デート・ア・ディケイド   作:黒崎士道

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更新遅れました!

内容はリメイク前の改良版のような形になってしまいましたが、どうぞ!


動き出す物語

SIDE ???

 

真っ白な大理石に囲まれた、中央にあるステージのような円卓をそれぞれ高さが異なる八つの椅子が取り囲む広間に三人の人物がそれぞれの席についていた。

一人は一番高い位置にある椅子に腰を掛け、黒いコートのフードに顔を隠し、その表情を知ることかできない。

二人目は右眼に眼帯を付け、左頬に大きな傷、白髪が混じった髪の目つきが鋭い男。

そして三人目が先程怪人となりディケイドと戦闘を行っていた青色の髪にX字の傷跡を持つ男だった。

 

「ーーでは、お前は件のディケイドとやらに任務を妨害され、惨めにのこのこと帰ってきたということか…」

 

「はい…申し訳ありません………ノーハート様」

 

青い髪の男は円卓の上でフードで顔を隠した男、ノーハートに膝をつく。

 

「ははっ、でもお前さんに深手を負わせるなんて中々やるじゃないか破壊者さんも」

 

眼帯を付けた男、ブライグは挑発するように青い髪の男、アイザに茶々をいれた。だがアイザはそんなブライグを無視し頭を下げたままだった。機関の副官である彼は任務の失敗に対する罰を受ける覚悟でいた。だが当のノーハートの口から予想外の言葉が出された。

 

「ご苦労だった。ディケイドの報告だけでも十分だろ。下がれ、アイザ」

 

「……はっ」

 

アイザは闇に包まれその場から消えた。白い空間に残されたのはノーハートとブライグの二人だけだ。

 

「ついに向こうも動き始めたなぁ?ボス」

 

ブライグはノーハートに話しかける。それにノーハートは懐かしむように口を開く。

 

「……あれから25年…長かったものだ。ついに我々も本格的に動き始める時が来た」

 

 

 

 

「我らの完成、そしてこの愚かな世界の未来を終わらせるためにな……」

 

 

 

SIDE OUT

 

 

SIDE 士

 

姿が戻ったディケイドはマシンディケイダーで街を走っていた。先程の女性たちに捕まると色々と面倒な事になるので、とにかく現場から遠く離れた場所にバイクを停めた。

 

「はあ…面倒な事になったな……」

 

ディケイドはそう呟きながらバックルを取り外して士の姿に戻り、さっきの戦闘を思い返していた。

ーーあの怪人に変身したコートの男、

それに『ウィザードの世界』の怪人たち、一体何かが起きてるのか?

 

「取り敢えず、帰るか…何か忘れてる気がするけど」

 

士は士道の存在を完全に忘れ、マシンディケイダーのエンジンをかけて学校に戻ろうとした時だった。

 

「五河士…いえ、仮面ライダーディケイドですね?」

 

「ん?」

 

声がしたので後ろを振り向くと、そこには栗色の髪を束ねた少女がいた。年齢は自分より少し上だろうか。士はディケイドの名を呼ばれたことで少し警戒した。

 

「あなたは?」

 

「私はアーガスコーポレーション、社長の秘書をやっている九条明日奈。社長があなたにお会いになりたいそうなので、こ同行願います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処かの廃墟……そこには先ほどディケイドと怪人たちの戦闘を見ていた漆黒のライダーがいた。ライダーは変身を解くと一人の少年が現れた。

 

漆黒の髪に金色の瞳を持つ少年は腰に装着していたベルトを外し、一瞬悲しそうな顔を作るが、すぐに穴が空いた天井を見上げる。

 

「ようやく動き始めたな………ディケイド………ついに俺たちの物語が始まるんだ……」

 

少年は一人そう呟くと闇に溶け込むように、その場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在士は明日奈と名乗った少女に連れられて巨大なビルの中の廊下を歩いていた。そして二人はエレベーターに乗り込み、最上階に着くと一つのドアがあった。

ドアの上には金色のプレートで【社長室】と描かれていた。明日奈はそのドアを開け、士も続いて中に入る。

 

「連れてまいりました。社長」

 

「ああ、わざわざご苦労だったね。明日奈君」

 

そこには巨大なデスクに座る六十代の外国人男性がいた。削いだような鋭い顔立ち、鉄灰色の前髪が流れていて真紅のスーツを着た姿は威圧感があった。

 

「さて、君が五河士君だね?」

 

「はい。あの……あなたは?」

 

「おっと、紹介が遅れたね。

私はナサニエル・テイラー。このアーガスコーポレーションの社長を務めている。以後、よろしくな」

 

「は、はあ…どうも……」

 

そこでテイラーは士の様子に気づいたのか、柔らかい笑みを浮かべた。

 

「ははは、いや済まない。自分で言うのもなんだが、どうも私は周りから怖い顔の年寄りと思われていてね。いやはや参ってしまうよ」

 

テイラーから先程の威圧感がなくなり、士は緊張が少し解けた。

 

「まずは、今日君に来てもらった訳を話そう。私は待っていたんだ。今日、4月10日にディケイドが現れるのを」

 

士はテイラーの言葉に少し引っかかった。

これではまるでこの男性は、今日、自分があの場所に現れディケイドに変身すると分かっていたような言い方だった。

そう思う一方、テイラーはそんな士の考えを見抜いているように微笑む。

 

「神からは私のことを聞いていないのかい?彼は君たちの協力者である私のことを既に君たちに伝えたと言っていたのだか?」

 

「神」。その言葉で士ははっとした。その人物についているのは転生者である自分と大樹を含めてたったの二人だけなのだ。

 

「まさか…あなたは……」

 

「ああ、私はかつて彼の部下だった者だ。

だがそんなことより、話の前にもう一人ここに来てもらった者がいるんだ」

 

「もう一人?」

 

「そうだ。入ってきてくれ」

 

すると士が入ってきたドアとは別のドアが開く。そこから部屋の中に入ってきた人物に、士は驚きを隠せなかった。

 

「やあ、士。さっきぶり」

 

「大樹⁉︎」

 

入ってきたのは学校のシェルターに避難したはずの大樹だった。テイラーはそんな士の反応を気にせずそのまま言葉を続けた。

 

「さて、それでは本題に入るとしよう。今この世界で起こっていること、そして君たちが戦わなければならない敵について…」

 

 

「まずは、私たちが戦うべき敵についてだ。

この世界では、強い心を持った者、または強い想いを持ちながら人間がその生命を奪われた時、抜け殻となった魂と肉体が意志を持ち強大な力を持つ怪人として生まれ変わることがある。

そしてその少数の怪人たちで構成された組織、これが私たちの敵である『パラドクス機関』だ」

 

明日奈が手元に持った端末を操作すると、部屋の中に数人の黒いコートを着てフードで顔を隠した男たちがビジョンで映し出された。

 

「パラドクス機関…」

 

士はその名を呟く。

 

「だが、厄介なのが彼らはあらゆる仮面ライダー世界の怪人どもを統率し、その配下に置いているということだ」

 

「どういうことですか?何故パラドクスと怪人たちが関係あるのですか?」

 

「ふむ…。君たちは『リ・イマジネーション』、という言葉を知っているかね?」

 

「リ・イマジネーション…?」

 

聞きなれない言葉に士は聞き返す。しかしそれに応えたのは大樹だ。

 

「聞いたことがあります。確か、ある作品を元として新しい作品が作られる。という意味でしたよね?」

 

「ああ、その通りだ。この『デート・ア・ライブ』の世界はある人物がこの世界に深く干渉した事がきっかけでその『リ・イマジネーション』によって構築されたイレギュラーな世界なんだ。

彼ら『パラドクス』はそのイレギュラーによって生まれた、まあ仮面ライダー風に言うとようするに『デート・ア・ライブの世界』での大ショッカーということになる。そのせいなのか、彼らは世界を超える力を持ちあらゆる世界から怪人たちをその配下に置いている」

 

「彼らの目的は何なんですか?」

 

「いや、こちらもいち早く彼らを探っているのだが残念ながらその目的は未だ不明だ」

 

「そうですか…」

 

テイラーの言葉に大樹は悔しそうな顔をする。

そして士は映し出された黒いコートの人物たちをジッと見つめていた。

 

ーーなんだろう…始めて見るはずなのに……俺は、こいつらを何処かで見たのか?

 

士がそう思う中、大樹が口を重々しく開く。

 

「パラドクス……たくさんの怪人を従えている上、一人ひとりが強い力を持っているなんて」

 

「ああ、それについては安心してくれ。我々は何も君たちだけに戦わせるわけではないよ」

 

大樹の呟きにテイラーは笑顔で応える。

 

「そもそもこのアーガスコーポレーションは君たち仮面ライダーをサポート、そして世界の均衡を守るために最先端の技術力とあらゆる精鋭たちを募って私が立ち上げたんだ。

無論、明日奈君も私の秘書である以前にその精鋭の一人だ。しかし現在我々は顕現装置を開発出来るとはいえ、パラドクスに対抗出来るのは仮面ライダーであるディケイドとディエンドだけだ。

そこで我が社が君たちを全面的にサポートするよ。どうかな?」

 

「…やります。そのパラドクスって奴らが俺の大切な人達を傷つけるなら、俺がそいつらを破壊してやります!」

 

「僕もです。こんな奴らに好き勝手されたら迷惑極まりないですよ」

 

「そうか。素晴らしい」

 

二人の言葉にテイラーは満足だと言わんばかりに満面の笑みを浮かべる。

 

「君たちなら引き受けてくれると思っていたよ。早速だが、私からのプレゼントだ。受け取ってくれ」

 

そう言ってテイラーは士と大樹にそれぞれ三枚のカードと書類を渡した。ソラは渡されたカードを見ると、それは仮面ライダー鎧武に変身出来る『GAIMU』と描かれたライダーカード。書類の方には『契約手続き』と書かれていた。

 

「いやはや、君たちとは仲良くやれそうだ。頼りにしているぞ、仮面ライダー」

 

二人はこの時始めてテイラーの笑みを見て腹が立ったのは言うまでもない。

 

 

結局あのあと士と大樹は契約手続きを終えた後、色んな書類にサインを書かされた上、テイラーや上層部の人たちにに長い話を聞かされ、夕方の7時近くにやっと帰宅することができた。

 

「……大変な事になってきたな」

 

「ああ…リ・イマジネーションの世界にパラドクス、怪人たち…か。でも一番の問題は…」

 

「その怪人たちを率いる、パラドクスのメンバー……」

 

「お呼びかな?」

 

「「っ⁉︎」」

 

士と大樹の会話に聞いたことのない声が響き渡った。それは相手を不安にさせるほどの低い声。

 

「誰だ⁉︎」

 

「っ!士!上だ!」

 

上を見ると近くのビルの上に黒いコートの集団が士と大樹を見下ろしていた。コートを着た人物たちは七人。それぞれの顔はフードに隠され、まったく見ることができない。

 

「パラドクスか⁉︎」

 

「ここで全員倒してやる!」

 

二人はそう叫びディケイドライバーとディエンドライバーを手に持つ。

 

「倒す、かーーーすっかり悪者扱いだな」

 

中央に立つリーダーのような男が笑いながら告げ、背後に現れた灰色のオーロラの空間に消えていった。

 

「待て!」

 

大樹が叫び、男たちを追おうと走り出すが、その大樹の前にパラドクスのメンバーの一人が現れた。そいつのおかげで残りのメンバーたちは皆、姿を消していた。

 

「あぶないあぶない」

 

「邪魔だ!」

 

士は男に向かって叫ぶ。だが男はそんな士たちの苛立ちを楽しむように大げさな動作をする。

 

「そんな言い方はないよな。俺を全否定か?」

 

男は士をからかうように言った。

 

「ゴチャゴチャ言ってないでどけ!」

 

「そんな言葉で状況を変えられると思ってるのかってハナシだ」

 

士の乱暴な言葉を前に、男は余裕たっぷりに肩をすくめる。

 

「なら、力ずくでどいてもらう」

 

大樹がディエンドライバーの銃口を男に向ける。しかし男はまだ余裕な態度をとっている。

 

「そうーーそれが正解。普通の奴が相手ならな。しかし、俺はパラドクスの一員。つまり普通の奴ではない」

 

「ふん!どうせ怪人たちに戦わせて自分たちは見てるだけだろ!」

 

士が不愉快そうに言い放つ。

 

「おっと……そういう認識はいけないと思うぞ?」

 

男はゆったりと言うと、ほんの少し首を傾げ、言葉を続ける。

 

「お前たちの相手がどれほど強大なものか思い出させてやろうじゃないかってハナシ」

 

「……思い出す?」

 

男の言葉に士が聞き返す。男の言っている言葉の意味がわからなかった。

 

「くくく…わははははははは!そうそう、5年前のあの時もそんな顔で俺を見てたっけ!」

 

「どういう意味だ⁉︎」

 

「さあーーーどうだろう?」

 

男は士を煽るように言うと、片手を振り上げる。するとその背後から、先ほどの男たちのように灰色のオーロラが立ち昇った。男の姿がオーロラに溶けて消えていく。

 

「いいコにしてろよ〜?」

 

「待て!」

 

士は男を追いかけ手を延ばすが、男は跡形も無く消えていた。

 

 

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