仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
ロミオ「……リ●レウs(【レモンエナジー…ロックオン!!】いえいえ、なんでもありません…」
大変、お待たせしました!(汗)
最近、色々と忙しかったりなんなりでもう……
というわけで終わり方が半端になって申し訳ないですが、お楽しみください!それでは、ごゆっくり……
「では、しばらくは葛葉紘汰たちはこちらで預からせてもらうことで宜しいですよね?」
「ああ…是非ともよろしく頼む。私が一旦、クレイドルに戻らなくてはならない間、凌馬たちが非常に心配だが……そちらは大丈夫だろうか?」
「ええ……凌馬さんはラケルとも仲が良さそうですし……平気だと思います。」
フライアの廊下の一角にて貴虎はレア博士に見送られ、このフライアを後にしようとしていた。そろそろ、リンドウたちの部隊とも話をつけなくてはならないし他にも個人的な事情が少々あるので彼は多忙なのである。
「あ、ネクタイが曲がってますよ。」
「お……すまない。ありがとう。」
ふと、貴虎のネクタイが少し曲がっていることに気がつきそれを直すレア博士。貴虎は珍しく、少し動揺したような顔をしながら礼を述べエレベーターへと向かう。その背を彼女はにっこりしながら見送っていた…。
…また、にっこりしていたのは彼女だけではない。
「ほう……これは、これは……」
物陰からこっそりと見ていたのは恐らくは一番、知られてはならないであろう凌馬。屈託ない黒い笑みを浮かべる様は後ろにいたシドに溜め息をつかせる。
「中々、おもしろいものを見れたねシド?」
「…」
やだ、この頭おかしい科学者が何か良からぬことを考えていやがる。勘弁してくれ…と思ったシドだがそんな思いを察する凌馬ではない。
「おい、プロフェッサー…こんなことにはあまり手を出さないほうが……」
「安心したまえ。私の趣味だ。」
「…(だから、それが安心できねえんだよ!?)」
ああ、駄目だ…。胃に穴が開きそう…。
憂鬱な目をしながら何処の方向に視線を向けるシドであったがその時、凌馬の端末に通信が入る。
「おや、湊くんからだ……リョーマDXくんが完成したのかな?」
(…リョーマDXくん!?)
ん?今、凄い不吉な響きが聞こえたぞ…
戦慄を覚えるシド…
勿論、凌馬は気にしない……。
「はいはい、もしもし……………何?」
されど、突然にして凌馬の表情が曇り出したのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
贖罪の街……
大きな聖堂を中心にビルなど破壊された建物群が連なるエリア……
かつては栄えていた人間の文明もここでは見る影も無い…
そこに立つのは……
「αチーム、全員いますね♪」
アカギ率いるαチーム……
部隊のメンバーは…
・アカギ(リーダー)
・ナナ
・ロミオ
・戒斗
一方…
ミコノ率いるβチームは……
「皆、準備は良い?」
・ミコノ(リーダー)
・ギル
・シエル
・紘汰
どちらも4人でパワーバランスなどはほぼ公平な条件となっている。 今回のミッションは未知のアラガミの調査・討伐をメインとし、どちらかのチームが先に対象を撃破することや他の幾つかある項目の中で最終的にジュリウスがどちらのリーダーが副隊長に相応しいか判断する。一見、ミコノが不利そうだが彼女には経験豊富なギルに成績優秀との話のシエル…加えて多様かつ強力なアームズを持つ紘汰だ。対する、アカギは自身の経験はあれどナナとロミオは新人で戒斗は紘汰ほどの高いスペックのアームズは無い。これで、実力は五分五分だろう。
「アカギ……」
「?…なんでしょう?」
やがて、作戦の開始時間が迫ってきた頃…ミコノはアカギにキリッとした顔で話しかけた。対する彼は相変わらずの笑みを浮かべていたが彼女は怒ることなく、真っ直ぐに告げる…。
「私、アンタに負ける気ないから…」
EP13『火竜』
【ソイヤッ!クロガネオレンジ・アームズ!!血ノ道・オンステージ!】
「…しゃあぁ!」
【カモン!バナナ・アームズ!!Night of spear!】
「…フンッ」
作戦開始と同時に飛び出していくαとβの両チーム。鎧武とバロンも変身し、鎧武に至ってはクロガネオレンジと最初から気合いが入っているようだ。
「葛葉、お前は最初からそれでいくのか?」
「ああ、コイツならラケル博士の話によると神機だのオラクルがなんだので……要はアラガミによく効くらしいからな!」
「……適当すぎないか?」
少々、不安なやりとりがあったが両チームは中央の教会を境にそれぞれ左右に別れていく…。
そして、αチーム……
『『『フシャアアァァ!!!!』』』
「お?……団体さんですね~♪」
開けた場所に出たアカギたちの前にいたのはオウガテイルやドレッドパイクなど小型アラガミの群れ。空中に浮く黒い卵に単眼に女神像を埋め込んだような『ザイゴート』の姿もある。結構な数でロミオとナナは怯むがアカギは笑いながら自らのクロガネのブレードタイプの神機を滑らせるように構える。
「さ、各員いきますよぉ~……フォーメーション・プラネットダンス!!」
直後、アカギの声がしたと同時に彼の姿が俊足の域に達した。目の前のオウガテイルが数匹斬り裂かれ、次の瞬間にはドレッドパイクがおぞましい悲鳴と血飛沫をあげて次々と倒れていく……
『『シャアアア!!!!』』
「!」
しかし、振り抜いた先に待ち構えるのは2匹のザイゴート…
卵のようなボディが裂けるように大口を開けて迫るが認識から反射ともいえるような動きでブレードを振り抜いた勢いの流れで変形……アサルトの銃身を露にして引き金を引いた…!
ーーパパパパパパ!!!!!!
『グギャアアアア!?!?』
「さあ、決めちゃってください!」
ドス黒い鮮血と火花が舞う中……ザイゴートの悲鳴が響き渡る。蜂の巣になった奴等に最後に迫るのは……
【バナナ・スパーキング!!】
ズドドドド…!!!!
黄金に輝く果実の閃光……
バロンのバナスピアーから繰り出された攻撃が傷ついたボディに大穴を開け、荒ぶる神たちの息の根を止める。ほんの1分すら満たないのにアカギとバロンだけですでに数体撃破しているではないか…
「…す、すごい……」
「マジかよ……」
圧巻……まさに目の前の事実。アカギの神機の扱いは掌を動かすよう、まさに肉体と一体になっているようだ。長年、積んできた経験と相棒…神機への理解があるから可能な境地にナナとロミオが驚愕するのは無理もない。確かにグレム局長が連れてきただけはある実力だ。
「さぁ!さぁ!いきますよぉぉ!!!!」
だからといって、遅れてはいられない…二人はお互いに神機を構え、アカギとバロンに続いていった…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ギャォォ!!!!』
「シエル、紘汰さん、両サイドから追いこんで!」
「おう!」
「了解。」
一方のβチーム……ミコノの分隊は廃墟を縫うように逃げ惑うコンゴウを追いこんでいた。ついこの間、コイツとは別の個体に苦戦させられたこともあり、ミコノは鬱憤晴らしを兼ねて怒涛に攻め立てる。
シエルの装備は淡く翠のラインが入るスナイパー故に射程は長く、機動性は鎧武が長ける。シエルのスナイパーと鎧武の無双セイバーによる射撃で両サイド確実に追い込みをかけていた。
【ロックオン!一……十……百……千……万……クロガネ・チャージ!!】
「いくぜ!セイハァ!!」
ーーバシュ!!
「命中確認。」
『グゥガ!?』
瞬間、オラクルのビームたちがコンゴウの肉体をぶち抜いてバランスを崩し転倒。そこへ、ギルとミコノが飛びかかり神機を頭に突き立てる!
「「はああっ!」」
ズブッ!!
『ギャアアアアァ!!!!!?』
響き渡る断末魔……
肉を貫かれ、限界へと達した荒ぶる神は息絶える。
ミコノはふぅ……と溜め息をついて、自分のクロガネ神機を引き抜くとオペレーターのフランに通信を入れた。
「フラン、きこえる?こっちは中型種を撃破したけど…まだ、目標の反応は無い?」
【レーダーにまだ反応はありません……。引き続き、付近のアラガミの掃討を続けてください。】
「……そっか…」
そう……これまで、散発的にアラガミと交戦は繰り返してきたが未だに正体不明の目標であるアラガミには出くわしていない。定期的にフランとも連絡はとっているがそれでも、一向に新たな情報が入る気配すらない。困ったものだ。
「まだはじまったばかりだけどさ……本当にいるのかよ、目標のアラガミ…」
「確かにな……最後の目撃情報を宛てにしては来たが、反応すら掴めないのはどういうわけだ? 」
鎧武とギルも出来ることなら連戦は避けたい。対象以外のアラガミの相手が重なればその分、嫌でも体力は消費するし、いざ本番でヘトヘトでは勝率は低くなるからだ。しかも、競争とはいえ2つの部隊の合同だ。無理をすることもないし、下手をすればお荷物にもなりかねない。
ちょっと、苛つきだした彼らだったがそれを宥めるかわりにと口を開いたのはシエル。
「…確かにまだ反応はありませんが、最後の反応からそう時間は経ってませんので付近に潜伏している可能性が高いと思われます。対象の外見は赤くしなやかなボディで空中を浮遊しているということ、大型種に近いサイズでありながら忽然と姿を消して追跡から逃れる……これらが全ての事例において報告されていることですが…」
だが、そんなアラガミなど正式に記録された事例も無いし、現在も影も形も無い……
「唯一、捜しだす手掛かりは現れる前触れでアラガミの反応が突然、何もないところで消失し始めるとのことです。あまり、こちらも頼りない情報ですが……」
「結局、しらみ潰しか……ま、仕方ないよね。」
こればかりは指揮ではどうにもならないとミコノは落胆。とにかく、アカギたちが先に見つけないことを祈るばかり……
【レーダーに新たな反応を探知。中型種です…】
まあ、祈る余裕も無さそうだ。気持ちを切り替え、新たな客の相手に向かおうと……
【…!?……反応が消失した…】
「?……どうしたのフラン?」
…した途端に何やらオペレーターが不穏な空気を醸し出す。ミコノは腕輪の機能による通信で現状を把握しようとし、他のメンバーは顔を見合わせる。
【…作戦エリアに侵入してきたアラガミの反応が消失しました!計器に異常はみられません…こんなこと……】
「おいおい、これって……」
「噂をすればなんとやらだな……」
アラガミの反応が突然に消える……どこかで聴いたような話だ。もうタイミングが良すぎて笑いが出てきそうでたまらないくらいだ。まず、今…やるべきことは……
「シエル、これはお手柄かも!それじゃ、βチーム…行くよ!」
「「「了解。」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
反応が消失した地点…
小規模な瓦礫が立ち並ぶ場所であり、これらを掻い潜るように動いていたのはアカギが率いるαチーム…。いち早く、オペレーターの声をもとに隊長であるアカギの判断で駆けつけてはみたがオウガテイル一匹すらいない。先日、降った雨による水溜まりや鏡やガラスといったものの破片が時折、散乱しているのみ。
「なぁ、隊長……索敵したほうが良いんじゃねぇか?全然、見つかる気配ないしさ~…そっちのほうが効率良くね?」
「いいえ。敵が何処にいるかわからない以上、迂闊に単独になるのは危険ですよロミオさん。周囲の警戒を怠らずいきましょう。」
「…」
ロミオも焦れて、散開して行動することを提案するがアカギはそれを却下。未だにチートの陣形を崩すつもりはない。
バロンも確かにこのままではと思っていたがあることが気になっていた…。
(何故だ……さっきの教会の周りはかなりの数がいたのに…ここには一匹とアラガミがいない?)
そもそも、反応が消えるということが妙だ。対象が強いステルス能力をもっているならまだしも…他のアラガミの反応まで消えるなどおかしいにもほどがある。見えざる相手はやはり、そう単純な能力ではなさそうだ。
ーーーーキィィィン…キィィィン……
「?」
そんな時、バロンの聴覚が奇妙な耳鳴りのような音を捉えた。耳障りこのうえないが、他のメンバーに聞こえている様子は無い…
「……な、なんだ…」
『グルルル……』
すると、バロンの背後にあった『鏡の中』に映る異形の影…。獲物を捕らえるために虎視眈々と様子を窺う様は狩人のソレ。
「!」
バロンがそれに気がついた時にはもう遅い……
『グゥオオオオ!!!!』
……鏡の世界から飛び出し、彼の異形は牙を剥く……!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【αチーム、討伐対象と接触を確認!βチーム急いで下さい!!】
「…出遅れた!?」
流石にミコノも焦らざらえない状況だった。運の悪いことに、アカギたちが先に見つけてしまったのでは自分の敗色を濃厚になってくる。全員を全速力で走らせて向かうがシエルが何かに気がつき、一行を止めた。
「待ってください!あれを…!」
彼女が指差した先には、おそらくはアカギたちが戦っている場所の頭上。そこには、まさに火を吐く『竜』の姿があった……
『グゥオオオオ!』
真っ赤でしなやかなボディをしならせ、黄色い瞳が眼下のバロンたちを見下ろす……その姿はミコノはおろか、フェンリルという組織すら知らないアラガミの姿であった。
「まさか……新種!?」
シエルは驚かずにはいられない。今までのアラガミは新種だとしてもその骨格はある程度は共通するものだが、今回のタイプは現存する種のどれにも当てはまらない。この手の場合は本当に厄介である。
「まずいぜ、早く助けにいかないと!ミコノ!!」
「わかってる!」
「ま、待ってください!一度ここは退いて作戦を……!」
すぐさま、鎧武とミコノはαチームの援護に向かおうとするがシエルが止める。されど、それを止めたのはギル……
「今はそれどころじゃねえ!ゆっくり作戦なんて立ててる暇なんて無えぞ!」
「しかし、マニュアルでは……」
「仲間より、マニュアルを守りたいならそこで見てろ。」
彼は冷たく言い放つと鎧武とミコノの後を追う。シエルも少し躊躇うような表情をしたが、仲間を見捨てる気など彼女にはない……すぐに続いていき、援護射撃の態勢に入った。
「こちら、βチーム!援護するから、ヘタれるんじゃないわよ!」
「おぉ!?ベリィ~感謝です~!」
そこからは、隊長同士が連絡を取り合いアラガミを囲うように攻撃を開始。ギルのアサルトとシエルのスナイパー…ナナのショットガンによる牽制射撃に加えてロミオのバスターブレードによる一撃。嵐のような攻勢だが竜のアラガミは怯まない。
「くそ、効いてない…どうすれば!?」
鎧武はこの状態に危機感を覚えるが、以外な人物が活路を与えるとは夢にもみない。
【Pi Pi ……聴こえるかい、葛葉紘汰?】
「!……戦極凌馬!?」
なんと、突然に通信へと割り込んできたのは宿敵同然といっても他言ではない戦極凌馬。何もこんな時にいったい何用なのだ…全く勘弁してもらいたいものだが……
【君たちの置かれている状況はすでに理解している。そして、君らが相手をしているのは『ドラグレッダー』だ。】
「…ドラグレッダー!?」
【いやあ、私の趣味☆で飼育していたものだがうっかり逃げだしてしまってねぇ……】
「あぁ!?」
【…というのは冗談だが……】
「…」
もう、このマッド野郎……てか冗談なんだろうな本当に……
正直、他にも黒いデッカイ蝙蝠とかいるんじゃないかと疑いたくなるが今はそれどころではない。付き合ってられるかと通信を切ろうとした鎧武……『こらこら、待ちたまえ!』と凌馬が止める。
【まず、どういうわけかは知らないがコイツがアラガミ化しているからコアを引き抜けば何とかなるだろう。だが、ドラグレッダーは厄介な特徴が………あ、まずい。ラケル博士に勘づかれたようだ。】
ーーブツン!!
「あぁァ!?何だってんだよ!肝心なところ何一つ言って無いじゃねえか!?」
……本当に何がしたかったのだろう。呆れる暇もないので切れた通信越しに鎧武は凌馬を罵倒しているとアーマーが焼け焦げかけたバロンが鎧武の元へと着地した。
「成る程、見覚えがあると思ったらやはりか……」
「え!?戒斗、あの竜を知っているのか?」
以外、バロンはドラグレッダーのことを知っていた。理由は戒斗ならでは……
「前にいった武神ライダーの世界でコイツを使役していた『武神龍騎』とかいう奴を相手したことがある。ソイツの契約していたモンスターらしいが、主を無くして野良にでもなったか!」
武神……そう、かつて仮面ライダーたちがそう呼ばれて祀られ、戦を繰り広げていた戦国時代のような世界にかつて戒斗や紘汰は行った。そこで、戒斗は数多の武神ライダーを相手にしてきたのである。その中で『武神龍騎』と共に戦っていたのがこのドラグレッダーだ。
「気をつけろ、コイツの能力で一番ヤバイのは鏡を媒介にして移動出来ることだ。ふん、道理でレーダーにも映らないわけだ!」
鏡……バロンをよそについ脳裏に某・奇妙な冒険の吊るされた男がよぎった鎧武。関係ないだろ……
まず、鏡の中に入れるのならレーダーに引っ掛からず、目撃も少なくなるのもわかる。問題はどうするかだが…
「葛葉、作戦がある。耳を貸せ。」
「お、おう………」
しかし、戒斗はすでに作戦があるようで瓦礫の物陰に隠れてその内容を話す…。そうしているうちにもドラグレッダーの攻撃は留まることを知らず、口から吐く火炎放射でシエルとロミオを凪ぎ払う!
『ギャァォォ!!!!』
ーーゴォォウ!!!!
「…きゃ!?」
「うわ熱つッ!?」
「…シエルちゃん、ロミオ先輩!」
「駄目ですナナさん!!」
すんでのところで直撃は避けたが危機を察知したナナがアカギの言うことを聴かず、迂闊に駆け寄っていく。そんな彼女を見逃すわけなく、ドラグレッダーの刃のように鋭い尾が降り下ろされた!
「…ナナ!」
ーーガキン!!
だが、間一髪……ミコノが滑り込み、シールドを展開してナナの危機を救った。されど、完全にドラグレッダーの包囲網が崩れてしまった。このままではまずい。
『ギャァォォ!』
とうとう、ドラグレッダーは近くに落ちていたガラス片から鏡の中へと逃げてしまった。再び、戦場に静けさが戻る…。
「に、逃げた…?」
いや、逃げるわけは無い。ナナは安直な考えを捨てる…。自分が狩る側ならここで退きはしない…ならば……
『グオォオオオオオ!!!!!!』
「!」
やはり、襲ってきた…。しかも、動き辛い背後から出現して頭から喰らいつこうとするがギリギリのタイミングでジャンプして回避してみせる。そのまま、ブーストハンマーで頭にスタンプして反撃へと移ろうとするが無双龍と冠するだけに相手は甘くはなかった。
『ガァァウ!!』
次の瞬間、反射のごとき動きで身体を反らしたドラグレッダー…ほんのちょっぴりだけ間を置いてブーストハンマーが空を切っていく…
(あ……やば……)
戦場は僅か瞬きする一瞬ですら、命取りになり得るものだ。無防備になった彼女に無双龍の牙が並ぶ大口が迫る……
ナナにはこれが自身の最期の瞬間だと何処かで悟ってしまうほど…瞬が儚く感じられた時……
「ナナさん!」
ーーパシュ!!!!
ドラグレッダーの顔に当たった弾丸…。シエルの放った一撃はナナへの補食をやめさせるには十分だったが、食事を妨害されたドラグレッダーにとっては快くないものであり、ターゲットを彼女へと変えさせる要因に過ぎない……
『グオォオオオオオォォ!!!!』
「…くっ!」
ーーパシュ!!パシュ!!パァァン!
引かれる引き金……放たれる弾丸………止まらない無双龍…。さらに、ここで絶望の音が響き渡る……
ーーカチッ……
(!?……弾切れ…!?こんな時に!?)
あろうことか、シエルの神機の弾薬であるオラクルが切れてしまった。近接のショートブレードの変形もまともな回避もこのタイミングでは間に合わない。まさしく、絶体絶命…!
ーーガヂチチチチチチ!!!!
「…くっ!」
数秒もしないうちに、シエルの神機に喰らいつくドラグレッダー…。防御形態ではない神機は龍の凄まじい顎の力と牙にギシギシと悲鳴を開け、今にも咬み砕かれてしまいそうだった。そうなれば最後…次は主がああなるのだ。
「シエル!この!!」
「…くそ!!コイツの身体、硬い!」
勿論、ミコノやギルたちが黙って見ているわけではないが何分、ドラグレッダーのボディが一切の神機による攻撃を受けつけない。腹部に至っては盾になるぐらいなのでロミオのバスターによる渾身の一太刀すら弾いてしまう。
「コイツ、硬すぎだろ!」
「諦めちゃ駄目だよ、ロミオ!」
「……ですが、このままでは…!」
何をやっても無駄……足掻いているうちにも血のような噴出物がシエルの神機が溢れだし、ドラグレッダーの牙が徐々にシエルの首筋に食い込んでいく…。万事休す……もう出来ることなどないのか…?そんな絶望感……
【ピーチエナジー・チャージ!】
「セイハァァ!!!!」
ーーバシュウゥゥゥ!!!!
「!」
…桃色に輝く矢が打ち砕く…。
To be continued……
皆さん、有料配信の『防衛班の帰還』はやりましたか?個人的にはタツミの復活が嬉しいですよホント!いやあ、またヒバリちゃんとの絡みが大好きで大好きで……
防衛班の帰還が配信されなくても出すつもりでしたし……←
ではでは、また次回!