運がいい人が飛ぶと……   作:空を飛びたいチキン野郎

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お、ま、た、せ。

ゲート見てたら遅くなったぜ


ファースト・ライブ【5】

 突如宇宙へと現れた8つの黒色流星。それは惑星の空へと降下してくるとさらにいくつか分離する。そのまま分裂したゴーストは自由自在に空を飛び回り更なる混乱を生んだ。

 

「これは──妨害電波!? 全ジグナスオフライン!」

 

「っく、やっぱりこっちの事は研究済みか」

 

 マキナの報告にらしくない余裕のない表情を浮かべる美雲。それもそうだろう、ジグナスと呼ばれる装置の役目はフォールド波の増幅、およびそれの含まれた歌の拡散にある。これが無効化されてはワクチンライブの意味を成さない。

 

「このままだと、危険」

 

 それにジグナスはワルキューレにとってのシールドとしても機能していた。これが無くては危険を防ぐことなど出来ない。

 

「カナメ! 予備のプランはまだ!?」

 

「まだ肝心の彼が遠いから無理! もぉ、ヒビキ君はなにやってるのよ!」

 

「はわわわわ」

 

 こうのような状況に至った場合に備え、準備していた奥の手もその本人が不幸な事に遠くの空を飛んでいた為に到着まで時間がかかる為に現状では不可能。そして不幸な事とは連鎖するもので────

 

「ッ! ミサイル!」

 

 アンノウンの一機がミサイルを放出、彼女らへと降り注がんとこちらへ向かってきていた。防ぐ手段も無く、避けようにも範囲が広過ぎてそれも無理。もう駄目かと思われたその時、救いの手は現れた。

 

【全機、ワルキューレと市民を守れッ!】

 

 4機のバルキリーが、デルタ小隊の面々が駆け付けつけてくれたのだ。

 

 駆け付けた各機はガウォーク形態へ変形すると背部に取り付けられたビームガンポットとレールマシンガンを展開、ミサイルを次々と撃ち落す。

 5機のヴァルキリーが撃ち出す集中砲火の火力は圧倒的なもので、ミサイルからの防衛は成功した。だが、彼女達の求める物を乗せた機体が足りない。

 

「アラド隊長、ヒビキ君は何処に!」

【アイツは厄介なのに絡まれてるから今は無理だ。メッサー、ミラージュが援護に行ったが荷が重そうだ、行ってやれ!】

【了解】

 

 カナメの問いに応えるアラドの声からは焦りの感情が読み取れる。1番空戦の腕が立つメッサーを援護に行かせるあたりらそれほどの強い相手────そうカナメは考えそしてすぐさまに合流出来なかった事に納得する。

 アラドの指示によってメッサー操るVF-31Fがその場から飛び立ち数秒後、彼が現れる。

 

【どうもぉー、遅れてすいませーんご注文品をお届けに来ました】

 

 こんな非常時だと言うのにいつも通りのふざけた態度、だがその声からはいつも感じさせていた余裕を一切感じない。機体には所々に何かが掠ったような大きな傷もあり、武装に至っては両腕のレールマシンガンや二丁装備していたはずのガンポットが姿が消失し、それぞれ装着されていた部位には爆発痕が残っている事からやはりそれほど苦戦する相手なんだろうと読み取れた。

 

「ひ、ヒビキ君大丈夫?」

 

 思わず心配の声をかけるカナメであったがヒビキはなんともないと言わんばかりに手を振るばかりで明確な答えは出さない。弱音を素直に吐来出すなんとも彼らしくない行動だ。

 

「そ、そう。無理はしないでね?」

 

【了解しましたカナメさん。そんじゃレイナにマキナ、コントロール任せた。りんごちゃんビーナス展開!】

 

 機体の上方の装甲がスライド、中からミサイル状の何かが飛び出した。それは空中で変形、プロペラを展開するとその場をホバリングし始める。

 

「任せて。ビーナス、プログラムオンライン」

 

 次々と地面へ伏していた装置達がまるで息を吹き返すかのようにゆっくりと空中へ浮かび、光を灯していく。

 

「ジャマーの無効化、ネットワークの再構築完了、いける」

 

「ジグナス再始動! さぁーキャワワな子達、また頑張ってぇ!」

 

 マキナの操作に息を吹き返したジグナス達はまるでワルキューレを守る守護騎士のように彼女らの周りを旋回し始め、動き出す。

 

【安定起動確認、よし! そんじゃ追加のジグナスは置いてくから後はよろしく。メッサー交代の時間だ、デルタ6戦線復帰する!】

 

 彼の機体はクルリとファイターへと変形してメッサー達が戦っている空域へと飛んで行く。

 

「なんだか今のヒビキさん、怖かったぁ」

 

 後に残ったのはそんなフレイアの嘆きに近い呟きだけだった。

 

※※※

 

 始まりは突如だった。

 

「接近警報? レーダーではまだ遠い筈だしそこに写ってないとしたら……まさか────ッ!」

 

 上!? 

 

『────』

 

 幻聴にも似た声が頭の中で響き、唐突に背筋を急激に冷やす冷たい感覚が走る。それに対して物凄い嫌な予感がした俺は反射的に操縦桿を思いっきり傾ける。機体はその操作に応じ、大きくロールした直後────

 

「うぉ!?」

 

 ────眩しく輝く閃光がキャノピーギリギリを走った。周りを見ても機影を確認する事はできず、レーダーにも反応はない。正体不明の攻撃を覚悟して飛ぶしかなかった。

 

 

 

 あ、危ねぇ……まさに間一髪だぜ。コンマ一瞬でも遅れていればアレが直撃していたと確信できるほど恐ろしく正確な照準、掠ったキャノピーの溶け方から考えるに攻撃の状態はビームだろう。だったら威力と大気による減少を考えるに敵機は近くにいる訳で────って、ステルスかよ!? 

 

「視認不可の相手とか先生聞いてませんよ!」

 

 落ち着いている暇もなく、ロックオンの警告がなり始めると合わせてガウォークからファイターへと変形し、ビームをばら撒きながらもエンジン出力を限界一杯まで上げて空を飛んだ。敵機が視認できない以上レーダーが頼りだがそれも無効化されてる現状打つ手無し……どうしたものか。

 

「不完全なステルスなら相手にした事あるけど完全なのは無理ポッ!」

 

 ロックオンの警告が再度鳴り響き、ビームの雨が後方から襲ってきた。

 右往左往に飛び方など気にせずランダムに回避するが、全てを避け切る事が出来ない……ってか、さっきから掠ってる。奴さんめ、こっちの動きを読んで誘導してやがるな? 

 

「面白れぇ、ならその優位性を剥がしてから相手してやる。りんごちゃん!」

 

【熱源と斜線のパターンから敵機のCGデータを作成……完了。投影、開始します】

 

 気を利かせたりんごちゃんによりキャノピーに映し出されるのは三機の機影。恐らくこのうちの二機がゴーストブースターだろうな。

 

「まぁ、問題ない。いや、ゴーストまで完全ステルスなのは問題大ありだけど敵機が見えるだけまだマシ、やってやろうじゃねぇか!」

 

 限界一杯に振り絞った出力をそのままにピッチアップによるループを開始。このままだと世に言うクールビットで終わる起動だがここは可変戦闘機、それだけで終わるはずがない。丁度機首が真上を向いたタイミングで足を展開、逆噴射。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

 体に負担がかかってクソッタレに痛いが関係ねぇ、これが必殺高速度超小範囲ギャラリーじゃボケェ! 

 そのまま敵機の後方を取った俺はそのまま食らいつく。

 

 

【────】

 

 

 そして、同時に頭の中に声が響いた。

 

 

※※※

 

 ミラージュがそれを目撃したのは偶然だった。

 

【もらったぁぁぁぁ!!!】

 

 通信機越しに響くヒビキの声。いつもの騒がしいだけの声をかと思いきや、その声色に彼らしくない焦りが感じ取れた。

 

「ヒビキ中尉?」

 

 レーダーの反応で彼の飛んでいる場所は意外と近いと思い、彼の飛んでいる方向へと目を向けると丁度そこには衝撃的な光景があった。

 

「な!?」

 

 確かに見えた4つ閃光。彼の機体に降り注いだそれは機体に搭載されている武装に吸い込まれるように直撃、複数の爆発を起こす。

 

「ッ!」

 

「どうしたミラージュ、何か「デルタ4、デルタ6の援護に入ります!」

 

 しかし、それは彼の飛び方から考えるにありえない事だ。

 信じられないとハヤテの声も振り払い、私は気付けば操縦桿を傾けて彼の飛んでいる空域へと機体を向けていた。

 これまで彼とは何度も何度も模擬戦を経験したが彼が被弾するのは滅多になかった。例えハヤテにチャック中尉を加えた3対1の状況で集中砲火を受けたとしても、無茶苦茶な回避起動で避けてみせる勘の良さと常に運を味方に付けていた。だが、なんですか先程のアレは! 

 

【こな、くそッ!】

 

 苦しそうな声と共に唯一無事だった頭部のビーム砲が放たれら何もない空を撃ち続けそして────当たった。

 

【ラッキーッ】

 

 ラッキーショットを繰り出した彼は誘爆寸前だった武装を放棄、ファイターで仕切り直しを測るようで私の方へと飛んできた。そしてそのラッキーショットを受けた機体は虚無の空間から煙が吹き出しながらその正体を表す。

 

「光学迷彩!?」

 

 虚無の空間から姿を表したのはアル・シャハルで遭遇したアンノウンと同一機体。しかし異なる点がありその機体色は黒ではなく真っ白、汚れを知らない純白と言う感想を抱かせた。

 

【ミラージュ少尉注意しろ、奴さん自分の機体だけじゃなくてゴーストまで不可視にしてやがる。今解析データを送った、参考にしてくれ】

 

 送られたデータを有効してみる。するとキャノピー全体に敵機の姿が映り込み、ロックオンのアラートが鳴り響いた。

 

【デルタ4、4時方向!】

「ッ!」

 

 虚栄かと一瞬でも疑ったのがダメだった。機体を大きく傾けるが遅く、右翼へと直撃し機体を大きく揺らす。その衝撃で機体は大きくバランスを崩したようで墜落警報のアラートが鳴り響き、キャノピーから見える景色は回っていた。

 

【デルタ4大丈夫か!】

 

 彼の声が響き、心配する気持ちが伝わるが幸運な事に怪我一つ追っていない。どうやらメインモニターに映る表示を見るにエネルギー転換装甲が働いたようだ。

 

「だ、大丈夫です。機体にも問題はありません!」

 

 推力を上げてガウォークへ一旦変形、バランスを取り戻すと再度ファイターへ変形して回避起動をとる。彼は私のカバーに入っていたようでミサイルをチャフのようにばら撒いて敵機を近づけまいとしていたようだ。

 

「すいません、油断しました」

 

【仕方ねぇ、あのデータを見たら誰でも一瞬は固まるさ────ッ

 !? デルタ4ブレイク、ブレイク!】

 

 休む暇も与えない不可視の攻撃。純白の機体は悠々と空高く私たちを見下してるかのように飛び、それでも不可視のゴーストと思われる機影が私達へ襲いかかる。

 

【全機! ワルキューレを守れ!】

 

 そんな中アラド隊長から命令が下るが今の状況、自身の身を守るだけで手一杯で駆け付けられる余裕もない。

 時々入るヒビキ中尉の指示を参考にしながら回避起動を取りながら私は通信を繋げる。

 

「こちらデルタ4、現在デルタ6と共に正体不明の光学迷彩を施したステルス機体と戦闘中、援護を求む!」

 

【不可視のステルスだぁ?!】

 

 アラド隊長は私の報告に一瞬戸惑ったようだけど、ヒビキ中尉のデータを一緒に送ったお陰で状況を理解してくれたようだ。

 

【わかった、今からメッサーを送る。デルタ6の予備が必要になったから戻らせるが何とかなりそうか?】

 

 ヒビキ中尉の予備、恐らくカナメさんがミーティングで言っていた試作品として開発されたジグナス用サポートメカであるビーナスの事だろうか? 

 

「はい! 何とかしてみせます」

 

 だったら早く送り出さないとワルキューレが危ない。そう判断した私はアラド隊長は不安そうな表情を一瞬浮かべるも、私の考えは伝わったようで真剣な表情へと戻る。

 

【よし、聞いてたなデルタ6。オンステージだ!】

 

【マジですか、カナメさんの予想ドンピシャかよ……本当に大じょじょじょじょ────って危ねぇ! 直撃するとこだった】

 

「私は大丈夫ですから、早く皆さんの元へと向かってください」

 

 これでもヒビキ中尉のお陰で教科書道理の飛行を行わない、常識外の相手をするのは慣れてますし不可視の有効性が無くなった今、ただのステルス相手に苦戦する訳にもいきません! 

 ヒビキさんは一二言、早く戻ってくると言い残すと、ワルキューレの元へと飛んで行った。

 さぁ、私ここからが正念場ですよ。気合を入れて

 

「あ、無理そう」

 

 ────全方向からのロックオン警告。こ、こんなのを一人で避け続けていたんですかあの人は……メッサー中尉、早く来てください! 

 そう思いながら私はマニューバを続けるのであった。




【それ行け! 空中騎士団ッ!!! (オマージュ)】

これは惑星ウィンダミアのいつもの場所で起こるいつもの物語。

「ボーグ様!」「ボーグ様!!」

「何だテオにザオ、初登場から騒々しい」

「とうとう私達空中騎士団の登場ですね!」「胸がムネムネ、興奮が抑えきれません!」

「テオ、ルンが光って眩しいぞもう少し感情を抑えろ。あとザオ、何だムネムネがムネムネって、表現が独特過ぎるぞ。それと二人とも、何だそのルンの動きは、触手のようにウネウネと動かすんじゃない。」

「しかしポット出の奴に出番が奪われたのは我慢なりません!」「本来ならボーグのミサイル攻撃が光るシーンだったのにッ」

「いや、無視かよ……結局あれはあまり効果が見込めなかったものだから別にどうでもいい事なんだが、何故そんなに悔しがってるんだ?」

「どうでもいいだなんて!!」「そんな事ありません!!」

「うぉ、ビックリした」

「そもそもボーグ様の魅力は本編のような噛ませキャラのようは立場では────」「創業180年以上、ユッシラ商会の総力を上げて制作会社へ向けてこれに抗議を────」

後のボーグは語る。ガチ勢に権力を持たせるとろくな事にならない…っと。

美雲が相談するとしたら誰?

  • ハヤテ&フレイア
  • カナメ
  • マキナ&レイナ
  • ヤベー奴(ヒビキ本人)
  • アラド&ミラージュ+メッサー
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