Vividの二次創作   作:駆け出し始め

8 / 19
008

 

 

 

「助けて!ヘルプ!!もう無理ぽーーー!!!」

「お、落ち着くですはやてちゃん!

 いったどうしたですか!?」

 

 よくあることですけど、いきなりはやてちゃんが奇声を上げて頭を抱えだしたです。

 はやてちゃんは優しいし頼りがいがあるですけど、残念で駄目だめダメな所が結構あるですから、その分リインが頑張らないといけないです。むん。

 

「こ、これ見てやぁ……」

「えぇと…………………………はわわわわっ!?

 レ、レジアス大将が来るって……しかも4日後ですかぁ!?

 いくらなんでも急すぎですぅ!」

「なんでも本局が起こした騒動も治まったから、一度奇跡の部隊と言われとる六課に労いの言葉を掛けに来るっちゅうのが建前らしいで。

 んで、2枚目と3枚目の書類見たらもっとびっくりするで……」

 

 書類という段階ですご~く嫌な予感がしてたですけど、特に今はやてちゃんが言った書類からは呪いが漏れ出してるように見えるです。

 読みたくないし触りたくないですけど、我慢してちみっこさんの儘なので苦労しながら書類を捲って読むです。

 

「………………カ、カルラ医師もヴィヴィオの診察とはいえ来訪って……。

 しかも表敬訪問に騎士カリムまで来るって……」

「ほぼ確実にヴィヴィオの失った聖王の鎧を、カルラ医師が治療させるかどうかについての最終決定の場に使われるってことやろな…………。

 見てみい……それぞれのスケジュール……」

「えと…………騎士カリムとレジアス大将がはやてちゃんとそれぞれ12時ちょうどに内示に関する話し合いでブッキングしてるですけど、………………これってワザとですよね?」

99.9999%(シックスナイン)て言えるほどにそうやろな。

 ようするに、〔会議したいから場所貸せや〕、ってことやな。

 おまけにカルラ医師も12時ちょうどから会議室と繋がっとる横の部屋ででヴィヴィオの診察やで?

 トドメに、本来なら自宅療養中のカルラ医師の心身を気遣って、ヤバすぎるほどに強引に話を進めて実行するなのはちゃんの同伴を禁止して、代わりにシャッハを代理人にすることを陸と教会が言い出したらしいで。

 

 コレ………………なのはちゃんにどう伝えればいいんよ?……泣くで、ホンマに。…………私がやけど」

 

 はわわっ。はやてちゃんが途方に暮れて元気がなくなってるです。

 な、何か解決策を考えないと。

 

 ……う、う~ん…………う~~ん………………う~~~ん……………………あっ!

 

「はやてちゃんはやてちゃん! いっそのことその日はなのはさんとついでにフェイトさんも仕事で六課から外せば問題無いと思うです!」

「ソレは私も考えたんやけど、聖王の鎧どうこうは別にして、ヴィヴィオがめっちゃ深く関わるのは確実やろ?

 そしてそんな会話をヴィヴィオがなのはちゃんに隠し通せるとは思えんやん。

 なら、話の内容しだいじゃなのはちゃんがまた暴走しかねんで?」

 

 んと…………聖王の鎧自体は危険なものじゃないですし、むしろ危険から身を守れる便利なものですからなのはさんが怒るとは思えないんですけど………………………………、ああ、なるほどです。そのための騎士カリムなんですね。

 

「…………幾らカルラ医師でも、レリックウェポン化している最中にリンカーコアへ莫大な魔力を供給していたレリックが強引に破壊されて失われたレアスキルを復活させるにはデータ不足というわけですね……」

「そうやろな。

 そやから、多分そのために現在局が保有しとるレリックウェポンに関する全データをカルラ医師が閲覧するための許可申請と、ISって言う聖王の鎧に近いのを持っとるナンバーズを使って実験してからヴィヴィオの治療の成功率を上げようとすることの許可申請。

 …………多分これがカリム……っちゅうか教会の狙いやろな」

「当然ヴィヴィオだけの問題じゃないですけど、なのはさんはヴィヴィオのために誰かを犠牲にするのはやめてほしいと言って大反対するのは目に見えてるですぅ」

「んでその時最悪なのが、一番文句言いやすい相手と思ってカルラ医師に突撃かましたらもう目も当てられん事態に発展するで?

 なにせカルラ医師は准将待遇の一佐総相当権限の持ち主やし、なのはちゃんは既に十分すぎるほどそこを叩き込まれたんやから、カルラ医師が医師として行動しとる限りは個人に向けての対応という言い訳も通じんから、変な真似したら確実に次は無いで。

 しかも最悪通り越して災厄なのが、ヴィヴィオを脅して強引に治療を止めさせようとした場合やね。

 

 …………聖王教会でぶっちぎりの要人のヴィヴィオを脅して言うこと聞かせようとしたら絶対教会はキレるし、本局はそんななのはちゃんを保護者に任命した責任の押し付け合いで荒れるし、空は急いでトカゲの尻尾切りをしようとするやろし、地上は本局派のなのはちゃんを強引に陸に置いたことで本局を責めるやろし、私もなのはちゃんの上司として当然責任追及されるやろな。

 おまけにナンバーズを人体実験に使う云々は、ギリギリ合法ちゅうかむしろギリギリ犯罪ちゅう司法取引やろうから、なのはちゃんがそのことを大声で言えばベルカ以外の人は大激怒するで?

 何しろ犯罪者をベルカのために解き放てと言うとるんも同じなんやし…………」

「そして医師会はベルカがそんな危険なことにカルラ医師を巻き込もうとしたと、またすっごく怒るです。

 しかも本局が大嫌いで本局と仲が良い教会とも不仲で有名なレジアス大将が、地上の得にならなそうなことをするなんて普通は思えませんから、計画は教会とついでに本局が主導でやったとみんな思うですから、地上は味方をたくさん得て堂々と本局と分かれたりも出来るです…………」

 

 そうそう簡単にそんな事態にはならないと思うですけど、無視できるほどありえないわけじゃないのがすっごく困ったさんですぅ。

 なんとかなのはさんの暴走を抑える方法を考えないと…………って駄目です。相手の秘密を全部知ってから付き合うのがスタイルのなのはさんが、ヴィヴィオの隠し事を見逃すとかありえないです。ようするに無理です。無茶じゃ無くて無理です。むしろ不可能と言えるかもです。

 

 …………なら、いっそのことなのはさんが暴走しても大丈夫なようにするには……………………どこかに閉じ込めておくのは無理ですし、デバイスを取り上げるのも無理ですし、…………………………う~~~ん、………………………………う~~~~ん、…………なのはさんが暴走した時に直ぐ抑えられないから悪化するなら、なのはさんが暴走しかけた時に堂々と抑えられるようにしておけば問題ないですから、………………なのはさんより上の存在を用意すればバッチリです!

 

「はやてちゃんはやてちゃん!フェイトさんをなのはさんより上位の保護者にして、万が一と言うか万の九千九百九十九でなのはさんが暴走しても無視できるようにしたらどうです!?」

「ナイスアイデアやリインッ!

 幸いカルラ医師相手に暴走した前科もあるから、その辺を突けば割と簡単にフェイトちゃんをヴィヴィオの上位保護者に出来るで!」

「あ、でもでも、なのはさんがフェイトさんを脅したら全部おじゃんになっちゃうです!?」

「そしたら脅迫罪で即刻取り押さえられてお終いや。

 それにフェイトちゃんも自分が脅されて簡単に意見を曲げてしもうたら、自分もなのはちゃんもヴィヴィオの保護者から引き摺り下ろされるのは分かっとるはずやから、理詰めで説き伏せん限り意見を曲げたりせんはずや」

 

 それでもなのはさんには絶対服従の上に豆腐なメンタルに加えて、明後日の方向に超解釈して場を引っ掻き回す天然なフェイトさんだと、簡単に万が一が起きそうで怖いです。

 スカリエッティ(容疑者)の口撃で行動不能アンド自力回復不可能に陥るなんていう万が一がつい最近あったですから……。

 

「ああ、うん。リインが何を心配しとるかは良お分かるけど、いくらフェイトちゃんでも事前に迂闊なことしたら被害が自分だけやなくてなのはちゃんとヴィヴィオにまで飛び火するて知っとれば、流石にここ一番での挫折者とか言われとるフェイトちゃんでも大丈夫やろ」

「ここ一番での挫折者って…………初めて聞いたですよ?」

「そら私の中でしか使っとらんもん」

「…………多分フェイトさんが聞いたら泣くですから、言ったらだめですよ?」

「は~い」

 

 この前訓練後にエリオと一緒にお風呂に入ろうと誘った時、エリオが真っ赤な顔で断った瞬間にこの世の終わりの様な顔になってたですし、他にも過剰なスキンシップをエリオが恥ずかしがって拒むたびにその後半泣きで子供との接し方についての本(幼児編)を読んだりしてるですから、実はフェイトさんかなりポンコツだったりするですから気を付ける必要があるです。

 まあ、はやてちゃんも仕事が忙しくて半泣きになったり、変なことして叱られては半泣きになったりしてるですけどね。

 

「さっ……てと。方針も固まったことやし、時間も無いから急いで準備しよっか?」

「ですです。

 ……あ、でも、結局なのはさんは当日六課から離しておくですか?」

「それが良いやろな。

 そんでフェイトちゃんに上位保護者になった云々の話は、前日になのはちゃんが出張してからで、ヴィヴィオに話すんもその時にするわ」

「分かったです。

 あ、後、当日護衛で誰が来るですか?」

「レジアス大将とカルラ医師に、ゼスト二佐……やなくて一佐に、クイントさんとアルビーノ一尉のどっちかやね。

 んで、カリムは六課に来るまではシャッハが護衛で、六課に着いたらカリムの護衛は六課持ち……と言うか私で、シャッハはヴィヴィオに着くって寸法やろね。

 

 あ、それとクイントさんとアルビーノ一尉はどっちも一尉1やから、同じ一尉のなのはちゃんや一尉扱いのフェイトちゃんよりは上やから、そこんとこ気をつけてな?」

「分かったです。

 …………でも…………奇跡の部隊とか言われていても、隊長陣で昇進した人が一人もいないのは改めて考えると一般の人達からは変に映りそうです」

 

 上司の命令に従って行動したフォワードは全員昇進してるですけど、レリック追跡してたらスカリエッティに遭遇したと言い張る隊長陣は地上の偉い人達から凄く文句言われたですし、結果を出して有名になってなかったら勲章どころか懲戒解雇通知を貰ってたはずですから、文句を言えたりはしないですけど…………殆どとばっちり状態のロングアーチの皆さんには悪いことしたと思うです。

 

「地上所属に拘わらず地上の通知を屁理屈同然で無視した挙句、現場離脱命令も敵の攻勢が激しくて離脱も叶わないとか舐めた言い訳や押し問答して事件が終わるまで引き伸ばしたりしたんやから、世間に気を使って勲章貰えただけでも望外の幸運やろな。

 

 …………本局に教会に世間の評判が無かったら、最低でも私は懲戒解雇の上にスカリエッティと共謀して局の戦線を混乱させたとか言われて一緒に軌道拘置所に行っとったやろな。

 まあ、普通なら隊長陣と八神家全員とグリフィス君も同じ感じで軌道拘置所行きやったろな」

「……今考えると無茶苦茶だったですね~」

「頭に血が上っとった上、なのはちゃんとフェイトちゃんの意気込み当てられてとんでもない判断を下してしまったんは、……ホンマ…………切腹級の失態やったわ………………」

 

 はわわわわ。また落ち込ませちゃったです。

 実際にその通りですからフォローは逆効果ですから、急いで話題を変えるです。

 

「と、ところで騎士ゼストは昇進したみたいですけど、魔導師ランクも更新されたりしたですかね?」

「あ、ああ、しっかり更新されとるで。

 何と驚きの空戦SS+で、時間と設備を整えて審査上限を向上させたらSSS-にも十分手画が届くて言われとるし、カートリッジを使えば瞬間的にやけどSSS+に到達するっちゅう、名実共に地上最強の守護者や」

「く、空戦SS+って………………下手したら六課全員でもやられちゃうですよ!?

 しかも推定SSS-って…………相性もあるですけど、アルカンシェルを搭載してなかったら艦隊に匹敵する戦闘力ですよ!?」

「間近で戦いを見たヴィータが言うとったけど、[タイマンなら万分の一も勝ち目無えだろうし、リインとユニゾンしても万分の一あるかないかで、八神家総動員でも十分の一には届かねえだろうな]、らしいで。

 

 いやはや、伊達や酔狂で現ベルカ最強と謳われたり、王の称号を贈られたりしたわけやないんやな」

「でも、結局その称号を拒否したんですよね?」

「そうや。

 なんでも、[所詮信じる者の命を受けて敵の只中で武を揮うことしか能が無い身。誰かの道標となるには余りにも矮小に過ぎる。故に過分な称号は頂けん]、って言うて、結局上級騎士の儘っちゅうわけや」

 

 シグナムが聞いたらベタ褒めしそうです。そして試合を申し込みに行きそうなのが目に浮かぶです。

 まあ、[互いに所属が違う局員にも拘らず迂闊に模擬戦をすると下に示しがつかない]、って言われてまた拒否されると思うですけど。

 

「……ところではやてちゃん。はやてちゃんは上級騎士にはならないですか?」

「無理無理無理無理。

 よっぽどの功績を成し遂げるか、よっぽどの武を示すか、よっぽどの尊敬を集めるかのどれかは必須なんやで?

 しかもカリムみたいに戦闘力を考慮されずに上級騎士になれるんは凄くレアで、普通はシグナムかヴィータに完勝できるくらいの戦闘力は求められるんやで?

 それに戦闘力を考慮されとらんカリムだって、相性もあるやろうけど私やったら完勝できるくらいの戦闘力があるから戦闘力を疑問視されずに上級騎士に成れたんよ。

 

 それに上級騎士は基本的に成ろうと思って成るもんやなくて、一種の勲章みたいなもんなんよ。

 それと上級騎士は人格とかの審査も凄く厳しいんやけど、認められるとソレは聖王教会の最高責任者……つまり教皇がその人の人格を認めたっていう証明にもなるから、ベルカ関係じゃ殆どフリーパスになったりする凄い称号やし、立場的には大司祭と同等以上やから、ベルカじゃ何処行っても尊敬されるで。

 ちなみに大いなる騎士って言う意味の大騎士がもう一段階上にあって、授与難易度は教皇よりも上とされるくらいなんやけど、ゼスト二佐……やなくて一佐は一足飛びで王の称号を贈与されたんやけど断ってもうたから、王どころか大騎士の称号も持って無いってわけや」

 

 知れば知るほど騎士ゼストはとんでもないです。

 

 後、人格が審査基準になるんでしたらはやてちゃんには無理ですね。

 スキンシップでセクハラやパワハラに走るですから。

 

「…………半笑いで納得顔なのが凄く気になるところやけど、まあそれは措いとくとして…………、そんな凄い上級騎士のゼスト二……やなくて一佐がレジアス大将の下から頑として離れようとせんから、結果的にレジアス大将も上級騎士の方が傅くということでベルカじゃかなり評価されてたりするんよ。

 しかも二人は士官学校からの親友で、今でも何処かのBARで乱闘寸前の白熱した議論を交わした挙句酔い潰れては、カルラ医師とオーリス二佐に雷落とされてから回収されたりしとるそうや」

「一気に親しみが湧くエピソードにびっくりです」

「ちなみにオーリス二佐のショタコンかオジコンンの両極端と言う噂は、雷落としはしても微笑みながらゼスト一佐を介抱したり、レジアス大将を運ぶカルラ医師を異常なまでに気遣うところからきとるんよ」

「オーリス二佐の趣味は興味無いですけど、エリオより小さいカルラ医師がレジアス大将を運べるというのは普通にびっくりです」

「いや、たしかにカルラ医師が医療系以外の魔法は正真正銘何一つ習得し取らんのは有名やけど、患者が暴れたりせんようにする拘束や、野戦地で手術する際に手術台代わりに患者を浮遊させ続けたりとか、そういう医療器具の代用魔法とかなら習得しとるからレジアス大将も十分運べると思うで」

 

 …………なんだか紐状のバインドでぐるぐる巻きにされたレジアス大将が引き摺られて運ばれていく光景が目に浮かぶです。

 …………って、セクハラやパワハラしてシャマルに回収されてるはやてちゃんそのまんまです。

 

 

「うんじゃ気分も十分に晴れたし、仕事に戻るとしよか?」

「はいですっ!」

 

 やることは山積みですけど、前みたいに終わりに向かっての仕事じゃなくて、未来に向かって仕事してると思うと元気も出てくるです。

 

 

 さて、それじゃあせめて食堂でおいしい熱々のの夕ご飯が食べられるよう、ここからはアクセル全開でがんばるです!

 

 

 

 







【一尉1について】


 旧日本軍には大尉1~2、や、大佐1~3が存在し(自衛隊には一佐1~3のみ)、それに倣った設定です。

 同階級での役職区分であり、緊急時の指揮権継承等も数字の若い方が高かったりと設定しています。
 尚、本来ならば一等一佐や二等一佐等の表記が正しいのですが、それだと、堅苦しく表記する際に一等一等陸佐の様に誤字っぽく見えますので、階級の後ろにアラビア数字を付けるという様にしています。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告