虹の向こうに   作:夏野 雪

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4月5日⑵

4月5日 16時 ONMホテル一階 リラクゼーションルーム

このリラクゼーションルーム内には大きな暖炉と三人掛けのソファが

五台あり、暖炉を囲み用に三台、窓際に向かい合いに二台設置されていた。

三台のソファの背面にはビリヤード台が一台用意されていた。

 

今、部屋の中には三人のメンバーがお茶を飲みながら談笑していた。

「良いところですね。第三者も居なくて静かですしね。」

窓際に設置されたソファの一つに座っていたクレアが

美味しそうに白いティーカップに入った紅茶を飲んでいた。

同じソファの一つ間を空けたところには美兎も座っており、

クレアとお揃いのカップで紅茶を楽しんでいた。

向かい合ったソファの間には丸い木製のテーブルがあったのだが、

その机の上には色々なお菓子が置かれていた。

二人の正面に設置されていたソファにはういはが座っており、

目の前のお菓子の山とにらめっこを続けていた。

「相羽さんは今回の企画について何か聞いてますか?」

美兎の声に反応したういはの手にはクッキーが握られていた。

どうやらにらめっこに決着がついたようだ。

「んー。実は私も司会進行してほしいとしか聞いてないんですよー。」

ういはに続いて、美兎とクレアもお菓子の物色を始めた。

「そうなんですね。じゃあ本当に夕食まで誰にもわからないんですね。」

そう話すクレアも、ういはと味違いのクッキーを手にしていた。

美兎はういはが食べかけていたポテトチップスの袋に手を伸ばしていた。

その時、部屋のドアが開く音が聞こえた。

三人が振り向くと、そこに立っていたのはリゼと健屋であった。

「あ。いたいた。まゆゆがういはちゃんを手伝って欲しいって

言ってたんだけど何をすればいいかな?」

全く困った様子のないういはを不思議そうに眺めながらリゼが言った。

「あれ?あー!そうだった!夕食を準備しなくちゃいけないんだった。

もし良かったらクレアさんと委員長も手伝ってもらえませんかま?

ご飯は自分たちで用意しなくちゃいけなくて、全員分作らなくちゃ

いけないんですよー。」

ういはは慌てた様子で立ち上がると潤んだ瞳で目の前の先輩二人を見つめた。

「そうだったんですね。わたくしで良ければ、もちろん手伝いますよ。」

潤んだ瞳の効果なのかどうかはわからないが、美兎は快く了承した。

もちろんクレアも断るような事はしなかった。

 

五人は部屋を出ると反対である建物東側へ向かった。

リラクゼーションルームを出て、階段と玄関の間を直進すると左手に

キッチンと倉庫があった。その対面にはダイニングルームがあった。

このコの字型のONMホテルは階段を挟み、左右対称の造りになっていた。

東側の一番奥にあるキッチンへ五人が入ると、中には黛がいた。

お湯を沸かしたり、冷蔵庫から食材を出したりしていた。

「お?ういは。やっと来たね。」

「黛さん!ごめんねー。でも、みんな手伝ってくれるって!」

こうして六人は夕食の準備を始めたのだった。

 

 

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