銀色の悪魔…1st Stage(頭文字D) 作:SilviaSilvermoon
約束の時間まであと4分…(ヲイヲイ^^;;;)
(―ここから池谷sideで進行します―)
店長や樹、拓海とそんな話をしていたら…けたたましいエンジン音とスキール音が。
どうやら来たみたいだ。
樹「池谷先輩…この音ってもしかして…。」
池谷「ああ。多分さつきさんだろうな…2台だったらきっと健二が置いて行かれてる。きっとそれを見越して1台で来るだろうな。」
拓海「……」(無言ですぐに表れるであろう交差点の方を凝視していた。)
ギュキュキュッ!キョォオオオオオ!!!ブォオオオオオンッ!!!タイヤのスキール音と、アクセルコントロールしてるエンジン音と共にいきなり目の前にドンっと銀色のS15が現れた。
樹「うっへええ…ド迫力。」
池谷「な、何ぃいいい~!!健二起きてるか!?」
拓海「す、すごっ…(ほぼ初めての道でその勢いで来るなんて…やっぱこの人ただもんじゃない)」
店長「こいつはすげぇや。(そこいらの走り屋の小僧とはスピードレンジもウデも…全然違う。拓海が感じてる事はホントかも知れねぇな。)」
そしてみんなの前に横付けされたS15の助手席側のガラスが下がるのと同時にドアが開き…
恐怖に震えて腰の抜けた健二が這い出てきた。
健二「ひ、ひいいいい~さつきさん…やっぱ”銀色の悪魔”だぁあああ!」
何の事だか解らずキョトンとしてる4名。
池谷「何なんだよ健二!お前の言ってる事が全然わかんね~よ。」
樹「そうですよぉ。健二先輩!何なんですか?その”銀色の悪魔”って…」
健二「さつきさんはな…地元の神奈川じゃ”銀色の悪魔”って呼ばれてる神奈川No.1の走り屋らしい。」
さつき『ヲイヲイ…オーバーだって。No.1かどうかなんてよくわかんないし、俺の名前を知らないから車の色で銀色の…になったんでしょ^^;;;悪魔ってそれに誉め言葉じゃないだろうしね。』
健二「いやだって、あの高橋 涼介が”SILVER-MOONのさつき!?確か…俺の記憶違いでなければ”銀色の悪魔”と呼ばれてる神奈川No.1の走り屋…じゃなかったか?”って言ってたじゃないですか!!」
池谷、樹、拓海、店長「「「「えぇっ!/うげっ!/ま、マジでか!!!/おったまげたぜ…」」」」
さつき『噂なんて勝手に1人歩きするものだし…自分がそれに当てはまってるかって言ったら疑問しかないよ?』
全員「「「「そ、そりゃ本人は自覚が無いかも知れないけど…うぇえええええっ!」」」」
(うぇええええ!何?そのぶっ飛んでる話^^;;;って顔をしてるスタンドのみんな…)
さつき『あ、そうだ!ちなみに…この中で1番速い人…俺の横に乗ってコーチングしてくれないか?実はさっき…話の流れで高橋 涼介と秋名でやることになっちゃってさ^^;;;
明日の夜までに形にしたいんだよね。お願いできないかなあ?』
池谷、樹、拓海、店長「「「「へ?なっ、なんだってぇええええ!!!高橋 涼介にバトルを申し込まれた!?こりゃあドえらい事になってきちゃったぞぉ!!」」」」
さつき『ちなみにこの中で1番速い人…犠牲になるみたいで申し訳ないんだけど、マジで横に乗ってコーチングしてよ。付け焼刃でも何でも良いから明日までの形にしたいんだ!!じゃなきゃ、俺、絶対後悔すると思うし。』
池谷「じゃあ、拓海!!さつきさんの横に乗って教えてあげてくれ!!俺達は後ろから追いかけるから。」
拓海「あっ、解りました…でも教えられるかどうか…説明するのが難しいんですけど。」
さつき『よろしくね。じゃあ…まずは乗って。出発しよう。』
池谷君のS13とさつきのS15の2台に分かれ…秋名の山を目指すことになった。
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(―※ここから店長side―)
2台が出て行って…ここに残った俺は自分の車をのドアを開け・・・運転席に座りながらエンジンをかける前にこれまでの話を思い出しつつ、タバコを咥えながら…火をつけてさつきの事を考えてみた。
天性の才能なのか、たゆまぬ練習の積み重ねなのか…文太の育て上げた拓海より凄腕なのか…。
それと、神奈川のレベルが群馬より上なのか…?次々気になる事柄が浮かんで消える。
「こりゃあ…拓海と高橋 涼介のバトルも近いかもしれないな…」
呟いた言葉はたばこの煙と共に吐き出された。
・不意に文太に電話をかけてみるも不在で、留守電にもなっていない為あえなく撃沈し、店長は家路についた。
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(―※side change 店長→さつきで進行します―)
・秋名最速の男を連れて練習だぁ~い!
早速さっき下ってきた道を戻り…旅館やホテルの立ち並ぶエリアを越えていく。すでに140Km/h位出てるけど…この際気にしない。(←マテマテ)
さつき『えっと・・・この辺りからコースが始まる感じだっけ?』
拓海「そうですね…じゃあ、俺もあんまり教えたことがないんでさつきさんの覚えてる範囲で良いんで曲がれる速度で走ってみてください。そうすれば何か気が付いたら教える感じで。その方が早くマスターできるかも。」
さつき『そ~だねぇ。じゃ、まずさっき高橋 涼介に追いかけて来られたくらいで…その位が俺の70%位だから…まずはそこから行ってみるかな。じゃ、始めるね。』
フバァアアアアンッ!1段ギアを落とすと一気に池谷のS13を引き離すように加速し始める。
ボォオオオオオオンッ!
--------Side Changeさつき→池谷side-------
池谷「な、何て加速なんだ…あんなに置いてかれるもんなのか?上りだぞ?ど~なってんだ?」
ギョワアアアアアア!!(S15が若干のスキール音を立てて拓海もよく使う溝落としを行ってイン側のタイヤを引っ掛けるようにしてギュ~ンっとジェットコースターのように曲がっていく。)
池谷、樹、健二「「「嘘…だろ!何で拓海の得意技をあっさり…うおおお!S15のコーナーの旋回速度に目が…付いていかないっ」」」
池谷「やべぇ~!目の前でとんでもない事が起きてる。もしかしたらさつきさん…ホントに”銀色の悪魔”だ。初日でしかもこの秋名であんなえげつないドライビング…見たこと無ぇ~ぞ!うぉおおお!もうあんなに…もう見えなくなっちまった。」
健二「俺…さっき案内しながら上り切った時にさつきさんが山頂で横に乗ってコーチしてくれって言われて横に乗って初めての下りだし…って余裕ぶっこいてたら、走り出したらのっけから俺の全開より速い速度で突っ込んでいって…1本目の2コーナーから意識無くなって…気が付いたら7セット終わったところの上りに入るところだったんだよ。」
樹「やばっ!健二先輩ダサダサですけど、それ以上にさつきさん…バケモノですか?俺…ちょっと前に拓海の運転でここ上った時…身体削られると思いましたもん。訳の解んない速度で突っ込んでそのままの勢いでギュンッてコーナーを曲がって…そのまま次のコーナーに向かって気の狂ったような加速して…何か不思議と笑いが沸き上がってくるんです。それに近いことが起きてたのかも…。」
※池谷君達が驚愕していた頃…S15の車内ではどっちかって言えばまったりな空気が流れていた。
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(―※ここからNo side(=作者ナレーション)で進行します―)
拓海「ああ…さつきさん、溝走りできるんですね。今の入るタイミングも出る時のタイミングもどっちもドンピシャでしたね。あとは…ん~俺が教えられることと言ったら流せるコーナーと流さない方が良いコーナーとの使い分けができちゃえば全然問題なく地元の走り屋より速くなっちゃうと思いますよ。」
さつき『え?あっ、そう?やっぱ、コーチが良いと伸びしろが大きくなるね^^やっぱりコーチを頼んで正解、正解。』
(顔をどんどん赤らめて焦った感じになる拓海…)
拓海「やっ、そ、そ~ゆ~んじゃなくて…さつきさんのセンスと練習方法と、練習の量がすごいんだと思いますけどね…(照れてる拓海は頬杖をついて窓の外に視線を移してしまった。)
あ、もうそろそろ頂上ですから、そのまま折り返して下りも同じペースで行きましょうか。」
拓海はしっかり観察してくれてるようなので頂上に着くとそのままの勢いでスピンターンをかまして下りに突入する。
第1コーナーに向かってアクセルを踏み込む…まずは流していいコーナーなので拓海張りのゼロ・カウンターのドリフトで抜けていく。さっき健二が失神した2コーナー…ここはグリップで通過…3コーナーに向かう直線で…
さつき『あれ?車が…来るなぁ。あ、もしかして…池谷君達じゃね?思ってたより差が開いちゃったなあ?(ボソッ)』
音楽に掻き消されてるかと思ったが…聞き取れたらしく苦笑いを浮かべてる拓海。
コーナーを曲がってきた池谷君達のあの驚いた顔…拓海の”何してんだ?こいつらは…”的な冷めた顔との対比が面白くてクスリと笑った。
さつき『今の3人の顔…おかしかったな。』
拓海「まあ、こんなに離されてると思ってなかった…っていう顔でしょうね。」
さつき『その顔と拓海君の冷めた表情と見比べたら…面白かったw』
拓海「えっ?ええええ~~~?」
さつき『フフフ…(意味ありげにニヤニヤしながらも順調に下っていく。)さて…と。5連ヘアピンか。ここはなるべく溝落としで直線的にだったね?』
拓海「えっと・・・ああ、そうですね。対向車が無ければその方が絶対速いですね。」
さつき『ふむふむ、何とな~く掴めて来たかも知れないなぁ。』
急速に秋名のコースに対応していくさつき。
何事も練習って大事ですよね…