ボーダー探究部   作:粗茶Returnees

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流川錬②

 

 天才たる俺でも、さすがに頭が上がらない人間はいる。鬼怒田さんは当然として、上層部の人たちがそうだし、ボーダーの初期メンバーとかもそうだったりする。

 その最たる例だと、東春秋さん。この人は数多くの弟子を持つ人で、初めてスナイパーというポジションを築いた偉人だ。生ける伝説とも言う。

 

「最近は結構外に出てるそうじゃないか」

 

「引っ張り出されてるんですよ。押しかけられるパターンもできました」

 

「周囲の人間との交流は大事だぞ。そうしてくれる人を大切にな」

 

「もちろんです」

 

「それポン」

 

 むっ、諏訪さんがダブ東か。

 

「流川を外に連れ出すってなかなかだな」

 

「引き籠もりみたいに言わんでくださいよ。俺は趣味に奔走してるだけですよ」

 

「そうですよ諏訪さん。流川の仕事の速さに助けられたじゃないですか」

 

 ショットガンとかな。

 

「だからこそだろ。こいつは時期が経つにつれて仕事が増えてた。息抜きのために連れ出すのも難しいほどにな。そこを連れ出せる奴って希少価値高いぞ」

 

「そうだな。嵐山も安心していたぞ」

 

「嵐山さんは人のこと言えないぐらい多忙な気がしますけどね」

 

「なら、気苦労を減らしてやれ」

 

「ぐうの音も出ない」

 

 そしてノーテンだ。点数減った。

 

「そういや最近アニメも見るようになったんですよ」

 

「見る余裕があったのか」

 

「作業しながら流してます」

 

「それBGMじゃねぇか!」

 

「聞きながら、気になるシーンになると画面を見るんです。意外とエンジニアってそういう人多いですよ? アニメから着想を得るんです」

 

「理屈はわかるけど、実際参考にできたトリガーってあるのか?」

 

「良い質問ですね堤さん。旋空とか変化弾とか。わりと身近なものが多いですよ。エンジニアの人もアニメ好き多いですから」

 

「そうなんだ」

 

 おっ、一向聴になった。

 

「んで、今見てるやつで流川は何か着想を得たのか?」

 

「メガバズ作りてぇなって」

 

「誰だこいつにZ見せたやつ! 見せちゃいけねぇ奴にとんでもねぇの見せてんな!」

 

「いやロマン砲ですよ!? 男なら作りたくなるでしょ! 撃ちたくなるでしょ! 作れたら諏訪さん撃ってみます?」

 

「どこに向けて撃つ気だよ! 街守るどころか街滅ぶわ!」

 

「やっぱだめかー。リーチ」

 

「悪いな。それロンだ」

 

「なぬ!?」

 

 東さんダマだったか。怖いなぁ。満貫ってのも痛い。

 

「諏訪さん、クレイ・バズーカはどうです? ショットガンの炸裂のタイミングを任意にしませんか?」

 

「さてはゲームの動画も見たな?」

 

「まさかそっちに流れるとは思いませんでしたね」

 

「こいつに見せたのお前か堤!」

 

「まぁ、なんだ。それが完成したら強いと思うぞ。ショットガンの射程が伸びるわけだからな」

 

「わかってくれますか東さん!」

 

「問題はそのショットガンをB級で許されるか、だけどな」

 

「……諏訪さんはよA級になって」

 

「無茶言うな!」

 

 なんだよなってくれよ~。諏訪さんと堤さんにぴったりだと思ったのに。てか堤さんも、暗にこれを作ってくれってことで教えてくれたんじゃないのかな。単純に趣味ですか。そうですか。

 

「……お前、頭の方は大丈夫なのか?」

 

「天才ですから」

 

「バカだったな。ってそうじゃねぇよ」

 

「分かってますよ。それの答えなんて()()()()()()()()()()()としか言えませんけどね」

 

「まぁ、そうだわな」

 

 むっ、今回は手が悪い。進みも遅かったら降りに徹するか。

 

「明確な限界は誰にも分からないんで。理論上、人の記憶の容量は150TBに相当するらしいですよ」

 

「イメージしにくいな」

 

「これを知ってる人は少ないんだったか」

 

「ボーダー設立時にいたメンバーと、あとはここの2人くらいですかね。勝手に話が広まってたら知りません」

 

「それは誓ってない。元うちのメンバーにも話してはいないよ」

 

「俺らもだな」

 

「辻とか遥にも話してないんで、やっぱ知ってる人は限られてますね」

 

「綾辻にも話してなかったのか」

 

「不明瞭なことを話してもね?」

 

 変な気遣いしてきそうだし。

 

「……どう選択しようと、俺たちは流川を支える。その事も頭に入れておいてくれ」

 

「ははっ。ありがとうございます」

 

 そういう人だって知ってる。分かってる。

 でもやっぱ、明確に言葉にされると嬉しい。

 っと、いい感じに手が進んでる。

 

「諏訪さん」

 

「どうした?」

 

「飛んだ人が奢りでしたよね?」

 

「そうだな」

 

 満貫以上縛りでその設定。昼前から思いつきで始めてることだし、早く終わらせようと思ったらそのルールにもなる。

 

「俺は焼き肉がいいです。ロン」

 

「は?」

 

「国士無双。諏訪さんごちです!!」

 

 

 

 

 

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