白黒狐の幻想録   作:謎の通行人 δ

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どうもただの謎存在です。

妖怪の山編ですね。
ちょっと短めになってしまいました。要はネタが見つからなかったんです。


本編どうぞ!


妖怪の山にて

「…っていう感じかな?」

 

「「「「……(絶句)」」」」

 

「?どうした?」

何も言わない四人と頷く紫とハテナマークを作る夜雪。

 

「…ヤバい妖怪じゃないの…」

アリスが呟く。

 

「心外だなぁ…」

 

「いや、凄い妖怪じゃないのよ…おまけに程度の能力の第一人者って…」

霊夢もそれに続く。

 

「いや、あれは勝手に紫が付けただけだからね?僕が作った訳じゃない。」

 

「いやそれでもだぜ…それに、光と色を操るって…紫もそうだけど大妖怪って結構チーターが多いのか…?いや、それ位の力を持ってないと数千年は生きれないってことか…」

魔理沙は思いの外冷静に首を傾げている。

 

「…言っとくけどこの能力、そこまで万能な訳じゃないよ?」

魔理沙に対して夜雪が言うと、紫が、

 

「いや、でも前に(あま)てムギュ」

横から口を出してきたため、夜雪は再び尻尾で巻く。

 

「紫、余計なことを言うんじゃない。それにあれは例外だ。」

あれ、と言うのは、夜雪がまだ幻想郷にいた頃に起こった、《吸血鬼異変》という異変の事なのだが、その話はまた今度…

 

「??」

 

「まあともかく、僕と紫の間柄はこんなものかな。…おっと、そろそろ夜が明けるから帰った方が良いと思うよ。」

 

「そうね…ふぁ~…ほんとに…夜中に異変を起こすなんて良い度胸持ちだったものね。早く寝たいわ。」

 

「そうだな…んんっ、私も帰るとするぜ。」

伸びやあくびをする霊夢と魔理沙にアリスが、

 

「だらしないわよ、霊夢、魔理沙。」

 

「「お前は(本物の)魔法使いだからなァ! !」」

言った瞬間二人から同時に反論が飛んできた。

 

「ッハハ、…ここは変わってないね…良くも悪くも。…いや、変わらないから良いのか。」

 

「その通りよ。下手に変わられても困るもの。…そういえば夜雪は今日どうするのよ?」

 

「そうだね…とりあえず、一日かけて久し振りにここら辺を飛んでみようかと思うよ。どんなところが変わって、どうなったのか、とかね。」

 

「……分かったわ。久し振りに会えたのにちょっとしか会えなかった…

 

「うん?何か言ったかい?」

 

「な、何でもないわ!」

ブンブンと顔を振る紫を横目に、霊夢は勘である程度予想し、

 

「じゃあ、私達は…帰りしょうか。」

少しだけ笑って言った。

 

「そうだな。じゃあ、またな。…まあ、夜雪も紫と関わりがあるんならすぐ会うんだろうけどな。」

 

「紫は結構顔が広いのか?」

魔理沙が言った事に夜雪が反応する。

 

「そうね…スキマでどこにでも出てくるから人脈はほぼ幻想郷全域に及んでるわね。」

夜雪の質問に霊夢が答える。

 

「へぇー…会った頃はスキマも十数回使ったらバテバテになってたけど、やっぱり成長してるんだなぁ…」

 

「…本当に紫の親戚のおじさんみたいなこと言うわね…」

 

「おじさんじゃあ効かない年齢差だけどね。…お、日が上ってきたな。」

 

「…本当ね。…さて、そろそろかなり眠くなってきたわ…二時間位寝ましょうか。」

 

「ああ。ある意味今回の異変が一番厄介だったかもなぁ…」

そう言いながら霊夢と魔理沙は飛んで行った。

 

「…じゃあ、またどこかで会いましょうね。」

アリスもそう言って飛んでいった。

 

「じゃあ、私もお師匠様のところに戻りますね。」

鈴仙も建物の中に入っていき、紫と夜雪だけになった。

 

「さて、最初にどこに行こうかな?…よし、妖怪の山にしよう。…じゃあ。」

 

「ええ。気を付けてね。」

 

「そうだね。どっかの誰かみたいに喧嘩を吹っ掛けて返り討ちに会わないようにしないとね。」

冗談めかして夜雪は紫に言った。すると紫は赤くして、

 

「ちょ、その話はやめてって!」

 

「っはは、」

 

「もう!」

そう言って紫は頬を膨らませながらスキマに入っていった。そして、こういうのが過去の黒歴史とかいうのになるんだろうな、と思いながら尻尾と耳を隠した。

 

「ふふ…さて、行こうかな。」

夜雪はそう言って少し笑い、妖怪の山の方角へと飛んでいった。

耳と尻尾を隠したのはほぼ無意識と言っても良い。人の形でいるのに()()()()()だけだ。

 

 

 

 

───妖怪の山───

 

「…………」

 

「で、何しにここに来たんですか?」

そして今、一人の白狼天狗に止められていた。

 

「いや、天魔に会いに。」

 

「ほう、天魔様に…え!?天魔様にですか?」

かなりスムーズな二度見をされた。

中々反応が面白い、と思いながら夜雪は答える。

 

「ああ。古い友人…といったところだからね。」

 

「古い友人…ですか。…あれ、もしかして妖怪ですか?」

 

「?…ああ、変化してたね。こっちで慣れてしまっててほぼ無意識だったなぁ…一応妖怪だよ。」

そう言いつつも変化は解かない夜雪。

 

「なるほど…では、天魔様と御旧友であることを証明できますか?」

 

「ああ、なら(そよぎ)に聞けば良いだろう?」

 

「?」

 

「え?」

 

「そよぎ…?」

なにやら反応がおかしい。まさか、と思い、夜雪は白狼天狗に聞いた。

 

「…まさか天魔の名前を知らない訳じゃないだろう?」

 

「!…あ、いえ、その…天魔様はご自分の事を話されない上、名前も教えていただけなかったので…ここでも天魔様の名前を知っているのはごく少数なんです。それも、上位クラスの。」

 

「あー…確かにあいつはそういうところがあったな。あの時の妖怪の山でも名前を知ってたのは文とか大天狗位じゃなかったかな?」

少し昔を思い出しながら言うと白狼天狗が反応した。

 

「!文様をご存じなんですか!?」

 

「?ああ。…もしかしてお前の上司になってたりするか?」

 

「はい、その通りです!」

 

「ほー…まあ、あいつも一応大妖怪の仲間だからね…次期天魔候補にも上がってたし。」

 

「私が言っても天魔様は来られない可能性が高いですが…文様なら来られると思うので「あれ?夜雪じゃない!?」あ、文様!」

白狼天狗が話していると、空を飛んできた鴉天狗が一人。

 

「、よう、文。久し振りだな。」

 

「久し振りね。ここに戻ってきた、ってことは、ここに住むことにした、ってことよね?」

彼女は主に敬語を使っているが、夜雪に対してはタメ口で話す。それほど慣れている、ということだ。

 

「ああ、そうだね。本来ならもうちょっと遅くなる予定だったけど色々あってね。…それにしても、本当にお前は全く変わらないねえ…まだあの捏造新聞はやってるのかい。」

 

「ま、500年やそこらで変わっていられないのよ。というか捏造新聞って!ちゃんとした新聞だからあれ!ちょっと誇大広告してるだけだから!」

 

「ち、ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってください。え、え?え!?」

一人、白狼天狗が混乱状態に陥っている。

 

「あ、椛、言葉使い気を付けた方が良いですよ。夜雪さんにかかれば椛位なら1秒かからないと思いますよ?」

お前もタメ口で話してるだろうよ、と夜雪は言いかけた言葉を飲み込み、ため息に留めておく。

 

「っ!?も、もしかして大妖怪の方でしたか!?」

 

「うーん…個人的にその言われ方は好きじゃないんだけど…年齢って言う意味では並みの大妖怪より生きてるね。」

まあ、夜雪は「弱くはない」、などと言っているが、実際は並みの大妖怪など相手にならない程の力を持っている。千歳や二千歳程の相手なら普通に余裕で勝てる、というほどだ。

 

「えっ…」

 

「私の5倍は生きてるよねー。」

 

「あれ、文まだそんな感じだったか?」

 

「夜雪はほんっとに年齢に執着がないからね…おっと!私大天狗様に呼ばれてるんだった!行かないとっ!」

 

「あ、文さ「じゃあまた!」…あー…」

せわしなく翼をバサバサ鳴らしながら飛んでいった文を椛が呆然と眺めていた。

 

「…で、怪しいものじゃないってことは、分かってくれたかい?」

 

「あ、は、はいっ!では、天魔様のところにお連れしますね。他の哨戒天狗にも伝えておきますので!」

 

「それは助かるね。ありがとう。」

 

「では「お?夜雪じゃないか!?」て、天魔様!?」

ことごとく話の腰を折られる椛。タイミングが絶妙に噛み合ってないが、流石、なのか適応力が高い。

 

「久し振りだね、梵。」

文と同じ方向から同じ方向に飛んでいっている、文よりも二回りほど大きな翼を持った鴉天狗…天魔もとい(そよぎ)だ。

 

「本当に帰ってきとったんじゃなぁ。風の噂で聞いとったぞい。」

 

「ああ、さっき帰ってきててね。それで挨拶回りにまずはここに来たんだよ。…というか、前にも言った気がするけど山の住人には自分の名前位言っときなよ。」

 

「いやー…自分の事を話すのは苦手でのぅ…」

 

「気持ちは分かるけど…名前位は言っとかないと。この子もさっき話してて会話が噛み合わなかったんだぞ?」

夜雪は椛の頭をポンポンしながら言った。

これもほぼ無意識である。椛の方はビクビクしながらも尻尾が結構激し目に揺れていた。

 

「お?椛。ああ、今哨戒任務中じゃったか。」

 

「あ、は、はい。天魔様も、仕事はちゃんと終わらせたんですよね?」

 

「もちろんじゃ!何なら、今すぐ見に行っても良いぞ。」

 

「…お?もしかしてお前の側近か?」

 

「あー、そんな感じじゃな。」

 

「だったら尚更名前位言っとけよ。」

 

「あて」

夜雪はパコ、と音をたてて梵にチョップする。

とは言ってもそんなにダメージを入れたわけでもなく、軽くしか力を入れなくても、音のなる場所を叩いただけである。

だがそういえば、前の梵の側近も「犬走」だった気がする。

ということはこの子は犬走椛、といったところかな?と夜雪は一人で考えを張り巡らせていた。

 

「はぁ…お前も本当に変わらないな。」

 

「500年も外におったんじゃから、だいぶ変わっておる所もあるぞ。お前さんの知らんこともな。」

 

「ほう。そりゃ楽しみだ。…ところで、文もそうだったけど、向こうに何かあるのか?」

文も梵も同じ方向から同じ方向に向かって飛んでいたため、少し気になったのだ。

 

「ほう?文もか。…ま、残念ながらそういう訳じゃないぞ。」

 

「、そうか。じゃあ、梵は何か用事か?」

 

「ああ。ちょいと博麗神社に用事があってな。」

 

「お前が自分から外出とは珍しいな。引きこもりは治ったのか?」

元々梵は引きこもりだった。それもかなり極度の。まあ、夜雪と鬼子母神が無理矢理引っ張り出してきて外に慣れさせたのだが。

 

「いいや。じゃが、たまにはそういう時もあるんじゃよ。」

まだ彼女は引きこもりではあるが、軽くはなっている。手をパタパタさせながら言う梵に夜雪は肩を若干すくめ、

 

「…ま、そうか。じゃあまた、酒でも飲もう。」

 

「ああ。楽しみにしとるからの!」

そう言って梵も飛んでいった。

 

「…えーと…」

白狼天狗…椛がばつが悪そうに夜雪に話しかけてきた。

 

「…目的、終わってしまったねぇ…あ、そういえば僕から名前を言ってなかったね。夜雪。ただの狐だよ。」

今更だが、白狼天狗の方を向き、自己紹介しておく。

 

「あ、はい!犬走椛、白狼天狗です…え、狐?」

 

「?ああ、尻尾、隠してたか。」

そう言って夜雪は一本尻尾を出す。同時に黒い狐耳も頭から出てくる。

 

「あれ、耳と尻尾の色が違うんですか…?」

 

「ああ、生まれつきなんだよ。変な狐とでも覚えておいてくれ。」

若干冗談めかして言っておく。

 

「い、いえ、滅相もないです!」

 

「はは、固くならなくてもいいよ。むしろ話しにくいからね。…まあ、とりあえずよろしくね。」

 

「はい!」

 

「…?」

静かにうなずいた後、ふと、夜雪が顔を上げ、怪訝そうな顔をしながら首をかしげながら周りを見渡し始めた。

 

「?どうかしましたか?」

 

「…いや、何か…何と言うか、変な感じがするんだけどね…ちょっとよく分からないんだけど…」

何とも言えない感覚。

若干感じる負のオーラ、とでも言うべきか、よく分からない感覚があった。

 

「…もしかして、私かしら?」

 

「…お?」

と、その時、夜雪と椛の斜め上の木の上から声が降ってきた。

 

「あぁ、厄神かい?」

 

「、よく分かったわね。ええ。鍵山雛、厄神よ。離れておいた方がいいわよ、厄が移るから。」

 

「厄…ねえ。」

 

「?」

 

「厄ってのはその、雛の周りを回ってるやつかい?」

雛の周りで黒い靄のような物がくるくる回っている。

 

「ええ、そうよ。…もう貴方に移ろうとしてるわよ。」

少しずつ夜雪と椛の方へ厄が近付いていっている。

 

「ああ、それなら問題ないよ。」

 

「?」

雛が首をかしげた時、夜雪に移ろうと厄が触れた瞬間、厄がバラバラになり消し飛んだ。そのまま雛の居たところらへんの厄まで消え去った。

 

「!」

 

「え、」

 

「ま、能力の関係上ね、こうなるわけだ。」

厄と言うのは、いわゆる()()()()()()()()()の部分。つまり、そこを光で突いてしまえばあっという間に厄は消えてしまう、と本人は考えているが、元々そんなことになるわけがない。ただの実力行使、妖力の波に飲まれて厄がバラバラになっただけである。

 

「…どうも中々強いみたいね。」

 

「まあ、弱いとは思ってないけどね。何ならそれなりに頑張れば雛に溜まってる厄も全部消せるんだけど。」

言い直せば、そんなに頑張らなくても、だ。

 

「…もし出来るのなら今度頼むかもしれないわね。毎回川に飛び込むのも楽じゃないのよ。」

 

「?…ああ、なるほど。厄落しの雛流しか。」

 

「ええ。」

 

「……………」

ふと見ると、椛が頭にハテナマークを大量生産している。

 

「…ああ、悪いね、椛。こっちで盛り上がっちゃって。」

 

「あ、いえ。では、そろそろ哨戒任務に戻らないといけないので、では!」

そう言うと椛は慌ただしく飛んでいった。

 

「…ここの連中は昔も今も落ち着けないのかね。」

 

「あら、私は落ち着いてるわよ。」

ふと夜雪の横から声が出る。

 

「おっと失礼。…にしても、本当に変わらないんだなぁ…憂うべき事態なのか変わらないからこそ喜ぶべきなのか。」

 

「それは人によるわね。河童達は機械化?って言うのをやってるけど、賢者達はそういうのを控えるように、ってしてるわ。」

 

「なるほど…まあ、そうだろうね。…ところでだが、離れすぎじゃないかい。話しにくいよ。」

夜雪と雛の間には約5メートル程距離がある。

 

「言ったでしょ、私は厄神なんだって。確かにさっき厄を消してたけど、代償なしには出来ないはず。継続的に厄は人に移ろうとするからいくら妖力があっても足りないわよ?」

 

「ああ、それならもう問題ないよ。厄は僕にもう寄ってこれないはずだから。」

 

「………………え?」

驚きのせいか、声が裏返った雛。

 

「一時的に能力で障壁を作ったんだ。触った瞬間マイナスをプラスに変換する障壁をね。だから寄ってきた厄は勝手に消えていくよ。」

夜雪の能力により、マイナスを闇、プラスを光と変換して消すことができた。

 

「…なるほど。あの天魔様の友達であるだけ、中々な実力者みたいね。それに暴走もしないみたいだから、いっそ天魔の位まで行ってみたら?」

実力という意味では問題はないだろう。だが、他の問題もある。

 

「残念ながら種族上無理だね。それにしても、相変わらずあいつは暴走してるのかい。」

 

「昔からなのかしら?しょっちゅう椛が振り回されてるわよ、あの子も中々苦労してるみたい。」

 

「…また言っとかないとな…ま、言ってもあんまり意味無いんだろうけど…」

夜雪がまだ幻想郷にいたときからだったが、梵は結構自由な性格で、ついていた側近の「犬走」の青年もずいぶんと(涙目で)振り回されていた。それでよく愚痴を聞いていた。夜雪も、見た目はあんな感じの梵だが、本当は中身が子供なんじゃないかと思って時間経過で何とかならないか、と思っていたが、残念ながらそういう訳でもなかったらしい。もう二千歳を越えているのに精神年齢が十代辺りとはどんな状態であろうか。

 

「…ま、でもこれがまた日常になるんだろうなぁ…」

 

「…………」

 

「?どうした?」

 

「いえ…変わってるのね、あなた。」

 

「かなり心外なんだけどね。よく言われるんだよ。何でだろうね?」

 

「本当に変わってるからじゃないかしら?天魔様の事を呼び捨てにしたりあいつとか呼んだり、厄神と話したがったり。色々変よ。」

とは言いつつも雛の顔は笑っていた。

この後も少々話をしていた。

 




はい、天魔様登場ですね。
キャラクター像は完全に勝手に決めてるだけなので御了承ください。


では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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