異世界らーめん ~元ラーメン屋が異世界でラーメンを作る話~ 作: サン鳥~
「いらっしゃいませ~!何名様で?」
「2名でお願いします。」
「それでは空いてる席へどうぞ。2名様ご来店でーす。」
という会話が俺の耳へと入ってくる中、俺は黙々とラーメンを作っていた。茹であがった麺をてぼにいれ、スナップを利かせてざっ、ざっと振る。丼にタレ、麺、スープを入れ、具材を盛る。最後に秘伝のチャーシューを乗せれば完成だ。
「ほいよ、特製ラーメン一丁。」
ゴトン、と置かれたそれはもくもくと湯気をたてていた。さあ、どうだ。俺は客の反応を伺う。高校生くらいだろうか。そいつは割り箸を割り、まずはレンゲでスープを一杯…と思いきや、スマホを取り出しカシャカシャと写真を取り始めた。
「え?」
「え?」
いけねぇ、うっかり声が漏れちまった。なんでだよ。早く食えよ。そんなに置いといたら麺が伸びちまうじゃねぇか。本当に最近の若い奴ときたらよー、まったく小泉さんだか何だかを見習って欲しいぜ。
ん?俺が誰だって?俺はこの店「らーめん一道」店主の
笹木一道だ。ふりがなは(ささぎいちどう)、歳は54、子供は3人で妻は去年に他界した。自己紹介はまぁここまでにしておいてそろそろ最後の客も帰りそうだ。
「ぷはーっ!今日も美味かったぜ大将!じゃあな!」
「おうよ!まいどー」
ガラガラガラ……
「さて、客も帰ったし明日の準備を…おっと、そういや明日はゴミの日か…まぁいいや今日出しちゃお。」
ということで俺は口笛を吹きつつ、両手にゴミ袋を抱えながら夜道を歩いていた。
ん?なんか走ってきたな…まぁいいやさっさとゴミ置いて帰ろ。眠いし。
「ぐさり。」
気が付けば俺の背中にはナイフが刺さっていた。
え?何これ?どゆこと?突然の出来事すぎて頭が追いつかない。やっぱ年かな…
「うっ…ぐぁぁぁいてぇ…」
やっと感覚神経が追いついたのか、痛みが全身を駆け巡る。マジかよ。血だまりに倒れた俺は地面の冷たさを知る。だんだん視界が暗くなり、意識が遠のいていく。
俺、死ぬんだな。もう時間が残っていないのが分かる。
…最後に…ガキ共に会い…た…かった…なぁ…。
視界が完全に暗くなった。俺は死んだ。
………………さぁさぁと風が吹いている。風が体に触れる。
あれ?そういえば俺死んだんじゃなかったっけ?
あーなるほどなるほど、ここ天国か。そんなことを考え
ながら、ゆっくりと目を開くとそこには見渡す限り平原が続いていた。
「は?」
あれ?死んだから天国にでも行ったんじゃないの?という
俺の予想は見事に外れていた。なんでそう思ったかって?
こんなスライムみてぇな奴がぽよんぽよんと跳ねているところが天国なのか逆に俺が聞きてぇよ!こんなドラ◯エみたいな世界は俺くらいの歳でもRPGやってなきゃ絶対わかんないだろうな。まぁ、今はFPS?とかいうやつが流行ってるらしいけど。
「さて、これからどうするかな。とりあえず腹減ったな。
なんか食える物ねーかな。」
こうして、俺の異世界生活が始まったのだった。
いかがでしたか?
なんでもいいので感想くれたら嬉しいです!