そして████になった転生者   作:にわかネット文化ファン

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アンタはここでふゆうと舞うのよ

風邪一日目は自分を嫌っていると思っていた男子生徒がお見舞いに来てくれた。

 

「・・・ごほっ、ほんとすまんかった。あんなに酷い事言ってしまって」

 

A「ミカン食べちまいましょうよ」

 

B「そのためのミカン」

 

C「金、暴力、ミカン」

 

「神浜少年はミカンなことしか考えないのか(偏見)」

 

とりあえず、ミカンを口にぶち込まれた。

しかし、今までのように冷えた関係ではなくなった。

これが淫夢語録の力なのだ。

さて、今は風邪二日目。

そういうわけで、いつもの練習場に来たのだ。

 

「・・・」

 

風邪なのに神楽?という疑問は湧くだろう。

しかし、ヒノカミ神楽は全集中の呼吸であることをお忘れなく。

呼吸パワーで、逆に健康に効果があると証明されていると思う。

まだガンには効かないが、いずれ効くようになる。

 

「・・・」

 

最初は呼吸が乱れたが、だんだんと落ち着いた。

熱も少しずつであるが、引いているような気がする。

 

「ふゆう・・・すごいや・・・」

 

彼はピタッと動きを止めた。

 

「あっ・・・ごめんなさい、邪魔しちゃって」

 

「いや、大丈夫だ問題ない」

 

神楽を再開する。これくらいは朝飯前だ。

実際、まだ朝の六時なので朝飯前だ。

 

「・・・ふゆう」

 

少女が感嘆するくらい、彼のヒノカミ神楽は洗練されていた。

そして、いつの間にか少女も舞い始めた。

それはヒノカミ神楽にどことなく似た神楽だった。

違うのは、何をイメージとした神楽なのかということ。

ヒノカミ神楽は文字通り、太陽または炎をモチーフとした神楽で、どこか幽玄なものである。

一方、少女の舞う神楽は花をモチーフとしたような神楽だ。

その動きはどこか天女を連想させ、ふわふわとした良い匂いもしてきて、華やかなものだった。

二人は舞い終わると、気が抜けたように倒れてしまった。

 

「・・・すごく綺麗だったよ、君の神楽」

 

「ふゆっ!?そんなことないよ!あなただってヒノカミ神楽を踊れるじゃん!」

 

「そりゃ小学生のころから練習していればな・・・」

 

「小学生のころからって・・・あれ?ヒノカミ神楽が投稿されたのって・・・」

 

「それに関しては深く考えない方がいい・・・もう一回、一緒に踊らないか?」

 

「・・・うん!」

 

二人はさっきぐったりと倒れたのが嘘のように、元気に立ち上がり、舞った。

それは美しい二重奏だった。幽玄さと可憐さが合わさっていた。

それはもう、作者の語彙力では表現できないほどに。

そんな二人の神楽をレナと十咎ももこはじっと見つめていた。

 

「・・・レナ、悔しいんだけど」

 

「ああ、アタシもだ」

 

大切な友人が見知らぬ男と舞っていて、自分たちと一緒に舞っているときよりも美しかった。

さて、唯華はもう少し考えるべきであった。

どうして秘密の練習場であるこの野原に少女がやってきたのか。

 

「・・・唯華さん、ですよね?」

 

その冷えた声が、その場を凍らせた。

環いろはだった。

 

「今更、教える気になったんですか?

あの時、私には教えようともしなかったくせに・・・。

どうして、かえでちゃんには教えているんですか?」

 

「ふゆっ!?教えてもらってるんじゃなくて・・・」

 

「じゃあ、俺はこれで失礼する」

 

唯華は恐ろしい結末を悟って、一目散に逃げだした。

 

「失礼しないでくださいよ」

 

しかし、回り込まれた。

最後に彼が見た光景は、眼前に迫ったいろはの拳だった。

彼が里見メディカルセンターに搬送されることはなかった。

なぜなら、搬送される前にそこまで吹っ飛ばされてしまったからだ。

 

「また君か、壊れるなあ」

 

院長は呆れた。

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