ドラえもん~のびたの逆襲のシャア~   作:Gunninja

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第11話 ララァが来る

光の奔流の中を流されているようでもなく、ただ佇んでいる。今のアムロの身の回りの出来事はそういった感じだった。その奔流の先から、一羽の白鳥がアムロに向かって飛んできた。

 

アムロはその一羽の白鳥が見えたとき、あるものに気が付いた。

 

 

「……ララァ・スンか!!」

 

 

アムロが白鳥に呼び掛けると、白鳥はララァ・スンへと姿を変えた。

 

 

「シャアと僕を、一緒くたに自分のものにできると思うな!」

 

「意識が永遠に生き続けたら拷問よ。私はあなた達を見たいだけ……。」

 

 

訴えかけるアムロに対し、ララァは死人独特の生気のない声で語りかける。

 

 

「私は永遠にあなた達の間にいたいの。」

 

「それはエゴだよ!!シャアは否定しろよ!!」

 

「彼は純粋よ。」

 

 

ララァがシャアの名を口にするたび、アムロの目の前には憎きシャアの顔が浮かび上がる。

 

 

・・・

 

 

「純粋だと!?」

 

 

アムロが絶叫した直後、周りはララァといた光の空間から、見覚えのあるラー・カイラム内のアムロの自室になっていた。

 

 

「……くそ、また同じ夢を見るようになっちまった。」

 

 

アムロは苛立ちながら頭をバリバリと掻いた。すると、寝ていたベッドの隣にある通信用コンソールから呼出音(コール)が鳴った。

 

 

「アムロ、ちょっといいかしら?」

 

「なんだ!?」

 

 

ベルトーチカの呼び出しにアムロは怒鳴るように返事した。

 

 

「……モビルスーツデッキに上がってきてほしいんだけど。」

 

「10分後に行く。」

 

「……また例の夢でも見たの?」

 

「どうってことはない!!」

 

 

アムロはベルトーチカに図星を突かれたのが気に入らなかった。

 

 

 

・・・

 

 

 

とあるジェガンのコックピット内……。全天周囲モニター前方正面にネオ・ジオンのギラ・ドーガの姿が映る。ギラ・ドーガはマシンガンによる激しい強襲をかけ、ジェガンはその銃弾をもろにくらってしまった。ジェガン内のコックピットは振動し、爆発のエフェクトが表示される。

 

 

「やられた!?」

 

「そういうことだ。クェス・パラヤ。」

 

 

クェスはジェガンに搭載されているモビルスーツ戦のシミュレータを楽しんでいた。

 

ジェガンのハンドルを握るクェスの隣でガイドするアストナージがコックピットのコンソールを操作すると、モニターに表示されていた宇宙空間は暗転し、何も表示されない状態となった。

 

 

「……すごいね。前の戦闘で撮影した映像からすぐにCGを作っちゃうなんて。」

 

 

クェスが座席を離れると、正面のコックピットハッチが開き、モビルスーツデッキの光景が見えた。

 

 

「今度は僕にやらせて!」

 

 

コックピットハッチから入ってくるハサウェイとクェスは座席を交代し、今度はハサウェイがシミュレーションを始めた。その様はゲームセンターで楽しむ子供と変わらない。

 

 

「軍事機密なんだから、ほかの人に喋っちゃあいかんぞ。」

 

 

ジェガンの外のタラップで待っていたアデナウアーは、シミュレーションの余韻に浸るクェスに水を差すかのように告げた。

 

 

「ブライト、これは?」

 

 

ベルトーチカとともにモビルスーツ・デッキに上がってきたアムロは、ジェガンで楽しんでいるクェスとハサウェイたちを見守るブライトに声をかける。

 

 

「ちょっとしたサービスだ。今回の戦闘で民間人を巻き込んでしまったから、無事に送り届けるまでのな。その一環でジェガンのシミュレーション機能でゲームをさせている。」

 

 

ブライトがジェガンを見る先では、「くそっ、こいつ!」といった、コンピューターのモビルスーツ相手に苦戦するハサウェイの声がコックピットの中から聞こえる。

 

 

「……ブライト、ちょっといいか?」

 

 

アムロはブライトの耳元に近づき、内緒話をした。

 

 

「……そうか、それはいい機会かもしれん。彼らは、士官食堂か?」

 

「俺が呼びに行ってくるよ。」

 

 

そう言ってアムロはモビルスーツデッキを後にした。

 

 

「私を差し置いて何の話よ?」

 

「例ののび太君たちに、あのジェガンのシミュレータをやらせるんだ。そこで適性検査をしてみる。」

 

「ああ、のびくんを戦闘に参加させるかの話ね。」

 

 

・・・

 

 

アムロは士官食堂に入り、のび太やドラえもんたちの姿を探る。すると、奥のほうに5人が固まって談話している光景がアムロの目に入った。

 

 

「それは変な夢見たんだねしずかちゃん。」

 

 

見つけるや否や5人に近づこうとするアムロだったが、上記のセリフが聞こえると足を止め、そこから話を聞くことにした。

 

 

「うん。不思議な夢だったわ。その夢に出てきた人、知らない人だったもの。いきなり白鳥が飛んできたかと思ったら、日本人じゃない女の人に姿が変わって……。」

 

「その人の名前、なんて言ってた?」

 

「たしか、ララァっていってたわ。」

 

 

しずかの夢の話を聞くとアムロは驚いた。自分が先ほど見たものと一緒の内容なのだ。

 

 

(ララァだと!?なぜララァが!?)

 

「しずかちゃん、そのララァって人、なんて言ってたの?」

 

 

のび太は不思議そうにしずかに質問した。

 

 

「なんだかよくわからないけど、助けを求めてきてたわ。救ってあげてって……。それで、だれを助けてほしいのか聞いてみたんだけど、答えてもらえる前に消えてしまって、それで夢から覚めたのよ。」

 

 

しずかは戸惑いながら夢の内容を話した。

 

 

「誰を何を助けてほしいのかを言う前に消えてしまうなんて!」

 

「のび太君が腹を立てたって仕方ないでしょ。」

 

 

ドラえもんはなだめるようにツッコんだ。

 

 

「……しずかちゃんもそういった夢みたんだ。」

 

 

次に発言したのはスネ夫だった。

 

 

「スネ夫さんも見たの?その、ララァさんの夢。」

 

「しずかちゃんの言うそのララァって人かどうかは知らないけど、僕の全く知らない人が出たのは一緒だよ。それこそ明らかに日本人じゃなかったし、おでこに赤いホクロつけてたし、ありゃきっとインド人だね。」

 

「そう!そんな感じよララァさんって人!それでスネ夫さんにも助けを求めてたの?」

 

「助けを求めてたっていうかなぁ……なんていうか……。」

 

「なんだよスネ夫、もったいぶってないで言えよ!!」

 

 

うまく説明しづらいのか渋るスネ夫に苛立つジャイアン。

 

 

「……正直、よく覚えていないんだ。なんか話してたようには見えたけど、はっきり覚えてない。」

 

「なんだよそれ!意味ねーじゃん!!」

 

「そんなこと言ったって、夢なんてコントロールできるわけないじゃん!夢なんだし

!」

 

「まあ、スネ夫の言う通り夢なんてそんなものさ。夢を自覚してコントロールできるという事例もあるけど、そんなのごく一部さ。」

 

 

ドラえもんが割って入って止めに入った。

 

 

「……まあ、スネ夫は内容がどうあれ、しずかちゃんとこにも来たんだよな?」

 

「私のとこにもって……ひょっとして剛さん所にもララァさんが!?」

 

「……そうなんだよ。俺も昨日の夢でそれっぽい人が出てきて、全然知らないやつだし、一瞬しか見れなかったから、どう話せばいいかわからなったんだ。」

 

 

ジャイアンは頭をかきながら、昨夜自身が見た夢を思い出そうとしていた。

 

 

「なんだよ、ジャイアンだってはっきり覚えてないじゃん。」

 

「だからお前らの話を聞いて確かめようと思ったんじゃねーか!それなのにスネ夫がはっきりしないから……。」

 

「どーせジャイアンのことだから、リサイタルの夢だったから、それで逃げられたりして。」

 

「なんだとこの野郎!!スネ夫、今日のお前いつになく口が多いな!ええっ!?」

 

 

ジャイアンはいつものごとくスネ夫の胸ぐらをつかんで殴りかかろうとしたが、のび太とドラえもんとしずかの3人に止められる。

 

 

「そういえば、のび太はどうなんだ?」

 

 

抑えられたことでいったん落ち着いたのか、切り替えてのび太に話を振るジャイアン。

 

 

「え?ぼ、僕!?」

 

「そうねぇ。3人も同じ夢見てるんだから、ひょっとしてのび太さんも……。」

 

「どうなんだのび太?」

 

 

普通に質問するしずかに対し、ジャイアンはアップで迫ったためか、のび太はたじろいだ。

 

 

「ぼ、僕……そのララァって人の夢を……見てない。」

 

 

のび太はおずおずと答えた。

 

 

「オイオイ、のび太!なんでここまで来て仲間外れになってんだよ!!」

 

「そんなこと言われたって……!」

 

「ララァにまでこの夢は3人までなんだとか言われたんじゃないだろうな?」

 

「そんなぁ……ララァさんまでスネ夫みたいに……。」

 

 

見知らぬ夢の人間にまで仲間外れにされるのび太はトホホと泣きべそをかいた。

 

 

「のび太君、別にそこまで悲しむことないじゃないか。僕だってそのララァって人見たことないんだし。」

 

「うわ~んドラえも~ん!!!」

 

「ははは!よかったねのび太君、仲間ができて!」

 

 

ドラえもんに抱き着いて喚くのび太を指さしながらスネ夫は笑った。

 

 

「もう、スネ夫さん!大事な話しているのにからかわないで!!」

 

「確かに気になる話ではあるけど、今回の件に繋がりがあるのかの確証が得られない。この話、今は一旦置いておこう。」

 

 

4人が騒ぐ中、ドラえもんが話を締めた。

 

 

(ララァ……無関係な彼らまでを巻き込むつもりか!?一体なぜ……!?)

 

 

当初は切り出そうとしていたアムロだったが、ドラえもんたちの夢の話が大きく気がかりとなり、その場を動けず固まっていた。

 

 

「あれ?アムロさん?」

 

 

一同がその場を去ろうと立ち上がると、一番にのび太がアムロの存在に気が付いた。

 

 

「あ、ああ。気分は悪くないかい君たち?ロンデニオンまでまだ時間があるし、こういった閉鎖されたところでは気も滅入るだろう。」

 

「僕たちは大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」

 

 

ドラえもんは頭を下げた。

 

 

「……そうだ、君たちにちょっとやってほしい……いや、見せたいものがあるんだ。」

 

 

アムロは思い出したかのように当初の目的をのび太たちに告げた。

 

 

・・・

 

 

ドラえもんたちはアムロに連れられ、モビルスーツデッキにまでやってきた。彼らの目にはジェガンやリ・ガズィ整備されているモビルスーツたちの光景が映った。

 

 

「ひゃあ……モビルスーツもこうやって生でみるとすごい迫力だ。軍艦とか戦車とはまた違ったインパクトだよ!」

 

 

スネ夫はモビルスーツのインパクトに圧倒されつつも、その魅力に興奮し目を輝かせていた。

 

 

「あら、あれってのび太さんたちが乗ってたロボットじゃないかしら?」

 

 

しずかが指さした方角には、整備されているX式の姿があった。

 

 

「君たち、こっちだ!」

 

 

ドラえもん一行がアムロの呼ぶ声がする方を見ると、そこには特に整備されてはおらず鎮座されているジェガン1機と、その周りにアムロとベルトーチカとブライト、整備士のアストナージと、ジェガンのシミュレータを終えて一息ついているクェスの姿があった。

 

 

「アムロさん、ブライト艦長これは一体?」

 

 

ドラえもんは不自然にそびえたつジェガンを見ながら聞いた。

 

 

「ちょっとしたレクリエーション……まあ、ゲームだ。」

 

「ロンデニオンにつくまで非戦闘員の皆さんをラー・カイラムに缶詰め状態にさせてしまっているから、息苦しいし、気が滅入るだろ。その気晴らしと思ってな。当艦からのサービスだ。」

 

「ゲームって……え?このモビルスーツを動かさせてくれるの?」

 

 

アムロとブライトの話を聞いたスネ夫は、先ほどから圧巻されているモビルスーツに乗って動かせることに対する興奮と事故が発生した時などのリスクによる不安とが暴れまわるかのように渦巻いた。

 

 

「実際に動かすんじゃないよ。中に入ってコンピュータで遊ぶのさ。相手するのはコンピュータだけど、シートは本物だから臨場感があるよ。」

 

 

件のゲームを終えて、ジェガンの中から出てきたハサウェイが説明した。

 

 

「ゲームというのは語弊があるなぁ。実際はジェガンの中に入ってる戦闘データをフィードバックしたシミュレータだけどな。」

 

「尤もだが、今回は楽しんでもらうことが目的だから、ゲームでいいだろうアストナージ。」

 

 

ブライトのコメントに苦笑しつつもちょっと不本意に思うアストナージ。

 

 

「いろいろよくわからないことあるけど、ゲームで遊ばせてくれるってことでいいんすか?」

 

「ああ、存分に楽しんでくれたまえ。」

 

「やったー!!じゃあ俺一番乗り!!」

 

 

ジャイアンは前にいたのび太とスネ夫を蹴散らしてジェガンのコックピットに入っていった。

 

 

「ずるいよジャイアン!」

 

「僕たちだってやりたいのにー!!」

 

「はいはい、変わりばんこだよ。」

 

 

悔しがるスネ夫とのび太をアストナージがなだめたあと、ジャイアンに操作方法をガイドするため、ジェガンのコックピットに入った。

 

残ったのび太とスネ夫はブライトの案内で、外部モニターからジャイアンの様子を観戦した。

 

 

「あら、あなたはやらないのしずかちゃん?」

 

 

ジェガンのシミュレータに食いつくのび太たちとは対照的に、後ろでおとなしくしていたしずかに、ベルトーチカは気が付いた。

 

 

「わ、わたし、こういうのはちょっと苦手で……。」

 

「荒っぽくて過激なのはお好きじゃないのね。」

 

 

しずかのお淑やかさに、典型的な女の子だなと心の底で少し小ばかに思いながらも自身も女性であるからわからなくもないといわんばかりに少し共感した。

 

 

「くっそー!負けちまった!!」

 

 

ゲームに負けて悔しがりながら、ジャイアンがジェガンから出てきた。

 

 

「なんだ、私より点数低いじゃん。がさつだからよ。」

 

「なんだと!?いわせておけばー!!」

 

 

クェスに馬鹿にされて突っかかろうとするジャイアンをドラえもんとのび太とスネ夫は一斉にかかって止めた。

 

 

「けんかはよさないか。」

 

「じゃあ、今度は僕がやる!!」

 

 

アムロが止めに入ったのを好機と見たスネ夫は、素早くジェガンにコックピットに入った。のび太はあーっ!と叫びながらスネ夫の後を追おうとする。

 

 

「シミュレータは逃げたりしないさ。」

 

「アムロさんの言うとおりだよのび太くん。」

 

 

アムロとドラえもんに諭されたのび太はがっくりと頭を落とした。

 

 

「……確かに総合点は低いけど、格闘に関してはノーダメージで3機は撃破してる。これはこれですごいよ。」

 

 

外部コンソールでプリントアウトされたジャイアンのシミュレータ点数表を見て、ハサウェイは唸った。

 

 

「さすがジャイアン。素手のけんかになると強いからな。」

 

 

ハサウェイが見ている点数表を横からのび太としずかが見る。すると、スネ夫の番のシミュレータが終わったのか、中からスネ夫が出てきた。スネ夫は出るなりひゃあ~と大きい一息をつく。

 

 

「さすが、現実のモビルスーツの操作はシビアだなぁ。いつもやってるゲームがどれだけ簡単か思い知らされるよ。」

 

 

スネ夫は後ろのジェガンを見ながらハンカチで額の汗を拭いた。

 

 

「ここで、スコアがプリントアウトできるよ。」

 

 

ハサウェイの案内を聞いたスネ夫は、どれどれ……と外部コンソールを画面表示に従って操作し、自分の点数表をプリントアウトして確認する。

 

 

「お!ジャイアンに勝った!!」

 

「へぇ、僕といい勝負だね。」

 

 

ハサウェイは自分の点数表をスネ夫のそばに持っていき見せ合いっこした。スネ夫にリードされたのが耳に入ったのか、悔しがってジャイアンはもう一度ジェガンに乗り込もうとするが、ブライトに止められた。

 

 

「やっと僕の番か~。」

 

 

やれやれと言いながらのび太はジェガンのコックピットに入りこんだ。

 

 

「どうせのび太のことだから、すぐやられて終わりだよきっと。」

 

「へっへっへ。俺様は何とかびりは免れたってことだな。ま、俺もう一回やるけど。」

 

 

いつものように後ろでのび太をせせら笑うスネ夫とジャイアン。しかし、のび太は操作方法のレクチャーを受けていて、二人の声は聞こえていなかった。

 

 

「ここをこう操作して、準備ができたら、このボタン押してスタートだ。」

 

 

のび太はアストナージの指示通りにコンソールを操作していくと、全店周囲モニターにバーチャルの宇宙空間が表示され、”PLAYER 1 READY”文字が正面に表示され、ゲーム開始のカウントダウンが始まった。

 

5,4,3,2,1……START!!という合図からほんの数秒後に、前方の遠い距離からギラ・ドーガが自機に向かって飛来してくるのが見えた。

 

のび太は反射的にジェガンのビームライフルを構えると同時に、見えたギラ・ドーガに照準を合わせてトリガーを引くと、ライフルからビームが発射された。

 

ビームはそれることなく表示されていたギラ・ドーガの胸部に直撃し、爆発四散。敵機撃墜が確認できた。

 

 

「よっし、命中!」

 

「へぇ、結構距離あったのにうまく当てたな。」

 

 

アストナージは舌を巻いた。間髪入れずに次の敵機がモニターに表示される。今度は1機だけではなく3機ほど同時に出てきたが、のび太はひるむことなく冷静に照準を動かし、正確に射的していった。これらも命中。撃ち漏らすことなく全弾当てて全機撃墜した。

 

 

(素早く正確に当てて行ってる……一部の敵機は出現と同時に撃ち落としてるぞ。本当にニュータイプだったりするのか?)

 

 

アストナージは思わずのび太の射撃の腕に見とれていた。こののび太の活躍ももちろんスネ夫やジャイアンの時と同じように外部モニターで映し出されており、ギャラリーは盛り上がっていた。

 

 

「なんだよ、のび太のくせにバンバン撃ち落としてくれちゃって!!」

 

 

スネ夫は自分の成績がリアルタイムで追い抜かれているのがすこぶる気に入らず、地団駄踏んだ。そんな彼の思いに追い打ちをかけるかの如く、のび太が操縦するジェガンが、次々と敵機を撃ち落としていく様子が映し出される。

 

 

「すげぇな……射的に関しては見るところがあるって聞いたことあるけど、改めてみると、のび太もなかなかやるなぁ……。」

 

 

結果を出せなかったために先ほどまで荒ぶっていたジャイアンでさえ、のび太が活躍する映像に熱中していた。

 

1機、また1機と敵機を撃ち落としていると、突然画面の下からギラ・ドーガが飛び出し、ビーム・ソードを振りかざしてきた。

 

 

「うわっ!!」

 

 

接近戦用の武器に切り替えるという術を思い浮かばなかったのび太は、反射的にジェガンを交代させて回避行動に移った。直撃は免れたものの、ジェガンの膝の部分に攻撃が掠った。

 

 

「大丈夫。まだ動けるよ。……しかし、今のもうまいこと避けたな。」

 

「あたれーっ!!」

 

 

敵機から距離をとったのび太は、ライフルを連射して撃ち落とした。

 

 

「今まで遠くから来てたのにいきなり下からくるのとか、そんなのあり~!?」

 

「はっはっは。そんなこと言ってたら戦場で生き残れないぞ~?」

 

 

敵の奇襲に多少パニクるのび太をしり目にアストナージはケタケタ笑う。

 

 

「アストナージ、そろそろ……」

 

 

アストナージの通信機にアムロからの通信が入った。

 

 

「あ、わかりました。……ちょっと前ごめんよ。」

 

 

敵が出てきていない時を見計らってアストナージはジェガンに前方ハッチを開けて外に出た。

 

 

「操縦方法はわかるだろ。君はそのまま続けといてくれ。」

 

 

アストナージはハッチを閉じ、ジェガンのコックピット内はのび太一人だけになった。

 

 

「続けろって……出てくる敵倒すだけだよね?」

 

 

アストナージの指示通り、のび太はそのままシミュレーションを続けた。いつも通りに遠くからくる敵機は射撃で淡々と落としていった。しかし、突然の格闘戦を仕掛けられるとのび太はそこが弱いため、きれいに捌くことができず、運が悪いと先ほどのように直撃は免れるものの軽傷を負ってしまう。

 

塵も積もれば山となる。少量のダメージとはいえ、蓄積すればいずれジェガンの耐久力は尽きてしまい、このままではゲームオーバーになってしまうだろう。

 

しかし、回数を重ねていくうちにのび太も慣れたのか、敵からの奇襲のパターンを把握しはじめ、格闘攻撃に対する回避行動もだんだんきれいな動きになってきた。

 

 

「そろそろ来る頃だな……。」

 

 

のび太のつぶやき通り、また画面外から突如ギラ・ドーガが現れ、またビームソードを振りかざす。

 

 

「今だ!!!」

 

 

しかし、のび太は慌てるそぶりを見せず、あらかじめスタンバっていたかのようにビームサーベルに武装を切り替え、ギラ・ドーガのビームソードを切り払った。

 

 

「おおっ!?のび太のやつ、敵の攻撃を押しのけやがった!!」

 

 

外部モニターで観戦していたジャイアンは思わず感激した。

 

 

「そこだ!!!」

 

 

敵の攻撃を押しのけたことでよろけたギラ・ドーガの隙をついて、のび太はビームサーベルの一撃を浴びせた。見事ビームサーベルが直撃した敵機は爆発四散。のび太は初めて格闘戦で敵機を落とした瞬間だった。

 

 

「すごいわ、のび太さん!!」

 

「あいつもなかなかやるじゃねぇか!!」

 

 

のび太の奮闘により、外部モニターも周りは盛り上がっていた。

 

 

「よーし!このままどんどん倒していくぞー!」

 

 

苦手なやつを倒せてテンションが上がったのび太は、勢いづいて次に進もうとする。そしてまた遠方からの敵が表示された。いつも通りに射撃で倒そうと思ったのび太だが、向かってくる敵機にどこか違和感を覚えた。

 

 

「……なんだろう?いつもの敵じゃない?」

 

 

よくよく見ると今まで倒してきた緑のギラ・ドーガとは違い、向かってきたのは形も違うどこかすらっとした、白いモビルスーツだった。

 

 

「あれって……ガンダム?」

 

 

のび太が駆るジェガンの目の前に現れたのは、νガンダムとは違う、少しシンプル目で胴体の明るめの青が目立つガンダムだった。

 

 

 

~おまけ~

 

・昨日見たスネ夫の夢

 

 

スネ夫「なんだ?タイムマシンの空間みたいなところだけど……。」

 

目の前に白鳥が飛んできた。白鳥がララァに変身する。

 

スネ夫「白鳥が人に!?いったい誰!?」

 

ララァ「怖がらなくていいわ……私はあなたと話がしたいだけ……。」

 

スネ夫「話がしたい?」

 

ララァ「そう……あなたに聞いてほしいことが……」

 

スネ夫「あ!ひょっとして僕のコレクションを見に来たの!?」

 

ララァ「……へ?」

 

 

♪BGM:スネ夫が自慢するときの曲

 

 

スネ夫「このスポーツカーのラジコンはね!日本で発売されていないうえ、世界に数台しかないって言われてる超限定品でさ、パパに頼んで買ってもらって……」

 

ララァ「……だめだわ。この子、話聞いてくれない……。」

 

スネ夫「それでこの戦車のプラモが……ねえ、ちょっときいてるの!?……って、あれ?消えてる。いなくなっちゃった……なんだよ、人が話してる途中で失礼だな!」

 

 

 

 

 

・ジャイアンが見た夢

 

ジャイアン「なんだ?このピンクの靄は?またアニマル惑星に続く道に入っちまったか?うう……アニマル惑星のみんなを悪く言うつもりはねーけど、俺あの冒険にはあんまりいい思い出がないんだよなぁ……特にこの靄。」

 

目の前に白鳥が飛んできた。白鳥がララァに変身する。

 

ジャイアン「な、なんだ!?」

 

ララァ「怖がらなくていいわ……私はあなたと話がしたいだけ……。」

 

ジャイアン「なんだそりゃ?」

 

ララァ「そう……あなたに聞いてほしいことが……」

 

ジャイアン「ん?なんだ俺の足元に何かが……なんと!これは俺が愛用しているラジカセとマイク……リサイタルセットじゃねぇか!!これがあるということは……そうか!」

 

ララァ「あ、あの……私の話を……。」

 

ジャイアン「これは俺のリサイタルってことか!!そうと決まれば、もう全力で歌うしかねぇな!!」

 

ララァ「い、いったい何を……!?」

 

ジャイアン「なるほどそういうことか!!そこにいる突然現れたあんたは俺の歌を聴きに来た観客ってことだな!!?いいぜいいぜ!!今日の俺は絶好調だー!!」

 

ララァ「い、嫌な予感がする……!!!」

 

ジャイアン「よし、機材は万全だ!!早速行くぜ!!」

 

ララァ「こ、これは……逃げなきゃ……!逃げなきゃまずい!!」

 

ジャイアン「ボェェェェェェェェェェッ!!!!!」

 

ララァ「ああ……アムロ。刻(とき)が見える……。」

 

・・・

 

アムロ「!?」

 

ベルトーチカ「どしたの?」

 

アムロ「なんかすごい嫌な感覚が……。耳を劈くような。」

 

ベルトーチカ「疲れてるのよ。」

 

アムロ「だといいけど……。」

 

アムロ(ララァ……君を通して妙な感覚が来たぞ。いったい何があった?)

 

 

スウィートウォーター内

 

 

シャア「ええい!なんだこの感覚は!!ララァから離れろ俗物め!!!」

 

ナナイ「大佐っ!?」

 

 

 

 

・のび太の夢

 

のび太「ZZZ……。」

 

目の前に白鳥が飛んできた。白鳥がララァに変身する。

 

ララァ「起きて……目を覚まして……。」

 

のび太「ZZZ……。」

 

ララァ「私はあなたに伝えなければいけないことがあるの。」

 

のび太「ZZZ……。」

 

ララァ「……あの、ほんとに起きてもらえません?本当に重大な話なんですって。っていうか夢の中なのにどうしてそこでまた寝ているの?」

 

のび太「ZZZ……。」

 

ララァ「……だめだわ。起きてくれない。他をあたりましょう……。」

 

 

 

・しずかの夢

 

 

しずか「これは夢……?だとしたら一体ここは……?」

 

目の前に白鳥が飛んできた。白鳥がララァに変身する。

 

しずか「白鳥が人に!?いったいこれは……!?」

 

ララァ「怖がらなくていいわ……私はあなたと話がしたいだけ……。」

 

しずか「話がしたい?」

 

ララァ「そう……あなたに聞いてほしいことが……」

 

しずか「見るからに相当困っていそうね。私でよければ何でも話して。」

 

ララァ「……やっとまともな子に出会えた!!!!(号泣)」

 

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