ボーダー探究部   作:粗茶Returnees

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 頭が働かない……。
 時系列はなぁなぁです。


辻新之助②

「武器トリガーだけを狙える弾って作れる?」

 

「できなくはないですね。追尾弾って視線誘導もできますし、そこのギミックをスナイパーの弾に流用すれば。ただ、シューターとガンナーの弾と、スナイパーの弾って少し違うので時間かかるかもです」

 

「それなら別に……。流川くんも忙しいだろうし」

 

「は? やってやりますが? すぐにできないのかよ自称天才めがっかりした、じゃないですよこの女郎!」

 

「一言もそんなこと言ってないんだけど!?」

 

「顔にそう書いてありましたよ! 辻も見たよな!」

 

「鳩原先輩。流川はただその提案に乗っかって作ってみたいだけですから。流して大丈夫ですよ」

 

「ややこしいね!?」

 

 あなたのそのいつでもドン引きしてるような顔ほどじゃないですよ。

 

「今失礼なこと思われた?」

 

「失礼が服着て歩いてると思ってください」

 

「辻くんなんか俺の扱い酷くない? 女の先輩の前だからって。お前がこの前正門で出待ちされた時の話を暴露してやろうか?」

 

「何がご所望なのかな? ハーゲンダッツでいいかな?」

 

「ストロベリーで」

 

「2人のペースについていけないや……」

 

 友達のみにできるトークペースってのもありますからな。鳩原先輩はそういうの苦手そうだけど。なんか周りのこと気にし過ぎて疲れてそうなイメージ。

 

「鳩原先輩。武器狙撃銃ですけど、これネイバーとの戦闘には使えないと思いますよ? ネイバーのどこが武器判定されるかわからないし、弱点の供給器官は武器判定されないでしょうし」

 

「だよね……。ダメ元だったから無理しなくていいよ」

 

「やってやりますが?」

 

「あれ? ループしてない?」

 

「やると言ったらやる、子供と同じですよ」

 

「そうなんだ。子供は好きだよ」

 

「おっと、鳩原先輩からの視線が絵馬に向けるものと同じな気がする」

 

 俺を中防と同じ扱いにするんじゃないやい。

 さっきも言った通り、視線誘導の使用にさえすれば問題ない。問題点としては、それ専用のスナイパーの弾を作るところからなんだよな。ガンナーとの違いは使用だ。あっちはトリガーが弾。スナイパーはトリガーが銃。この違い。作れたとして、トリオンの消費が通常より増えそう。

 

「二宮隊はA級ですし、改造トリガーとして扱ってしまえば問題なくランク戦も参加できるかと」

 

「ありがとう。本当にいいの?」

 

「ご指名での依頼は嬉しいですからね。イメージも固まってますし、あとは作るだけなんですが、扱いがこれまでと変わるからそこが難しいかもです」

 

「視線誘導だから、武器にのみ集中してないと駄目ってことだよね? もし鳩原先輩が撃つときに相手を意識しちゃったら、そっちに弾が当たると」

 

「そういうこと。それになると先輩またゲロりますよ」

 

「あまり掘り返してほしくない失敗談だよ……」

 

「ごめんなさい」

 

 ショックの大きいことを掘り返すべきではなかった。遥のおかげで鍛えられた美しき土下座で謝罪する。

 寛大な心で許してもらえたので、気を取り直して作業再開。取り込み中だった仕事は一旦切り上げて、鳩原先輩からの依頼に応えよう。ところでこれ、鬼怒田さんに話してたほうがいいのだろうか。それとも忍田本部長だろうか。

 

「どっちもじゃない?」

 

「話さなくていい気がしてきた。改造トリガーって別に事前申請とかしてランク戦に持ち込むやつでもないし」

 

「あとで怒られてもしらないよ」

 

「その時はむしろ完成させたことを褒めてもらいたいぐらいだ。実用的なトリガーは作ってなんぼ。作ったあとはデータ集めも必要だし、鳩原先輩用なら本人に使ってもらうしかないし」

 

「うーん、どうなんだろ……」

 

「もしもの時は私も謝るよ。頼んだのは私だから」

 

「ありがとうございます。遠慮なく盾にしますね!」

 

「あれ?」

 

 押し付けられるのはごめんだ。その時は責任を半々にしてもらいたい。言質は取ったんだし、鳩原先輩なら心配ないだろう。

 

「そういやさ、二宮隊のメンバーってまともそうに見えて意外とそうでもないよね」

 

「そう?」

 

「嵐山隊ほどじゃないけど、まともな方だと思うよ?」

 

「まともな人はそんなこと言わない」

 

 まともじゃない人がそう言うんだ。

 

「鳩原先輩はショタコンだし、辻は女子相手にどもるし」

 

「ショタコン?」

 

「女性は苦手だけど……」

 

「犬飼先輩はピエロみたいに笑顔貼り付けてるじゃん? 中身一致してないってカゲさん言ってたし。んで、ひゃみは烏丸のミーハー女子」

 

「犬飼先輩はいい人だよ」

 

 知ってる知ってる。いつも笑ってるから気味が悪いだけ。

 

「隊長の二宮先輩は無自覚の中二病じゃん。隊服をスーツにしてるのやばいよ。作るの楽しかったけど」

 

「誰が中二病だ」

 

「鳩原先輩といい二宮先輩といい、初めて来る人ばっかでびっくりだ。セールはしてないですよ?」

 

「だろうな」

 

 鳩原先輩と辻はまだわかる。依頼人と仲介人だ。

 二宮先輩はまじわからん。なんで来たのこの人。

 

「ニノちゃん何しに来たの? トリオン体に冠が欲しいって?」

 

「いきなり態度砕け過ぎじゃない!?」

 

「いや、そういえば俺の方がボーダー歴長いから先輩だなと。ならタメ口でもいいかな。ニノっちなら許してくれるだろって思ったから」

 

「先輩風を吹かせたいなら好きにするがいい」

 

 この王様相変わらず上からだな。身長の差か!

 

「ふっ。いつまでその態度を保てるかな?」

 

「なに?」

 

「用件聞かないの?」

 

 辻のツッコミはスルーした。止めたいならもっと自分を主張したまえ。

 

「タップダンスしてドン引きされてたことを東さんにチクってやれるんだぞこっちは!」

 

「……流川。先輩なら後輩のために時間を割いてくれるな? 訓練室に入れ」

 

 入りたくないし鳩原先輩の依頼をこなしたいから速攻で東さんに通報した。

 俺も怒られた。解せぬ。

 

 

 

 

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