもなく、どくタイプの使い手ばかりの汚いジムだ。

 汚物は消毒してやるよ、全力でなぁっ!

 

「うわっ、何これ面倒臭い……」

「言ってやるなよ、そういう試練なんだから」

 

 謎の靄が私たちの行く手を阻む。

 初代だと見えない壁が張り巡らされていたこのジムだが、LPLEだと目に見える靄が壁になっている。詩的に表現するなら、「霞みの迷宮」って所か。一体どういう仕組みなんだろう。

 

「あ、バリバリのともだちががんばってるー」

 

 マツリカちゃんに言われて見ると、至る所で通常種とガラル種のバリヤードが光の壁と冷気を放っていた。合理的ではあるけど、毒タイプのジムでエスパータイプのポケモン使うなよ。初代だとモブのエスパー率が異様なまでに高かったけどさ。

 一応、この世界はLPLEに近いので、ジムトレーナーたちの手持ちもどくタイプ持ちになっている。普通に最終進化形(フシギバナやゲンガーにニド夫妻など)を繰り出してくるがな!

 まぁ、ススムさんのおかげで気も引き締まってたから、割とサクサク攻略出来たけど。

 

「ファファファッ!」

 

 ぬっ、このエク○デスみたいな笑い声は……!

 

「小童如きが、拙者に勝負を挑むとは! 片腹痛いでござるわ!」

 

 出たな、ポケモン界の忍ばない汚シノビ!

 サ○ヤ人めいたツンツン頭に三白眼。若干ピンク掛かった紫色の忍装束に、朱色の防塵マスク。

 このまさに忍者やってますという出で立ちは、間違いなくキョウである。それも質量を持った残像なのか、四人もいやがる。すぐに一人に戻ったけど。

 入り口でも変化の術をかましてくれたけど、あれか、「忍術は凄いぞカッコいいぞーっ!」って事か。いい年して恥ずかしくないのか。

 あと、フシギバナ使って来たら殺す。もう天丼ネタはいいんだよ、お腹いっぱいなんだよ!

 

「相手を惑わせ、毒を食らわせ、手出しも叶わぬまま自滅させる! 変幻自在の忍びの技の極意、受けてみよ!」

「ならゲッコウガ使えよ」

 

 ――――――ジムリーダーのキョウが勝負を仕掛けて来たっ!

 

「行けぃ、マタドガス!」『ドヴァアアァスッ!』

 

 繰り出されたのは、原種のマタドガス(Lv60)。良かった、アポロさんみたいにガラル種とか使ってこなくて。

 

「行って、アンズちゃん!」『クァアアヴォン!』

 

 対する私はアンズちゃんを抜擢。どうだ、自分の娘と同じ名前の相手と戦う気分は。

 

「マタドガス、「だいばくはつ」!」「おいっ!」

 

 だが、マタドガス(やつ)は弾けた。微塵の躊躇もなく自爆させやがったよ、この人。

 

『クゥゥゥン……!』

 

 しかし、アンズちゃんは元々耐久寄りのステータス。不意の大爆発で沈む程軟じゃない。

 

「戻れ、マタドガス! 爆ぜろ、マタドガス!」「……ってコラァアアアッ!」

 

 でも、二発目は無理だった。

 悪の組織の最高幹部すら使って来なかった戦術を、二度も……貴様の血の色は何色だぁ! ピンク色かぁ!?

 

「ファファファッ! お主の手持ちで拙者のポケモンに対して優位に立てるポケモンが、ニドクインだけだというのは把握済みよ! 故に、先手を取って狩らせてもらった! マタドガスたちには済まないが、これもコラテラルダメージよぉ!」

 

 うわっ、何それ気持ち悪っ……!

 つーか、何英語(イッシュご)使ってんだよ。お前日本人(カントーじん)だろ。誇りは無いのか。売国奴め、成敗してくれる!

 ……とは言ったものの、実際にアンズちゃん以上の適役がいなかったのも事実。

 どくタイプの天敵は、毒状態に出来ないはがねタイプと、弱点を突いてくるじめんタイプとエスパータイプ。

 だが、ある意味一番苦手なのは、毒に出来ず遣り口も知っている同じどくタイプと言えるだろう。どいつもこいつもミラーマッチに備えてサブウェポン持ってるし。アーボックとかニド夫妻とか。マタドガスはじめん技が無いので、捨て駒にしたのだと思われる。汚いさすが忍者汚い。

 しかし、私の対抗策がアンズちゃんだけだと思うなよぅ!

 

「行け、ベトベトン!」『ベェヴァアアッ!』

「仇を穿て、ハヤト!」『ホォグルドォッ!』

 

 キョウが繰り出したのはベトベトン(Lv60)。対する私はハヤトだ。

 そう、私は知っている――――――お前が実は、防御のステータスが低い事を!

 

「ハヤテ、「ネコにこばん」からの「ドリルライナー」!」『ケァアアアン!』

 

 まずは猫に小判で目晦ましをしてから、新技のドリルライナーを食らわせる。タイプは不一致だが、効果は抜群なので蓄積ダメージは充分だろう。

 

「くっ、ならば「どくどく」!」『ゲロァヴァッ!』

「その前に「とんぼがえり」!」『ギャォオンッ!』

 

 さらに、必中毒々を先制トンボ返りで回避。代わりに出て来たアキトに直撃したが、どくタイプ持ちなので意味がない。

 

「アキト、追撃の「ドリルライナー」!」『ブゥゥウウウルル!』

『ベァヴォォォッ!』「ベトベトン……!」

 

 そして、アキトのドリルライナーでベトベトンを仕留めた。小さくなるとか、面倒な事をされる前に倒せてよかったぜ!

 

「ハハハハハ、どうだ見たか! これがどくタイプの使い方よぉ!」

「ア、アオイ、それ完全に悪役……」「あっくじょあっくじょ~♪」

 

 シンくんにドン引きされてるけど、知った事じゃない。

 あのウザったいキョウを翻弄出来ているかと思うと、嬉しくて堪らないのである。忍者やーいやーい、クソ忍者やーいやーい!

 ……って言うかさ、今更だけど私の手持ちどくタイプ率高くね?

 アンズちゃんにヒナゲシちゃんにアキトって、約半数がどく持ちなんですけど、どうなってんの?

 まぁいいや、事実は事実だし。何より、この勝負に勝てば、名実共に私がどくタイプ使い(セキチクジム)看板(バッチ)を頂けるんだからなぁ!

 

「おのれっ! だが、まだまだ勝負はこれからよぉ! 行けぃ、モルフォン!」『モルフリィィッ!』

 

 おっと、ある意味キョウの切り札、モルフォンのご登場だ。それも色違い。奇麗だなぁ。

 さて、このままアキトで挑むと、おそらくサイコキネシスで沈められる。どくタイプは絶対に同属対策してるからな。確実に搭載しているだろう。

 

「戻れ、アキト! 行けっ、ユウキ!」『ブッブィッ!』

 

 スピアーはモルフォンに素のポテンシャルで負けてるから、トンボ返りを撃つ前に撃ち落とされるし、ここはユウキに出てもらうしかない。不一致のサイコキネシスぐらい、幼女の皮を被ったモンスターであるユウキなら耐えられるだろう、たぶん。

 

「やはり引っ込めたか、「ヘドロばくだん」!」『フリヴァアアッ!』

「貴様ぁあああああああああああああああああああああああああっ!」

 

 そっちを天丼するなぁっ!

 つーか、ちょっ、痛いっ! タイプ一致は痛いっ!

 だが、屈しはしない! フラグじゃないぞ!?

 

「食らえ、「どばどばオーラ」!」『ブゥゥイイイイッ!』

 

 さらに、どばどばオーラで反撃。効果抜群な上に光の壁を張ってやったぞ、どうだこの野郎!

 

「「むしのさざめき」!」「躱して「どばどばオーラ」!」「「まもる」で防いで「サイコキネシス」!」「くっ……耐えて「めらめらバーン」!」

 

 そして、この攻防である。熱戦・激戦・超決戦って感じだ。キョウが相手のなのに。

 

『ブィッ……!』『フリィ……!』

 

 当然、そんなダメージレースを続けていれば、そこそこの耐久力しかない相棒イーブイとモルフォンが持ち堪えられる筈もなく、死力を尽くし合った末に、両者共倒れになった。

 くそぅ、便利屋ユウキが相討ちになるとは、やるな忍者めっ!

 だけど、何だろう……これ、すっごく……燃えて来たぁあああああっ!

 

「――――――本来、こいつを使ってはならんのだが……お主相手には、どうしても行かせたくなった! これで終いよぉ! 行くのだ、ゴルバット!」『ギヴヴヴヴヴァッ!』

 

 すると、その熱が伝わったのか、キョウがらしくない笑みを浮かべて、ゴージャスなボールから見た事もないゴルバットを繰り出した。鳴き声が吸血宇宙星人なんですけど(汗)。

 まるで青バージョンのグラフィックのように長い舌を出し、脚が魔物を思わせる四本指の手になった、ゴルバットとゴーストが融合してしまったかのような姿。その体色は、まさかのゴールデン(皮膜と目は黒)。ゴルバットがマジもんの黄○バットになった瞬間である。

 こいつ、もしかして……。

 

◆ゴルバット(オーレンのすがた)

 

・分類:かげうちポケモン

・タイプ:どく/ゴースト

・レベル:65

・性別:♀

・種族値: HP:95 A:80 B:90 C:85 D:95 S:90 合計:535

・図鑑説明

 古代の墓場によく現れる。辺りに漂う霊気を吸収し続ける内に、このような姿になった。闇に紛れて生きる、暗闇の住人なのだ。

 

 やっぱりか! 闇に紛れて生きるって、妖怪人間かお前は! タイプ的にもゴーストの分岐進化みたいやん!

 いや、それよりも、この合計種族値――――――完全にクロバットと同じだよね。ステータスは横並びだけど。

 もしかして、進化後が後に追加された種族って、オーレンの姿になると進化出来なくなる代わりに、ステータスが上昇するんじゃなかろうか。具体的に言うと、合計種族値が進化後と同等くらい、みたいな。

 でも、そうなると、オーレンイワークの+50がどこから来たのか分からないし……これは、要確認案件だな。

 というか、今は目の前のオーレンゴルバットだ。耐久力がシルヴァディと同じって、かなり硬いぞ。特攻もそこそこあるし、キョウの性格的にも特殊アタッカーか、特殊寄りの耐久型かもしれない。

 そうなると、出すべきは、

 

「行って、アカネちゃん!」『ドッピリャー!』

 

 やっぱり、馬火力に優れたアカネちゃんでしょ! タイプ相性なんぞゴリ押してくれるわ!

 

「ゴルバット、「ヘドロばくだん」!」『ゴヴォァアアアアッ!』

 

 くっ、再三に渡るヘドロ爆弾! お前、私に何か恨みでもあるのか!? 一応は初対面だよね!?

 

「アカネちゃん、「コズミックパンチ」!」『オラーッ!』

「その程度では落ちぬわ! 「へどろばくだん」!」『ギヴヴヴァッ!』

 

 チクショウ、やっぱり硬い。コズミックパンチに余裕で耐えた上に、もう一発ヘドロ爆弾撃って来やがった。おかげでアカネちゃんは瀕死寸前の毒状態だよ!

 キョウの遣り口からして、確実に羽休めを搭載しているだろうから、長期戦に持ち込むのは愚策である。ここは、アレを使うしかない……!

 

「ゴルバット、「はねやすめ」!」『グルルル……!』

 

 よし、予想通り耐久戦に持ち込んできたな。

 しかし、その選択肢が命取りだ。羽を休めるという事はつまり、着陸している事に他ならない。飛行生物が地に足着いている時点で、自分から逃げ道を塞いでいるも同然なんだよ!

 

「――――――今だ、アカネちゃん! 「ウルトラクッキング」!」『ドリャーッ!』

 

 食らえ、アカネちゃんのスーパーお料理タイム!

 

『ゴギャアアアアアッ!』「ゴルバット……!」

 

 さすがに威力150の不意打ちには耐え切れず、ゴルバットはとっても上手に焼けました~♪

 

『ピィ……』「お疲れ、アカネちゃん」

 

 太って動けないアカネちゃんを労いつつ、キョウへ振り返る。

 

「先手を取られたにも関わらず、あの切り返しに、先の先まで見通した戦略……見事だ。そんなお主には、このピンクバッチと、秘伝の技マシン「どくどく」を授けよう!」

 

 キョウは悔しがるでも遠吠えするでもなく、潔く負けを認め、称賛の言葉と報酬を授けてくれた。戦法こそ汚い奴だが、心意気だけは高潔であるらしい。

 

「拙者もまだまだでござるな。だが、ここで終わる拙者ではござらん。……次は大きく四天王を目指すとしよう! では、さらばだっ!」

 

 さらに、折れる事のない向上心も見せ付けて、煙のように退場。立つ鳥跡を濁さず、である。この後シンくんとも戦うので、もう一度姿を現さなければならないから、ちょっと間抜けではあるが。

 

「おめでとう、アオイ! 凄かったぜ!」「かった~♪」

「ありがとね、二人共。よーし、今夜は祝賀会よ!」

 

 ともかく、これでセキチクジムはクリア。

 もちろん、シンくんも勝ちました。相変わらず、やり方がキョウよりえげつないよ……。マジで彼に勝てるのか、私は?

 そんなこんなで、本日の冒険はここまで。今夜は宴会ねっ!




◆サファリゾーン

 珍しいポケモンを餌に金を巻き上げ、時間とボール(たぶんモンボ以上の安物)を無駄遣いさせる悪徳施設。ラッキーとケンタロスは絶対に許さない。あと拾った金の入歯は、溶かして玉にしてしまおう。ヤドンはヤドンのままでよし。
 ポケモンを客寄せパンダにして金を取る上に、捕獲させる気が更々無い酷過ぎる仕様もあってか、今では単なる「GOパーク」になってしまった。ホウエンにも同じ系列の施設があったようだが、そっちは値上げしたせいで客離れを起こし、赤字の末に社長が夜逃げして閉鎖したそうな。
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