ロックマンゼロ -episode leviathan-   作:プレイズ

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優しい彼

あれから何時間かが経過した。

部屋の中はいつの間にか光が落ち、暗がりに包まれている。

小さな常夜灯だけが薄い電灯を灯していた。

「う、ぅぅ~…ん」

淡い声を漏らしてレヴィアタンは目を覚ます。

今し方彼女は仮眠を取っており、ソファで眠っていたのだ。

1日家事や事務仕事をこなし、少々疲れていたらしい。

事務仕事とは、ネオアルカディアの将としての報告レポート、元老院議会からの各種質問申請への承認印を押下する等である。

家事はともかく彼女は事務仕事までやっていたため、日頃の四天王業務での疲れがたたってソファで居眠りしてしまったのだ。

「ぁぅ、、、」

いけない、眠ってしまった。

朦朧とする意識の中でレヴィアタンは後悔しつつ半身を起こす。

すると、その頭に手が乗せられた。

彼女がそちらを見るとゼロが傍にいた。

「目が覚めたか?」

レヴィアタンは寝ぼけ眼な目で彼を見つめる。

「……あ、ごめんなさいゼロ、少し眠っちゃったみたい」

「ああ、やけにぐっすり眠ってたじゃないか。疲れたのか」

「うん、ちょっと疲れてたかも。でも少し寝たからもう平気よ」

彼女は頬をパチンと叩いて眠気を飛ばした。

仮眠を取る形になったため、身体の

疲れはいくらか取れたようだ。

「今から晩御飯の支度をするわね……って、ぇえっ!?もうこんな時間!?」

時計を見ると、時刻はもう夜10時を回っていた。

いつもの晩食の時間をとっくに過ぎている。

「ぁ、ああっ…!ご、ごめんなさいゼロ、私、」

「落ち着け、レヴィアタン」

動転する妖将の手をゼロが引いた。

彼は落ち着いた様子で彼女を見る。

「疲れていたんだろう?なら寝落ちしたのもしょうがないさ」

「で、でもゼロの晩御飯が遅く……!」

「問題ない。もう作っておいた」

「え………?」

ゼロは机の上に視線を移した。

連れて彼女もそちらを見ると、食卓の上には既に晩御飯が並べられている。2人分の料理が、だ。

「あ………こ、これ、ゼロが?」

「疲れているようだったからな。お前が眠っている間に俺が作っておいた」

「……!」

自分が眠りこけている間に彼は料理を作ってくれていたらしい。

その事実に彼女は驚く。

彼への感謝と、そして同時に自分の不甲斐なさの気持ちが沸いた。

「……ありがとう、ゼロ。私の代わりに」

「いいさ」

「朝も作ってもらったのに、晩まで作ってもらうなんて。私の失態だわ」

レヴィアタンは疲れて寝落ちしてしまい、また彼の手をわずらわせてしまった事を悔いた。

「気にするな。お前は四天王の職務でいつも相当な気疲れをしているだろう。日頃の疲れが溜まっていたから寝てしまうのも無理はない」

「駄目よ、四天王である事を言い訳には出来ないわ。ネオアルカディアの"将"である以上、その責務をまっとうする事は当然。それが統治者の最高幹部としての市民達への責任なのよ」

彼女はゼロの言葉にも首を横に振る。

ネオアルカディアの四天王という肩書きはお飾りであってはいけない。

敵から民を守る事は当然の責務であり、日頃の外敵との戦闘や統治業務はこなして当たり前なのだ。

加えて職務報告や各種承認等の事務仕事もその一環である。

本来なら平日の内に終えておくべきだが、最近は外敵との戦闘で実務が続いたため先送りになってしまっていた。そのため溜まっている事務を休日にやる事になった。

しかし日頃の疲労がたたって寝落ちする形になった。彼女はそれを『疲れていたから仕方ない』では済ませたくない。ましてそれで大事なゼロの手をわずらわせてしまったのだ。彼女の心は自分への悔いで溢れている。

「だからごめんなさい、これは私の職務怠慢のせいよ」

「……レヴィアタン」

妖将としての責任を感じ、謝る彼女にゼロはしばし黙った。

そして言った。

「お前は本当に立派だよ」

「え……?」

「ネオアルカディアの四天王として毎日その責任を背負い、敵との戦闘や事務仕事をこなしている。さぞ激務だろう。そしてそれを"こなして当たり前"と考えている」

「当然だわ。それが嫌なら即刻将軍の地位を降りるべきだもの」

「その当たり前の意識を持てるのがどれだけ難しい事か。お前は当然と思っているようだが、そんな人材はなかなかいないぞ」

彼はレヴィアタンの頭に手を握って優しく言う。

「お前程の高い責任感を持ち、四天王級に求められる実務事務共にハイレベルでこなす女がどれだけいるか。俺が知る限り、この広いネオアルカディアの中でもお前達四天王の4人くらいだぞ。ましてお前はその中で唯一の女性だ。負担も相当だろうにそれを当然とこなすのだから凄いものだ」

「……! お、女だからっていうのは関係ないわ。それを言い訳になんてしたくない」

「確かにお前からすればそうだろうな。女だからと色々言われるのは嫌だろう。だが男の俺から言わせてくれ。これは差別とか贔屓とかではなく、これほどの女を俺は他に知らない。お前のように優秀で責任感があり、かつ実行力のある優れた女など、この世界でお前の他にいない」

ゼロはレヴィアタンの目を見て言う。

そこに偽りや冗談の色はなく、真摯に妖将としての彼女を評価している本音が感じられた。

それをくみ取ったレヴィアタンは、少し紅潮する。

「あ……な、何を言うの、ゼロ」

「これは方便じゃなく本心だ。お前は本当に立派な女の子だよ」

優しく微笑んで彼は語りかける。

彼女の手を取って、すぐ傍に座った位置で。

【挿絵表示】

【挿絵提供:夜桜ゆゆ ㌔ネックス@skeb受付中様】

ゼロの高い評価を聞かされたレヴィアタンは、さっきまで自分に怒りを抱いていた感情が解けていくのを感じた。

そして彼の優しさに触れて心が溶かされていく。

「そ、そんな評価される事じゃないわ。私は妖将として当たり前の事を……」

「そう当たり前に思える事が素晴らしいんだ。それが出来るレヴィアタンが妖将を務めているんだから、このネオアルカディアは安泰だろう。大した女だよお前は」

レヴィアタンの当たり前の意識は決して当たり前ではない。

ゼロの言葉はそう彼女に伝える。

そして、それが出来るお前は将として十分に立派だと。

「そ、そう、かしら……?//」

「ああ、俺が保証する」

ゼロは頷いて首肯した。

彼に太鼓判を押された彼女は、気分が高揚する。

「あ、ゼ、ゼロがそう言ってくれるなら、心強いわ。あ、ありがとう」

「気にするな。偉いなお前は」

ゼロの優しい手が妖将の頭を撫で付ける。

日々頑張っている彼女をねぎらうように、彼氏として彼は彼女を愛撫した。

撫でられたレヴィアタンはさらに紅潮する。

「あ//ゼ、ゼロ、//」

「遠慮するな。いつも頑張ってるご褒美だ。お前はもっと俺に甘えていいんだぞ」

「う、ぅん//」

彼の優しさに触れて彼女は脳がとろけそうになる。

本当にこんな事をされていていいのか、とも思うが今は彼と正式に同棲中。本来、もっとカップルらしい事をしてもバチは当たらないのだ。

「ゼ、ゼロ。もっとそっちへ行っていいかしら」

彼女は頬を染めてさらに彼の元へ歩み寄る。今もすぐ隣にいるのだが、さらに密着しようというのだ。

つまり触れたいということ。

「いいぞ。来いレヴィアタン」

「……//」

微笑んで許可され、彼女は思い切って踏み出す。

「ゼロ……」

身を案じてくれるゼロを嬉しく思うレヴィアタン。

「ありがとうゼロ。でも、私はネオアルカディア四天王よ。ゼロに頼ってばかりはいられないわ」

「……お前は、またそうやって無理を…………」

「ふふ、ゼロってほんとに優しいv」

レヴィアタンは自分を思ってくれるゼロにたまらず抱きつく。

「!、お、おわ……っ」

「エへへーーv」

嬉しそうな表情でゼロの胸に抱きつくレヴィアタン。

「私のことこんなに大事に思ってくれてありがとうvゼロv」

「ああ。お前は俺にとって本当に大事で、そして可愛い存在だからな」

彼女に抱きつかれるも、彼は手慣れた様子で彼女を愛撫する。

並の男ならレヴィアタン程の女子に甘えられれば逆に篭絡されるものだが、ゼロは動じない。それどころか逆に妖将を篭絡してしまう。

「ぁう……」

可愛い存在、とナチュラルに言われてレヴィアタンの脳が紅潮する。

彼相手だと、普段は冷静な自分がどうしても高揚してしまう。

初めて会った時からそうだった。

それは、他の男とは違う特別な存在だから。

「ゼロ、大好き//」

「……ふふ、そうか」

自分の気持ちを隠さず吐露する彼女にゼロが微笑する。

 

「じゃあ、今度はやってもよさそうだな」

「ふぇ……?」

程よく彼女が火照ってきたのを見た彼は、次の段階へと進む。

お預けになっていた、朝のその先へ。

ぐいっと彼女の身体を押し倒して、彼は上にまたがった。

「んきゃッ!?」

気を緩めていたレヴィアタンは彼のプッシュをそのまま受けて倒れ込む。まともならふんばるなり抵抗するなりするのだが、今の彼女は隙を見せていたため簡単に押し倒されてしまった。

彼女が上を見上げると、狼の表情をしたゼロが見える。

【挿絵表示】

【挿絵提供:エンちやん様】

「ぁ、ぁあ、、、//」 

慌てるレヴィアタン。

だが明確に拒否する事はない。

朝に比べると彼女もかなり気持ちをその気にされていた。

「ふふ、朝の続きといこうか」

「あ、あ……!」

「……怖いならやめておくが」

ゼロは狼の狂気をはらむ。

しかし無理やりはせず、彼女の意思を確認した。

そこはただ性欲のままに動く男ではなく、行為間近でもあくまで彼のベースは冷静だった。

「……ぅ、ぅうん、怖くないよ?」

動転するも、しかしレヴィアタンは拒まない。

もはや彼女の脳は半分ゼロに気を許していた。

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