運がいい人が飛ぶと…… 作:空を飛びたいチキン野郎
幸運なオーディション1
あの出来事から一週間、俺達は共に行動してる。理由は二つあって一つ目は傷ついた機体の整備だ。
「うぁ〜お、こりゃボロボロだな」
やっぱり準備運動なしでオーバースピードまで増速したのが悪かったらしくエンジンが修理を必要とするぐらいにボロボロとなっていた。でもその損傷も俺がマキナのお父さんから仕込こまれた知識で整備できる範囲内だった事と
二つ目はフレイアちゃんとハヤテをラグナ星へと送ると約束をしていたからだ。
どうやら二人にはラグナ星へと移動手段が無く、困っていたので俺が送ってやろうと提案したのが切っ掛けだったりする。まぁ、その後機体のエンジントラブルで飛べないとわかって一週間の足止めを食らったわけだけど。その最中で仲は深まったと思う。
ハヤテはあの時VFー171を操縦した時に空を飛ぶ喜びを知ったらしく俺が飛び方を教え、俺の機体に搭載されてあるシミュレーターで遊ばせたりした。フレイアちゃんはフレイアちゃんでリンゴが好きらしいのでレイナが好きだった特製リンゴパイをご馳走させてあげたり、フレイアちゃんの苦労話を聞いて共感して二人して泣いたりと面白い一週間だった。ってかウィンダミア人だったんだね~、知らなかったよ。
まぁそんなこったで修理を終え、三人乗りに軽い改造を施した俺の機体で空を飛ぶこととなった。
「そんじゃ出発するぞ二人共、準備はいいかんね?」
「おう!」
「ほいなぁ~って私の真似はせんでいいって!」
「あはは」
「もう!」
エンジン出力を轟音と共に機体出力が上がっていくのが分かる。俺はコックピット内のコンソールを操り機体各種の最終チェックに移る。
「システムチェック……オールグリーン」
モニターに正常起動している事を告げる表示が映ると俺は管制塔へと通信を繋げる。
「こちらS.M.S001離陸許可を頼む」
「こちら管制塔、了解した」
俺は管制塔から送られてきたデータを元に機体を進める。滑走路へ入り、宇宙へと上がった。
宇宙は相変わらず綺麗で星々が良く見える。後ろを見ると来るときも見た綺麗な惑星の姿が一目でわかる。あぁ~あの時はあんなトラブルに巻き込まれるとは思ってなかったんだけどなぁ……
「綺麗な惑星やんね!」
「確かにな……気にした事も無かったが言われてみれば綺麗だ」
後ろの二人は二人で盛り上がっているらしく楽し気な声が聞こえて来る。おうおう、盛り上がってますなぁ。
コンソールを操作、軌道上に分離して来たフォールドブースター搭載のスーパーパックの位置を特定──―ちょっと遠くに流されてますな。
無事ドッキング、機体を増速させフォールドブースターを起動。俺達はラグナ星へと飛んだ。
惑星ラグナ、惑星全体が青い海に覆われた海洋惑星。
そこへと降り立ったアイランド・ジャックポットによって惑星外の文化が伝わりテラフォーミングを決行。結果、バレットシティーという町が生まれ、今では観光地として結構な人気を誇る歴史を持つ植民地惑星。その特徴は地球によく似た環境にあり綺麗な海、緑豊かな自然に島、地球の海鳥とそっくりな鳥とウミネコと呼ばれる生き物が鳴き、人々の活気のある声が聞こえる。そしてなりよりも特徴的なのが────
「あ、あついぃ……」
──―無茶苦茶に暑い事だ!
「んっぐ、んッぐ……プハァ~、水うめぇ……ってアレ? 前にもこんなことあったようなぁ?」
「何してんだよ、早くいくぞヒビキ……ぶえぇっくしょん!」
「うぃ~」
ギラギラと光る太陽の下、熱気と湿気によってしんどい中で水を飲み、既視感をまたも覚えながらパイロットスーツを開けて涼しい風を取り入れながら俺はハヤテの後をついて行く。
「? ヒビキさんは暑さに弱いんか?」
「まぁ~なぁ~‥‥、ちょっとしたら馴れると思うけど今はすっごくしんどいかな」
惑星ラグナは活気ある場所みたいで俺達の降り立った近くの商店街などでは様々な声が聞こえる。クラゲ饅頭? クラゲのするめ? クラゲの刺身? 何だかクラゲ祭りな星ですな。
そんな中を俺達はワルキューレのオーディション会場を探すついでに観光する事にしたのだ。
「これを付ければあなたもラグナ人! さぁさぁ買ってきなぁ!」
「それ一つください!」
「まいど!」
「ヒビキ……お前なんで買ったんだ?」
「……こういうのを見るとついつい買っちゃいたくなる性分でして──―」
「そういえばアル・シャハルでもたっくさん色々買ってたね」
途中ラグナ人になれる? という付け耳を購入したり──―
「へえぇ!? なんねコレ?」
「安いよ! 安いよ、買ってきな!」
「テレフォン便利ナンバーワン!」
「キラッ! キラッ!」
「へぇ~電話‥‥って! 取れん! 振込開始ってどおいう事!?」
「走──―」
「ちょっと待てハヤテ、兄ちゃんたちあくどい商売してますね‥‥はぁ……」
「「「お買い上げ!」」」
携帯を無理矢理購入させられたりとトラブルもあったけど楽しく市場を回る事が出来た。うめぇ~、クラゲのスルメうめぇ~
「都会怖い、それにヒビキさんにお金使わせたのは申し訳たたん」
「気にすんな気にすんな、これぐらいのトラブル馴れっこだ」
「どんな人生してきたんだよ」
俺達は一休みの為にベンチへと腰掛ける。二人……ってかフレイアちゃんは初めての地でお疲れのご様子のようで街頭へと寄りかかり休んでいる。
そんな様子を俺はスルメを食いながら見守るんだけど……このスルメ、マジでうまいな。
「ん?」
そんな中、俺は効きなれた音を耳にする。
音の発信源である空へと目を向けるとそこには一機のVFー31が……珍しいはずの機体がここでも飛んでんのか。そしてその飛んでいる先へと視線を動かすと──―
「うぉ!」
──―そこには堂々たる姿の巨人が佇んでいた。
「なんね! あの、でっかいんわ!!」
フレイアちゃんもその存在に気付いたらしく余りの大きさに声を上げた。確かにあの大きさには普通に驚くよなぁ。
「マクロス・エリシオン。ケイオス・ラグナ支部の基地だ」
ハヤテの説明を聞きながら俺は思い出す。って事はあそこでオーディションが行われる場所って事か……豪華な会場だな。
「あそこがオーディションの会場‥‥うぅ~ルンがルンルンしてきたぁー!」
そんな風に考えているとルンと呼ばれる器官をぴかぴかと光らせたフレイアちゃんが緊張しているようであわあわしてる。確かに緊張するよなぁ……
俺はそんな事を考えながら一旦二人の傍から離れると帽子とサングラスを求め彷徨った──―あ! おじさん、その帽子とサングラスくださいな!
「まいど!」
余りにも日差しが強くて我慢ならなくなったので今買った帽子とサングラスを身に着けて二人に合流、様子を観察するんだけど……何と言いますか、いいコンビですな、この二人。
「あ! あんまじろじろ見ちゃいけん、えっち」
「んなもんなんも感じないっつうの」
なぁ~んか既視感があるなぁ~。
マクロス・エリシオン、そこへ向かうには徒歩か専用のゴンドラに乗っていくしかない、なので俺達はゴンドラに乗り会場へ向かう。
会場はやっぱり新メンバーのオーディションってだけに人が多く賑わっていた。
「はえぇぇぇぇ!!」
そんな中を進み、俺達は会場受付に到着するんだけど──―
「オーディションが受けられんってどういうこったね!」
「オーディションが受けられないってどういうことだ!」
──―またもひと悶着ありそうだ。
「はぁ~、またトラブルかよ」
こらハヤテ! またとか言わないの!
主人公の簡単なプロフィールを紹介!
名前:紫電 響鬼
年齢:24歳
性別:男
人種:地球人
愛機:VFー25→YFー29
マクロスフロンティア出身の元S.M.S社員。
何度も命の危機に見舞われその都度起こる幸運の末生き残ってるある意味奇跡で構成されているような人間。
現在はある理由でS.M.Sを辞め、行方不明になった親友を探すかのように旅へと出ている。今年で8年間目だったりする。
機体の操縦の腕前はピカ一でオズマ・リーが教えを乞うほどであるのだが過去にVFー25を墜落させた経験がある。
その後改修されてトルネードパックがデフォルトで装着されている機体に生まれ変わったのだがそれ故か癖のある機体となりそれ以降、似たような機体にしか乗れなくなってしまった。
戦闘技術は発展途上中、腕を上げようにもラッキーショットと機体の性能に助けられている部分が大きい為にか中々発達しない。
好物はプリン。
新統合軍上層部からは数々のトラブルを起こしてきたこととある要因から要注意人物として認識されており、パイロットたちからはこれまでの彼の境遇から銀河一のアンラッキーと知られていて結構有名だったりする。