相変わらずの低クオリティですが、気楽に読んで頂けると幸いです。
念のため、雪ヶ丘の背番号と選手名載せます。
1番 日向翔陽
2番 鈴木
3番 川島
4番 森
5番 関向幸治
6番 泉行高
ピー!!
笛の音がする。試合開始の合図だ。
サーブはこちらから。
「ナイッサー!」とサーブ前お決まりの声をかける。
ボッと音を立て、フローターで打たれたボールはバックライト方向へ飛んでいく。
「コージー!」
コージと呼ばれた向こうの5番は倒れこみながらも、セッターへAパスをあげた。
「行けぇ翔ちゃん!!!」
そう言いながらあがったトスは、やや短い。
それに反応した一番が中に切り込んでくる。
「!!!」
「?!」
「(翔んだ!)」
前衛3人が驚くようなジャンプを一番が見せた。
いや、3人だけではない。この試合を見ていた全員が驚いた。
そのまま、コートに叩きつけるように腕を振り下ろしてくる。
「クロス側締めろっ」
「!」
「おっけ…」
ガガンッ!ドッ!
飛雄の指示通りクロスを締めるようにブロックを配置させ、スパイクを相手コートへ叩き落とした。
ボールが鈍い音をたてながらコートへ落ちる。
「────!?」
止められた一番は驚きの表情を浮かべた。
「勇太郎、ナイスブロック。」
「おう、けどあの一番すげぇ飛んだな。」
「だな。」
「まぁでも、ただ叩きつけるスパイクしかしないならブロックの餌食になるだけだ。お前みたいな奴が何人もいるわけねぇしな。」
「まぁまだ一点だ。まだ何か手を隠し持ってるかもしれない。油断せずいこう。」
「そうは思わねぇけどな。」
「……」
「────……」
「しょ、翔ちゃんドンマイ!」
「! ご、ごめん、せっかくあがったのに!次は決める!」
1-0で、再び北川第一のサーブ。何とかレシーブし再びオープントス。日向のほぼ真上にトスがあがる。
(……今度こそ!!)
頭の中にある憧れのプレーをイメージし、右腕を振り下ろす。次こそブロックを抜く、とはならずパァンと軽い音を鳴らしつつ相手コートへ緩く飛ぶ。
「ワンチ!」
「チャンスボール!!」
(くっそ、また!)と悔しがる暇もなく高速のコンビが展開される…かと思ったが弾かれたボールが飛んだ場所はコートのサイドラインよりも奥。速攻を使うのはかなり難しい位置へ。
「レフトオープン!!」
(!4番!)
先程トイレの前でやり取りを交わした4番のスパイカーが、大きくトスを呼んだため慌てつつブロックへ向かう。
ダンッ!!!
(!!音…?!)
ズドン、という着弾音をたて、4番が着地。先程の音が飛翔の際の床を蹴る音だと気付いた時には、ボールはコートに鋭く突き刺さっていた。
***
「試合、一方的になっちゃったッスね。ってアイター!! また捕まったあの一番!! けどジャンプ力凄いし、ギュンギュン動くし、あれで身長があればなぁ~!!」
「あとは、雪ヶ丘にもっとちゃんとしたセッターがいれば、あの一番も活きてくるんだろうけどな。」
「北川の方は、おっ!また来るぞあの4番!」
ズダンッ!スパーン!!
「かーっ、こっちはまた決めたよ!ブロックほぼいないとはいえあの身長でよく決めるなぁ!」
「あの4番は雪ヶ丘の1番と身長そこまで変わらないだろうけど、ブロックの上から打ってるな。」
「それだけじゃないべ。毎回のように正確にコートの隅に打ち込んでる。スパイクの精度が並じゃない。」
「けど、影山ってやつは大したことなくないッスか?北川にはデカいやつ沢山いるのに、活かしきれてないっていうか。」
「確かに、大差で勝ってるとは言えコンビミスも少なくないし、何よりチームメイトと会話してるように見えない。まるで、独りで戦ってるみたいだ。」
***
1セット目を先取し、続く2セット目も23-7と圧倒している。
失点も抑えられているし、このままいけば問題なく勝利出来るだろう。
だが、慢心など決してしない。絶対に勝てない勝負も、絶対に勝てる勝負も存在しないのだから。
「もっと速く!!」
「!チッ」
まただ。今日何度目のコンビミスだろうか。1セット目も加えるとおそらく10回近くはしているだろう。勝っていても、こうミスが多いといまいち乗りきれない。
「相変わらずのムチャブリトスだな…」
「相手のブロックなんていないも同然なのに、何をマジになってんだよ…」
「!!じゃあお前らが本気でやるのはいつだよ!?決勝か!?」
「おい止めろ!試合中だ!」
「チッ……」
「分かってるよ」「ハイハイ」
キャプテンの制止でお互いに収めたが、二年の中盤あたりからこのように言い合いになることが多くなった。試合中にも関わらず、である。
フローターで打たれたサーブを雪ヶ丘の3番が後ろへ大きく逸らす。
「おしっ、またサービスエース!」
「まだだ!」
そのボールを1番が追う。どう見ても無理、仮に触ったとしても繋げないであろうボールだったが、頭から滑り込むようにボールに突っ込んだ。
しかし、やはり取れず壁に激突する。
「頑張るなぁ、あの1番」
「な、こんだけ点差ついてて戦意喪失してもおかしくないのに、なんであそこまで」
チームメイトはそう言うが、あの1番の考えていることが、自分には分かる。勝てっこない相手だとか、点差がどうとかは一切関係なく、ただそこにあるのは…
「まだ負けてないよ?」
そんなに大きな声じゃないのにはっきりと聞こえた。そうだ、単純なことだ。戦う理由は一つ、まだボールは落ちてない、まだ負けてないのだから。
こちらのサーブで乱れたボールを5番が足でフォロー、上がったボールを1番が打ち込んでくる。この劣勢で放たれるとは思えない、背筋が震えるような威圧感。
ドガガッ!
「ワンタッチ!」「触った!カバーだ!!」
(こりゃとれないか…)
「ふっっ!!」
(!)
「英カバー頼む!!」(一歩下がっておいて正解だった!!)
「ナイスカバー!!繋げ!!」
飛雄から檄が飛ぶ。
英から飛雄へと繋ぎ、雪ヶ丘コートへと返す。
「チャンスボールだ、泉さん!!」
「よっしゃ!」
(また一番来る。吹っ飛ばされるかもしれない、一歩下がって───)
一番のスパイクを警戒し、下がっておいたその時
「あっ!?」
(!トスミス!?)
6番がトスを上げようとした時、ボールがすっぽ抜け、誰もいないライトへ行った。
(そっちには誰もいな───?!)
その瞬間、1番がボールにスパイク体勢で飛び付くのが見えた。
(レフト位置からライトへのブロード!はっや──)
意識をスパイクへ向けるが、もう追い付けない。
1番はベンチに突っ込みながらも、コートライン際にスパイクを放った。
(目で追うだけで精一杯とか、どんな身体能力してんだ…)
ピピーーッ!!
(!え、今のスパイク、アウト…?)
試合終了──勝者北川第一中学校
「…」
「しょ、翔ちゃん、整列…」
ネットの向こう側で立ち尽くす1番の前に飛雄が立つ。
「飛雄?」
「──(体格の不利を補って余りあるバネ、スタミナ、スピード、そして何より勝利への執念…うちのエースに匹敵するものを持ちながら…)お前は3年間!何やってたんだ!!」
「!!」
「なんだと!?」「お、おい!ちょっと、止めろって!」
向こうの5番が声を荒げて飛雄に問うが、飛雄は何事もなかったかのように整列しに行ってしまう。
「……」ギリッ
1番が歯を噛み締める。
ここで審判からの注意が入り、どちらも整列しに戻った。
1番の後ろ姿や握った拳から、悔しさが滲み出ていた。
「いや~、なんていうか面白い試合だったッスね。大地さん。」
「そうだな、コート上の王様が目当てだったけど、伏兵がいたな。」
「あの1番凄かったよなぁ、勿論まだ下手だったけどチームを鼓舞したり、最後のスパイクとか。」
「それで言うなら北川の4番のほうが凄くなかったッスか?あの1番と変わらず小柄だったのに、結局次の試合でも点取りまくってたじゃないッスか!」
「まぁ、なんにせよ、新年度が楽しみだ。俺達も負けてられないな。明日朝からだから、遅刻しないようにな。」
「ハイッス!」「分かった」
(サポーターサポーターっと。おっ、あったあった。忘れ物するとこだった。)
雪ヶ丘との試合後、続く3回戦も勝利し明日へと駒を進めた。
チームの雰囲気はお世辞にも良いとは言えないが、勝ち進むにつれて良くなっていくと信じたい。
(つか、忘れ物したせいでもう皆バスに戻ってるか…早く戻らなきゃ)
「今日はありがとォッ!」「やめろ!照れる!」「翔ちゃんまたそれ!?」
(あれ、雪ヶ丘の人達?一応挨拶しておいたほうがいいかな。)
「あの、すみません、雪ヶ丘の皆さん。今日はありがとうございました。」
1番の人が、グリンッ!!とこちらを向く。
「!!さっきの4番!!さっきお前のとこの王様には言ったけど!」
「はい?(王様?飛雄のことか)」
「お前のことも!いつか必ず倒す!そんで、俺が一番長くコートに立ってやる!!」
「──そうか、なら次は高校の舞台でやりましょう。あなたとやるの、楽しみにしてますから。」
その後、北川第一中学は予選決勝まで進むものの、光仙学園に惜敗。コート上の王様影山飛雄には、大きな痼を残して大会を終えることになる。
ちょっと、ていうかかなりぐちゃっとなってしまいました。
まだまだ下手ですが、日向のようにここから成長したいです。
原作との変化があまりないことに関しても、申し訳ございません。
書きたいものはここから広がっていく予定なので、長い目で見て頂けると幸いです。