長く更新していませんでしたが、もう一つの作品の『デート・ア・ライブ〜若き英雄の物語〜』もよろしくお願いします!
転生と破壊者の力
気が付くと、俺は何も無い真っ白な空間にいた。
「……ここは?」
「やあ、君が新しい転生者だね?」
突然後ろから声がし、俺は後ろを振り向くとそこには一人の男性がいた。
純白のコートを纏い茶髪の髪をオールバックにしたイケメンな男性は俺を見据えながら佇んでいた。
「えっと……あなたは?」
「ああ、紹介が遅れたね。私はこの空間で魂の管理者を務めている。
君たち人間で言うと神様、と言ったほうが分かりやすいかな?」
「か…神様⁉︎」
これって俺死んじゃって転生させてもらうっていうよくありがちなパターンだよな⁉︎
てか、俺死んだのかよ⁉︎
「まあ落ち着いてくれ。死んでしまって色々と戸惑っているかもしれないが、君に話さねばならないことが沢山ある。
取り敢えず、紅茶でも出そう。話はそれからだ」
神様がそう言うと俺はいつの間にか椅子に腰をかけていて、目の前には高級そうなカップに紅茶とお菓子があった。
そして神様は俺の前の椅子に腰をかけて優雅に紅茶を飲んでいる。
なんだかすごく絵になってる。
「さて、まず君に謝らなければならないことがある。
今回君は我ら神たちの手違いによって死んでしまった。全ての神に代わり謝罪をさせてもらいたい。
申し訳なかった」
神様は申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。そして懐から手帳を取り出し開く。
「ふむ、黒崎士君。君は幼い頃に両親を事故で亡くし、その後祖母に育てられる。そして今日、高校の下校中に大型トラックに弾かれて死亡……か」
どうやらそれは俺の履歴らしい。神様は手帳を懐にしまうともう一度紅茶に口をつける。
「我々はは今回の件を大変嘆いている。君に申し訳ないとね。
そこで全ての神たちがお詫びを兼ねて君に転生の許可を下さった」
「……え?転生って…」
「そのままの意味さ。新たな命を持って生まれ変わる。
まあ、本来の人間ならばそのままあの世へと行くのでそれはないのだけれどね」
「えっと…それじゃあ、また戻れるんですか?」
「…いや、一度死んでしまった人間は同じ世界に戻ることは出来ない。世界の掟だ。君には別の世界に転生してもらう」
「……」
「気持ちは分かる。だが、もはや過ぎてしまった事はどうしようもないんだ」
「…いえ、構いません。また命を貰えるってだけでありがたいです」
「…そうか、そう言ってくれると助かる。さて、君の転生先なんだが」
突然巨大な本棚が現れ、神様は立ち上がると本棚から一冊の本を取り出した。
そしてその本を俺の前に置く。
「君にはこの、『デート・ア・ライブ』という世界に転生してもらいたい」
………いろんな意味でヤバい世界じゃねーか。
名前くらいは聞いたことあるけど、そんなとこ行ったら絶対死ぬ。
「安心してくれ。君を丸腰で行かせる訳じゃない。
見たところこの世界は少し危なっかしいからね。なので私から君にプレゼントがある」
神様は椅子に腰を下ろした。そして何処からか洋紙と羽ペンを取り出し羽ペンでそこに何かを記入する。
「まずは、身体能力の強化。そして二つ目は精霊の封印能力だ。これはいずれ君にも分かる。
さて、三つ目なんだが」
神様は懐から白いバックルのようなものとカードを机の上に置いた……って、これどっかで見たような気がするんですけど……?
「君には仮面ライダーディケイドの力を授ける。これは君に相応しいと思ったからだが、どうかな?」
「え?あ、ありがとうございます」
「喜んでもらえて何よりだ」
藍染さんは笑顔でそう言った。実は俺も仮面ライダーは好きなので正直嬉しい。
「使えるライダーカードはクウガから鎧武までだ。
向こうには私の協力者がいるはずだが、彼とは原作が始まればあえるはずだ」
「はい、分かりました」
「それから、これは君のサポート役のキバットバット三世だ」
神様はそう言って指を鳴らすと何もない空間から機械のような蝙蝠、仮面ライダーキバの相棒のキバットバット三世が現れた。
「よお!お前が俺様の新しい相棒か!よろしくな!」
「ああ、よろしく。俺は士だ」
「キバットはたまに君から霊力を供給しなければ動けなくなってしまうから、よろしく頼む。
キバット、彼と共に頑張ってくれ」
「おう!キバって行くぜ!」
「よし、それではそろそろ転生の準備をしよう」
神様は手をかざすと俺とキバットの足下から白い魔法陣が現れた。
「そういえば言い忘れていたが君の前にもう一人、その世界に転生者がいるのだが、彼には私から連絡を入れておこう。キバット、頼むよ」
「任せろ!」
「神様、本当にありがとうございました」
「ああ、では第二の人生、楽しんでくれ」
俺の意識はどんどん遠くなって行った。
SIDE OUT
SIDE 神様
「………」
彼は行ったか……
「先輩」
後ろには私の後輩である天使が立っていた。
大方、私を待っていたのだろう。
「どうしたんだい?」
「なんであの子にディケイドの力を渡したのですか?」
「……どういう意味だい?」
「誤魔化さなくても良いですよ、先輩。
もしかして、彼がここに来るのを待っていたのではないですか?」
ふっ、相変わらず感が鋭いな。
「…いや、そんなことはないよ。私は誰にでも平等だ」
「と言うと?」
「確かに天界から彼を見たとき、彼に興味を持ったのは事実だ。だが、天使は人間を殺してはならない。
彼がここに来たのは私にとって偶然だったんだ。
まあ、先に行った彼には破壊者の資格がなかったというだけだ」
「じゃあ、あの子にはその資格があるってことですか?」
「ああ、だからこそ彼にディケイドの力を渡したんだ」
「……とか言って、本当はあの子がどうやってあの世界で生きるのか楽しみなんでしょう?」
「……どうだろうね?」
さあ、楽しませてもらうよ、
君が世界の破壊者に相応しいかどうか。
「行こうか」
「はい、神様」
私と天使は他の神たちへの報告のためにその空間から姿を消す。
SIDE OUT
SIDE 士
「…ここは?」
瞼を開けるとは見知らぬ部屋でベッドの上に寝かされていた。現状を確かめるために身体を起こしてみる。
今の士の容姿は小学校の高学年くらいの身長で少し長めの黒髪の美形な顔だちだった。
「お、やっと起きたか!」
声がしたので横を見るとキバットがパタパタと音をたてながら飛び回っていた。
「なあキバット、ここどこなんだ?」
「さあ?お前この家の前で倒れてて助けられたんだけどよ、神が言うにはここが俺たちの新しい家だって。
あ、そうだ。あいつがこの世界に着いたらこれ渡しておけって」
そう言うとキバットは蝋で封をされた手紙を渡してきた。
「君がこの手紙を読んでいるということは転生は無事に完了したようだね。
さて、今の君は五河家に保護されているはずだ。この世界では君は五河家の一員という扱いになる。
もし、この家の者に何か尋ねられたらすまないが適当な理由をつけて誤魔化してくれ。
私が言っていたもう一人の転生者だが、彼には君の事を既に知らせておいた。しばらくしたらキバットと共に彼と接触してくれ。きっと良い友人になれる。
それからディケイドライバーとライドブッカーは君のバックの中に入っている。原作が始まるまでは誰にも見られないよう心掛けてくれ。
なお、この世界には本来ない力を介入させてしまったため原作にはない物語が生まれる可能性がある。
くれぐれも注意してくれ。
では改めて、第二の人生を楽しんでくれたまえ。
健闘を祈る。
神より」
「……なるほどね、大体は分かった」
そう呟いた後、士は取り敢えずベッドから出て側にディケイドライバーが入っているというバッグを確認して部屋の外へ出ようとドアノブに手をかけようとするが、突然ドアが勢い良く開き士は顔面を強打した為、現在床の上で痛みのあまり転がり回っていた。
「〜〜ッ⁉︎」
ドアの方を見ると、士に深刻な深手を負わせたのは活発そうな赤髪の可愛らしい幼い少女だった。
「あ、お父さん!倒れてた人が起きたよー!」
少女は嵐の如く慌てて部屋から去って行った。
士にかなりの重傷を負わせたのに気づかず……。
「……大丈夫か?」
「……グズ…ありがとう…」
士はキバットの優しさに泣きそうだった。
そしてその後、少女の父親らしい男性が部屋に入ってきた。男性はここまでの経過を簡単に説明してくれた。
士はこの家、五河家の近くの道に倒れていたのを先程の少女、五河琴里とその義兄である五河士道が見つけてここまで運んできてくれたということらしい。
「今度はこちらから聞くけど、君はなんであんなところで倒れていたんだい?」
男性の質問に士は固まってしまった。
流石に転生したなどと言うわけにはいかないので、適当な理由をつけて誤魔化そうとしたのだがーー
「では君は、両親を亡くして一人旅をしていたということだね?」
「…はい」
良い理由を考えた結果、こんな見苦しい理由しか思いつかなかった。普通ならこんな話信じないだろう。
「よし、なら君は今日から俺の家族だ」
「…へ?」
男性の突然の家族宣言に士は思わず間抜けな声を出してしまった。冗談かと思ったが、男性の目は真剣だったので本気で言っているらしい。
「君は行く当てが無いんだろう?なら俺の養子になってほしいんだ。勿論、ちゃんと君が自立出来るまで育てるつもりだ」
「えっと……」
突然の出来事に士は一瞬断ろうとしたが、先程のキバットの言葉を思い出した。神様はここが士たちの新しい家と言っていたらしい。ということは、この誘いを断ったら確実に路上でくたばっている。それだけはゴメンだ。
「分かりました。じゃあ、これからもよろしくお願いします」
士の宣言を聞いていたのか、ドアが勢い良く開き先程の少女、琴里が士の腹に突っ込んできた。
「おにーちゃん、これからよろしくね!」
琴里のタックルにより腹部にかなりの激痛が走ったが、琴里の眩しい笑顔を見るとそんなことはどうでも良くなった。
「ああ、よろしくな」
士は新しい家族と共にこの世界で生きていこうとこの時誓った。
「ん?」
士は一瞬だけ妙な気配を感じたが、周りには琴里と父親以外誰もいないので気のせいだと思った。