仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
さて、お気に入りも皆様のおかげで120件越えました。
あ、そうそう…それを記念して企画があるのです。
詳しくは後書きにて。
あと、感想欄にキャラ登場の書体 ××「~~」 というのが駄目という運営から通知がきました。申し訳ないですが、質問系感想は答られなくなります。あしからず………
……何故かはわからない。
いつからか、アイツには何か近いものを感じていた。その眼、その仕草、その想い……まるで、違うようで根っこの臭いが『同類』だと告げる。
……殺して生き延びた者
……殺してしまって生き延びた者
ああ、やっと解った。俺もアイツも同じ十字架を背負ったているんだってこと。
EP29『さあ、テメェの罪を数えろ!』
「ハルさん、ギル見つかったみたい!」
「わかった、場所は何処だ?」
空母付近でジープを走らせていたミコノとハルオミ…。夕陽が視界を刺してくる中、ハルオミはハンドルをきって方向転換しようとするが……
「ハルさん、前!?」
「何!?」
……目の前に突如として、紅い影が立ち塞がる。ミコノの悲鳴虚しく、巨体につっかかったジープは横転して彼女たちは神機諸とも投げ出された。 なんとか受け身こそはとれたものの……
「…はっ、よりにもよってこのタイミングで来る?」
ハルオミが悪態をつくのも無理はなかった。
『グルルル……』
…ルフス・カリギュラ。因縁の相手が今度は彼から命を奪うために立ち塞がる。
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「葛葉……」
「ギル、心配したんだぞ!?」
鎧武はギルに歩み寄るも、彼は背をむけて拒絶する姿勢をとった。すると、見かねたスカルが『話す時間をやる……』と数歩後ろにさがって彼等を見守る位置へ。どうやら、攻撃する気はないようだ…
「復讐なんてやめろ!そんなことしたって何にもならないだろ!」
「……聴いたのか。ハルさんか…」
舌打ちをしたギル。触れられたくない過去を親い仲とはいえ、他人に話されるのは気分が良くない。ましてや、口を出されるなどもっての他……
そんな彼の肩を鎧武は掴む。
「俺たちは仲間だろ。あのアラガミに1人でなんて無謀……」
「うるせぇよ!」
しかし、その腕は振り払われ怒号が響く……
「アンタに解るか!?大事な人間をこの手で殺した想いが!?大事な人を奪っちまった罪悪感が!?あァ!」
それは、ギルの背負う十字架とその苦しみの響き……。確かに自らの手で直接、大事な人間を殺めたのはブラッドでは彼くらいしかいないだろう。
いや、ただ1人……
「解るよ、俺には……」
例外……葛葉紘汰を除いては…
「ブラッドの…いいや、他の誰にも話してない。だが、俺にもお前と同じ『罪』がある。俺はこのアーマードライダーの力を手に入れた時……」
……大事な人を殺したんだ。
「…え?」
あまりの突然の告白に戸惑いを覚えたギル。馬鹿な…彼は自分とは明らかに違うタイプの人間だと思っていた…そう、どちらかといえばロミオやナナのように快活な部類の人種だと。
「…同じなんだよ。俺たちは……」
「でまかせを……」
「嘘じゃない!俺は生きるために、皆から慕われていた親友を殺したんだ。確かに、この手で……」
でも、彼の勢いは嘘を言っているとは思えなかった…。否、事実だからこその響きがあった。
かつて……葛葉紘汰は初めてヘルヘイムの森に入った時、とあるインベスに襲われやむを得ず殺してしまう。この時、森の真実を…このインベスの正体を知らなかった彼はある日、唐突に突きつけられ苦悩する。インベスの正体は他ならぬ友だった………
ヘルヘイムの果実は食った生物をインベスに変化させる能力を持っていたのだ。一度、異形に堕ちれば意志の疎通も出来ない。
「悔やんださ、悔やんで悔やんで苦しんだ!結局、俺は生き延びちまったことは変えられないからだ。でも、生きてるからこそ出来ることがある!復讐じゃなく、これ以上の犠牲を出さないために戦うことなんだって。それが、俺の罪に向き合うただひとつの償いだって。」
解らなかった…変貌した怪物に生命の危機、責めきれないだろう。でも、犯した咎人は背を向けようとしなかった………
「ギル、その復讐は誰のためだ?お前のために命を投げ出した人のためなら…お前は生きて、誰かを助け続けなきゃいけないんだろ!」
「!」
………真っ暗な闇に光で道が拓けていくようであった。
紘汰の言葉の先に刹那、恩師の面影が見えた気がする…。
「…生き延びた………ならか…。そうだ、その通りだな。なにやってたんだろうな俺は…」
帽子をクイッと下げ、自嘲気味に笑うギル。やっと…自分が迷走していることに気がつけた。まったく、ついさっきまでの自分に叱咤してやりたい気分だ。
「…どうやら、やっと自分の罪を数えられたようだな。」
…その様子に、頷きながら歩み寄るスカル。どうやら、もうギルに攻撃を加えるつもりはないらしい。
「なら、依頼はこれで終わりだ。」
「…?」
そして、彼に差し出したのは…GESドライバーにダブルロックシード。
「…お前を想う仲間は隣にいる。そして、お前が守りたい奴らは目の前にいる。あとはお前次第だ。」
これらを持つ理由は語られなかったが、ギルは戸惑いながらも黙って受け取る。同時に…タイミングがはかったように鎧武の通信端末を甲高い機械音で告げた。
「…はい、もしもし………何だって!?」
その内容は…仲間の窮地を知らせるものだった。
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『…グルアァァ!!!!』
「ちょっと、…しつこすぎじゃないですかねっ!?」
空を切り裂くブレードを紙一重でかわし、悪態をつくミコノ。ルフス・カリギュラは確かに全盛期の頃とはいかなくても、充分に強敵過ぎた。攻撃もどれも強力かつ、何よりも執拗。すでに、戦いの舞台たる空母も変形し傾きかけている…。
「ヤバいぜ、これ以上ドンパチしたらここの地盤が持たないぞ!」
「なら、何とかしてくださいよハルさん!?」
続いての尾の一撃を跳躍してかわすも、こちらの攻撃はまったく決定打にならないため歯噛みせざらえない。このままでは奴に八つ裂きにされるのを待つばかりだ…。
「んじゃ、恨むなよ副隊長!」
【ソーダァ!ブルーエナジーアームズ!!】
ならばと、ゲネシスドライバーでルーラーへと変身するハルオミ。すると、バイザーアイが発光して呼応するようにルフス・カリギュラの背に刺さる神機が呼応し…異形は激痛に悲鳴をあげる!
『グルアァァ!?!?』
「!…もしかして、あそこが弱点?」
まさにのたうちまわるとはこのことと、凄まじい苦しみよう。気がついたミコノは不規則な巨体の動きに怯みながらも、地を蹴り跳躍すると背に飛び乗り刺さる神機を掴む!
「これでもっ!くらえぇぇ!!」
そして、自らの神機はガンフォームにして傷口に一撃。炎の弾丸が炸裂し、大爆発を起こす!
「…やった!?」
爆風を利用してすかさずミコノは離脱して着地。今のは間違いなくかなりのダメージになったなず…
期待を胸に振り向くが………
『グルルルル………』
案の定、超ご立腹であった。
「逃げろ、副隊長!」
咄嗟にルーラーは飛び込んで己のバスターブレードを紅の腮に降り下ろす。しかし、硬い…!ろくに刃が通らない!
「ハルさん!?」
直後、彼はブレードに切り裂かれ一撃で変身解除された。もう戦うのは厳しそうだ………それでも、かまわず命を潰す腕が降り下ろされ、ミコノが盾を展開して庇う!
「よせ、俺は見捨てて逃げろ!」
「そんなこと…!できるわけないじゃないですかっ!!ここで、貴方までいなくなったらギルになんて顔して会えば良いんですか!?ギルがっ、ひとりぼっちになっちゃうじゃないですか!」
逃げろ…否っ、断じて否。仲間を想う少女の決意の盾は挫けない。されど、無情に盾の死角からルフス・カリギュラは絶対零度のブレスを吐かんと口を開ける………
………このままでは、避けられない
………でも、避ければハルオミは助からない
「副隊長ォォ!」
ハルオミの叫び………ミコノは思わず眼を瞑り…………
ーーガキンッ!
『!?』
「わりい、遅くなったな。」
その声は…まさに、絶望を覆すものだった。顔面に受けた強い衝撃にルフス・カリギュラはよろめき、刺々しさを纏った戦士が少女の前に立つ。白と黒の荒々しい姿なれど間違いなくそれは………
「ギル!」
ギルバート・マクレイン…己の身に仮面ライダーダブルの力を宿し、仲間を助け…そして、因縁に決着をつけるべく彼な立っていた。
「…話したいことは色々ある。だけど、もう少しだけ待ってくれ…ちゃんと、帰ってくるから。」
もう、相討ち覚悟の復讐鬼などそこにいない。見据えるのは帰らぬ過去ではなく、切り開く未来…。故、今度こそ…踏み出すために槍を握りしめる!
【ダブル・オーレ!】
「俺は…俺の罪を数えた…。次はテメェの番だ!」
瞬間、彼の槍の矛先が荒々しい狼のように変貌してがら空きのルフス・カリギュラの胸を貫かんと飛んでいった!ライダーの力も相まって破格の威力の一撃は堅牢な紅き神の装甲まで貫くに見えた………が……
『グルルルル……!』
「!」
王者が…暴君の名を冠した神は…!ここで退くわけにはいかないと地を踏みしめて……我に挑む愚者を睨む。まずい、このままでは反撃を受けてしまう!?既に、荒ぶる冷気がジリジリと切っ先を圧し返しつつあった…。
しかし、彼には仲間がいる。
「うおおおおおおォオオォオオォオオ!!!!!!」
「葛葉!?」
助太刀と槍を掴むはジンバーレモンへと変身した鎧武。流石にこれほどのパワーと勢いがあれば流石にルフス・カリギュラといえど反撃も困難になっていく…。
「いくぞ、ギル!こっから先<未来>は…俺達の舞台<ステージ>だ!」
……一瞬、ギルの目は…鎧武を恩師の姿と誤認させた。いや、目だけではなく…感覚全てが、いないはずの彼女が『ほら、いきなよ!』と促しているように魅せたのである。
(ケイトさん……見てますか?俺にも仲間ができました。間違なく、俺にはもったいない最高の仲間たちです………。手がかかったり、お節介な奴らですけど俺はコイツらと生きていきます。今度こそ、守り抜いてみせます!だからっ……)
「「とどけぇっ!」」
過去との決着……未来への誓い……今、そこに新しい道は拓かれた。
同時に、宿敵の断末魔が愚者の空母一帯に響く………
………復讐は終わったのだ。
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「正体不明オラクル反応、消失!ギルバート・マクレインを含めたゴッドイーター各位と葛葉紘汰の生存も確認されました!」
フライアのカウンターにてフランの報告。すぐに胸を撫で下ろしたのはアリサとジュリウスであった。
「ふぅ、無事でよかった。本当、一時はどうなるかと………」
「クレイドルにもご迷惑をおかけしました。」
「良いんですよ。ジープの1台くらい人命に比べれば安いもんです。この件はそこまで大事にするつもりもありませんし……」
とりあえず、アリサのはからいでギルの問題も小さく済みそうだ。ありがたいと感謝しつつ、ジュリウスは優しく微笑みながらフランへ告げる………
「各位に伝えておけ。帰ったら、しっかりとお説教してやる…覚悟のしていろとな。」
「承知いたしました…………あら?」
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「ふんすっ!」
「いってぇ!?」
途端、ミコノの頭突きがギルの顔面を襲ったのはすぐのこと。思わず、顔を抑え
てしまうもすぐに胸に飛び込んできた少女に意味を悟る。
「ばかばかばかばか!心配
したんだからねっ!?死んじゃったら、どうしようって………!」
「わりい、本当に悪かった。もう自分の命も、誰かの命も粗末にしたりしない。だから…泣くんじゃねえよ?」
「うわああぁぁん…!」
わかった………いや、気がつくのが遅すぎたんだ。自分1人の問題かと思っていたけど、そうじゃない。もう自分の命は仲間の命を背負い、背負われていたのだと。ああ、いつ以来かと…晴れやかな気分で沈んでいく夕日を眺めるギル…
傍らでは、ルフス・カリギュラの身体から抜け落ちた妻の刃に手を当てるハルオミ。それに紘汰が歩み寄っていた…
「ありがとな。なんだかんだでお前さん方に迷惑をかけちまったな。」
「気にしなくても、別に良い。ギルもミコノも大事な仲間だしな…。」
「はぁ~あ、これで敵討ちの旅もこれで終わりか。んじゃ、俺も前に歩きだしますかね…。」
「?」
「いや、こっちの話。」
実はハルオミもルフス・カリギュラ…そして、ギルにも割りきれないところがあった。どちらも愛する妻を奪った者であったから…。
でも、ここにピリオドが打たれたのだ…もう自分も過去に囚われる必要も無い。
「(やれやれ………アイツに守ってやってくれって頼まれたのにざまぁ無いな。)………よし、じゃあ帰ろうぜ。皆、待ってる…!」
「「はい!」」
「おう!」
To be continued…
☆次回予告?
???「……お前たちが忘れても、私は忘れない。」
EP.EXTRA『無銘~Another number~』