ソード・ワールド2.5(sw2.5)エピックトレジャリー リプレイ風オリ主小説「レプラカーンの冒険」 作:すー2018
遺跡の入り口となっていた木の扉の残骸を調べていたリオンが、異常を感知したようだ。
「木の扉に付いていた鍵が開けられなくて、無理やり扉ごと破壊したみたいっすね、テディさん。中にいるのはそんなに頭のいい連中ではなさそうだってことは分かります」
「ああ。おそらく蛮族の雑魚(ざこ)だろうな。魔動死骸区のたちの悪いごろつき、『匪賊(ひぞく)の雑兵』ってことも考えられるか」
テディが顔をしかめて答えた。
「問題は、中にいるヤツの数ですね」
リオンが小さな家のサイズの遺跡を眺めた。
「ええ、えいやあ、で入っちゃえば何とかならないの?」
チェルシーは戦いたくて仕方がないようだ。
「遺跡の大きさからして、そんなにたくさんの敵がいるとは思えねえけど……。チェルシーが遺跡を見つけたときには何も起こっていなくて、扉が開けられたばっかりだっていうなら、敵さんは今ごろ遺跡のなかでひとつのグループになって中を探ってるころだろう。まだ魔動死骸区のごろつき連中だったなら、交渉して戦闘回避をすることも出来るかもしれねえけど……。蛮族だったら、グループが固まってるところに入るのは少々危険すぎると思うぜ、チェルシー」
「そっか。じゃあ、敵が出てくるのを待ってたらいいんじゃない、リオン?」
「……出てくる?」
「ごろつきなら、サクッと中を調べて出てくるだろうし、もし蛮族のグループだったなら、この遺跡を拠点にしてボクら人族を攻撃することを考えているんでしょ? それなら、グループから斥候の役になるやつがきっと外に出てくるよ。そいつらを倒せば、ちょっとずつ中にいるやつらを減らしていけるよ」
「お、いいこと考えるじゃないかチェルシー」
「テディさん……ボクだってちゃんと考えることもあるよ!」
「うう、いつもそうしてほしいです、ますたー」
「よし。じゃあ、草むらに隠れて中のやつらが出てくるのを待つ。それでいいんだな、みんな?」
テディの問いかけに、新米パーティの三人はうなずいた。
2時間ほどが経ち、外に出てきたのは……蛮族だった。自分の醜さを隠すためにフードをかぶった、フッドという妖魔たちだ。
四人は戦闘態勢に入った。
「あれは、アローフッドとダガーフッドです、ますたー。一番よわよわな蛮族です。でも、どっちもちょっと強そうな感じなのです」
トットがセージの知識を駆使して、敵の情報と能力を見定めた。弓を持つ妖魔アローフッド×1、剣を持つ妖魔ダガーフッド×1。
「じゃあ、リオンのダガーをありがたく使わせてもらうねっ!」
「ああ、頑張れよチェルシー!」
「うん!」
草むらから前衛となったチェルシーとテディが姿を現す。四人は先攻に成功した。
『‘@X#!』
『%&-!』
耳障りの良くない言葉をアローフッドとダガーフッドは叫んだ。
「何て言ってる!?」とテディ。
「決まってるよ、きっと『敵だ』だよっ! 行くよっ!」
チェルシーがダガーで敵の前衛として出てきたダガーフッドに切りつけた。
グキュエ、とダガーフッドが悲鳴をあげる。
「ターゲッティングがあるので、誤射はしないのです!」
頼もしいトットの言葉。魔法使いも、弓やガンなど、遠くから攻撃をしようとする者も、この「ターゲッティング」は必須の戦闘特技だ。これが無いと、味方の前衛と敵の前衛がぶつかりあう乱戦エリアでうっかり味方を攻撃してしまう誤射を起こす。下手をすると味方の誤射で全滅ともなりかねない。後方から乱戦エリアを遠隔攻撃しないという判断をするのであれば、また別だが。
後衛に立つトットのサーペンタインガンから放たれた弾丸がダガーフッドに命中した。
「オレもターゲッティングは持ってる! 当たれ『エネルギー・ボルト』っ!」
もうひとりの後衛、リオンの真語魔法も命中し、ダガーフッドはあっけなく倒れた。
「#$$!」
それを見たアローフッドは、大慌てで遺跡の中に戻っていった。
「しまった、逃がしちまったな」
テディが舌うちする。
「蛮族ならこのまま放っておくわけにはいかないよね、テディさん」
「仕方ねえ。敵さんの数が少ないことを願うだけだな」
建物の奥から、複数の蛮族たちの足音や声が聞こえてきた。
モンスター 斥候隊 強いアローフッド(剣のかけら1)×1 強いダガーフッド(剣のかけら1)×1