運がいい人が飛ぶと……   作:空を飛びたいチキン野郎

5 / 23
幸運は飛んで歌姫と―――出会えたらいいなぁ

「うわぁ、単発機なんて久しぶり見たぞこの野郎」

 

 機体の正体は不明だけどあんな機体初めて見たぞ……今時珍しい機体だ。だけど軽く分析ソフトにかけてみたら単発機と侮るなかれ、機体性能はかなり高いみたいだ。

 

「すげぇ、どっちの機体も腕が良い……綺麗だ」

 

 VFー31で構成されたあの小隊、多分エンブレム的にデルタ小隊と思われる小隊はアンノウンとの戦闘を開始。俺は遠くからその光景を見るしかなかったんだけども──

 

「一機こっちへ来る!?」

 

 敵機は戦線を離脱、こちらへとロックオンの音を響かせ急速接近してきた。マジかよマジかよ、こちとらさっき5機同時に相手してヘロヘロなんだぞ! 

 

「勘弁してくれ!」

 

 直ぐに戦闘機動を取った俺は敵とコンタクト、ヘットオンの形で向き合う事となる。敵機は容赦なくガンポットで俺へとぶっ放してくるが当たらねぇ! 回避機動を挟んだ飛行をしている為に偶に掠りそうにはなるものの直撃はない。機体照準を敵機へと合わせガンポットを一撃必殺のバーストモードへと切り替る。照準をよく絞り敵を十分引き付けたのちに──発射。

 ビームは敵機を捉え進むが──

 

「な、なに!?」

 

 敵機は両端に接続されているブースターを別方向へと向かせそれを回避、俺の後ろへと飛び去った。マジか! 今の距離で発射したビームを避けるだなんて人間じゃねぇ! 

 機体を反転、すぐに追いかける。敵機は湾地区のクレーンのアーム下を器用扱い、対空防御をしているシャイアンIIのミサイルなどを退けそして撃破。そして多数のミサイルをばら撒いた。

 

「ってヤバ!?」

 

 ミサイルの向かう先には何か明るい場所が見える。恐らくあそこでワルキューレが歌ってるんだろう、そう分かった俺は機体を増速させる。

 まだ遠く当たるかもわからないとわかっているものの無意識的にガンポットと背部砲塔そして、高速機関砲でミサイルを迎撃する。多数のミサイルが俺の繰り出す攻撃に撃ち落とされて爆発するがすべてを迎撃する事は出来ず光る何かに直撃を許してしまった。

 

「クソがぁ!」

 

 最悪の可能性を想定しながらそのままのスピードでミサイル群が直撃した場所へと急ぐ途中、またも視界がゆっくりとなってそしてカメラで捉えている光景を認識する。赤い髪をしている人に銃口を向けるリガード、緑色の子を抱えビルの屋上から落ちていくピンクの子の姿を。

 

「ちょっせぇッ!」

 

 高速移動を行いつつも足を前に出して急減速、それによって急激なGが体へと押しかかり悲鳴を上げるが関係ない。ガンポットで流れるようにリガードをぶち抜き、回るように横移動。落下中の二人を開いている左手でキャッチ。衝撃が伝わらない様にしながらも俺はそのままビルへと激突した。

 

「っがは!」

 

 その衝撃はすさまじく、正直体痛すぎてヤバタン。

 

「って、痛みに構ってる暇ねぇ、二人は!」

 

 左手をすぐさま確認するとそこには無事だったみたいで二人の女の子が座り込んでいた……ってアレ? 

 

「レイナ? マキナ?」

 

 見覚えってか、思いっ切り知ってる人を助けた事に驚き頭が真っ白になっていると何処からともなくまたも歌が聞こえて来た。

 さっきと同じで何かを感じる歌だ。

 

 二人は俺に気付いてないのかすぐに左手から降りるとさっき助けた赤い人と合流して飛んで行ってしまった……マジであの二人何してんのってか知り合いだったの? 

 様々な情報が混濁して俺の思考をかき乱すが……それよりもまず。

 

「あんにゃろぉ、やりやがったなぁッ!」

 

 あの野郎にやり返すのが先だこらぁ! 

 ファイターへ変形、そして空を飛ぶ。アイツはまだ近くを飛んでいるようでレーダーではその存在を確認できた。

 

「待てゴラァあああああああ!」

 

 ガンポットと残り少ないミサイルを遠慮なくぶっ放し敵を追撃する。逃げる敵機のケツを追いかけ、そしてぶっ放しまくるけど当たらねぇ! 

追撃を続け空中戦を繰り返している途中、敵機はブースターを切り離した。そのブースターは──翼を広げた。その姿はフロンティアにいる頃、同じ部隊の人間が好んで使っていた無人戦闘機にそっくり──って。

 

「ブースターがゴーストに変形するってマジかよ!?」

 

人間が乗っていたら到底不可能な軌道で飛び、そして俺へと攻撃を始めた。

敵機はゴーストを置いて遠くへと飛び去ってしまうが俺はそっちを追いかける事は出来ない。無人機であるゴーストは手ごわく、そして俺はシュミレーターでも一回も勝てた事どころかミサイル一発当てた事もない相手。

 

「だけどッ!」

 

過去、ギャラクシー船団が放って来たシュミレーターよりもさらに厄介なゴーストを何機も撃墜したことのある俺なら何とかなる……かも?

ミサイルは品切れなのでガンポットをぶっ放し敵を誘導、対人戦等なら出来ない方法だがコンピューター相手なら!

 

「うぉぉおおお!!! できるんだなぁーーーーこれがぁぁあああああ!」

 

バトロイドモードへと変形し背部ビーム砲を展開、狙いを定め―――ぶっ放す!

ビームはミサイルとビームをまき散らす一機のゴーストの胴体を貫き爆散。もう一機のゴーストもその爆発に巻き込まれてセンサーがイカれたんだろう、動きが鈍った瞬間を狙い俺はガンポットのバーストモードでぶち抜いた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……疲れた」

 

ファイターモードになり空を飛ぶ。疲れた、正直もう無理。喉がカラカラとなって水を求めたいが今はその時ではないと欲を抑え、回りへと目をやる。暴動によって火は広がっているが目に見えて鎮圧されつつあることも分かった。

歌が聞こえる事からワルキューレはあのミサイルを凌いだんだろうマジでよかった。

空を悠々と飛びあの敵を再度増やそうと思ったが――――歌が聞こえた。

 

その方向へと目を向けるとそこには新統合軍のVFー171が飛んでいた。どうやら被弾しているらしく煙を引い空を飛ぶそれは、地上で歌っているワルキューレの様に何か感じるモノがあった。

無意識的んいそれへと近づく俺は見てしまう――――その機体へと迫るビームが。

 

「マジか!?」

 

背部に直撃したらしく羽やエンジンが捥がれ機体は落下。このままだとあの機体に乗っているパイロットの命は――ない。

エンジン出力を上げ機体を増速させ近づく。スピードはかなり早いが何とか追い付きバトロイドへと変形、受け止めることが出来た。

 

「大丈夫か!」

 

パイロットへと呼びかけ無事を確かめようとし―――って。

 

「マジか!」

 

その刹那、俺は覚悟した。視界の隅に映るのはあのゴースト。あのゴーストが明らかに俺を狙い攻撃体勢へと入っている。

今の状態だと避ける事も出来ずに撃墜されるだろう。そのことが直感的に分かった俺はせめてVFー171に乗っているパイロットだけでも助けようと受け止めた機体を空中へと再度投棄、腕をクロスするようにコックピットを守った。しかし――敵の攻撃は結果的に来なかった。

敵機は攻撃する直前にデルタ小隊の者に撃墜されて爆散した。それを認識した直後投棄した機体を探すとすぐに見つけることができた。どうやら他のデルタ小隊の機体があの機体を受け止めているようで危険は去った様子。

 

「よ、よかったぁラッキ~~」

 

俺は安堵し油断しかけたが直後、まだ戦闘中だという事を思い出しレーダーを確認する。そこには撤退していく敵機と増援される味方機体の反応が見てとれこの戦闘の終わりを告げている事が分かった。

 

「おわったぁ~」

 

今度こそ安堵で体の力を抜き、シートへと体重をかける。下を見ればあの機体を抱えてゆっくりと降りて行くデルタ小隊の機体が見え、俺も高度を下げ始めた。その途中、外部から通信が入る。

 

「こちらデルタ小隊所属アラド・メルダース少佐だ。YFー29のパイロット、聞こえてるか?」

 

ん? デルタ小隊?

聞こえる声から判断して中年ぐらいのおじさんだと思うど‥‥‥‥あれか? 俺へのお礼か何かでも伝えたいのかな? 

俺は通信回線を開き答える。

 

「こちらYFー29のパイロット、紫電 響鬼だ。そのデルタ小隊の人がなんの用ですかね?」

 

俺はいつも道理にちょっと喧嘩腰に答えると笑い声が響いて来た。な、なんで笑われたんだ?

 

「ハッハッハハ、マジでアンラッキーだった。銀河一不幸な男さんや、少し俺達とお話、しようや」

 

……この人元新統合軍のパイロットだな?

 

新統合軍でしか広まっていない俺の通り名を久しぶり聞き少し不機嫌となりながらも俺は、新たに来た機体の誘導に従い地上へと降りるのであった。

 

 




歌姫をまともに視認できた機会が安全確認ってヤバない?

あと主人公の機体はYF-29オズマ機の黄色をライトグリーンに変更しただけの機体です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。