デート・ア・ディケイド   作:黒崎士道

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更新が遅れました!

ついに士がディケイドに変身します!お楽しみに!


第1章 十香デッドエンド
始まりの朝


夢を見ていた。まるで、過去を思い出すように……

 

士が立っていた荒野には数多くのライダーたちとマシン、モンスターが倒れていた。

 

そしてその中で、ただ一人だけ佇んでいるものがいた。

 

マゼンタに輝く、バーコードをモチーフとした仮面ライダー

 

「ディケイド…」

 

紫色のドレスを身に纏い、夜空のような黒髪を腰まで伸ばした少女が呟いた。

 

ディケイドは少女に近づいて行く。

だがそれに気づいたライダーが一人いた。

 

「待て…悪魔!」

 

仮面ライダークウガだ。

クウガはふらふらと立ち上がると両手を広げる。

 

「はあああああああああ!」

 

するとクウガを闇のエネルギーと雷が包んだ。エネルギーの余波で周りに倒れていたライダーたちとマシンが浮き上がる。

 

「くっ!」

 

士はその余波に吹き飛ばされそうになるが、何とか持ちこたえた。

 

そしてクウガは禍々しく刺々しい装甲、さらに筋肉が浮き出た黒いボディ、闇に包まれたかのような真っ黒な瞳の「アルティメットフォーム」の姿になる。

 

変身を終えると、余波で浮いていたライダーたちとマシンは地面に落ちる。

それを合図にクウガはディケイドに向かう。

 

ディケイドがクウガのパンチを避け、腕を掴む。だがクウガはそれを振り払い間合いを取る。

 

「はあああ!」

 

クウガの拳を炎が包む。

 

そしてディケイドの拳もマゼンタに輝く。

 

「「はああああああ‼︎」」

 

二つの拳がぶつかり合う。

 

士の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

瞼を開くと、士の目覚めは最悪だった。何故なら、身体の上を可愛い妹が飛んだり跳ねたりしているからだ。

 

「あー、琴里くーん?俺の可愛い妹よ?」

 

「おお!なんだ?私の可愛いおにーちゃんよ!」

 

白いリボンに赤いツインテールを揺らしながら琴里は士に尋ねる。

 

「いや、そろそろどけよ。朝飯作れないから」

 

「はーい!」

 

「ぐぅっ⁉︎」

 

琴里は重たい衝撃を士の腹に残し部屋から出て行った。

 

(嫌な夢だったな…)

 

士は心の中で呟きながら身体を起き上がらせ軽く動かす。

 

「おーい!つっかさー!起っきろー!」

 

大声で騒ぎながらパタパタと羽音をたてて部屋に士の相棒、キバットがやって来た。

 

「おーい!って、起きてんのか」

 

「ああ、おはようキバット」

 

「おはよう!士!」

 

士は布団から出て既に制服に着替えていた。

 

「今日は春休みも終わってお前も晴れて高校2年生!一世一代の晴れ舞台だぜ〜!」

 

「大げさだってキバット。なんで今日はそんなに上機嫌なんだよ?」

 

「そりゃ〜お前、今日はいよいよ待ちに待った原作開始なんだぜ?ああ、楽しみだ!」

 

「…なあ、分かってると思うけどーー」

 

「ああ、わかってるてぇの。俺様が飛んでたら周りのねーちゃんたちも驚いちまうこと間違いねーからな。お前の鞄の中で大人しくしてるよ」

 

「ありがとう、キバット」

 

士はキバットを伴いながら階段を降りてリビングへと入った。そこにはテレビを見て寛いでいる琴里と既に朝食を作り始めている士道がいた。

 

「よう士道、おはよう」

 

「ああ、おはよう。士」

 

士は士道に挨拶を交わしながら台所に入り、朝食の手伝いをする。

 

「おー!キバット!おはようなのだ!」

 

「おう、おはよう琴里!」

 

琴里とキバットも元気に挨拶を交わす。その間に士道と士は朝食を作る。

 

「ー本日未明、天宮市近郊のーー」

 

「ん?」

 

士は朝食を作りながらテレビから流れた言葉に眉を潜めた。それもそのはず、士たちが現在暮らしている地域がその天宮市だからだ。

少しの間テレビの画面を観ていると映っていた映像が切り替わり、まるで隕石が落ちてきたかのように地面が抉られ、建物も無残に破壊されている光景が映し出された。

 

「空間震か…」

 

士道がそう呟きながら出来た朝食をテーブルに並べると、キバットが飛んできてテーブルに置いてあるバスケットに入っていたパンを翼で持ちながら囓る。

 

「そういやぁ、最近この辺りって空間震が多くねぇか?特に去年あたりから」

 

パンを囓りながらキバットはそう言う。

 

「んー、そうだねー。ちょっと予定より早いかな…」

 

「んぁ?早いって何がだ?」

 

「んー、あんでもあーい」

 

琴里の意味深な言葉に士とキバットは気になったが、士道はそれ以上に琴里の声が口ごもったのが気になる。ゆっくりと琴里の頭に手を置き、首を回した。

その際「ぐぎゅ」と可愛らしい声が聞こえたが、それよりも琴里が朝食の時間に飴を舐めている方が問題だった。

 

「こら、飯の時に舐めるなって言ってんだろ」

 

「んー!んー!」

 

士道は飴を取り上げようと口から出ていた棒を引っ張るが、そのせいで琴里の顔がすごい形に変形した。その中で仲裁に入ったのは士だ。

 

「まあ舐めたもんは仕方ないし、舐めさせてやれよ。琴里も次は隠れて舐めろよ」

 

「はあ…、ちゃんと飯も食えよ?」

 

「おー!愛してるぞおにーちゃんたち!」

 

結局、士の言葉と琴里のチュッパチャップス愛に士道の方が折れた。

その後士と士道、琴里はそれぞれ席に座り朝食を食べている。その時、士道は何かを思い出したように言う。

 

「そういえば今日って、中学校も始業式なんだよな?」

 

「そうだよー」

 

「じゃあ昼には帰ってくるってことか。琴里、昼飯で何かリクエストあるか?」

 

琴里は思案するように頭を揺らす。

 

「デラックスキッズプレート!」

 

「お子様ランチかよ!」

 

琴里のリクエストに思わずキバットがツッコミを入れる。琴里がリクエストしたのは近所のファミレスのメニューだった。

というか、中学生がお子様ランチを注文するのはどうかと思うのだが…。士も神様から転生の時にかなりの大金を受け取っていたので金には困らなかった。

 

「まあ、最近ファミレスも行ってなかったし、俺が奢るから気にすんな」

 

それを聞いた琴里は喜びを爆発させて椅子から立ち上がりピョンピョンと跳ね回る。

 

「絶対だぞ!絶対約束だぞ!地震が起きても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されても絶対だぞ!」

 

「いや、占拠されてたら飯食えないだろ」

 

「つーか、ファミレスにテロリストなんか来るか?」

 

四人は朝食を食べ終え、士は食器を洗いながら先程の約束を思い出しながら自分は少し妹に甘いかもと思ったが、今日はキバットの言うとおり、春休みも終わり新学期が始まるのだ。今日くらいは別にいいだろうと、考えているうちに食器を全て洗い終わりすぐに学校に行く支度を始めた。

 

部屋の机にある引き出しからディケイドライバーとライドブッカーを取り出し、必要なものしか入っていないバッグの中にキバットと共に入れて準備は完了だ。士道と琴里は既に先に高校と中学校に向かったので、士は家のガレージに入って行った。ガレージの奥にはマゼンタのバイク、マシンディケイダーがひっそりと置かれていた。

キバットによると神様からのプレゼントらしい。士はこのバイクを日頃の足代わりにしている。マッドブラックのフルフェイスヘルメットを被った士はガレージのシャッターを開けるとバイクに跨がり、アクセル全開で学校へ走り出す。

 

 

 

 

士が学校に着くと、廊下に貼り出されたクラス表を適当に確認してから、自分がこれから一年間世話になる教室に向かっていく。

 

「2年4組か」

 

「やあ、士」

 

声をかけられ後ろを振り返ると、そこには士と同じくこの世界に転生したもう一人の転生者であり、士の親友である海東大樹がこちらに歩いてきた。

 

「よう、おはよう。大樹」

 

「ああ、おはよう。それにしても、また君たちと同じクラスなんてね」

 

「『君たち』ってことは、士道も同じなのか?」

 

「士道なら先に教室に向かって行ったよ」

 

 

士は大樹と雑談をしながら目的の教室に着いた。まだ始業時間には早かったが、新学年、新学期ということで時間に余裕を持って登校している多くの生徒たちで教室の中は賑わっていた。

 

「五河君!海東君!」

 

二人は教室に入ると誰かに呼ばれてその方を見ると、アシンメトリーな長い黒髪が特徴的な女の子がこちらに向かって来る。

 

「おはよう楓」

 

「おはよう。五河君」

 

「やあ、楓ちゃん。また同じクラスだね」

 

「うん、またよろしくね。二人とも」

 

この子は夜桜 楓。士と大樹が中学生だった頃、あることがきっかけで仲良くなり、それ以来よく一緒にいることが多い。そこで先に登校していた士道がやって来る。

 

「よう、三人とも、おはよう」

 

「あ、士道君もおはよう!」

 

士道まで来て楓は元気にはしゃいでいたが、向こうから女子のグループに呼ばれたため、すぐにそちらの方へと向かった。

 

「五河 士道、五河 士」

 

楓が三人から離れて行くと、突然士道と士は見知らぬ少女に呼び止められた。

 

「えっと…俺たちになんか用か?」

 

士道はそう応えると少女は微動だにせずに思案して言葉を返す。

 

「覚えてないの?」

 

士も転生してからの記憶を遡り思い出そうとしたが、やはり見覚えがなかった。そんな士道たちの様子を見て、少女は

「そう」と一言だけ言うと机から参考書のような本を取り出し、それを読み始めた。

 

「あ〜しまった〜。つい足が出た〜」

 

「ぐほぁ!」

 

士たちの後ろで大樹のいかにも棒読みなセリフと何が潰れたような声が聞こえた。その声の主は一応三人の友人である殿町宏人のものだったが、大樹の蹴りをくらった殿町は床の上で倒れている。だが数秒後なんとか復活した殿町はゆっくりと立ち上がる。

 

「よう五河兄弟、海東。お前ら二人ともセクシャルビーストめ!」

 

「セク…なんだって?」

 

聞きなれない言葉についていけない三人だが、殿町はそんなのに構わず言葉を続けた。

 

「セクシャルビーストだ、お前らちょっと見ない間に色づきやがって。お前ら楓ちゃんだけでなく、いつの間に鳶一折紙と仲良くなったんだ?」

 

「「「…誰?」」」

 

「鳶一だよ、鳶一折紙。てゆーか海東!お前去年紹介してやっただろ!」

 

「……ああ。覚えていたよ?」

 

ーー今の間は絶対に忘れてたな。大樹の奴……。士は心の中でそう呟いた。

 

「ちょっと待て⁉︎何だ今の間は⁉︎お前去年教えてくれって言ったから教えたのに全然覚えてなかったのか!」

 

「あ、そういえば鳶一って確か超天才とか言われてた学年主席だったよな」

 

その後殿町がため息をつきながら鳶一折紙について詳しく語り出した。要約すると、成績は学年主席で体育もダントツ、「『恋人にしたい女子ベスト13』では3位の人気らしい。そこで士道が疑問に思ったことを口にする。

 

「なあ、なんでベスト13なんて中途半端な数字なんだ?」

 

士道の問いに答えたのは大樹だった。

 

「簡単な話だよ、士道。主催者の女子の順位が13位なんだ。あ、因みに楓ちゃんはぶっちぎりの1位だってさ」

 

「へえー、じゃあ男子もあるのか?」

 

「ああ、『恋人にしたい男子ランキング』はベスト358まで発表されたぞ」

 

「多っ!最後の方ワーストランキングに近いじゃんか!てか殿町は何位だったんだ?」

 

「僕が教えてあげよう。僕が1位で士が2位、士道が53位そして殿町は見事に358位だ」

 

「………」

 

大樹が言った内容に士はどうやって殿町に声をかければいいのか分からなかった。

 

「…えっと…殿町…。その…悪かったな…嫌なこと聞いて」

 

「言うな!2位の奴に励まされても俺が惨めになる!」

 

そう言って殿町は頬に涙を伝わせながら教室から飛び出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「五河兄弟、海東。どうせ暇なんだろ、飯いかねー?」

 

今日の日程を終え、帰り支度を整えた生徒たちが教室から出て行く中、先程涙を流して教室から飛び出して行った殿町が話しかけてきた。

 

「悪い、今日は琴里と飯食いに行くんだ」

 

「僕もだ。今日は大事な用がある」

 

「なあ五河、俺も一緒に行っていいか?」

 

「え?別にいいと思うけど」

 

「……殿町、何を企んでいるんだい?」

 

大樹はジト目で殿町を見つめた。士道も殿町の口から出る言葉に嫌な予感しかしなかった。

 

「いや、別に他意はないんだが、琴里ちゃんも三つくらい年上の男でもどうなのかなと…」

 

「…残念だよ、殿町。君はロリコンだったのか…」

 

「やっぱお前来るな!ここでぶっ飛ばしてやる!」

 

「はいはい、落ち着けって士」

 

士は妹への愛が為に暴走寸前になり、殿町に殴りかかりそうなのを大樹が服を掴んで止めにかかる。

 

ーーと、その瞬間、

 

「ウウゥゥゥゥウウウゥゥゥゥゥーーーー!」

 

教室の窓ガラスをビリビリと揺らしながら不快なサイレンが、響き渡る。

 

「ーーーこれは訓練では、ありません。これは訓練では、ありません。前震が、観測されました。空間震の、発生が、予想されます。近隣住民の皆さんは、速やかに最寄りのシェルターに、避難してください。繰り返しますーー」

 

突然の空間震警報に士、士道、大樹、殿町の四人は一瞬呆けてしまったが、すぐに避難行動をとれた。

 

「ほら、早く地下シェルターに行くよ」

 

大樹は冷静に歩き出し三人も後を追っていくが、大樹が突然立ち止まった。

 

「大樹?どうした?」

 

「彼女、どうしてシェルターとは逆の方向に向かっているんだ?」

 

そこには人混みをかき分けて逆走をする鳶一折紙の姿があった。士道は声をかけようとしたがすぐに走り去ってしまった。

 

「お、落ち着いてくださぁーい!だ、大丈夫ですから、ゆっくりぃー!おかしですよ!おさない、かけない、しゃれこうべー!」

 

担任のタマちゃん先生は周りの生徒たちより断然焦っていた。その様子に、生徒たちは不安を感じるというより、緊張をほぐされているように見える。

 

「なんか自分より焦ってる人を見ていると落ち着くね」

 

「ああ、それわかるかも」

 

大樹が苦笑しながらそう言うと殿町も似たような表情を作って返した。その時、士の制服のポケットがもぞもぞと動き出したので、士はポケットの中を覗いてみた。

 

「おい。士、士道!」

 

「キ、キバット⁉︎」

 

なんと士の制服のポケットからキバットが出てきたのだ。キバットは鞄の中に入れたはずなのに何故か士の制服に忍び込んでいたのだ。

 

「どうしたんだよ。一体」

 

「どうした、じゃねーよ!琴里の奴、まだシェルターの外にいるんだぞ!」

 

キバットの言葉に士道は悪寒を感じた。もしキバットの言葉通りなら、最悪なシナリオが想像出来たからだ。士道は携帯のGPS機能を使って琴里の位置を確認する。

 

「ッ!」

 

士道の予想した最悪なシナリオが現実に起きてしまった。琴里の位置を示すアイコンが約束していたファミレスの前を指し示していたのだ。その事に毒づきながら士道は生徒たちの人混みを飛び出して行った。

 

「おい士道!待てよ!」

 

キバットに集中していた士もそれに気づき士道を追いかける。

 

「士、士道!どこに行くんだ!」

 

大樹が後ろで叫ぶが、士はそれに構わずそのまま走り去って行く。

 

 

 

 

 

 

 

「キバット!原作通りならこの後はどうなるんだ⁉︎」

 

「悪りぃ、俺も原作までは知らねえから何とも言えねぇ!」

 

あの後、士道を見失った士はマシンディケイダーをエンジン全開で走らせ、キバットと共に空間震警報が鳴り響く街の中を駆けている。もう少しで目的地であるファミレスに着く。きっと士道もそこに向かっているはずだ。

 

だが、その時、士とキバットを視界を塗りつぶすほどの光と猛烈な爆風が襲い、マシンディケイダーごと吹き飛ばされた。

 

「「うわあああああああああ⁉︎」」

 

 

 

 

 

気がついたら爆風に飛ばされたのか、士の隣には士道が転がって来ていた。それを確認した士は士道の元に駆け寄る。

 

「いってえ……おいキバット、士道。大丈夫かーーーーえ?」

 

士は思わず間の抜けた声を出してしまった。視界が晴れると街が消えていたのだ。ビルは崩れ落ち、道路にはヒビが入り、まるで隕石が落ちてきたかのように地面が削り取られていた。だが、そんな目の前の惨劇よりも、そこにいた一人の少女に目を奪われてた。それは絶世の美女だった。少女は神秘的に輝くドレスを着ていて、その美しさに見惚れてしまっていた。この少女を言葉で表すのならば、暴力的にまで美しい。そんな少女が後ろにある玉座から長大な剣を取り出した。

 

「なんだ…?」

 

その剣は光り輝き幻想的なものだった。少女は剣の切っ先をこちらのほうに向かって振り上げる。そして剣が振り下ろされると剣の軌跡が二人のいる直線上通り、あらゆるものを切り裂いていた。

 

「なっーーー⁉︎」

 

「避けろ士道!」

 

士はこちらに迫る斬撃をかわすために士道の服を掴んで無理矢理その場から投げ飛ばす。運のいいことに斬撃は士の真横を通ったため、足元には大きな斬撃痕が残っていた。

 

「ひ……⁉︎」

 

「おい士!前だ!」

 

突然の出来事に戦慄する士道、士にキバットが叫ぶが、少女は一瞬で士たちの目の前に移動していた。

 

「ーーおまえたちも……か」

 

少女は顔を歪ませて悲しげにそう言うと剣の切っ先を士に向ける。

 

「ーー君は……」

 

「……名を聞いているのか?」

 

心地の良い調べの如き声音だが、どこか悲しそうに聞こえたように思えた。

 

「ーーそんなものは、ない」

 

「ーーーっ」

 

その時の少女は、ひどく憂鬱そうなーーまるで、今にも泣き出してしまいそうな表情をつくりながらその言葉を口にした。

 

 

次の瞬間、無数の銃声と砲撃音が鳴り響いた。

 

上空を見ると、ボディースーツを着て武装をしている女性たちが少女に向けてミサイルをいくつも発射してきた。その中には士と士道のクラスメイトである鳶一折紙までいた。だが少女は剣を握っていない方の手を上にやり、グッと握る。するとミサイルが圧縮されたように潰れ、その場で爆発した。

 

「こんなものは無駄だと、何故分からない」

 

少女が剣を振り抜くと、その衝撃で武装をした女性たちが吹き飛ばされる。女性たちは体勢を立て直そうとする。

 

「貴様が、精霊だな?」

 

突然声が聞こえて全員がそちらを見ると、そこには一人の人物が立っていた。黒いコートを身に纏い、フードを深くかぶっていたためその表情は分からなかったが声からして男性だろう。その男からは禍々しい何かを感じる。

 

「悪いが、我ら機関の目的の為について来てもらうぞ」

 

男は指を鳴らすと、その背後にゆっくりと異形な何かが姿を現す。士はその怪人たちを見て驚く。

それは間違いなく『ウィザードの世界』に現れる絶望から生まれる怪人、ファントムだ。

 

「行け、ファントム」

 

男がそう言うと怪物、ファントムは武装した女性たちや少女に襲いかかる。しかし、少女はファントムたちを一太刀で吹き飛ばしていく。

 

「なんなんだよ……一体…」

 

士道は怪人たちや黒いコートの男に恐怖を感じていた。

 

「…士道」

 

「ど…どうしたんだよ、士」

 

士道は突然自分を呼んだ士の方を見る。その士も怪人たちを見つめていたままだった。

 

「あいつらは俺に任せろ。だから…お前はあの子のことを見ていてくれ」

 

「それって…どういう……」

 

士道が全てを言い終える前に、士は黒いコートの男の元に向かっていく。

 

 

「ほう、なかなかやるな。そうこなくては…」

 

少女の戦闘を見る男はフードに隠れた口角を上げていた。

 

「おい!」

 

「ん?」

 

男が後ろを振り返ると、そこには士が立っていた。

 

「俺がお前の相手をしてやる」

 

「ふん、たかが人間が笑わせるな」

 

男は鼻で笑うが、士は余裕な表情を浮かべていた。

 

「悪いけど、ただの人間じゃないんだよ」

 

士は右腕を横に伸ばす。

 

「キバット!」

 

「おう!キバって行くぜ!士!」

 

士が叫ぶとキバットがディケイドライバーを持ちながら飛んで来て、ドライバーを士に投げ渡す。士は投げ渡されたドライバーを掴むと腰に装着する。そして左腰に連携されているライドブッカーからカードを取り出す。

 

「貴様…何者だ?」

 

男は士に尋ねる。男のこの言葉に士は待ってましたと言わんばかりに叫んだ。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ‼︎」

 

ディケイドライバーのバックルにカードを挿入し、バックルを回す。

 

「変身!」

 

《KAMEN RIDE・DECADE》

 

瞬間、士の周りに14の紋章と、14のモノクロのシルエットが出現する。

それらが士と重なると一瞬だけ発光し、次の瞬間にはモノクロだったシルエットと同一の姿の仮面にバックルから出現したマゼンタのプレートが頭部に突き刺さる。

 

そこにはマゼンタに輝く戦士がいた。

 

「何⁉︎」

 

「俺はディケイド……仮面ライダーディケイドだ‼︎」

 

 

 

 

 

世界の破壊者の物語が今、始まる。

 

 

 

 




次はディケイドの戦闘です!

戦闘描写って難しいですね!笑
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