〜ゼファー〜
ああ、白ひげと楽しく飲んでいたのにどうしてこうなった。
目の前には敵意を剥き出しにしているエルフと黒髪。
赤髪は私怒ってますって顔をしながらこっちを見ている。
「ええと、なんだって?」
「私達の正義じゃ救えないってどういうことか説明してって言ってるの!!」
「ああ、そのことか。それはお前らが現実を見ないでガキの理想みたいな正義を掲げてるからそういったんだよ」
「取り消せ!!」
エルフは今にでも俺に飛びかかろうとしたが赤髪に押さえつけられた。
「落ち着いてリオン!話が進まないわ」
「私達が現実を見てないとは?」
「お前さんら闇派閥を生け捕りにしてんだろ?」
「それの何がいけない!罪を犯した者に罰を与えるのは当然だろ!」
ああ、間違っちゃいねぇ。
俺も前はそう思っていたしそうしてきた。
そんで大切なものを失ってしまったのさ。
「確かに間違っちゃいねぇ。普通ならな」
「どういうこと?」
「闇派閥の奴らは捕まったって何も思わねぇ。何故だかわかるか?」
俺がそう聞くと何も答えられなかった。
「オメェなら分かんだろ白ひげ」
「あん?んなもん怖くねぇからだろが」
「怖くない?」
何を言ってるのかわからないって顔をしている小娘たち。
「捕まったって少しの間牢屋にいればまたシャバに出て好き勝手できるって思ってんのさ。捕まるときも絶対に殺されないってわかってるからお前らが見回りとかしていてもなんとも思わない。今のオラリオは奴らにとっては楽園なのさ。盗みをしようが殺しをしようが捕まってもしばらくすればまたできる。そう奴らは思ってる」
きっとこの世界にインペルダウンがあれば少しは変わったのかもしれないが、なものねだりしてもしょうがない。
「「「・・・・」」」
小娘たちは何も言わない。
いや言えないのだろう。
きっと何回も捕まっては出てを繰り返している奴がいるのだろう。
「確かに罪を犯したもんに罰を与えるのは当たり前のことだ。そこは間違ってねぇけどよ、お前さんらが与える罰ってのはかるすぎんじゃねぇか?」
「それはっ!そうかもしれないけど、きっと改心して「悪人は改心なんかしねぇよ」ッ!?」
「人を殺して笑ってるやつが改心なんてするわけねぇ。あいつらが人を殺して思うのは罪悪感じゃなく快楽だ」
「かいっらく」
「人の道を外れて得られた快楽を知っちまった奴らはもう戻れねぇ。それを止めてぇならもう殺すしかねぇんだ。あんたらの掲げてる正義にはそれがねぇ。だから救えねぇって言ったんだ。本当にオラリオを思うんなら闇派閥の奴らを1人残さず殺すことだ。それが出来ねぇってんならオラリオは終わるぜ」
そう言って酔いつぶれたラウルを担ぎ白ひげと飲み屋を出ていった。
「待て!!」
飲み屋を出てすぐにエルフに止められた。
「なんだ?」
「貴方の正義とはなんですか?」
「俺の正義は家族を守ることだ。そのためなら俺は闇派閥の奴らを殺す」
そう言って俺はホームへと歩いていった。
〜アリーゼ〜
闇派閥を捕まえてくれた人にお礼を言いたくて探していたら私達の正義を否定された。
頭にきて店に入って問いただした。
この人からも正義の匂いがしたからきっと勘違いをしているのだと思った。
でも彼から言われたことは私達が無意識に目を背けていたことだった。
確かに何回も同じことで捕まる人もいる。
でもいつかは改心してくれると信じていた。
一時の気の迷いだからすぐにやらなくなると思いたかった。
でも現実は違った。
いくら捕まえても改心どころか更に過激になっていった。
前に捕まえた人が牢屋で言っていた。
「ここで我慢すればするほどここから出た時に得られる快楽が大きい。だから俺はあんたらに捕まったんだ」と。
あの時は何のことかわからなかったが彼の言葉でわかった。わかってしまった。
きっと私は人の綺麗な部分しか見ていなかった。
いや見ようとしなかったのだろう。
きっと彼は私より色んな物を見て色んな経験をしてきたのだろう。
でなければあんな悲しそうな顔をしない。
出ていった彼を追っていったリオンが帰ってきた。
リオンも彼の話を聞いて今まで掲げていた正義が揺らいだのだろう。
私も少し揺らいでいる。
どうすればいいの?何が正しいくて何が正義なの?
そんな考えが頭の中をぐるぐると回る。
「おい団長!」
「はっ!?」
輝夜に声をかけられて考えをやめる。
「さっさと帰るぞ。アストレア様も心配している」
「そうね。帰りましょう」
輝夜とリオンと一緒にホームに帰る。
「ただいま帰りましたー!」
「おう、お帰り。ずいぶんかかったなぁ。そんなに大変だったのか?」
出迎えてくれたライラにそう言われた。
「いいえ、私達が行ったときには終わってたわ」
「じゃあなんでこんなに遅いんだよ?」
「ちょっと話してたら遅くなっちゃって」
「はぁ?誰とだよ?」
「おかえりなさいアリーゼ、リューと輝夜も」
ライラと話しているとアストレア様が部屋から出てきた。
「ただいま帰りましたアストレア様!!」
私はアストレア様に抱きついた。
「うふふっアリーゼは元気、いえなにかあったの?」
いつもどおりにしていたのにアストレア様には気づかれてしまった。
「リューと輝夜もなにか悩んでいるわね?私に話してみて?」
きっとアストレア様ならこのモヤモヤを晴らしてくれると思い彼と話したことをアストレア様に話した。
「そいつの言ってることも一理あるな」
一緒に聞いていたライラがそう言った。
「しかしそんな暴論は正義とはいえない!!」
「おちつけポンコツ妖精。皆が起きるだろう」
「私はポンコツではない!!!」
リューと輝夜が喧嘩を始めてしまったが私はそれを無視してアストレア様に聞く。
「アストレア様はどう思いますか?」
「その彼が言っていることは間違いではないって私も思うわ。でも私はあなた達にそんなことをしてほしくはないとも思っているの」
アストレア様は微笑みながらそう言ってくる。
「けど現状そうしないと一般市民が守れないってのは薄々感じてはいただろう?」
「「「ッ!!?」」」
ライラの言葉に私達はビクッと反応する。
確かにそう思ったことはあるがそれは正義ではないと思いこむことでそんな考えを無理矢理押し殺してきた。
「ゼウスとヘラのファミリアがいた時はこんなことにはならなかった。それはゼウスとヘラのファミリアが怖かったからだ。あのファミリアに捕まれば生きてはいられないって恐怖があったから平和だったのさ。それなのにあの似非勇者たちが自分たちの欲で動いたおかげでその平和がなくなった。まったく、余計なことしてくれたぜ」
ライラはやれやれと首をふる。
「今日はもう遅いから寝なさい。それとアリーゼ」
「なんですか?」
「明日ロキのところに行ってその黒腕さんをここに連れてきてほしいの」
「いけません!!あんな男をここに呼ぶなど!!」
「でもリュー、私達の仕事を手伝ってくれたのだから主神としてお礼を言わないといけないわ」
「そっそれは!そうですが」
「大丈夫よ。彼はきっと悪い人ではないわ」
きっとアストレア様がいうならそうなんだろう。
「わかりました!明日連れてきます!!」
「お願いねアリーゼ。少し不安だからライラもついて行ってね」
「わかりました」
「それじゃアストレア様!お休みなさい」
「はいおやすみなさい」
まだ頭の中がもやもやしてるけどきっと明日になればはれると思い私は眠りについた。
〜ゼファー〜
白ひげとホームに帰ってきたら食堂でどんちゃん騒ぎになっていた。
ロキとポセイドン様は顔を赤くして笑いながら酒を煽り、他のメンバーは踊ったり酔いつぶれたりでもはやカオスとかしていた。
この状況を見た俺と白ひげは深いそれはもう深い溜め息をはいて見なかったことにして食堂を後にしたのだった。
白ひげ以外のキャラも出そうと思います
-
エース
-
ロジャー
-
ボンちゃん
-
バレット
-
シキ
-
おでん