仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
せっかくアカウントを作ったのでここでもやっていきたいと思います。
EP01 赤い雨
サー……と音をたてながら禁断の果実が成る森『ヘルヘイムの森』。普通なら雨なんて降るような場所じゃない。
……ましてや、血のような『赤い雨』など異常なのにも程がある。
『グギギギギ……ギギ……』
森のある場所では白いズングリした虫のような怪人『インベス』が今にも死にそうになっていた…。白い肉体に蜘蛛のような模様があちこちに浮かび苦しそうに呻く。
その一体だけではない。あちこちに種類や強さを問わないインベスたちが死にかける…もしくは息絶えていた。
「これが……噂の赤い雨……」
その中を足軽のような黒いライダー……黒影トルーパーが歩いていた。赤い雨に濡れながら彼は辺りをカメラらしき機械で観察する。
ズズン……ズズン……
「?……なんだ?」
そんな中で彼は接近してくる謎の音に気がつく。木がなぎ倒され奇妙な草花を踏みつけながら確実にそれは自分の方へ……
『グルルルル……』
「う、うわ!?なんだコイツは!?」
そして、その姿を見た時に彼は腰を抜かした。黒い虎のようで細工が入ったような角があり、赤いマントをなびかせる獣。といってもゾウとかそれ以上…恐竜のようにデカい。驚くのも無理はない。
「ひ、ひえ!」
黒影トルーパーは一目散に逃げ出した。こんなの自分ひとりでかなうわけがない。ただ、獣は非常に餓えていた……。
低い唸りをあげながら大地を蹴り、満たされぬ飢えのために獲物に襲いかかる!
『……グゥァ!!』
「う、うわあああああああああ!!!!」
ーーーーグシャ
それでも、雨は止まず……
新たな物語のはじまりを告げる。
【仮面ライダー鎧武vsGE2~神喰らう者と禁断の果実~】
「アァアア!?またバイトの面接ダメだった!」
街中で堂々と悲鳴をあげるこの男…『葛葉紘汰』。自分の写真がついた履歴書を握り潰し絶叫し泣き出さんばかりの勢いだ。道行く人がおかしな目でみて避けていくが仕方ない。これにて、面接落ちるのは何回目か…
その点については紘汰は考えるのをやめた…。
とにかく、ショックでどうしようもないのだ。
「全く、こんな所で何をしている葛葉紘汰?」
そこへ現れる茶髪のいかにもクールな外見をした男。男爵をイメージした黒を基調に赤のラインが入った衣装はこの泣きわめく寸前の紘汰なみに目立つこの彼は『駆紋戒斗』。紘汰が用心棒兼助っ人を務めるダンスチーム『鎧武』のライバルチーム『バロン』のリーダーである。
「何って……普通にバイトの面接落ちたから落ち込んでるだけだけど……」
「…普通?」
「そこをつっこまないで。マジで凹むから……」
「ふん……そんなことより、ユグドラシルとの戦いへの準備でもしたらどうだ?貴様は手持ちのロックシードで満足しているなら別に構わんが……」
この二人、こうしてつるむようになったのはとある事情があってなのだが、ここは後程…もしくはいつか説明させてもらおう。とにかく、今は同じ目的…彼らの住む沢芽市を握る大企業『ユグドラシル』を相手にするため手を組んでいる。
「よーう、お二人さん。」
「「!」」
また、そこに現れる新たな人物。DJの格好をしたオッサン…恐らく、この街の若者では知らない奴はいないであろう有名DJ『DJサガラ』。ただ、それは表の顔……実は紘汰らと敵対するユグドラシルの人間であるが時折、彼と戒斗に協力する素振りをしたりとその真意は謎に包まれている男。
所以、紘汰や戒斗も助けてもらったことこそあれどこの男を警戒している。
「DJサガラ!」
「何の用だ……?」
「おいおい、そんな身構えんなよ。俺はお前たちに『警告』しに来たんだ…。」
「…警告…だと?」
戒斗はサガラの言葉に疑問を抱く。この男の真意は謎だが謎故にその言葉もまた謎が多い。対する二人とも、くってかかりそうな勢いだが逆にサガラはヤレヤレといった身振りで口を開く…。
「ヘルヘイムの森で『赤い雨』が降ったら、絶対に変身を解くな。その赤い雨に1滴でも濡れたら最後……お前たちは死ぬ。」
「「?」」
「んじゃ、伝えることは伝えた。後はお前たち次第だ。じゃあな!」
「お、おい!?」
そして、毎度のようによく解らない言葉を残して現れた時のように突然に人混みに紛れ去ってしまった。紘汰も追いかけようと辺りを見渡すがその姿はない。まさに、神出鬼没。
「たく……何なんだよ赤い雨って!?」
「俺が知るか………まあ、警戒しておくに越したことはないな。」
何にせよ、『赤い雨』とやらは警戒しておくに越したことはないだろう。紘汰はそう思いながら黒髪の頭をボリボリとかき、戒斗は気難しそうな顔をしながら腕を組む。
その時……
ギュイィィ~ィン!
「ハロー!ダサ男とバナナの坊や!」
「げ!?」
何処からともなくエレキギターの音を轟かせ現れたスキンヘッドに黒い帽子を被った厳ついオッサn……いや、『オネエ』さん。とその横にひっついている眼鏡をかけた不遜に笑う紘汰らとそう歳の変わらない青年。
オッサ……オネエさんの方は『凰蓮・ピエール・アルフォンゾ』。元傭兵・ポティシエの職人。で、青年の方は『城乃内秀保』。元々はとあるダンスチームのリーダーだったが不純な諸々のおかげでこのオネエさんの弟子になってしまった悲劇(笑)の男……
そんな二人の狙いは……
「今日こそ、大人しく戦極ドライバーを返してもらおうかしら!そろそろ、お仕事を片付けないと依頼人に示しがつかないからね!」
「覚悟しなよ……?」
紘汰と戒斗が持つ『戦極ドライバー』と呼ばれるアイテムを奪うこと。そのためなら卑怯な手段だっていとわない。
「おい、こんな人の多いところで……!」
「大丈夫、それなら心配に及ばないわ。」
紘汰はすぐにこの人が行き交う街中で騒ぎになることを危惧したが、凰蓮はニッコリと笑い城乃内に指示を出す。すると、彼は木の実が刻印された錠前型アイテム『ロックシード』を取り出すとそのスイッチを押すと……
ジィィィ……
『フシャァァ!』
次元の裂け目、プラックが現れインベスが飛び出してきた。それみよがしに、凰蓮はわざとらしく叫ぶ!
「皆さ~ん!ビートライダーズたちがまた危険なインベスゲームをはじめましたよ~!逃げて~!」
「な、なんだって!?」
「きゃあー!」
「うわあああああああああ!」
それだけで一帯はパニックになり、蜘蛛の子を散らすように人々は逃げる。これに紘汰と戒斗は怒りの表情を見せる。
「貴様ッ!……卑怯な!」
「そこまで根性が腐っていたとはな、城乃内。」
(あれ?俺だけピンポイント?)
「ノンノン!卑怯なんて言葉は悪い子を懲らしめる正義の味方にはなくってよ?」
逆に凰蓮は高らかに笑い、城乃内とともに腰に日本刀のようなパーツがついた黒いアイテム『戦極ドライバー』を腹部にあてベルトにするとロックシードを構える。
【ドリアン!!】
【ドングリ!!】
「くそ、やるしかないのか!」
【オレンジ!!】
「ふん……大人しくパティシエの仕事をしていれば良かったものを!」
【バナナ!!】
迎え撃つ紘汰と戒斗も戦極ドライバーを身につけ、ロックシードのスイッチをいれる。そして、四人はロックシードを戦極ドライバー中央のパーツにセット。
【【【【ロックオン!!】】】】
「「「「変身!!」」」」
そして、日本刀型パーツを弾きロックシードを切るように展開する!
同時にインベスが出てきた裂け目…プラックがそれぞれの頭上に出現しメカメカしい『オレンジ』『バナナ』『ドリアン』『ドングリ』が出現し頭から覆い被さる。
【ソイヤッ!オレンジ・アームズ!!花道・オンステージ!!】
「ここからは俺のステージだ!」
オレンジを被ったのは紘汰。それにより、青いスーツが形成されていきオレンジは展開・変形するとアーマーに。それが完了し、顔を出した紘汰は鋭い赤いバイザーをした武将のようなアーマードライダー『仮面ライダー鎧武』となった。
【カモーンッ!バナナ・アームズ!!night of spear!!】
「ふん!」
一方の戒斗が纏ったのはバナナ。同様のフェーズだが赤いスーツにアーマーのバナナのため西洋風の鎧のイメージを受ける。 鋭い槍・バナスピアーを構えるこのアーマードライダーは『仮面ライダーバロン』。決して仮面ライダーバナナではない。
【ドリアン・アームズ!!ミスタァァ・デンジャラス!!】
「さあ、お仕置きの時間よ。」
一方の凰蓮。彼はドリアンを纏い、刺々しい緑のライダーへ…。赤いトサカが世紀末な雰囲気を漂わせる『仮面ライダーブラーボ』…ノコギリのような武器ドリノコを二刀流で戦い、確かな強さを持つ。
【カモーンッ!ドングリ・アームズ!!never give up!!】
「ふっ!」
最後に城乃内はドングリ。黄色い複眼に茶色の西洋風で重厚な鎧をしたアーマードライダー。『仮面ライダーグリドン』……ハンマーを武器にし、高い防御力が売りのアーマードライダー。が、変身者の城乃内との性格『自称・策士』と相性が良くない……らしい。
「いくぜぇぇ!」
激突する四人のアーマードライダーたち。
彼等はまだ知る由が無い……。
新たな物語がすでに待ち構えていることに……
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ユグドラシル・コーポレーション……
某地下施設……
「…」
そこはまるで広い病室のようだった。スーツを着た男…『呉島貴虎』はその様相をドアの影から見ている。
「う、ああああ!!」
「苦しい!!」
ベッドの上で苦しんでいるのは皆、彼の同僚・部下たち。全員が身体に禁断の果実がなり、植物の蔦が伸びていた。
これは今の流行り病……インベスを媒介にして拡がるものだ。その症状と苦しみはこの阿鼻叫喚でどれほどかよくわかる。その見るに耐えない光景に一瞥すると、無機質な廊下を歩いていく。
その先にあるのは鉄の扉…重厚なそれは貴虎が近づくのに反応すると機械的な駆動音をあげながら開き、先程の病室のような空間が開けてきた。
そこには完全防備の防後服を着た研究者らしき者たちと白衣を着た男が1人。黒髪を後ろに纏め、銀のエクステが入った独自の髪型であり、貴虎とは対照的に人なつっこい笑みをあげながら彼に手を降って近づいてきた。
「やあ、貴虎。ようこそ、ハイランク研究隔離病棟へ!」
「前置きはいい、プロフェッサー凌馬。出来るだけ事態をはやく把握したい。」
この博士は『戦極凌馬』。子供っぽい性格で掴み所が無いが、頭脳は本物。ロックシードを実用させ、戦極ドライバーを開発したのも彼。
まあ、個人的な趣味(例→花道・オンステージ night of spear等々…)をそれらに突っ込む件については色々と問題だが…
「さて、君が見たいのはこれだね?」
そんな彼が貴虎に促され案内したのは様々な機器のチューブが繋がれた1人の患者の呻くベッド。ここで、凌馬はビニール性らしき手袋をはめて患者の掛け布団に手をかける。
「気をつけてくれたまえ。空気感染の心配は無いが、接触感染の力が異常に強い…。この私でさえこうやって気をつかうほどだ。」
そして、彼は一気にそれをはがした……
「これが……」
直後、貴虎の目に映ったのはあの禁断の果実の植物ではなかった。代わりに患者の素肌から覗く黒い蜘蛛のような禍々しい痣……
邪悪なその模様を見ながら凌馬は呟いた……。
「驚いたかい?……これが、『黒蛛病』だよ。」
To be continued…
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