今回はディガルムの新たな力も判明します!
マンティス・エインの攻撃によって足を負傷した士郎は足を引きずりながらも教会に帰宅した。士郎を出迎えたマリアは士郎が負傷していることに気づくと驚きながらも怪我の手当てをするために士郎を中に入れた。
「これで大丈夫です」
「悪いなマリア……」
「いえ。でも、士郎さんあまり無茶をしないでください……幾ら強くても士郎さんの体がもちませんよ」
「わかっているって。悪いな心配かけて」
マリアは思う……自分と出会う前にもこういう怪我が絶えなかったのだろう。マリアが心配する中、士郎は先程戦ったマンティス・エインのについて考えていた。
「(あのカマキリ野郎……いつものエインとは違っていたな。まるで本能に従うような感じだったし、これは少し警戒して戦わないとな)」
次の戦いについて考えていると奥の方からエプロンをつけた藤次郎が現れた。
「お、坊主の手当ては終わったんだな。んじゃ夕食にするか〜今夜はカレーだぞ〜」
気楽な感じで二人に伝えた藤次郎は二人をリビングに連れて行った。リビングには真っ赤な色をしたカレーが置かれていた。
「叔父さん……これって……」
「ん?見ての通り激辛のカレーだぜ?カレーと言ったら激辛だろ?」
そういいながらマリアが呆れていることに気にすることなく藤次郎はルンルン気分で椅子に座った。そんな藤次郎を見ながら士郎はマリアに小声で話しかけた。
「なぁ……おっさんってまさか……」
「お察しの通り辛い物が好きで……時々こういうのを作るのですよ」
「マジか……」
「どうした〜?早く食べるぞ〜」
二人の話していることに気づかず藤次郎は早く座るように促す。士郎とマリアは諦めると大人しく座ると激辛カレーを食べ始めた。
「「ッ〜!」」
想像していた倍の辛さに悶えながらもマリアと士郎はカレーを食べ進めているとふとマリアが士郎にあることを聞いてきた。
「そ、そういえば……士郎さんって何歳なんですか?」
「あ?いきなりなんだよ?」
「今日、学校にお弁当を届けてくれたじゃないですか?それで……ふと気になったもので」
「ふーん……」
マリアの話を聞いた士郎はスプーンを置き、水を飲みマリアの方を見ると口を開いた。
「17だよ……」
「え……え!?」
「おいおい……」
士郎の年齢を聞いたマリアと藤次郎は驚きを隠せずにいた。何せ士郎の年齢はマリアと同じ年齢であるからだ。
「私と同じ年齢だったんですか!?」
「そうだよ……てか、そんなに驚くことか?」
「驚きますよ!だって初めて会った時の雰囲気からずっと年上だと思っていましたから……」
士郎とマリアがそんな会話を繰り広げていた時、それを見ていた藤次郎があることに気づき士郎に話しかけた。
「17なら……坊主、お前高校はどうしたんだ?」
「高校?あ〜……ここに来る一年前までは通っていたけどちょっとしたことで退学したんだ」
「…………ちょっとしたこと」
士郎のもう一つ姿である仮面ライダーディガルムのことを知っているマリアはそのちょっとしたことはそれらのことが関係しているのだろうと気づき暗い顔をした。
「また通いたくはないのか?」
「別に……高校に通うお金もねぇし、アンタらにも迷惑をかけたくないからな」
「……坊主」
士郎の話を聞いた藤次郎が士郎に話しかけようとした時、カレーを食べ終えた士郎が皿にスプーンを置き、椅子から立ち上がると食器をキッチンに置くとそのままリビングから出て行った。マリアはリビングから出て行く士郎を止める言葉が見つからずただ士郎の背中を見つめることしか出来なかった。
「高校ね……」
誰もが寝静まる時間……そんな時間に士郎はただ一人空に浮かぶ月を眺めていた。今日は満月らしく綺麗な月が浮かび、月明かりが士郎を照らしていた。
「……元気にしてるのかなアイツら」
満月を見ていた士郎は自分が持っている写真を見つめた。その写真に映っていたのは制服姿の士郎が複数の男女と共に笑顔を浮かべピースをしている姿だった。
一年前……まだ仮面ライダーやエインのことも知らずただの学生として暮らし毎日が楽しかった。しかし、あの事件が起きてから士郎は仮面ライダーとなり、戦いに集中するため通っていた高校を辞めた。
「学校か……」
「なんだ坊主も月を見に来たのか?」
昔の学友達が今何をしているのか……そんなことを考えながらボーッと写真を眺めていると後ろから声を掛けられた。
振り向くとそこに居たのは片手に飲み物を持っている藤次郎が立っていた。
「おっさん……アンタも月を?」
「まぁな。こんないい満月だ、月見酒でもしようかと思ってな」
士郎の質問にそう答えながら藤次郎は士郎の隣に座ると持っていた缶ビールを開け飲み始めた。
「いいのかよ教会の神父様が」
「いいんだよたまには。神様も許してくれるさ」
「そうかよ」
そういいながら呑む藤次郎に対し素っ気なく返すと士郎は再び月を見始めた。しばらくして月を見ていた藤次郎が士郎の持っていた写真に気づいた。
「それ……前に通っていた高校の友達か?」
「まぁな……」
「ふーん……」
藤次郎は呑んでいた缶ビールを置くと一息吐き、士郎のに語りかけた。
「士郎……お前に何かあったのか、何で学校を辞めたのかよく知らねぇ」
「…………」
「だけどな……ただ自分一人で全て背負い込んで突っ走るのはいずれ倒れるぞ」
に
「倒れる……」
藤次郎の言葉に士郎は俯くことしか出来なかった。実際に当たったからだ……初めてマリアと藤次郎と出会った日もこの街に来るまでに様々な戦いを繰り広げて来たが変身のデメリットと体の限界が来て倒れてしまった。
「……俺は……」
「出会ったばかりの俺に頼ってくれとは言わない。だけどなお前一人で全て背負い込むな……少しでもいいから突っ走るのを辞めて歩いてみたらどうだ?」
「歩いてみるか……」
「ま、俺はただお前に選択を与えただけだ後はお前が決めろ。これはお前の道だからな」
そういうと藤次郎は立ち上がり背を伸ばすと士郎に背を向けその場から歩きだした。
「それじゃ俺は寝るから、お前も早く寝ろよな〜」
士郎にそう言い残すと藤次郎は自室にへと戻っていた。士郎は藤次郎が自室に戻るのを見届けると月を眺めた。
「……突っ走るだけじゃダメか」
翌日、マリアは親友のアミと共に学園からの帰り道を歩いていた。アミは最近あった話をマリアにしているようだが、マリアはずっと暗い顔のまま何かを考えていた。
「(士郎さん……まだ出会ったばかりだから信用されていないのかな……)」
「マリマリ〜聞いてる〜?」
考え事をしていたマリアを心配しアミは不思議がりながらマリアの前に立ちアミの顔を覗く。
「あ!ご、ごめんなさいえっと……なんでしたっけ?」
「も〜!今日ずっと暗い顔をしているよ〜!一体どうしたの?」
「そ、それは……」
「むー……あ!もしかして噂の士郎さんっていう人のことを考えていたでしょ?」
「うっ……」
口ごもるマリアに対しアミは少し考えると的確マリアが考えていたことを当ててきた。当てられたことにマリアは目を逸らしてしまった。
「やっぱり〜!本当に仲がいいんだね!」
「仲ですか……?」
「うん!だってその士郎さんと話しているマリマリ楽しそうだったもん!」
「楽しそうですか……ふふふっそうですか」
暗い顔から笑顔になったマリアを見てアミも嬉しそうに笑みを浮かべると再び歩き出そうとすると前に誰から立ちはばかった。
「…………」
「あれ?君って確か……」
「同じクラスの門倉総司君ですよね?」
「…………」
いきなり自分達の前に同じクラスの人が現れたことに不思議がる二人だが、マリアは総司から不穏な空気を感じ取りアミの手を握った。
「?マリマリ?」
いきなり手を握ってきたマリアにアミは首を傾げるがマリアは気にせず総司を見据えていた。
「……なんですか?私たちこれから帰る予定なんですが」
「なんで……なんであんな男と仲良く話しているんだよ!白金さんは僕のものでしょ!」
「ヒィ……」
総司は目を血眼にしながらマリアに詰め寄る。アミは恐怖を覚えてしまう。そんなアミをマリアは後ろに隠し総司に臆せず話す。
「貴方のもの?私は前貴方の告白をお断りしましたよね?勘違いしないでくれませんか?」
キッパリとそういいアミを連れ総司の横を通り過ぎようとしたが、尚も総司は諦めずマリアの前に立つ。
「でも!あんなガラの悪い人と同居しなくても!楽しそう話さなくても!」
「人を見かけで判断する人は嫌われますよ?あの人のことを何も知らない貴方が勝手に決め付けないでください。あの人はぶっきらぼうですがとてもお優しい人です。それに……私が誰と話そうと私の勝手ですよね?私……執拗い人と人を見かけだけで判断して決めつける人が大嫌いなんですよ」
「…………」
そうマリアはいい総司を突き放すと総司の横を通り過ぎそのままアミを連れて帰ろうとした。突き放された総司はマリアを睨みつけると鞄からカマキリの絵が描かれた''エインハート''を取り出した。
「言ってもわからない……ここで!」
マンティス……!
エインハートから低い電子音声が流れると総司の身体にエインハートの中に入り込むと同時に緑色のエネルギー態が全身に包むれ、弾け飛ぶと総司の姿はマンティス・エインに変貌した。
「ま、ま、マリマリ!」
「?ッ!?エイン……!まさか……門倉君がエインハートを持っているなんて」
いきなり怪物に変貌した事にアミは恐怖し、クラスメイトがエインハートを所持していたことに驚きを隠せないマリア。
『グォォォォォッ!』
そんな二人に向かってマンティス・エインは雄叫びをあげると両腕に持つ二本の鎌にエネルギーをため、斬撃を放とうとした。
「させるかよメンヘラ野郎」
『グギャッ!?』
しかし放とうとした寸前、横から蹴りを入れられ攻撃が出来なかった。体制を建て直したマンティス・エインは蹴りを入れた存在の方を向くと同時に更に回し蹴りを叩き込まれ後退してしまう。
『グゥゥゥ!?』
「たく……大丈夫か二人とも」
「士郎さん!」
「凄い……」
マンティス・エインに蹴りを入れたのは士郎であり、マリアは士郎を見た瞬間ホッと笑みを浮かべた。逆にアミは士郎がマンティス・エインを後退させたことに目を輝かせながら士郎の方を見ていた。
『コノ……野郎……』
「やっぱりあんまりダメージが入っていないか。マリア、その子を連れて逃げろ」
「え?……はい!士郎さんも気をつけて!」
「あぁ……」
マリアは士郎の言葉に頷きそういうとアミを引っ張り、その場から走り出した。アミはいきなりマリアが走り出したことに驚きマリアに話しかけた。
「ちょっとマリマリ!あの人は大丈夫なの!?」
「大丈夫です!」
「なんでわかるの!?全然大丈夫って思えないけど!」
「大丈夫です!だって……私は士郎さんのことを信じていますから!」
そういいながらマリアはアミを連れエインとの戦いに巻き込まれないように遠くの方に向かって走って行った。士郎は去っていく二人を見届けるとドライバーを取り出しマンティス・エインを睨みつけた。
「よぉ……盛大に振られたな」
『ダマレ!オレハ白金サンノコトガ大事ナンダ!ダカラコノ力ヲ手ニ入レタンダ!』
「(やっぱり……いつものエインと違う)マリアは望んでねぇぞ?自分の考えを押し付けるのはモテねぇぞ」
『ウルサイ!オレガキメタコトナンダ!コレハ正義ノ行為ナンダ!邪魔者ハ消エロォォォォ!』
そう叫ぶとマンティス・エインは辺りに斬撃を飛ばし、士郎を攻撃する。士郎は全ての斬撃を躱しながらドライバーを腰に装着するとダークカブトとダークドライブを取り出した。
「やれやれ……好きな人を思いやるのは確かに立派だぜ?だけど……てめぇがやっているのはマリアに自分の気持ちを押し付けているだけだ……それが正義だっていうなら俺は悪としてお前の正義をぶっ潰す!」
士郎はマンティス・エインにそういうとダークカブトとダークドライブのスプリオを左右の装填口にセットした。
DARK KABUTO! DARK DRIVE!
DARK・REALIZE!
装填を知らせる電子音と車のエンジン音とカブト虫の羽音のような待機音声が流れ始め、士郎の姿は骸骨を思わせる姿になった。そして、右手を横に、左手を顔の前に構える様に垂直にクロスさせドライバーを展開した。
「変身」
CROOSS FUSION!
未来を駆ける黒き太陽!ソニックアポロ!
「さぁ……裁きの時間だ」
『ダマレェェェェ!』
仮面ライダーディガルム ソニックアポロに変身するとファイティングポーズを取り、マンティス・エインに向かって駆け出した。
マンティス・エインはそれを迎え撃つように斬撃を無数に飛ばすが、以前戦ったダークドラゴンより身軽なソニックアポロは超高速で斬撃を躱すと拳を叩き込む。
『グゥゥ!?オラァァァ!』
「遅い!」
拳を叩き込まれたマンティス・エインは後退するが、すぐに二本の鎌でディガルムを攻撃する。ディガルムは腕で受け止め、腹部に蹴りを連発して叩き込んだ。
『グォォ!?』
「ハァァァァァッ!」
『ナメルナァァァ!』
後退するマンティス・エインにディガルムは更に拳を連続して叩き込む。拳を喰らったマンティス・エインは後退するがマンティス・エインも負けじと攻撃を繰り出す。
「フッ!ハッ!」
『ガハッ!』
軽々と攻撃を躱したディガルムはカウンターの右ストレートをマンティス・エインの顔面に叩き込み、吹き飛ばす。
「ソードガンナー!」
ディガルムはソニックアポロの専用武器であるソードガンナーを装備すると超高速で吹き飛んだマンティス・エインに近づき辻斬りの如く斬り去る。
『ッ!?オノレェェェェ!』
斬り去られたマンティス・エインは更に怒り、ディガルム関係なく辺り一面に斬撃を飛ばした。ディガルムは超高速で躱したり、ソードガンナーで斬撃を防いでいく。
「面倒だな……ガンモード!」
斬撃を飛ばしまくるマンティス・エインに対しディガルムはソードガンナーをソードモードからガンモードに切り替えると銃口から弾丸を放ち、マンティス・エインに喰らわせた。
『グガァァァッ!?』
ソードガンナーから放たれた弾丸を連続して喰らったマンティス・エインは大きく吹き飛んだ。
「さぁ……これでチェックメイトだ!」
そういうとディガルムはダークドライブのスピリオを引き抜くとソードガンナーのガードに の部分にセットした。
SCAN!DARK DRIVE!
FINAL・BURST!
ソードガンナーの雷を刀身に纏わせるとディガルムは超高速でマンティス・エインを縦横無尽に斬り裂いていく。そして、最後にソードガンナーを振り上げ……
「ソニックスライサー!」
『ァァァァァァッ……!』
一刀両断にマンティス・エインを斬り裂いた。一刀両断を斬り裂れたマンティス・エインは断末魔と共に大爆発を起こした。
「呆気なくやられたな」
学園の屋上から戦いを眺めていたミカエルはポップコーンを美味しそうに食べているガブリエルにそういう。
「ふふーん!言ったでしょ?本番はこれからだって……さぁ、自分の欲望を暴走させよ♪」
ポップコーンを食べていたガブリエルはニヤリと不敵な笑みを浮かべると爆炎の中にいるマンティス・エインにそう語り掛けた。
「後は……エインハートの持ち主を回収して……」
WARNING!WARNING!
「ッ!」
ディガルムが総司を回収しようとした瞬間……爆発の中から電子音が鳴り響きディガルムは警戒した。ディガルムが警戒した瞬間、爆炎を振り払い巨大な生物が現れた。
『キシャァァァァァッ!』
現れたのは巨大な鎌を持ち、六個の目、6本の脚を持つカマキリ型の巨大エイン『ギガンエイン・マンティス』だった。
「マジかよ……」」
『キシャァァァァァッ!』
巨大化した事にディガルムが驚く中、マンティスは両腕の鎌でディガルムを攻撃してきた。ディガルムは鎌を避けると乗ってきたXR230に跨るとケルベロストライカーに変化した。
「久々だな……これを使うのは」
そういいながらディガルムはケルベロストライカーを走らせるとケルベロスが描かれたスピリオ『バトルスピリオ』を取り出しケルベロストライカーにセットした。
BATTLE MODE!
するとケルベロストライカーから三つの犬の頭が現れ、前輪と後輪のからは足が展開されケルベロストライカーは『バトルモード』にチェンジした。
『グォォォォォッ!』
「行くぜ!」
『キシャァァァァァッ!』
雄叫びをあげたケルベロストライカー・バトルモードはディガルムの操作により、駆け出すと前足の爪でマンティスを斬り裂いた。後退したマンティスは負けじと鎌で攻撃するがケルベロストライカー・バトルモードは上空に飛び回避すると火炎弾を三つの首の犬から放った。
『ギシヤァァァァァ』
「オマケだ!くらいやがれ!」
そういうとディガルムはケルベロストライカー・バトルモードを操作しマンティスに噛みつき攻撃を喰らわせ後退させるとそのまま後ろ足でマンティスを蹴り飛ばした。
「今度こそ……これでチェックメイトだ!」
ディガルムはダークカブトのスピリオを引き抜くと右側に装備されているフィニッシュスロットに装填し、スロットにあるトリガーを押した。
DARK KABUTO!!
DARK KABUTO! FINAL・BREAK!
ディガルムは蹴りだす体制にはいると、ドライバーからタキオン粒子が頭部のカブトホーンまで行き渡るとケルベロストライカーから飛び降りバク宙しながら身体を捻り、キックの体制に入った。
『グォォォォォッ!』
「ハァァァァァッ!」
ケルベロストライカー・バトルモードが雄叫びをあげその勢いに乗せ、ディガルムはマンティスにケルベロストライカーとの協力技『ライトニングエンド』をマンティスに叩き込んだ。
『キシャァァァァァッ!』
蹴りを叩き込まれたマンティスは大きく吹き飛び断末魔を上げながら大きな爆発を起こした。人間の姿に戻った総司の体からエインハートが排出されるとそのまま粉々に砕け散った。
「これで一件落着か」
そういいながら変身を解くと、ケルベロストライカー・バトルモードもXR230に戻りバトルスピリオも士郎の元に戻っていた。
「う……うーん……」
「おーい……大丈夫か?」
「あれ……僕は一体……てか、なんでここに?」
士郎の呼びかけに目が覚めた総司は辺りを見渡しながら何故自分がここにいるのか首を傾げていた。それに対し士郎は違和感を覚え総司に話しかけた。
「お前覚えていないのか?」
「え……?う、うん。変な軍服少女に注射器を渡されて……それを使って……あれ?どうなったけ?」
「(エインハートを使っていた記憶がない……)そっか……とりあえずもう遅いし帰ったら?」
「え?うわ!?本当だ!ごめんね心配かけて!それじゃぁまたどこかで!」
そういうと総司は士郎に頭を下げ、その場から走り去っていた。それを見送った士郎はXR230に跨りヘルメットを被り夕日を眺めた。
「厄介なことになってきたな」
これから起こる戦いに危機感を覚えながらXR230を走り出した。
「あ!士郎さん!」
「……マリアか。あの子は?」
「大丈夫でしたよ。士郎さんのことを心配していましたが……」
「そっか……」
マリアと合流した士郎はマリアを後ろに乗せ、教会までの道を走っていた。二人が無事だということを知った士郎は一安心をすると後ろにいるマリアに話しかけた。
「あのさ……マリア」
「?なんですか?」
「俺……お前の学園に通うよ」
「え……本当ですか!?」
士郎の言葉にマリアは驚きながらも士郎に聞き返した。士郎はそんなマリアに対し少し照れながらも話を続けた。
「あんまり突っ走るのも疲れるしな……それに高校辞めたって親父達に知られたら化けて出られるかも知らねぇからな」
「そうですか……あ、でも私の学園の転入試験は難しいですよ?」
「大丈夫だ。理数系意外なら大丈夫だ」
「なら理数系を十点的に頑張りましょうか。教えますから」
楽しげな会話を繰り広げながら士郎とマリアは藤次郎が待つ教会に向かってバイクを走らせた。
「ちぇー……今回は上手く行くと思ったんだけどな〜」
「あらあら〜残念だったわね〜」
自分が思っていたことにならなかったガブリエルは不貞腐れながらお菓子を食べていると水色の髪に髪色と同じ水色の着物を着た女性『ラファエル』が広げた扇子を広げながら現れた。
「ラファエル〜!」
「おーよしよし。ガブリエルちゃんはよく頑張ったわよ」
擦り寄るガブリエルを優しく抱きしめ撫でながらにいうと不敵な笑みを浮かべた。
「今度は私の番かしら……楽しみましょう。犬の坊や」
妖艶に呟いたラファエルはその姿を一瞬怪人の姿にさせるとまた人間の姿に戻し、ガブリエルをあやすことに専念した。