個性 「テラフォーマーズ」のヒーローアカデミア 作:ポップス
虫野たち一向は授業を終え廊下に出ようと扉を開けるとそこには A組を見ようと多くの学生が集まっていた。
「うぇ、人多すぎだろ………出れねぇじゃん!何しに来たんだよ!」
「敵情視察だろザコ
声にならない声でこっちを向く峰田を横目に虫野も通り過ぎる。
「意味ねぇからどけ!モブ共!」
「知らない人の事取り敢えず「モブ」と言うのやめなよ!」
平常運転の爆豪に呆れる1年A組。そうしていると人混みの中から話しながら近づいてくる人がいた。
「どんなもんなのかと見に来たら随分偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍している奴は全員そうなのか?
こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
偉そうな口調には煽り口調。と張り合うように喋る紫髪の人が前に出た。
「普通科とか他の科ってヒーロー科から落ちたから入ったって奴結構いるんだ。知ってた?
体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りだってよ敵情視察?少なくとも俺は調子乗ってると足元ごっそり掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり!」
ここまで正直に言ってくる人は少なかったのか緑谷たちは少し苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。しかし、爆豪だけは一切表情を変えずにただ心操を見つめていた。すると、隣のB組が参戦し
「隣のB組のもんだけどよう!
「「(B組も!!?)」」
「皆ごめん。確かに今のは爆豪は悪い。クラスの一員として俺が謝る。ーーー爆豪、お前言葉強すぎ!もっと優しく言えないのか?」
「言えるわ!優しく言い殺しろか!」
「どゆこと………?ーーーけど、普通科の生徒たち。俺らを狙うのは良いがまずは
虚を付かれたのかさっきまで熱気が昂っていたのに、問題児の話をした途端に熱が冷め、ザワザワし始めた。そのことについて心操が驚きつつも何で知ってるのかを問い詰める。
「ッッ!何で知ってる………!?
「何ででしょうね……。ーーーそれに、そんだけ啖呵をきっておいてまさか、一回戦で落ちる………なんて無いよな?」
「虫野くんも煽らない!」
「楽しみにしてるよ……普通科の皆さん。」
最後の最後に普通科にプレッシャーを与えて帰っていき、周りは不穏な空気を残したまま解散した。
「そう言えば……緑谷少し話したいことがある。大丈夫か?」
「えっ、僕?大丈夫だけど……(虫野くんとはこれと言った関係は無いけど……)」
「じゃ、屋上で待ってる。ーーー後、緑谷一人で来い。他の人は連れて来ないように」
「分かった………」
屋上に来たのは良いけど、虫野くんはどこにいるんだ?……ドアの上にもいない……。
ガチャ「虫野くん!遅い….....ってオールマイト!!?」
「緑谷少年……呼んだかい?というより、呼ぶならわざわざ屋上に呼ばなくても私は来るんだが………それに今日はやることが多くて……出来れば短めにしてくれると助かるんだが......」
「な、何でオールマイトがいるんですか!?僕は虫野くんに誘われれここに来たんですが……」
「なに!?君も虫野少年からかい?実は、私も虫野少年に緑谷少年が話したいことがあると言われてたんだが……」
お互いに状況が読めない展開になっている時、虫野が突然表れる。
シュッ「来ましたね。急だけど俺の手を握ってもらえませんか?」
「「虫野くん!!」」
少年
「い、いつから居たんだ!?」
「いまさっきです。ーーーそれより行きましょう」
「何で……一体何処に行くんだ?」
「オールマイト……あなたの怪我を治すための場所です!」
「「‼️」」 「知ってるのか………?」
「はい……」
「いつから!?」
「雄英に入学してからすぐに………」
「どうして分かった?」
誰にも怪我のことは悟られること無く過ごしていたのに虫野だけが気付けたということに驚きつつも真剣な眼差しで虫野を見つめ直すオールマイト。
「なんだか……何処かを庇っているような歩き方をしていたので。でも、この怪我のことを誰かに喋るとかは無いので安心してください。」
ありがとう、と一言呟き、その後に……
「しかし、虫野少年。私の体を治すなんてことは本当にできるのかい?君のことを疑っている訳ではないが、いまいち君のことを良く知らないんだ。個性届の件もあるしね……」
それは……言えてるな……あの件は俺に非があるしなぁー。信用出来ないのはそれとなく分かるな。
「それはすいません。けど!今は自分の心配をしてください」
緑谷がおざなりになっていたので、緑谷の目を見つめ
「大丈夫。オールマイトは絶対に治る。なんなら……適合すれば個性が使えちゃったりするかも?」
「そ、それは本当なのか?」
「適合すれば!の話しですよ、間違え無いように。」
「分かった、まだ心配は拭えてないが、私は教師。生徒を信じてみるさ!」
少し戸惑いを見せたが、信じると言われて嬉しかったのか虫野は手を緑谷とオールマイトにいつもりよ優しく差し出した。その反面緑谷だけは手を強く握り目を瞑った。少し痛かったが本人はまるで衝撃に備えるような顔をしたので仕方が無かった、けれどそのような衝撃は無く、ただ「シュッ」と小さく音を立てただけだった。
「……着きましたよ、ようこそーーーここは避難所兼訓練所、通称
到着した所は地球とは別次元の土地があり、そこには様々なテラ達や国籍や人種が集まっていた。
「一体なんだ!ここは!?それに
あの人達は一体誰なんだい!?」
これにはオールマイトも脳の処理が追い付いてないようで、それ以上に緑谷が処理出来ていなかった。すると……
「Mr.ムシノ!!あなたに会えて光栄です。私達を助けて下さりありがとう!!」
※ここから少しだけ外国語が出てきます。外国語を書いてそれを翻訳するのは大変なので(主が)、簡単な言葉以外の外国語の場合は文字の色を変えさて頂きます。
「「ムシノ?………OOh!ムシノ!!ムシノ!!」」
「お礼をさせて下さい!!」
「私もお礼をさせて下さい!!」
「だから!!なに言ってんのか分からんって言ってるだろ!日本語で喋れOK!?」
「「「………OK!!!!」」
「意味分かってねぇだろ!」
虫野という言葉を聞いた途端に人が虫野に群がる。堪らず後後退りし、群衆から逃げる虫野。蚊帳の外の二人は、この異様な光景に見つめ会いながら首を傾げてた。
「………戻り……ました、ハァ、ハァ」
「……お疲れ……。大変だったね。それと……ここは何処なんだ?少なくとも日本では無いように見えるが……」
「……ご名答、ハァ、ここハァ別空間です。テラ達が生活出来るように創った場所です。ーーーここには畑も川もあります。生活に事欠かないように出来るだけ揃えてるつもりです。まだ、手を付けてない部分もありますが……まぁそれは追々……」
説明を受けてもいまいち分かっていない様子だったが、虫野は急ぎ早に施設に案内する。
「ここなら誰も来ないのでマッスルフォームになっても大丈夫です。ーーー維十お前が必要だ、手伝ってくれ。他のヤツも呼んで掛かれ」
シュッ 「ジョージ」
「緑谷、帰るのなら今のうちだぞ、手術には時間が掛かる。もしかしたら長くなるかもだから、こっちに居るなら親に許可取っておいた方が良いんじゃないか?ここ電波通るし」
「えっ?本当!?」
「うん、なんならWi-Fiもあるし」
「意外に発達してる!」
「…………では、手術を始めます。オールマイトはずっとマッスルフォームでお願いします。」
「分かった……って何処へ行く虫野少年!?」
「俺はオールマイトの血とDNAを検査して適合する『
「お母さんから許可は取れたし……僕は少し手術の様子を見てその後虫野と一緒にオールマイトに適合するものを探すよ!」
「……分かった。じゃ、俺は先に行って探しとくよ!」
僕は今、不思議光景を目の当たりにしている。手術台に乗って仰向けになっているオールマイトを人間大のゴキブ……テラさん達が治していようとしてるからだ。漫画や映画でもこんなのは見たことない。実際僕が何も知らされずにここにいたら確実に気絶していたのは間違えない。
20分後ほどオールマイトの手術を見た後、緑谷は虫野を探していた。
「………そう言えば、何処で検査するか聞いて無かったなぁ……さっきは緊張しててよく分からなかったが、ここかなり不気味だぞ。廃墟になった病院みたい……」
ブルブルに震えながら壁づたいにゆっくりと歩く緑谷。天井の電気はピ…ピ…ピピッっと点滅しているためビビりな緑谷にとってここは完全におばけ屋敷と化していた。少し歩き途中でドアがあり、表札には『研究室』と書いてあるため、安心してドアを開ける。けれど……そこにはーーー
「「「ジョージ」」」
ーーーテラ達しかいなかった。
「ぅ、うわあぁぁッッ!ーーーー!!!
すみ…ごめん...せんでしたーーー!!」 ガチャ!
びっっっくりしたぁぁーー!!一度見たから慣れたと思ってたけど、いざ見たら……しかも複数……匹?……人?とにかく僕は恐怖で
その場逃れるしかなかった。
「大丈夫か緑谷?」
大声が聞こえ、急いで緑谷のとこまで行き、見つけたので肩を軽く叩いた。
「うわぁぁっっ!!………って、虫野くん……?、良かった!!やっと人を見つけた!ここ不気味過ぎだょ………」
「ごめんな、ここ蛍光灯切れてるんだよ。今度来たときは綺麗になってるから」
「そ……そうだね…」
虫野くんには悪いけど……僕はここにもうあまり来たくないなぁ……怖いし……
「着いたよここだよ様々な『バグズ』やDNAの検査をしているところは」
「えっ?ここ……さっきの……!!やっぱりここだったんだ……」
虫野が案内したのは緑谷が『研究室』と思い入って怖い思いをした所だった。
「来てたのか?なら待っとけば良かったのに」
「だ、誰もいないかったから……(人が)」
緑谷はこの事件以降、虫を異様に警戒するよになるがそれはまだ先の話。
「これがオールマイトの血液?」
「そうだ、これを媒体にして様々な実験を行い、そこからオールマイトに適正なものを選ぶ。複数ある場合は俺達が候補を決める。そして、最終的にはオールマイト自身に決めてもらう。言わば、家に合うカーテンを選ぶ感覚に近いな」
「そんな感じ!?……それと、適正ってなに?適合ならさっき聞いたけど……」
「あれだよ、サッカー選手に
そして、虫野たちはオールマイトの血液を使って実験を始めていく。実験は想像するよりスムーズに行われ、15分ぐらいで終わり、残るは適合検査だけとなった。すると、意外な結果が分かってしまった。
「嘘だろ!?マジ!?」
ビクッ! 「どうしたの虫野くん!?大声出して」
「オールマイトは人格、器ともNo.1だったか……」
「一体何が……!?」
「オールマイトの適合検査をしたんだが………始めてのケースだ、全生物に適合している………」
「全生物に適合………ってそれじゃ!オールマイト虫野くんと同じみようになるってこと!?」
「少し違うが正解だ!今まで俺以外の人間はいないと思っていたがこんな近くに居たとは……(そう言えばあいつも他のやつより多かったな、何か条件があるのか?色々試してんだけどな……まだ何か見落としているのか?)」
「緑谷、お前の血液をくれないか?」
「えっ?」
「お願いだ頼む。今はクラスメートの虫野力哉ではなく、一人の研究者としてお願いする。」
俺の必死の頼みが効いたのか渋々頭を縦に振った。
そして、15くらいで終わり、結果を緑谷と一緒に見た。
「緑谷も多い……しかし原理が分からん……ダメ元で聞くが緑谷は分かるか?」
「……ごめん、僕も分からない」
「気にしないでも良いよ…今日はこれを調べ直さないとだなー!」
「夜更かしは身体に悪いよ…」
「そうだぞ……夜更かしは身体に悪い、今日はゆっくりして英気を養いなさい」
「オールマイト!!」
「起きましたね。怪我はどうです?完治してるでしょ」
「あぁ、この通りさ!」
服の裾を捲り上げるとあの痛々しい傷が治っていた。そして、傷跡一つもついてない綺麗な腹があった。
「何だか身体に付いてた重りが外れたようだよ。礼を言わせてくれ、ありがとう虫野少年!この恩は忘れないよ!」
「俺はやれることをやっただけなんで礼はいりませんよ。でも!強いて言うならーーーーー『
「「Monte Cherne!?」」「しかもホール!?」
「あ、あの高級スイーツ店のMonte Cherne!?政府御用達とまで言われ、ケーキ一切れ8000円もするのに予約が3ヶ月先まで埋まってると言われているあの『Monte Cherne』を!」
「8000円もするのに……って。さりげなく毒吐いたね。それでーお願い出来ます?オールマイト。あなたの人脈なら並ばなくとも買えると思いますけど」
「虫野少年……私の怪我を戻してくれ!ホールは高すぎる!今月の給料の半分が飛んでしまう!」
「え~~?分かりましたよ。では二切れお願いします」
「そ、それなら大丈夫だ………たぶん」
「次に」 「まだあるのか!?」
「いえいえ!これは違います真剣な話ですーーー先程オールマイトの血液を調べて診たところ、俺が今持っている生物の
ーーーそこで一つ質問します、オールマイト、貴方は力が欲しいですか?」
「力か……オールマイトと名乗って早15年過ぎ、そう言った勧誘は今まで全て断わってきた。
私は今まで『ナチュラルボーンヒーロー』として活動してきた。これからも自分の力でヒーロー活動をしていくよ。例え身体がボロボロになったとしても……だから、嬉しい話たが断わらせて貰うよ。」
「そうですか……分かりました。でも、これだけは持っていて下さい。これは!本当に危険な状態になった時に使用して下さい。」
そう言って注射器をオールマイトに渡した。
「この注射器はオールマイトの傷を治した薬を携帯化にした物です。これを打てばどんな傷でも治ります。足が折れようが、目を潰されようが、胴体を半分に切られようが、体がバラバラになっても必ず治ります。しかし、それ相応の代償もあります。」
「代償とは……?」
「傷の度合いにもよるが激痛が襲います。それと寿命も削る。腕が切れた場合は寿命は削れませんけど、地獄が待ってます。治す際に神経から治り、その次に肉、骨、皮膚の順番で治る工程を10秒にギュッと短縮します。普通なら数日間続く痛みも10秒間に凝縮されるということです。」
代償が無いなんてそんな上手い話はないと思ってはいたがこれ程までに代償が酷いとは考えていなかったのか暫く沈黙が続いた。
「……こんな話をした後に言うのはなんですが……出来ればケーキはチーズケーキとモンブランでお願いします。名物のショートケーキがあるけど、俺ホイップクリーム苦手なんでそこんとこよろしくお願いします。」
「「今そっちの話する?!」」
「なんか暗い顔してたから場を明るくしようかなって、上手くいったでしょ?」
あまり本人が言うことでは無いが明るくなったのは間違えて無いので二人は何も言えなかった……。
「ドクター……アレはもう完成してるかい?」
「まだじゃ、テスト段階まで行ってない。……けど、黒霧が言っていた生物の力を使う奴の個性があれば別じゃ、アイツがいれば脳無を大量生産できるぞ!取りに行けるか!?頼む!この通りだ!」
「ふふふ……ドクターがそこまで欲しがるとは……まるで玩具をねだる子供じゃないか。……良いだろぉ……僕も少し傷が癒えてきたし動き始めるか……」
「これはいい話を聞けた……お前はアイツらがこれからどう出ると考える?」
「…………」
「相変わらずだね……我関せずって感じかな?この事はボスに報告しないと」
ドス黒い瘴気が渦巻くアジトで笑いながら話をする
遅くなってすいません。その割には進んでないけど……
最近忙しくなってしまって投稿が遅れてしまいたした。
(言い訳)
次回から体育祭にしたいんですが、アンケートの結果、
蛙吹梅雨と、ランチラッシュの票が高かったのでその人たちの話を挟みます。どうかご了承下さい。
後半にモンテシェルネという会社が出てきますが勿論、架空の会社なのでご了承下さい。