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それではどうぞ~
風を切るように、地面を蹴り上げて走りまくった。蹴って蹴って蹴って――――
もっとだ。もっと蹴るんだ。
速く、急いで走ろ。彼を待たせている。死ぬ気で、全力で走れ。
あぁ、この感触。前にもあったな。
ずっと地面を蹴って走ってると清隆がいると思われるコンビニが見えてきた。
走って走ってある感情を圧し殺して、コンビニに入っていく。
カランカラン
ドアを開けるとベルが鳴り、冷たい風が全身に当たる。
走ったせいで熱くなった体が、だんだん涼しくなっていく。
「清隆と、」
清隆を発見して近づくと、そこには清隆の他にもう2人、顔をしかめてる先輩らしき人と、それから黒髪の少女がいた。
あの、黒髪の子……確か、堀北さんだよね。
堀北さんもコンビニに来てたんだ…
そう思って3人の方を見ていると皆とそれぞれ目が合い、清隆は私が来たことに安心したのかほっとした。
「お、やっと来たか」
「あら、綾小路くんが言ってた人って宮里さんだったのね」
堀北さんは私が来ることは想定外だったのか少し驚いていた。
この様子だと、清隆が少し堀北さんに事情を話して先輩の足止めを手伝ってくれてたのかな。
堀北さんがそんなことをしてくれるタイプとは思わなかったから少し意外だけど、感謝しないとな。
私はこの時堀北さんに対して少し好感を持った。
「ごめん、遅くなった。えーとその人が無料商品を買おうとしてた先輩?」
「あぁ。そうだ」
清隆が頷きながら肯定する。
清隆の言葉を聞いた私は素早く端末を出し、出来るだけ自然な感じを装って有栖と通話した状態にセットした。
これでよしっ、と
「おい、お前ら一体何のようだ。早く帰りたいんだが」
しびれを切らした先輩は、怒った口調で言ってくる。
怒られても無理ないか……結構足止めして貰ったと思うし。少し申し訳ない…
「すみません、ですが先輩に少しご相談がありまして――」
そう言って私は先輩だけに聞こえるように耳打ちをした。
「この学校の情報について売って欲しいんです」
そう言うと先輩は驚いた顔をし、そして少し興味を持ったように顔色を変えた。
「……場所を変えようか」
私はその言葉に笑顔でうなずき、防犯カメラの無い人気の無いところに移動した。
その時に清隆と堀北さんも静かについて来て行方を見守っている。
「…いくら出せるんだ?」
先輩は私の目を見て真剣な顔で聞いてくる。
…今後のことを考えると2万ポイントが限界かな。
「そうですね……2万ポイントでお願いできますか?」
「少なすぎるな。どうせお前たち今日ポイント貰ったばっかりだろ。ちょうどこの場に3人いる、どうせ同じクラスなんだろ?」
「そうですね」
私がそう肯定すると先輩はああやっぱり、という顔をしながらニヤリと笑った。
「それなら1人4万払え」
ハ?
ブチブチッ
この人が意味不明な言葉を言った瞬間、私のナカで何かがちぎれた。
そして―――
ドクンッ
『選手交代ですよ』
久しぶりに変な感触に襲われ、誰かに体を乗っ取られるのを感じた―――
◎◎◎
綾小路視点
コンビニに来て居た俺は、優愛に通話で先輩の足止めをするように頼まれ通話を切られた時流石に動揺した。
…俺が初対面の人に話しかけられるのか?しかも足止めだぞ?…話しかけても会話が続くか不安しかないんだが。
そう思っていると、偶然コンビニに来て居る堀北を見つけた。そこで俺は堀北に少し事情を話して何とか手伝ってもらい、優愛がくるまで先輩を足止めしていた。
…まぁ、ずっと堀北に睨まれていたが見なかったことにしておこう。
そして、そんなこんなでなんとかあの人を足止めしていると、優愛がコンビニに現れ、少々切れぎみになっている先輩に耳打ちをし、優愛とあの人は人気の無いところまで移動をした。
その後に続いて俺と堀北も優愛の後に着いていった。
すると、人気の無いところに着くなり年上だと思われるあの人の声が聞こえる。
「…いくら出せるんだ?」
俺は兎も角、堀北にはほぼなにも知らされてない為この会話で何を言っているのかは分からない。しかし、大人しく堀北は黙って聞いていた。
…少しは空気は読めるみたいだな。
それにしてもいくらだせるか、か。優愛のことだ、きっと何か取引でもしてるんだろうな。
…後で聞いてみるか。
「そうですね……2万ポイントでお願いできますか?」
優愛がそう言うと、あの人は納得出来ない様子を示した。
「少なすぎるな。どうせお前たち今日ポイント貰ったばっかりだろ。ちょうどこの場に3人いる、どうせ同じクラスなんだろ?」
「そうですね」
優愛がニコリと微笑みながらそう言うと、あの人はああやっぱり、という顔をしながらニヤリと笑った。
…なにか嫌な予感がするな。
「それなら1人4万払え」
そうあの人が言った瞬間、明らかに優愛の様子が可笑しくなった。
上品に笑いながら、冷ました表情をし、あの人を見た。否、睨んだと言った方が正しいか。
「ふふふっ、そうですか。貴方はその様な態度をおとりになるのですね。今の会話はなかったことにしてください。もう貴方にご用はありません」
先程と口調が違っている。そして、この表情―――
やはり、人格が入れ替わっている、か。
…最悪の状況になったな。だがーーーー、交代した人格が
そう思いながら俺は彼女を見つめた。
…だが、決して油断はできない。いざとなった時に動けるように注意しておくか。
…無理するなよ、優愛。
すると、優愛はその場を立ち去ろうとして足を進めた時、あの人は驚いた表情をしながら慌てて優愛を引き留めた。
「ま、まて。……仕方ない、わかった2万ポイントでいい」
「…何をおっしゃっているのですか?」
そう言って振り返った彼女はとても冷たく、恐ろしい顔をしていた。あの人に向けた眼には途轍もない殺気が含まれており、今にも人を殺してしまいそうな程だった。
先ほどまで笑顔で明るかった彼女が、こんなにも冷たく、人を塵のように見る目はとても同一人物だとは思えない、誰が見てもそう思ってしまう。
「ヒッ!」
優愛の顔を見たあの人は、叫び声をあげながら体を震せていた。
そして堀北の方をちらっと見てみると、堀北も平常心を装うとしていたが体が若干震えていた。
まぁ、無理もないだろうな。普通に生活に生活してきた人は、こんな殺気を浴びたことは無いだろうからな。
「僕は貴方のような人が嫌いなんですよ。貴方は今、
冷淡に彼女はそう言い、殺気を込めてあの人を少し睨んだ
「ッッ、ひ、」
震え上がっているあの人に優愛は近づいて、ふふふっと、上品に冷たく笑った。
「ですが、僕は
……貴方は苦しみながら死ぬのと絶望しながら死ぬの、どちらがよろしいですか?」
その瞬間、途轍もない殺気が先輩に向けられた
「ッッッッ!っ、しにたく、ない、っ、です、ッ」
俺はその時、あの先輩がよく言葉を発せられたなと感心した。
あれ程の殺気…普通の一般人が浴びたら声は発せられないだろうに。生存本能というやつか。流石だな。
すると彼女は再び冷たく笑った
「ふふっ、そうですか。きちんと自分の声で自分の気持ちを正直にお話ししてくれた貴方の度胸に少し感心しました。それに免じて今回は見逃しましょう。……ですが、 もう僕たちの地雷は踏まないでくださいね?」
最後の言葉を強調して優は去ろうとするが、何かを思い出したように振り返った
「あぁ、そうでした、怒りで肝心なことを忘れていました。先程話した件ですが、もしよろしければこの学校の仕組みについて教えていただけませんか?勿論、話していただけるのなら2万ポイントお支払いたします」
「ッッ!は、い」
「ふふっ、ありがとうございます」
優愛がお礼を言うと、先輩は学校の仕組みについて話し出した――
どうでしたか?今回はここまでです。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
投稿の更新遅くなりましたが、近い内にもう1つの作品を含めて何話か投稿できるように頑張っていきたいと思います。
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次回もお楽しみに!