デート・ア・ディケイド   作:黒崎士道

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更新が遅れてしまいました。今回は十香と士道たちが遭遇する数日前のお話です。
ここでディケイドのライバルとなるオリジナルライダーが登場するので、どうぞ!




漆黒の騎士

士道と士のギャルゲー訓練開始から次の日、士は一人で住宅街の外れにあるある場所に向かっていた。

今日もギャルゲー訓練を士道と共に行っていたのだがキバットから怪人のものと思われる大きな霊力の反応があると言われた場所に向かうために今日は琴里の許可をもらって物理準備室から抜け出した。

 

こんな時は大樹も一緒に来てくれるのだが、生憎なことに今日はテイラーから呼び出されたため大樹はアーガスコーポレーションに出向しているのに加えて、キバットも突然姿を消してしまったので士は一人だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ここか…キバットが言ってたのは」

 

数十分後、キバットに教えてもらった目的の場所に辿り着いた。そこはもうすでに使われなくなっているのか、既に廃墟となっている大きな倉庫だった。確かにここなら隠れ家としても使えそうなため、怪人もここに隠れているかもしれない。そう思いながら士は倉庫の中に入っていく。

 

中はかなり老朽化していて、ドラム缶が大量に放棄されていた。だが、妙なことに怪人の気配は感じられなかった。

その時、背後からカツカツと足音が聞こえて振り返ると、そこには黒いコートを纏いフードを深く被りその表情をうかがえない人物が立っていた。

 

その黒いコートには見覚えがあった。数日前、士たちの前に現れた謎の組織『パラドクス』のメンバーたちが着ていたコートと同じものだった。それを確信した士はディケイドライバーを取り出して身構える。

 

「お前は……?」

 

「……知る必要はない。お前はここで俺が倒すんだからな」

 

コートの人物は淡々と告げる。声からして恐らくは士と同じくらいの少年だろう。

 

「どういう意味だ?」

 

「すぐに分かる」

 

少年はそう言うと、黒いバックルを取り出し腰に装着する。中央には何かをはめる跡があり、その右隣には小さな刀のようなパーツがついていた。

 

「なっ…戦国ドライバー⁉︎」

 

士はそれを見て驚く。

それは仮面ライダー鎧武が使用する戦国ドライバーに似ていたが、横についているフェイスプレートには何かの頭部が描かれていて本来の戦国ドライバーと形状が少し異なっている。

 

「見せてやる……パラドクスの力を」

 

少年は続けてその手に漆黒の禍々しいオーラを放つロックシードを手に取り、スイッチを押して解錠する。

 

『カオス』

 

その音声と共に、少年の頭上に大きな黒い球体が出現する。少年はバックルの中央にロックシードをセットして、再び施錠する。

 

『ロックオン』

 

ドライバーにセットされたロックシードを施錠すると、ドライバーから法螺貝の笛音が鳴り響く。

 

「変身」

 

少年は小さなブレードのようなパーツをロックシードに向かって降ろす。すると、ロックシードの柄の部分が割れる。

 

『ソイヤ!カオス アームズ 黒騎士・オン・ダークネス♪』

 

その音声が響き渡っだと思うと、黒い球体は少年を覆うように飲み込み、黒い球体は霧のように消えるとその場には一人の戦士が立っていた。

 

黒が基調のアンダースーツ・ライドウェアを纏い赤い紋様を持つ、禍々しさを放つ鎧を装備した紫の双眼を持つ仮面をつけた漆黒のライダーがそこにいた。

 

そのライダーの姿はまるで黒騎士を思わせた。

 

「お前は…何者なんだ?」

 

「仮面ライダールシファー……お前を破壊する者だ」

 

ルシファーと名乗ったライダーはその手に剣に銃口とトリガーがついた悪魔のような目の装飾を持つ武器、ヴォイドセイバーを持つ。

士もディケイドライバーを装着し、バックルにカードを挿入する。

 

「変身!」

 

《KAMEN RIDE・DECADE》

 

士はディケイドに変身し、ソードモードのライドブッカーを構える。互いに武器を構えた状態で睨み合う。

 

「お前の力、見せてくれよ」

 

ルシファーはそう告げると、一気にディケイドとの間合いを詰める。ヴォイドブレードライドブッカーがぶつかり合い、火花が散る。ディケイドが振り下ろしたライドブッカーの刃はルシファーのヴォイドセイバーによって弾かれていく。

 

「はっ!」

 

間髪入れずにルシファーがディケイドの懐目掛けて駆け出し、ヴォイドセイバーを斬りあげ、薙ぎ、刺突する。

 

「くっ…!」

 

ディケイドは素早い身のこなしですべてを紙一重で躱していき、ルシファーから距離を取るとライドブッカーからカードを一枚取り出し、その一枚をバックルに挿入する。

 

「変身!」

 

《KAMEN RIDE・BLADE》

 

カードを装鎮すると、ディケイドライバーからオリハルコン・エレメントと呼ばれるヘラクレスオオカブトの絵柄が浮かぶ青い光のゲートが眼前に放出された。

臆することなく光のゲートを通過すると、ディケイドの姿が変わる。

赤い複眼と一本角を携えた仮面に、青を基調としたスーツに白銀の胸部の鎧にはスペードのマークが存在を主張するように鎮座していた。

 

それは、友と世界を救うために運命と闘うことを選んだ戦士。仮面ライダーブレイドだ。

 

ブレイドに変身したディケイド・ブレイドはソードモードのライドブッカーを持ち、ルシファーに向かって駆け出していく。

 

「おもしろい!」

 

ディケイドの変身を見たルシファーもまた、ヴォイドセイバーを構えて迎え撃つ。対するディケイド・ブレイドはルシファーの間合いに入る寸前、カードをドライバーに挿入した。

 

《ATTACK RIDE・METAL》

 

刹那、鋼の強度にまで硬質化したディケイド・ブレイドにルシファーのヴォイドセイバーがぶつかる。

ルシファーはヴォイドセイバーの一閃がディケイドを捉えた、と思っていた。

 

「なっ…⁉︎」

 

しかし、ルシファーは驚愕の様子を見せる。確かに手応えはある筈なのにディケイド・ブレイドのその硬度なボディは一切のダメージを通していない様子だったのだ。

たった一瞬の出来事だったが、虚をつくのは充分だ。ディケイド・ブレイドはすかさず次のカードをドライバーに挿入した。

 

《ATTACK RIDE・TACKLE》

 

ディケイド・ブレイドはライドブッカーを構え、眩い白光を放ちながら猛スピードで強烈なタックルをルシファーにかました。

重い衝撃を近距離で受け、宙に投げ出されるルシファーは地面に落下する直前に受け身を取ることに成功するものの、ディケイド・ブレイドの予想外の攻撃に呆気にとられるものの、直ぐに立ち上がる。

 

「舐めるな!」

 

ライドブッカーを構えるディケイド・ブレイドに叫ぶルシファーはヴォイドセイバーを構えて素早く距離を詰めるとディケイド・ブレイドに一閃をくらわせる。

 

「がああ!」

 

装甲から飛び散る火花が痛烈な一撃の威力を物語っていた。だがその隙をルシファーが見逃す筈がなかった。

 

『ソイヤ!カオス・オーレ!』

 

ルシファーが戦国ドライバーのブレードを二回振り下ろすと、ヴォイドセイバーの刀身に紫色のエネルギーが迸る。

 

「はあ!」

 

ルシファーはヴォイドセイバーを振り抜き、紫色のオーラを纏った一閃をディケイド・ブレイドに向けて放つ。

 

「ぐわぁっ⁉︎」

 

ディケイド・ブレイドはルシファーの放った一閃を避けられずに直撃。ブレイドから元のディケイドの姿に戻り、地面を転がる。ディケイドは小さく呻きながら態勢を立て直そうと立ち上がったが、すでに目の前に距離を詰めたルシファーがヴォイドセイバーを振りかぶっていた。

 

ヴォイドセイバーが振り下ろされた矢先、ディケイドは素早くバックステップを踏んで攻撃を躱すと、ルシファーとの距離を取るために後ろに飛び退いた。

 

「これで決める!」

 

《FINAL ATTACK RIDE・de、de、de、DECADE》

 

ディケイドはバックルにファイナルアタックライドのカードを挿入し、高く跳躍すると眼前に現れた15枚のホログラム状のカード型エネルギーを潜り抜ける。

 

「上等だ!」

 

『ソイヤ!カオス・スカッシュ!』

 

対するルシファーも戦国ドライバーのブレードをロックシードに向かって一回降ろすと音声とともにその右脚に強力な闇のエネルギーを纏い、背中に闇の翼のエネルギーを出現させると高く跳躍する。

 

「「はあああああああああああああああああああああああああ‼︎」」

 

互いに右脚を突き出しディケイドの金色のエネルギーを纏う『ディメンションキック』と、ルシファーの闇を纏うキックがぶつかり合う。

 

両者の必殺技は空気や大地を震わせながら二人を中心に巨大な衝撃波を放つ。轟音が吹き荒れ、すさまじい衝撃があたり全体に駆け抜けた。そしてしばらく続いていた互角の均衡状態が崩れ、両者は互いにその衝撃で吹き飛ばされた。

 

「ぐああああっ!」

 

「ぐっ……!」

 

宙に投げ出された両者はそのまま地面に叩きつけられ、激突した衝撃で地面は少し陥没した。しかしその大きなダメージで二人は互いに変身を解除され元の人間の姿に戻されてしまう。

 

「流石だな、ディケイド」

 

ルシファーから変身を解除された少年はコートについた砂埃を払いながら立ち上がる。士も傷ついた体を立ち上がらせながら少年と対峙する。

 

刹那、士と少年の間にオーロラが出現した。少年はそのオーロラを見る途端、『時間切れか』と、舌打ちを鳴らした。

 

「また会おう…ディケイド」

 

少年はそう告げると、その前方に現れた灰色のオーロラの中に溶け込むように消えて行った。

士はそれを見届けると今の戦闘で手負いのダメージを受けたためか、その場で膝から崩れ落ちてしまった。

 

「仮面ライダー……ルシファー」

 

士は虚空を見つめながら先ほど闘った謎のライダーの名を呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

何処かの廃墟ーーー風が吹き抜ける中、そこに立っていた黒コートのフードを深く被った男、ノーハートは虚空を見つめていた。その背後で空間が揺らいだかと思うと、漆黒のライダールシファーが姿を現した。ノーハートは振り返ることもせず、ルシファーをいさめる。

 

「勝手な行動をとるな」

 

「ちょっとからかっただけさ」

 

だが、そんな叱責をルシファーは意にも介さずその場で変身を解除する。そして漆黒の髪に金色の輝きを帯びた瞳を持つ少年が現れた。

 

「……まあいい、そろそろお前も動き出す時が来たということだ。仮面ライダールシファー……いや、葛葉千秋よ」

 

「ああ…俺の任務はディケイドの討伐、なんだろ?」

 

ノーハートの背中を見つめる少年ーー葛葉千秋は静かに答えた。

 

「そうだ……世界を創り直すためにも、ディケイドの存在が我々の障害となる」

 

「分かってるさ、世界を救うためにな」

 

ルシファーは強い意志を込めた声でそう告げ、その言葉を背後から聞いたノーハートは口元を歪める。

 

ノーハートは真の目的を知らず、世界を救うためだと自分を信じ、真っ直ぐに突き進んでいる純粋で愚かな少年を自分の傀儡として導くために偽りの目的を信じ込ませる。そうすることで計画にとって最も邪魔なディケイドを始末するのにも効率がいい。

 

「お前にはその内、ある場所に向かってもらう」

 

「向かうってどこに?」

 

「来禅高校だ」

 

ノーハートはフードの奥でゆるりと笑いながらそう告げる。

あの謎の存在が言っていた例の五河士道という少年、その家族であり世界の破壊者と呼ばれた存在ディケイドこと五河士、もう一人の仮面ライダーディエンドである海東大樹、ーーーそこに仮面ライダールシファー……いや、葛葉千秋も混ぜてやろう。

 

 

世界を混沌に陥れ、新たな創造に導くために。

 

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