銀色の悪魔…1st Stage(頭文字D) 作:SilviaSilvermoon
さつき『えっと勝負は下りだけだったっけ?上りは今回は入れなくて良いのかな?』
高橋 涼介「まあ…上りも気になるとこだけどな…下りを見ればそのドライバーの力量がはっきり出てしまうからな。もし時間に余裕があるならバトルの後にでも改めて上りと下りのタイムアタックをしてみないか?」
さつき『わかった。バトルが終わったらタイムトライアルね。了解です。』
高橋 涼介「じゃあ、始めようか。今夜は今までで1番…ワクワクするな。」
スタートラインに車を並べるとスピードスターズのメンツが傍に来た。
樹「さつきさん、ガッツですよぉ!」
池谷「さつきさん、昨日の練習でも思ったんだけど、さつきさん、俺達はもう仲間ですよ^^
昨日みんなで考えた作戦、見せつけてやりましょうよ。」
さつき『そうだね。全力で挑んでくるよ。』
RedSunsのスターター「スタート10秒前!」
カウントが始まると池谷君はガッツポーズを見せて離れて行った。
スターター「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…GO!!!」
ギュキャキャキャキャアアアアアア!!!2台同時に飛び出していく。1コーナーの駆け引きでさつきが前に出る。
さつきの心の声『(あ~あ、前に出ちゃったか…仕方無い本気出すかぁ。なるようにしかならんわなぁ。)』
ゼロ・カウンターで流れるようなドリフトを見せながら2コーナーに向かう。次はグリップで。まあ、当然のことながらぴったり張り付いてますねえ。
さつきの心の声『(かぁあああ…さすが高橋 涼介。楽に勝たせちゃくれませんねぇ。
さてと…こ~ゆ~時どうかわしていこうかな…ぶっちぎれりゃかっこいいんだけどな…
いやいや、相手があの高橋 涼介だしなぁ。やっぱ、ちぎらしちゃあくれないな。
そりゃ、いくらなんでも甘すぎるか…^^;;;)』
そしてさつきはゾーンに入っていく。
(※きっと妙義の走り屋・NightKidsの中里辺りなら”さつきのS15に強いオーラが出ている”と表現するだろう。)
さつき『駆け引きで前に出てしまったけど…大体、高橋 涼介のパターンは後について様子を窺って抜き去ってゴール。こうすれば誰の目にも明らかな”文句のつけようのない”勝利になる…。
先行してしまったら、ぶっちぎらない限り”誰の目にも明らかな”勝利にはならないって事ね…。
ま、なるべく抜かされないように…だな。後ろに居ればラインのコピーも自由にできるだろうなあ。ホント厄介!』
呟くように言葉を吐き捨て2コーナーー、3コーナーを抜けていく。
(前半は比較的急こう配でコーナーのRは緩め。ここの高速セクションでタイムを稼いでこの後に中・低速をいかにうまく切り抜けるか…がポイントになるんだろう。
ん~高橋 涼介って溝落としできたっけ…?えっと、確か原作では拓海と啓介の時に溝落としの解説はしてたけど…「理論上は可能だ」って言ってたって事は実際にはやっていない可能性が高いか…仕掛けるならそこしかないかな。)
スケートリンクのストレートでスピードメーターは振り切れている…。ちらっとサブメーターを見れば200㎞/hに手が届く位置に。
(---------※ここでside change→高橋 涼介---------)
高橋 涼介心の声「(俺が後ろにくっついたのは昨日のあの記録…そんな何時間かでタイムを削り出せるなんて…このコースに初めてですぐに乗りこなせるほどイージーな峠ではない。ならば、その速さをこの目で見極める必要がある。後ろについていれば、ウデさえあればライン取りのコピーだってできる…
秋名の86の前に躓くなんてありえない、RedSunsの関東最速プロジェクトの達成のためには悪いが銀色の悪魔・さつきと言えども叩き潰す。1番速いのはこの俺、高橋 涼介以外ありえない。)」
ギャアア!!ギュンッ!ズキャキャキャキャッ!ブァアアアンッ!ゴアアア~ギャンッ!キョォオオオ!!!…激しいスキール音と共にエンジン音、シフトダウンして
エンジンブレーキをかける音が秋名の峠に響き渡る。
高橋 涼介心の声「(何故だ?なぜ…俺はあいつとの距離を詰められない?あいつが言う様に今の所、特別なことをしているようには一切見えない。それなのに…ミッションのギヤ比か?それともエンジンのトルク特性によるものか?そうなるとこの先の中・低速セクションでは差が小さくはなるが…
より直線的なラインで立ち上がる重視で行かなければコーナーの脱出速度が上がらない。
厄介だぜ…SILVER-MOONのさつき。こいつは仕留め甲斐のあるおいしい獲物だぜ。秋名の86と同等…もしかしたらそれ以上かもしれないな。)」
・スケートセンター前のこのコースで唯一の長いストレートからの右のきつめなコーナーへのアプローチで高橋 涼介の焦りはやがて大きな確信に変わっていく。
ストレートエンドでの突っ込みの速度、コーナー旋回時の脱出速度、コーナー同士をつなぐ直線的なライン…全てに無駄が無くさつきを攻略するだけの隙が見当たらない。
高橋 涼介の心の声「(勝負には誤算がつきものとは言うが…まさか秋名の86以外にもこういうヤツが居たとはな…昨日は藤原が自分の車ではないから…と言うのはもちろんあるにしても…前回の交流戦の記録を上回っているのにもかかわらず、それをも超えていく…常人には理解しがたい現象だな。)」
やがて見えてきた5連ヘアピン…ここで高橋 涼介は思い知ることになる。
ボッ!ブォオオオオ~ン!!ドンっ!ギュキャア!!!ゴリンッ!ギュ~ンッ!ギュキャキャキャアア!
S15が啓介と拓海とのバトルで拓海が見せた溝落とし…を高橋 涼介の前でやすやすとやってのける。
高橋 涼介「なっ!なんだとぉ!コイツは…藤原がやった排水用の溝にわざとタイヤを引っ掛けるようにして…曲げる技を持ってやがる。何て事だ。こいつは…予想してなかったな。」
高橋 涼介が驚愕している。
5連続ヘアピン以降の溝のあるコーナーは全てこの技を使い、さつきがジリジリと引き離しにかかっていく。最終の複合コーナーを待たずして8秒差でぶっちぎってやった。
(※ちなみに昨日の変則バトルよりも6秒早かった。)
さつきはタイムアタック用にスピンターンをしていたら高橋 涼介がゴールした。
高橋 涼介「フッ、まさかこの俺が負けるとはなぁ。やはり理論だけでなく相当な走り込みが必要…という事なんだろうな。」
さつき『まあ…俺が地元の神奈川で走ってるコースにもここにあるような排水用の溝がある区間があってね。引っ掛けるようにしてコーナリングする技は日常茶飯事だった…って言うのが1つの勝因かな。ただ、タイヤを溝に落とすタイミングと出るタイミングが地元のコースとは違ってたからね。
そのタイミングを見つけられたのが俺の幸運だったんでしょう。楽しかったです。またお会いする機会はあると思うんでいろんな所でバトルできることを楽しみにしてますよ。もちろん神奈川でも…ね。』
ニヤっと笑ってさつきは上りと下りのタイムアタックに臨む…。
そしてこの上りのタイムアタックで昨日記録更新したタイムより22秒、下りの今回のバトルより更に1秒詰めて後に語り継がれる記録を残して終了した。
決戦が終わって… タイムアタックの後、池谷君達と合流し、ファミレスで祝勝会を開いてくれることになった。
皆、我が事の様に喜んでいる。
(何か…中身おっさんだしこういう騒ぎに慣れてないから気恥ずかしいのだけど…)
樹「いやぁ~さつきさん天才っすよ!天才!」
さつき『ヲイヲイ…たまたま向こうが溝落としの走り方ができなかったから助かっただけの事さ。深い意味はないよ。』
池谷「あ、そうだ。さつきさん、ステッカー交換しません?俺たち仲間なんですから。」
健二「そ~だよ。それが良いよ。ねっ!」
さつき『そうだねえ。ステッカーならグローブボックスに入ってたような…たぶん人数分位あるんじゃないかなあ?それに、池谷君、健二君、樹君は磨けば光る原石だと思うから、
練習してもっとうまくなれば…秋名の走り屋全体のレベルアップにもつながる。
拓海君は完成の域に達してると思うから、もっと上を目指すなら…プロのドライバーを目指していくのもいいかもね。俺で良ければ協力するよ^^みんなに恩返しもできるしね。』
と言うと皆笑顔がこぼれていた。
その後、駐車場でステッカーの枚数を確認したらちょうど人数分あったので1枚ずつプレゼントして…こっちもスピードスターズのステッカーをもらって解散となった。名残惜しいななぁ…
この3日…短いけど濃密で…また来れたら良いな。
余韻に浸りたいところだけどそうも言ってられない。
さてと…戻るのは良いとして…神奈川の自分の家があるのか…時間軸がずれてる以上、もう1人の俺が居るかもしれない…
一気に膨らみ始める不安を抱えつつ高速の渋川伊香保ICを目指した。
一応ETCのゲートはあるようなのでETCレーンから進入して…圏央道があれば圏央道方面に、
無ければ…とりあえず高井戸で環状8号に出て東名高速か、それとも中央道で八王子から八王子バイパス→R129経由で厚木を目指しますか…
さつき『あ~バトルよりドキドキしてるのは何でだぁ?』
盛大な溜息をつきつつ…頭を掻きながら不安をかき消して運転して一路、神奈川へと向かって行った。
<※一旦続編に移行しようと思いますのでここで一区切り。この夢主の今後は?…実はまだエンディングを考えてないので続編の書き出しに少し時間がかかってしまうかも^^;;;
仕事の合間に話のネタを練ってみます。銀色の悪魔…2nd.Stageでお会いしましょう^^
作者より>
※2nd.StageへのLink→ https://syosetu.org/novel/251027/