仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~   作:ジュンチェ

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EP11 目覚める力

EP11 目覚る力

 

 

「はぁぁ……やだ、はぐれちゃった……」

 

ミコノはクロガネ神機をひっさげて鉄塔の森を抜け、図書館の周りをうろうろしていた。アラガミの群を追い込んだまでは良かったがエミールとバロンが暴走し、成り行きでギルともはぐれてしまったためなんとも心細い…

…あのバナナ、次あったら紅茶を飲みながら潰してやる。

 

 

まあ、そんな奴はどうやら1人じゃないらしいということは向かい側から歩いてくる人影から理解できた。

 

「あ……お~い!」

 

「あっ…紘汰さん……」

 

仮面ライダー鎧武・クロガネオレンジアームズ……一緒にいるはずのジュリウスたちがいないことが気になったがいったいどうしたのだろう?

 

「いやあ、そっちも合流してたんだな。戒斗たちは?」

 

「ああぁ……」

 

「あ、いわくなくても良い……大体、わかった。うん…。」

 

とにかく、ミコノの状況は言わずとも察した鎧武。問題はそっちの方……

 

「いやあ、こっちは各自で散開したんだけど……なんか通信機こわれたみたいでさ……全然、動かないんだよね。」

 

「あらら……」

 

説明しよう。一般的にミコノらゴッドイーターは自身の制御を担う腕輪が通信機やIDの役割などを果たすが鎧武のようなアーマードライダーのシステムはこの世界での通信技術に対応する機能は無い。故にミッション前に無線らしき機械を持たされたのだが1人になった途端に動かなくなってしまったのだ。外見は破損しているようには見えないが……おかげでさっきまでぼっちだったのである。

 

「なら、一緒に行動しましょう。」

 

「おう、助かるよ……」

 

なら、ミコノは連絡能力を持つ自分と行動を共にするように提案。鎧武も承諾し、一緒に図書館の周りを巡回する。

 

「…ん?」

 

ふと、紘汰はここである物を見つけた。瓦礫にまとわりつくような植物のツタらしきもの。付近にはコンゴウ種とおぼしき無惨にされた亡骸があり、そこから根をはるのは……

 

「……まさか」

 

急いで駆け寄る鎧武は近くによって、毒々しい色をした実を見て確信する。

 

間違えるはずがない……これは………

 

 

(ヘルヘイムの森の植物……!)

 

 

ヘルヘイムの森を覆い尽くす生物を種を運ぶためのゾンビ…インベスに変えてしまう悪魔の果実をたわわと実らせる植物。コイツに紘汰の仲間が2人も犠牲になり、1人は図らずも自らの手で殺してしまった。

 

(裕也…初瀬……この世界にも、ヘルヘイムの侵食が……)

 

「紘汰さん?……なにこれ?」

 

「!……さわっちゃ、駄目だ!!」

 

おっと危ない。危うく様子を見にきたミコノが触れてしまうところだった。アーマードライダーや防護服に包まないとヘルヘイムの果実は強い食欲に教われるため非常に危険だ。この点については鎧武も身をもって体験しているのでよくわかる。

まず、ミコノを下がらせ果実の1つを手にとってみてロックシードに変化をさせてみる鎧武。すると、クルミらしき赤色のロックシードへと変化した。ただ、何か風のような紋様が入っているが……

 

「クルミ……?何か違う気が………」

 

新種?そういえば、この世界に来てからあのミコノの神機からなっていた果実がクロガネオレンジロックシードになったのを思いだした。基本はオレンジに近いが色などは違う。この世界は何かしらの要因でヘルヘイムの果実に影響を与えるのだろうか?

 

「………使ってみるか…」

 

 

【金剛クルミ!!】

 

起動してみるとやはり、クロガネオレンジのように違う音声。 クルミだけに、ナックルと相性が良さそうな気がするがまあ良い………ドライバーからクロガネオレンジロックシードを取り外そうと…………

 

 

 

 

 

 

ーーーードォォオーーン!!!!

 

 

「ぐわ!?」

 

 

「「!?」」

 

 

…した途端、建物から弾きとばされるように転がってきた紅い戦士。それがすぐにバロンだと気がつくのは当然であった。

 

「戒斗!?いったい………」

 

「気をつけろ、葛葉………ヤツは…強い!」

 

「え……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉ!?!?何故だ!?何故、神機が動かない!?」

 

 

 

 

バナナアームズが抉れ、酷い有り様の彼に続いて猛スピードで鎧武とミコノのところへと逃げてくるエミール。彼の背後からは白い狼のような巨大なアラガミが迫る。

 

「ピンチだ!まさに、ピンチだぞこれは………!?」

 

 

『ガァウ!!』

 

ーーーーバシィッ!!!!

 

「うわあぁ………あべし!?」

 

そして、彼はガンドレッドの前肢で壁にスタンプされめり込み沈黙。そのまま、アラガミは鎧武の前へ……

 

「………こ、コイツは…!?」

 

察した………鎧武は理解せざら得なかった。このアラガミは最初に闘ったヴァジュラとは格が圧倒的に違い過ぎる。白い毛並みに混じる紅い鬣に鋭い眼光はまさに狩人…

自分は今、獲物としてしか認識されていないことを………

 

「…くっ!」

 

【カチドキ!!】

 

まずい!!反射的に鎧武は新しいロックシードを投げ捨て最強の力を取り出した。間違いなく、全力でいかなくては喰われてしまう。だが………

 

 

ドゴォ!!!!

 

 

「ぐは!?」

 

「紘汰さん!」

 

 

瞬間、宙を舞う鎧武の身体。ミコノの悲鳴が響き、手にしていたカチドキロックシードやゲネシスコアまでも衝撃で遠くまで散乱してしまう。アラガミの体当たりが直撃したのだ。

 

「………く…そ……」

 

『グルルル…』

 

 

瓦礫に叩きつけられ呻く鎧武にジリジリと迫り来るアラガミ。咄嗟にミコノが前に出て神機を構えるもクロガネの武器は畏怖に震えている…

 

さあ、どうする?

 

 

 

 

 

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「フフ……彼もここまでね。」

 

自室の研究室でニタリと笑うラケル博士。モニターの反応を見ながら鎧武の最期を彼女は感じる。

 

「……荒ぶる神の世界の歴史に…誰もが割り込むことはできません。異界からの異分子だろうと、創世から繰り返されしこの歴史に逆らうことなど………愚の骨頂…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その愚かなヤツを舐めてもらっちゃ、困るなぁ?」

 

 

「!」

 

 

 

 

しかし、最期を否定する者の声がラケル博士の不意を突いた。振り向けば、いつの間にかサガラが揚々と立っていた。彼女は彼がいることはともかくとしてそんな態度でいられることが信じられなかった。自分のお気に入りの駒が壊されそうなのにケロッとしている。まるで、心配する必要性が無いとでも言うように………

 

「………サガラ、チェックメイトですよ。今の葛葉紘汰たちにマルドゥークと渡り合う力は無い。」

 

「『今』………はな。」

 

「…?」

 

「星の巫女よ……俺が葛葉紘汰に手をかける理由はどう転ぶかが一番、わからないからだ。だからこそ、アイツは物語を面白くできる。」

 

何だ……何を言い出すのだ?ラケル博士は戸惑った。サガラの真意が掴めない……いや…むしろ、葛葉紘汰がこの場を打開できるとでも言っているようではないか。

 

「………まさか」

 

ありえない。ありえるはずが無い。

ただ、言えることはサガラに比べて遥かに彼女は葛葉紘汰について知らないということだ。

 

 

 

 

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(……駄目だ、こんな所で死ねない。)

 

立ち上がるは鐵丸と無双セイバーを握る鎧武。そうだ……自分はまだこんな所で死ぬわけにはいかない。自分にはまだやるべきことがある。

 

「……紘汰さん!」

 

 

自分には背負う命がある……

 

 

「……いくぞ!」

 

「…はい!」

 

自分には背負う十字架がある……

 

 

 

だから……

 

 

 

 

 

「「うおぉぉぉぉ!!!!」」

 

 

…負けられないのだ。

 

 

 

『グルルルガァ!!!!』

 

 

「ハアァァァ!!!!!!」

 

「セイハァァ!!!!」

 

 

一気に転じて攻勢にでる守りし者たち。その時……

 

 

 

 

 

パアァァァァァン!!!!

 

 

 

 

2人の中で何かが弾けた。

瞬間、紅い光がそれぞれの武器から放たれ……

 

 

 

斬!!!!

 

 

 

『ガァァァ!!!?』

 

 

喰らいつこうとした獣の顔に一撃!!!!

突然のカウンターにより、アラガミの左目に顔の一部が傷つき驚きと激痛で飛び退いて地面にのたうちまわった。

 

 

「何!?」

 

その様子を物影からみていたフードの男。予想外の事態であったが頭をすぐに切り替え、ロックシードを握りなおす。

 

(いかんな、このままヤツを生かしておけば……マルドゥーク!)

 

『グゥオオオ!!!!』

 

 

 

 

ーーーードガァァン!!!!

 

『ギャゥ!?』

 

「!」

 

すぐさま、アラガミを使役し鎧武の始末に入ろうとしたが何処からか飛んできた砲撃がアラガミに直撃してしまう。

 

「…砲撃?どこから?」

 

ミコノは荒く息をしながら飛んできた砲撃の方向をみるが誰もいない。が、少し違う方向からギルやナナ…ロミオが神機を銃形態にして駆けつけ一斉に弾幕を張り始めた。

 

ーーーードドン!!トドドド…!!!!

 

 

『グゥオオオ!』

 

「い、いかん!戻れマルドゥーク!」

 

悲鳴をあげて怯む獣にフードの男はあわててロックシードを操作し、撤退するように指示。アラガミもこれはたまらんと図書館の壁を蹴って登っていくと一行を一瞥し、逃げ去っていった。

 

「うっ……うぅ……」

 

「はぁ……」

 

これで緊張の糸が切れたのか強い疲労感に襲われ地面に倒れこむ鎧武にミコノ。鎧武に至っては限界が訪れ変身解除してしまう。

 

まず、これで一難は去った……。

 

 

 

 

 

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まあ、ラケル博士にとってあまりにも予想外な結果だったのは言うまでも無い。サガラに至っては嬉しそうに笑って彼女の肩を掴んでいた。

 

「な?本当に面白いだろ、奴は!まさか、『血の力』まで目覚めさせちまうなんてな!」

 

「……ば、馬鹿な。ゴッドイーターでもないただの人間が………これも、あなたの仕業ですか?」

 

 

 

 

「…」

 

ラケル博士の問いに笑うのを止め、微笑したままのサガラ。軽い調子で椅子に腰かけると揚々と語りだす。

 

「…いや、これはアイツがアイツ自身の力で掴んだ結果。俺は何もしちゃいない……まぁ、実際のところ……観客は俺だけじゃないぜ。気がつかないところでこっそりと手を差しのべてるかもよ?ソイツはな…」

 

「……?」

 

 

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「やれやれですね……」

 

一行の無事を見届けると彼は帽子のつばをクイッと持ち上げ、ブラストの銃形態にした未だに煙をあげるクロガネ神機を肩に担ぐ。ちょっと、局長が目を離した隙にここまで来てみたがまさか、こんな場面に出くわすとは……

全く、正式なブラッドへの配備まだ先なので勘弁してもらいたいものである。

 

「ま、楽しみが潰れたらつまらないですし……これくらいはギリギリセーフラインってことでお願いしますよ。」

 

そして、青年は去る。そろそろ、あの風船みたいな身体をした局長かラケル博士が気がついてしまうだろう。退散は早いにこしたことは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

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それから数日……

 

 

 

フライア内……

 

 

 

「おめでとうございますジュリウス隊長。ブラッドにとうとう、血の力に目覚めた人が『2人も』でたんですってね。」

 

「ああ……」

 

廊下でフランと会話をするジュリウス。できれば、祝福は本人に言ってもらいたいものだが部隊としてもめでたいことなのはまた事実。ただ、1人が完全に予想外の者が目覚める…という点を抜けばだが……

 

「…」

 

「……ジュリウス隊長?」

 

「すまない、先に行っててくれ。」

 

ふと、気配を感じてフランを先に行かせるジュリウス。フランはどうしたのかと少し気にする素振りをしたがオペレーターの業務があるためその場を後にする。

それを確認すると、背後に立っていた人物に意識を向けた。

 

「お前がここにいるということは……ラケル博士の付き添いでは無いな。シエル?」

 

「はい……すでに任務は更新されています。」

 

少女……スクッと立つ緑色のスカートの少女。豊かな胸にツインテールを独特な形で結ったような髪型。物静かな視線と口調が彼女の正確を現しているようだ。

 

「本日づけでブラッドに正式に招聘されました……。アナタもお変わりなさそうでなによりです。」

 

「ああ……今後ともよろしく頼む。」

 

ジュリウスと少女『シエル・アランソン』は知り合いでありつつも、まるで機械的な会話をすると西洋風の両開きのドア……ラケル博士の部屋の前へ……

 

「ブラッドの皆はもう集まっている。準備は良いな?」

 

「はい……シエル・アランソン、入りま……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【バナナ・スパーキング!!】

 

 

「き、貴様!!許さん!」

 

「戒斗、落ち着けって!?」

 

「ナナ、それ食べたら駄目だって?!」

 

「……バナナおいしい(もしゃもしゃ……ごっくん」

 

「「ああぁ!?」」

 

 

 

 

「「…」 」

 

あれ?なにこのドア開けたらカオス空間…

何か肩アーマーに歯形がついてるバロンにそれを止める鎧武・クロガネオレンジ……で、隣にはロミオが止めるにも関わらず何かを幸せようにゴリゴリと音をたてて噛んだ後、呑み込んでしまったナナ。何を食べたかはお察し下さい。

 

「……ジュリウス。」

 

「ええ、わかっています。」

 

この状況にストレスゲージが満タンのスマイルでジュリウスに指示をだすラケル博士。そして、何処かは出したのかハリセンを構えるジュリウス。

 

「……シエル、よく見ておけ。これより目標に対してブラッドアーツを行う!」

 

隊長……いくら、かっこよくいってもアナタが持っているのはハリセンです。だけど、かっこよくみえるのは不思議。なんて、おもった一瞬……

 

 

 

シュバ!!

ーーーシュパパパパパパパパ…!!!!

 

 

「「「「「「あふん …!?」」」」」」

 

 

ジュリウスがハリセンを振り抜ききると、全員に衝撃が炸裂し沈黙した。

 

「……シエル、これがブラッドアーツだ。」

 

「…(何か違う気がする…)」

 

いいや、シエル…間違いだらけだよ。そんな心の中の呟きは誰にも知られることはなく、話は本題に移る。

 

「……さて、すでにラケル博士から報告は受けていると思うが本日づけでブラッドに配属になるシエルだ。」

 

「……あれ?そんな話してたっけ、ロミオ先輩?」

 

「いや、俺も訊いてない……ギルは?」

 

「俺もだ……」

 

「私も……」

 

 

「なんだ……ちゃんと、話を訊いて……」

 

 

 

「あ、ジュリウス…シエルのことを話すのを忘れてました☆」

 

 

 

 

「……ラケル、貴様…!」

 

 

あれ?また茶番ムードになってきたぞ?

このままではシエルが空気になってしまうと前に出てきたのは紘汰。

 

「えーと……シエルちゃんだっけ?俺は葛葉紘汰、よろしくな。」

 

「はい……こちらこそ。」

 

しっかり、挨拶を済ませ握手を済ませると改めましてと敬礼をして皆に自己紹介にあたる。

 

「紹介に預かりました、シエル・アランソンです。主に戦闘術に特化した教育を受けて参りましたので、今後は戦術等について研究に勤しみたいと思います……………。以上です…」

 

「そんな固くならなくて良いよ。皆、良い奴ばっかりだし……」

 

が、慣れていないのかどうも動きが固い。そんな時にこそ紘汰のフレンドリーのスキル。自分はブラッドに居候しているようなものだがその身であろうと彼女に早く溶け込んでもらいたい。この気持ちはダンスチームに新しいメンバーを入れた時と似たような気分だ。

皆、溶け合ってこそ最高のパフォーマンスができるのだから……

 

「……ジュリウス」

 

「ああ…ここで大事な話がある。ブラッドのメンバーも増えたことで命令系統を一本化するため、副隊長を任命したいと思う。」

 

続いて、ラケルに促されジュリウスは今後のブラッドの運用について副隊長を任ずることにした告げた。流石にこれには浮わついていたメンバーも緊張が走る。

 

「その点に関して……早くも血の力に目覚め、その立ち振舞いからお前を任命したいと思う………………やってくれるな、ミコノ?」

 

「え…?」

 

その責務を担う者として、ジュリウスが選んだのはミコノ。選ばれた彼女は何故に自分がと目を見開き、戸惑っていた。

 

「……え、でも、私……」

 

「…良いんじゃないか?」

 

「ギル!?」

 

「……私も良いと思うよ!賛~成~!」

 

「ナナ!?」

 

「……ま、良いんじゃない。まあ、俺じゃないのが気にくわないけど…」

 

「そりゃあね。」

 

「おい!?なんで、俺の時だけリアクションが違うんだよ!?」

 

「……ふん、貴様ごときを副隊長とするならこの組織も余程、人手が足りないらしい。」

 

「黙れバナナ。」

 

「……バロンだ!」

 

おまけに、仲間まで賛同されてしまい退くに退けないミコノ。その彼女を見かねて紘汰が声をかけた。

 

「もう少し、自分に自信を持って良いと思うよ。皆から信頼されるってことはそれだけの力があるってことさ……」

 

「……で、でも…」

 

「大丈夫、俺達は仲間さ。助けあってなんぼだよ。」

 

 

そして、ついにミコノの決心も固まったようだ。

キリッと前を向き敬礼すると彼女は決意を胸に叫んだ。

 

「…相川ミコノ!ブラッド副隊長の役目…謹んで………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て!勝手な行動は許さん!」

 

 

 

 

 

 

 

その時、力任せにドアを開けて入ってくる大男。葉巻の臭いをプンプンさせながら入ってきたのはやはり、グレム局長。いったいフライアの総責任者がいったいどうしたのだというのだ?

 

「…グレム局長、いったい何事ですか?」

 

「ラケル博士、ブラッドの人事を勝手に決められては困りますなぁ?」

 

「…ブラッドの事は私へ一任されているはずでは?」

 

「ええ、確かにブラッドはそうですが人事は別ですよ。それはこちらが決めること…副隊長もまた然りだ。」

 

「え……」

 

揺らいだ……グレム局長とラケル博士の会話の中でミコノの中の決定的な何かが揺らいだ。決心を支える何かが……

 

「おい、入ってこい!」

 

そのようなことお構い無しにグレム局長はドアの外に待機していた青年を呼び寄せる。

 

「はい、は~い~♪お邪魔しますよ~♪」

 

「!?」

 

彼の姿を見た途端、ミコノはどういう訳か凍りついた…。

同じブラッドの制服に金の髪に被る黒い帽子。人懐こそうな紅いクリクリッとした目で右腕にはブラッドと同じゴッドイーターの証である黒い腕輪。

 

「俺がロシア支部から引っ張ってきた『剣立 アカギ』だ。実践経験・キャリアも充分……今日から彼はお前らブラッドの副隊長になる。以上……これは決定事項だ。」

 

「なっ!?」

 

 

紘汰は驚いた。このグレムという男の強引さに……今までを根こそぎに否定し、自分の思うようにつくりかえるフライアのトップ。まるで、態度はデェムシュのようなオーバーロードを彷彿させる。ただ、ここで割り込まれて引きさがる紘汰ではない。

 

「ちょっと、あんた……いきなり来てそれは!」

 

「黙れ!ここの責任者は俺だ!!俺が全てを決める! 」

 

「そんなこと無いだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれぇ?ミコノさんじゃないですか~♪」

 

 

必死にグレム局長に食い下がる紘汰を尻目にミコノにへと寄っていく青年『アカギ』。彼が近づくにつれミコノの髪の毛が逆立っていく…

 

「おい、アンタ…知り合いなのか?」

 

ギルはリアクションからして彼がミコノと知り合いなのかと踏んだがすぐに自分は迂闊に触れてはいけないことに手をだしたと知る。

 

「ああ、私ですか?簡単に言うとですね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……彼女の『元彼』です♪」

 

 

 

 

To be continued…

 




ついに、シエル合流!
さらに、男主人公ポジションである謎の青年『剣立アカギ』の姿が明らかに!


紘汰にミコノも血の力に目覚め、果たして物語の行く末は!?


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