仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
あんまり話ばかりだとあれなので、戦闘が入ります。
相手は…
EP5 神に抗う者たちの世界 中編
この世界の人間ではない…。
車椅子の女性が言い当てたことに紘汰は驚かずにはいられない。
「あ、アンタ…なんで………!?」
「ウフフ……最近、ミッションに帰還したゴッドイーターたちが不思議な報告をしてましてね…。不思議な森に続く入り口があって、その先また人々が我々とは違う生活をしている世界が広がっていた…そんな、報告がチラホラとあったのでもしや貴方たちはその世界から来たのではと……」
違う世界……間違いなく紘汰たちの世界で不思議な森とはヘルヘイムの森に違いない。それが、分かっているなら話が早い。
「あの、俺達はその森の先の世界から来たんです!」
「そうですか……やはり、異界からの来訪者…………(…サガラも余計な真似をしてくれます…)」
「……え?」
「いえ…」
「と、とにかく…俺達はそのフェンリルとかに関わる気もないし、戦極ドライバーとロックシードを返してくれれば自力で帰りますから!解放してください!」
少し、彼女の反応が気になったがとにかくロックシード等の返却を求める。しかし、レアはかなり渋るような表情をしていた。やがて、彼女はおもむろに口を開いた…。
「ねぇ……やっぱり、貴方たちの使ってたあのアイテム、解析させてもらえないかしら?もしくは、しばらくは私達に協力してもらえない?もちろん、それなりの報酬は……」
彼女が要求したのは戦極ドライバーらの解析・紘汰たちの協力だった。
だが……
「断る。こっちにはこっちなりの事情がある。能天気にこんな下等な組織……付き合ってられん。」
戒斗はズバッと断る。
しかしながら、レアも負けじと食い下がる……。
「…こちらの乱暴な行動をしたことは謝るわ。でも、この世界は状況が切迫しているの。貴方たちのその力さえあれば、世界を…1人でも多くの人々をアラガミの脅威から救えるかもしれないの…!」
「知るか……どんな事情だろうとこちらには関係無い。無理矢理、巻き込んでおいて都合が良すぎる……。人助けやらがしたいならお前らで勝手にやってろ。弱者にわざわざ手を差し伸べる組織に、俺はいる気は毛頭に無い!」
そうであろうと、戒斗は断固たる拒否。強さが第一主義の彼には人々を助ける……なんてお題目を掲げる組織なんてまっぴら御免だ。
このリアクションにはレアも無言で口をつぐむが……
「ちょっと、あんた……」
限界がついにきた少女が1人……
「…ミコノ?」
「アンタね、異世界だが何だが知らないけど戦う力の無い人たちは何時もアラガミからの恐怖で怯えている……そして、毎日どこか尊い犠牲が出ているのよ!それを弱者だから助けない?ふざけないで!」
ミコノはジュリウスを振り払い、戒斗の胸ぐらをつかんで叫ぶ!彼女の戒斗を映す瞳は怒りに震えていた。
「私達、フェンリルは……ゴッドイーターは能天気な人たちじゃない。世界を…人々を護るために皆、必死に自分なりの戦いをして時には命を落とす人たちだっている。弱き者のために強い者を喰らう…それが私達なの!」
だが……戒斗は怯むことなく平然と返した。
「ならば、貴様らは本当に能天気な奴等だ。弱者を喰らうも蹂躙するも、強者の自由。お前たちには俺の求める強さは無い。」
「…ッ!」
パチンッ!!
その時、乾いた音が鳴った…。ミコノの平手打ちが戒斗の頬を直撃したのである。
「それなら、協力なんてこっちから願い下げよ!とっとと、自分の世界なり何なりに帰れば良いじゃない!!」
「…っ」
これはマズイことになった。
やはり、戒斗は交渉には向かないと紘汰はどうにかこの場の解決案を模索するが……
「いや、コイツらが元の世界に帰ることはない。この調子をこいたガキどもはここで死ぬんだからな。」
「「!」」
まさかのタイミングでドアを開け現れた招かねざる客……
「「シド!?」」
元錠前ディーラー……ユクドラシルのライダーであるシド。不遜な態度で笑みを浮かべながら彼はレアに手を伸ばす……
「ソイツ、戦極ドライバーは元々はうちの会社の物だ。いくら、おたくらフェンリルが御大層な組織でも、勝手が過ぎるぜ。さあ、返してくれねえかなぁ?俺もあんまり事を荒立てたくはないんだが……」
【チェリーエナジー!!】
奴の狙いは紘汰と戒斗の戦極ドライバーにロックシード。どんな手段でここまで来たかは知らないが、コイツに戦極ドライバーやロックシードを渡すわけにはいかない。
紘汰は職員の拘束を振り払い、デスク上の戦極ドライバーへ…
すかさず、シドもアクションしようとするがその前に戒斗が体当たりをしてシドを押し倒す。
「ふざけんな!コイツをお前らなんかに渡してたまるか!」
【オレンジ!!】
「はっ……毎度毎度、生意気でイラつくガキだぜ!」
【【ロックオン!】】
そのうちに、紘汰は戦極ドライバーを装着……オレンジロックシードを起動。同時にシドも戒斗をのけて両者、ドライバーにロックシードを接続し変身シークエンスをとる!
【ソイヤッ!オレンジ・アームズ!!花道・オンステージ!!】
「ここからは俺のステージだ!」
紘汰はオレンジアームズを装着し、仮面ライダー鎧武・オレンジアームズへ……
【ソーダ!チェリーエナジー・アームズ!!】
シドはゲネシスドライバーの右側のハンドルをロックシードを搾るように押し、頭上のクラックからメカメカしいチェリーのようなチェリーエナジーアームズが出現。それが纏われると鎧武同様の変形・ボディスーツ装着が行われ、アーマードライダーの姿となる。
赤い2つの複眼に冠のように頭からいくつも生える角……
纏うアームズの意匠にソニックアローを纏うはさながら弓の『射手』……されど、四肢には獣を彷彿させる毛皮……
……『仮面ライダーシグルト』。錠前ディーラーのもう1つの顔で白いスーツに纏う赤いチェリーエナジーアームズは血のように輝く……。
「ここからは、俺のステージだ!」
「……たく、面倒事ばかり増やしてくれるぜ…ガキが!」
直後、鎧武は大橙丸でシグルトの構えるソニックアローに組みつき部屋から飛び出すと高層フロアの貴族趣味な廊下へと戦いの場を移す。手刷りはあるが、ここから落ちれば下のロビーまでまっ逆さまだ。
「…はっ!」
「……はああ!」
シグルトはここであえて、鎧武と距離をとり狭い廊下よりはロビーで戦おうと手刷りから飛び降りる。鎧武もそれを追うが……
「はあっ!」
バシュッ!!
「ぐああ!?」
このタイミングを狙っていたとばかりにソニックアローの矢が鎧武を捉えた。おかげで、火花を胸から散らしながら鎧武はロビーのソファーの上に墜落。シグルトは平然と着地してみせた。
「おいおい、なんてザマだ……」
「……ッッ!!」
なにを、まだまだこれからだ……。
ソファーをどけ、立ち上がるとゲネシスコアを……
「……?」
ゲネシスコアを……
「……!?……!?」
ゲネシスコアを…………
無い……
「おんや?どっかに忘れ物でもしたきたかなぁ?」
「!」
ああ、そうだ…。他のロックシードやゲネシスコアはさっきの部屋だ。つい、何時もの癖ですぐに突進してアイテムの回収を忘れてしまっていた。
シグルトのチェリーエナジーロックシードはランクSで鎧武のオレンジロックシードはランクA…。対抗するにはゲネシスコアを戦極ドライバーに接続して同格のエナジーロックシードを使うか、あの最近になって手に入れたアレくらいしか無理だろう。あまりにも、こちらに不利。
シグルトはそのことを見越してここを戦場にしたのだ。
「オラオラ、どうした?遠慮しないで、かかって来いよ。」
バシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!
「…くっ!?」
こうなればシグルトの一方的な攻撃。矢を放ちまくり、外した矢が鎧武の後ろの大型テレビ画面のようなものを破壊。亀裂が入り、火花が噴き出し鎧武を怯ませる…。
「あの馬鹿…!何をしている!」
一方の高層フロアの手刷りからは戒斗たちが戦いを見守っていた。どうやら、鎧武がロックシードとゲネシスコアを忘れたことは気がついていないらしい。
それはそうだとしても、こんな状態は我慢ならない戒斗のわけでレアに詰めより叫ぶ。
「おい、はやく俺の戦極ドライバーを返せ!奴を止めなくてはまだ被害がでるぞ!?」
「……その必要性は無いわ。」
「何…!?」
レアの言葉に耳を疑った…。どうみても、このままでは施設も被害が増えるし鎧武が圧倒的に不利。助ける義理はないだろうが、彼女は必要性が無いと言ったのだ……。
だが、直後……戒斗に意味を理解する。
「おーい、新人!お前の神機だ!」
「だ、ダミアンさん!?」
すると、鎧武とシグルトが戦っている場所を囲うような階段の上に大柄なドレッドの髪型をした男が1人。褐色な肌でなかなか厳つい雰囲気だが、その手にはミコノの武器である巨大な剣が握られていた。
「受けとれ!」
「…はい!」
彼は全力でそれを投げると、ミコノは手すりから飛び出して空中でキャッチ。この勢いを利用して一気に鎧武とシグルト目掛けて突撃する!
「ハアッ!」
ズザッ!!
「「!」」
対し、鎧武とシグルトは寸前で跳び回避。ちょうど、両者の合間をとる形で構えるミコノ…。その様子を見て高層フロアにいたジュリウスが呟いた。
「…よく、動かせる状態だったな。ブラッドの神機は今は全部、整備中になったと思ったが……」
「彼女の神機は奇妙な不調があったから、整備の前に一回ラケルと私が点検することになっていたから……でも、大丈夫かしら?」
隣でレアがミコノの武器……『神機』の状態について心配する。神機についての説明は後程として、無双セイバーが棒切れに見えるほどの神機を構えてシグルトに向けた。
「おいおい、嬢ちゃん…怪我はしたくないだろ?ガキはガキらしく、大人しくしてな。」
「あんた……や~~っぱり、気に喰わないね。第一印象からそうだったけど、どうやってフライアに入ってきたのかしら?」
「はぁ……聴こえなかったか……?ガキはガキらしく、大人の邪魔をするんじゃねえ!」
バシュッ!!
数秒後、シグルトの叫びと共に放たれる光の矢。ミコノは素早くそれをステップやアクロバティックな動き……それこそ、ライダーに匹敵するほどの動きで迫り、神機のブレードで舞うような素早い動きでシグルトを斬りつける!
…斬!!斬!!斬!!
「ぐわあああ!?」
「す、すげえ……」
鎧武は驚いていた…。こんな動きは変身している自分とはいえ、無理に等しいだろう。しかも、あんな無双セイバーより巨大な武器を生身で使っていてあの動きということが何よりも凄い。
「くそが……舐めるんじゃねぇぞガキ!」
【ロックオン!!】
「!」
しかし、シグルトも負けてはいない。僅かな隙にロックシードをソニックアローに接続し、必殺技を発動。最大限の威力と速さで放たれた矢はミコノの反応をもってしても回避が間に合わず、彼女は神機の両サイドにある分割された盾パーツを展開し防御形態にして防ぐが……
彼女はこの技がただの矢ではないと知る由は無い。
「あばよ、お嬢ちゃん……」
「!?」
シグルトから告げられる死刑宣告……。タイミングを同じく、矢はチェリーを模したエネルギーとなり……
…ドガァァァン!!!!
「……かは!?」
果実の部分が盾で防御されていない両サイドからクラッカーボレーの要領で彼女を押し潰した!
本来なら上級クラスのインベスですら、爆死してしまうほどの威力の技だが盾の最初の防御で威力減衰があったのか幸いにも、爆発でふっとばされ壁に叩きつけられたのであった。
「……く……ぅ…」
勿論、戦闘の続行はかなり辛そうな状態だ。黒い制服は焦げ、ボロボロになった身体で息は荒い。こんな彼女の様子にシグルトはご満悦するように声をかける。
「いいザマだな。ゴッドイーターとかいっても、所詮はただのガキだ…。大人に刃向かうとどうなるか……その身体でよぉ~く、覚えておけ!」
ギュィィィィン…!!!!
まずい……ソニックアローの矢尻は真っ直ぐにミコノ。このままいけば、間違いなく彼女を貫く…。彼女はなんとか神機こそは構えるがこちらにもダメージがあったのかプシュゥ…と音を立てながら赤い蒸気が噴き出している。そんな中……鎧武は見た…。
「あ、あれは……!」
ミコノの神機のブレード……これのパーツの付け根部分にあのヘルヘイムの森の果実らしき物がぶら下がっていることに……
「…」
……他のロックシードは取りにはいけない。目の前はまさに、ピンチ。
鎧武はここにきて賭けに出た…!
「はああっ!」
「…ぐ!?」
大橙丸をシグルトに投げつけ、怯んでいるうちにミコノに駆け寄り神機に実る果実をもぎ取った…。
ギュゥン!!
「…やはりか!」
すると、彼の予想は的中。果実は光輝いて、黒い粒子のようなものが収束されると白く狼のエンブレムが刻印されたオレンジロックシードに似た黒い果実のロックシードへと変化。ナンバーは『F.L.S-01』と通常のロックシードともエナジーロックシードとも流れが違うようだが今はそんなことを考えてはいられない。オレンジロックシードをドライバーから外し、この新たなロックシードを起動…
【クロガネオレンジ!!】
接続……
【ロックオン!】
そして……
「変身!!」
……命運を賭けて…カッティングブレードを倒す!
【ソイヤッ!クロガネオレンジ・アームズ!!血ノ道・オンステージ!】
これに反応して一旦、元の果実形態に戻るオレンジアームズ。その後、鎧武の頭上に浮くと黒い粒子が纏われていき紅い光を発するとまさに黒鉄の色に染まったオレンジアームズとなり鎧武に再装着。
その姿はまさに、黒鉄のオレンジアームズ……
……三日月のような角は両サイドが黒く染まりる………
鐡の鎧武者……
『仮面ライダー鎧武 クロガネオレンジアームズ』……
神喰らう者の力を身につけた禁断の戦士……
To be continued…→→