ソード・ワールド2.5(sw2.5)エピックトレジャリー リプレイ風オリ主小説「レプラカーンの冒険」   作:すー2018

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第五話 蛮族たちとの戦い、そして

先ほどの戦闘で、誰も無傷だったことは幸いだった。回復の間も無く遺跡の中から現れたのは、四体の蛮族だ。

 

「さっきの強そうなアローフッドと、ふつうのダガーフッド。それと……うーん、何でしょう」

 

最後の一体の正体を、トットは突き止められなかった。

 

「いや、なんか一番やばそうなやつの情報が無くない!? トットっ!」

 

チェルシーは悪い予感がした。

 

「#$$!」

 

やばそうな蛮族が、周りに叫んだ。前衛にその蛮族と、ダガーフッドが二体やって来る。

 

「おっと、トットは下がってろ。フェンサーのあるオレが盾になるよ」

「俺も攻撃に加わるよ。練習と言っていられる余裕は無さそうだぜ」

 

リオンとテディがそう言って、前衛に加わった。パーティの前衛はチェルシー、テディ、リオン。後衛はトット。今回も何とか先制攻撃が成功した。

 

「使うよ? 今がここぞってとき!」

 

チェルシーはアルケミーキットからまず自分で買ったBランクの白のマテリアルカードを使った。魔法で出来たウォーハンマーの形状をした武器が現れた。棒の先にとがったピックと鎚頭(づちあたま)がある……つまり大きな金鎚(かなづち)の形をしている。

 

「SSランクのほうをいきなり使わなくて何よりでした、ますたー! 心臓に悪いのです」

「あはは、ボクもそこまで考え無しじゃあないよっ」

 

チェルシーはけらけらと笑った。

 

「俺は、チェルシーに『プロテクション』だ!」

 

テディが操霊魔法のひとつ、物理と魔法のダメージを下げる術を使った。

 

「ありがと、テディさん!」

 

チェルシーが短く礼を言う。レプラカーンの少女が装備している防具はソフトレザー、非金属鎧だ。それほど防御力が高いわけでは無いので、すこしだけでも魔法の加護があるのは違う。

 

「オレは、もう一発『エネルギー・ボルト』だ!」

 

リオンは一体のダガーフッドに真語魔法をお見舞いした。

 

「当てるです!」

 

同じダガーフッドを目がけ、トットが後方からサーペンタインガンを使って弾丸を放った。ひょい、とそれは避けられた。

 

「ちょ、なに外してるのさ、トットっ!」

「あうあう、ごめんです、ますたー」

「来るよ……!」

 

正体の知れない蛮族は、サーベルを使ってチェルシーを攻撃しようとした。一撃めは、辛(かろ)うじてかわすチェルシー。だが、そのやばそうな蛮族には、なんと二撃めがあった。

 

「あたたっ! こんな蛮族いたっけ? つよつよじゃん」

 

心底テディの『プロテクション』があって良かったとチェルシーは思った。

 

次の攻撃は、ダガーフッド二体がテディとリオンをそれぞれ狙い、テディはかわしたが、リオンは傷を受けた。

 

そこへアローフッドの弓の攻撃。

 

「くっ……なんでオレばっか!」

 

リオンがそれもかわしそこねた。

 

「リオン! テディさん、なんとかしてよ」

「任せとけ。回復の『アース・ヒール』だ!」

 

コンジャラーの2レベル魔法であるアース・ヒールを使い、テディがリオンを癒す。

 

「よくもリオンを! えいっ!」

 

チェルシーのその攻撃は、より激しく正体の知れないサーベルを持った蛮族に、金づちの尖った方がクリティカルを起こして刺さった。

 

「$%&!」

 

蛮族がよろめく。

 

「もう一発エネルギー・ボルト……って、これ使うと魔力が無くなりそうだ!」

 

リオンが悲鳴をあげた。

 

「じゃあ、ダガーを返すよ! 取ってっ!」

「分かった、チェルシー!」

 

近くにいたチェルシーの装備品から、リオンはダガーを受け取った。

 

「今度こそ当てるです!」

 

トットのサーペンタインガンの攻撃はようやく先ほど負傷したダガーフッドに追い打ちをかけ、一体倒した。

 

 

 

……激しい戦闘の末、四人は何とかアローフッド、二体のダガーフッド、そして得体のしれないサーベルを持った蛮族を倒すことに成功した。

 

遺跡を離れ、草むらに隠れて様子を見たが、それ以上の蛮族たちは中にいなかったようだ。

 

危なかった。リオンはあのあとも何故かよく攻撃を受け、戦闘の最後に気絶してしまっていた。その後すぐに残りの三人の攻撃で戦いが終わったから良いようなものの、本当に死亡しかねないところだった。

 

チェルシーはレンジャーの力を使い、リオンに応急処置を施した。

 

「……っ!」

「あ、目が覚めた! 良かったよリオン!」

「……ほんとに死ぬとこだったぜ。ありがとな、チェルシー。命の恩人だな」

「ううん! なんだか、いきなり大冒険になっちゃったねっ」

「違いねえ!」

 

チェルシーとリオンは笑い合った。

 

「……テディさんは? チェルシー」

「遺跡のなかを、ちょっと調べてくるって」

「まあ、テディさんのスカウト技術なら、一人の方がいいかもしれねえな。……オレじゃまだまだ、足手まといになっちまいそうだ」

「あ! 戻ってきたです、ますたー!」

 

テディが遺跡のなかから出てきた。

 

「……お宝は、あの得体のしれない蛮族が持っていた腕輪くらいだなぁ。中は、何も無い<大破局>で潰れた昔の家だったよ」

「ええ……あんなに危ない目に遭ったのに!」

 

ぶぅう、とチェルシーが頬をふくらませる。

 

「まあ、だけどこれで、魔動死骸区の近くの遺跡を蛮族の拠点にさせずに済んだんだ。新しい遺跡としての調査もこれで終わったし、お前ら、初めての冒険にしてはよく頑張ったよ。俺から報酬は出させてもらう」

「ええっ、ほんとに!? テディさん」

「ああ。それから、この腕輪は、そう高いものじゃなさそうだが、何かの効果はあるかもしれない」

「それなら……チェルシーにあげてくれませんか、テディさん」

「ありゃ。平等にジャンケンとかじゃ、なくていいのか?」

「命の恩人なんで」

「わたしのものは、ますたーのものなのです!」

「リオン。トット……」

「分かった、分かったよ。愛されてるなぁ、チェルシー。こういう仲間は、ほんと大切にしろよ」

 

ぽん、とテディはレプラカーンの少女に戦利品の腕輪を渡した。

 

「ありがとう、テディさん。それにみんな。……うん、仲間ってこんなにいいもんだったんだねっ!」

 

チェルシーは、はにかんで笑った。

 

「蛮族と、俺たち人族とが違うところっていったら、パーティを組んで仲間どうしになれることかもしれないな。それが無かったら、俺らの命もここで終わっていたかもしれん」

 

テディは草むらに倒れた四体の死骸を見つめ、ぽつりとそう言った。

 

「さあ、帰るぞみんな。今回の冒険は、完了だ」

 

日は傾き始めており、四人は早々に帰路についたのだった。




ボス戦 ダガーフッド×2 強いアローフッド×1(剣のかけら×1) むちゃくちゃ強いサーベルフッド(トットが魔物知識判定に失敗したため分からず。剣のかけら×3、トレジャーポイント1)
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