仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
EP6 神に抗う者たちの世界 後編
【ソイヤッ!クロガネオレンジ・アームズ!!血ノ道・オンステージ!】
「こ、これは!?」
鎧武・クロガネオレンジアームズは自身の姿に驚いていた。オレンジアームズと色合い以外は代わり映えが無いし、自身の握る武器も大橙丸の黒の色ちがい『鐡丸
くろがねまる
』…。まさか、ただの色だけ違うオレンジアームズなんてことは無いと思うが……
(なんだ……あの姿………)
一方のシグルトも鎧武に警戒していた。まず、本来はアームズチェンジをする時は一度、元々装着しているアームズを消失させる必要がある。そこに、新たなアームズを素体のボディに纏うのだ。
だが、今回の鎧武のアームズはオレンジアームズが変異して再装着されたものだし、シグルトは元錠前ディーラーといえどクロガネオレンジなんてものは知らない。
「また、変な物使いやがって!」
バシュ!!
「!」
こうなったら、力を発揮する前に叩き潰すのみ。矢を放ち、勝負をかけるシグルト…しかし、直前に鎧武は矢を見切って跳躍。無双セイバーを抜き放ち、身体をよじらせて横に回転させながら鐡丸と共にシグルトを斬りつける!
斬!!
「ぐおわぁ!?」
(すげぇ!?感覚も鋭くなるし、多少な無理な動きでも身体がついてくる!)
どうやら、このクロガネオレンジの力は身体の基本的な能力を底上げしてくれるようだ。ジンバー系には及ばずともバランスがとれているということか…………これなら、シグルトとだって渡りあえる!
「くそがぁ!」
「よし!」
【クロガネ・チャージ!!……壱……十……百………】
再び、ソニックアローを構えるシグルトに鐡丸を連結してロックシードを接続した無双セイバーの銃口を向ける鎧武。すると、高ぶったエネルギーが銃身部分に集中していき…
「オラァ!」
バシュゥ!!
「セイハァァ!!!!」
ボシュゥゥゥゥ!!!!!!
血の奔流とでもいうべき、紅いエネルギー波が撃ちだされた!!
ソニックアローの矢を呑み込み、あっという間にシグルトをふっとばして壁に打ちつけたのだ……!
「……い、インパルスエッジ!?」
これを、上から見ていたレアは驚かずにはいられない。あの鎧武の技は『インパルスエッジ』と呼ばれており、特定の装備を持った者しか出来ない技でましてや異世界の産物である鎧武が出来るはずがない。
(あの鎧武者……私達では想像つかないようなまだ何かを持っているの?)
とにかく、今は見守るしかない。
ただ、彼女は後ろで車椅子のあの女性が怪訝そうな顔をしているのを気がつかない。
「……く…そ…」
さあ、スポットを戻そう。
予想外の反撃に手痛いダメージを負ったシグルト。彼は忌々しい……と、毒づきながらロックシードを取り出すとクラックを出現させ『あばよ…!』と捨て台詞を残して退散した。
「ふぅぅ……」
もう安心だ。鎧武は変身を解除して、神機を杖がわりにしていたミコノに駆け寄る。
シグルトのひっさげを受けただけあり、彼女の傷はかなりものだ…。服はところどころが破けており、各所に生々しい傷が……はやく、治療しなくては………
「……大丈夫か!?ここって、どこか治療できる場所は………?」
「あ、ありがとうございます……。アナタは優しいんですね。どっかのバナナと違って……」
この時、上から『……バロンだ!』と聞こえてきたけど皆、スルー。上ではシグルトの撃退でほっと一安心。ここで、ジュリウスが意を決してある提案をレアに出した…。
「レア博士……あの者たちを我々、『ブラッド』に預けて頂けないでしょうか?」
唐突だった…。
あまりにも唐突…。されど、ジュリウスはつづける。
「彼らは純粋な戦力としても期待できます。また、その実践データも我々と共にミッションをこなすことでとれるはずです…。」
レアは考える……
確かにデータは欲しいし、戦力を得られるなら万々歳だ。ただ、そうなってしまうと彼等には利点が無いため協力があおぎづらいのと……何より……
「万が一……私達に障害を及ばず存在だとしら……」
ブラックボックスな存在なため確実に味方になるとは限らない。対し、ジュリウスはすぐに返答した…。
「万一の事態の時は………ブラッドで責任をもって処分します。よろしいですよね、ラケル博士?」
「ええ……」
どうやら、彼の上官である車椅子の女性も了承した模様。はぁ……とレアも溜め息をついて、『なら、決まりね。』と笑み。ほかのニット帽の少年はぎょっとしていたり、戒斗にいたっては言うまでもなくフン……と鼻を鳴らし不機嫌な様子。
そんな彼にレアは少し困ったような笑顔で質問した…。
「色々とバタバタしちゃったけど……もう一度、交渉の機会をくれないかしら?」
それに戒斗は『勝手にしろ……』と返すのであった…。
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「……では、皆さん改めまして……私は『ラケル・クラウディウス』と申します。彼女、レア博士とは姉妹関係にあたり、共にこのフライアで博士としての職務に就いています。」
シグルトとの戦いからしばらくして、また交渉の場につくライダー2人…。
今度は『ラケル・クラウディウス』と名乗った車椅子の女性……やはり、喪服と儚げな雰囲気が不思議な気分を誘う……。
(なんつーか……路線はまた別だけど、DJサガラと共通するものを感じる…。)
いや、気のせいだろう。
……そうだと思いたい紘汰。
謎な人間がこれ以上増えるともう面倒くさいったらありゃしない。
それは置いておいて……彼女が自らの次に紹介したのがジュリウスたち。
「…そして、あちらが私の可愛い子供たち……『ブラッド』のメンバーです。」
「…………け、結構…子沢山なんすね…」
「んな訳あるか。」
ここで、大ボケをかましてくれた紘汰にツッコミをいれる戒斗。これにはラケルやジュリウスたちも苦笑いだ
「フフフ……確かに彼等には私と遺伝子情報の繋がりはありませんが、大事な家族であることにかわりありませんわ。まあ、実の子のように可愛いのもまた事実ですが……」
そう……子供たちとは家族同然の想いという意味。それだけ、ジュリウスやミコノたちへの信頼があるということだろう。万が一、彼等が本当にラケル博士の子供なら紘汰の言うように若い容姿でありながら子沢山である。
「そんなことはどうでも良い。この世界について教えろ。」
こんな感覚で少し明るくなった空気を台無しにするのは戒斗。強い者は空気も読まないのだろうか?
一気にまたシグルト戦前の同等の空気が戒斗の周りに集まり、紘汰はあちゃー……という顔をする。が、ラケル博士は気にすることなく笑顔で質問に答えた。
「フフフ……そうですね。そろそろ、この世界について話しましょう…。」
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『アラガミ』……
極東地域に伝わる八百万の神のうちの1つ。その神の名を冠する異形たちはある日、突然にこの世界に出現し全てを喰らいだした。
生物……建造物……あげくのはてには危険な核廃棄物に大地までもがアラガミの捕食対象。それらの性質を取り込んでアラガミは変質を繰り返し、多様に強くなっていく。
おかげで人類の武器はやがて通じなくなり技術や文化は衰退していき、絶滅の危機へとたったのだ……。
そんな中、製薬会社であった『フェンリル』がアラガミに対抗できる存在、『ゴッドイーター』を生み出したのだ。また、ゴッドイーターをはじめとする一時的な打開策によりフェンリルは世界を事実上に守護する役割となったのである。
それでも、アラガミに喰らわれた世界は未だに人間の手には戻らず、戦いは長きにわたり続いているのだ…。
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それから、暫くしてラケル博士の話は一区切りとなり『すぐに答をだせとは言いません。少し、時間を与えましょう。』と言われ、この場に残された。他に監視役としてミコノとジュリウスが残っているが、最初に比べれば態度は柔かさを感じる。
「で……どうするよ、戒斗…。」
「…」
とにかく、紘汰は戒斗に今後について話を訊くが戒斗は黙って自分の思考に沈んでいる。これはしばらく話が通じそうに無い…。そんなところにジュリウスが紘汰の前に歩いてきた。
「葛葉紘汰さん…でしたね。俺はフェンリル極致化技術開発局ブラッドの隊長を務めるジュリウス・ヴィスコンティです。部下の危機を救って下さりありがとうございます。」
「……あ、いや…それほどでも…」
隊長……つまり、ミコノやあの少年たちのリーダー格。歳は紘汰や戒斗とそう変わらなさそうだが彼には独特の王子のような風格がある。
「謙遜をなさらずに……。現にアナタがいなければミコノは……」
「お前らがここに俺達を連れてきたんだから奴がここに来たんだろ。自業自得だ。」
「戒斗!あ、すんませんホント……。」
友好的に接してくれているので良い機会かと思ったが案の定、またも戒斗のおかげで面倒なことへとなりそうな予感。まあ、事実は事実なのだが……
「とにかく、人にお願いをするなら取り上げた物を返してくれなくてはそもそも、協力しようが無い。まずは、それからだ。」
「……そうだな。失礼した。」
戒斗は取り上げた物……つまりは戦極ドライバーとロックシードの返却を交渉開始の条件に要求。対するジュリウスは特に躊躇うことなく、彼の戦極ドライバーにロックシードを渡した。
「では……」
「いや、まだだ。いつまでそうしているつもりだ。DJサガラ?」
「あー……なんだ。気づいてたのか?」
「「「「!?」」」」
いざ、交渉……と思われたその時に戒斗は話の流れを自分にして局長のデカイ椅子に座る人物……サガラに尋ねた。いつの間にかいたこの男にジュリウスたちは身構えるが紘汰が『この人は大丈夫!』とフォロー。その姿をみてサガラは満足そうに笑いながら、彼は喋りはじめた。
「全く、お前らは手がかかるがそれなりに面白い展開をしてくれるから手のかけ甲斐がある。うっかり、観客としての枠を出そうになるぜ……」
「何の用だ?」
意図を掴めない戒斗は苛立ちはじめるが、対するサガラはニンマリと笑って椅子を回転させてデスクに腕をついた。
「なぁ、お前ら……もう、赤い雨はヘルヘイムの森で経験したよな?そして、それを浴びた者は死ぬ……これも言ったな。」
「あ、ああ……」
「もし、その雨がいずれお前らの世界に降る……としたらどうする?」
「「!」」
「「…?」」
その告げられた言葉はミコノとジュリウスにはサッパリだったが紘汰と戒斗には衝撃的だった。
あの異様な赤い死の雨が沢芽市に降るとしたら……訳もわからず浴びた人々は皆、死に絶えるだろう。ただこれだけで終らずサガラは続ける……
「……別にどうしようも出来ない、というわけじゃない。まだ時間は余裕があるし、何よりもその死の雨を止めるカギはこの世界を救うことだ。」
「せ、世界を救う!?」
「…そうだ。どう行動するかはお前たちの自由だ…。ついでに、耳寄りの情報……ヘルヘイムの森のインベスは赤い雨のおかげでかなりの数が減ってる。クラックが開いてもそう簡単に被害は出ないだろう……」
世界を救う……また、突拍子のないことを次々と……
まあ、インベスが出にくいということは沢芽市に残してきたミッチや仮面ライダーナックルことザックの負担も減るだろうという点では安心だ。だが……
「ま、待ってくれ!世界を救うってどうすりゃ……」
そう……世界を救えと言われたところで何をすれば良いのやら。いくらなんでも、無茶苦茶過ぎる。そんな疑問にもサガラは相変わらずの調子で答えた。
「お前たちはここで神喰らう者たちの神話を紡ぐ手助けをすれば良い。真実は最後を越えたその先にある。じゃ、そういうことで……あばよ!」
「お、おい!?」
そして、言いたいことだけ言って気がつけば姿を消す。全く、神出鬼没も大概にしてほしいが彼が何故にこの世界にいるのかという謎やら何やらで紘汰の精神がパンクしそうだ……。それでも、頭を動かして考える。
(世界を救え……か。あの赤い雨がヤバいものなのは間違いないし、それがいつか俺達の世界に降るとしたら…)
今までサガラは得体のしれない行為は多かったが、嘘をついた試しは無い。ならば、いずれ紘汰たちの世界に危機が迫るのは事実……
ならば……
(サガラ、俺はアンタの言葉を信じるぞ。)
彼の決意が……神喰らう者『ゴッドイーター』と禁断の果実を纏いし戦士『アーマードライダー鎧武』たちの物語が幕をあけるのだった…。
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幕開けはここだけではない……
巨大な聖堂が大半を占める『贖罪の街』と呼ばれるこのエリア……
瓦礫やら半壊した建物が散在したこのフィールドの大聖堂の中で気絶する少年が1人。光実は仰向けに倒れており、少し伸びてきた黒髪のおかげで表情は窺えない。
そんな場所に近づく人影……
「!……一般人!?」
それは紘汰と同じくらいの歳をした銀髪のロングヘアーの少女。赤いニット帽らしき帽子をしてかなりスタイルが良いが、その手にはミコノやジュリウスたちと同じような武器……深紅のガトリング砲とでもいうべきものをひっさげている。
「大丈夫ですか…!?こちら、アリサです!応答を願います!一般人が……えぇ、生きてます。ただ、ケガを…………了解…。」
彼女な右腕の異様に大きい赤い腕輪を操作し、仲間に呼び掛ける。
ここでもまた新たな出逢い……
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そして……
「別に一緒に来る必要な無いと思うけどなぁ……?」
リンドウがぼやくこの場所はヘルヘイムの森。サクラハリケーンに跨がる彼の後ろには……
「ま、そういわずよろしく頼むよ!」
何時ものマッドサイエンティストスマイルの凌馬に……
「こちらとて、本部からの正式な意向があったからだ。それに、タダ飯の分はしっかりと働いてもらわなくてはな……」
相変わらずムッツリした貴虎……。
彼らの行く先は……
「そうかい、そうかい。ま、あんまり期待しないでくれよ。俺の世界も色々と事情があるから。」
リンドウのいるべき世界……
『神喰らう者
ゴッドイーター
』の世界……
「それじゃ、行きますか!」
やがて、3人は彼の世界へ向けて歩を進める…。繋がるクラックは目の前……
こうして、役者は揃う……
まだこの時、凌馬さえも先に待ち受ける強大な存在を知らない…。
To be continued……
★紘汰が使えるロックシード……
・オレンジ
・パイン
・イチゴ
・レモンエナジー
・ピーチエナジー
・チェリーエナジー
・クロガネオレンジ
・カチドキ
さあ、ここから本格的な始動です。
ただ、鎧武本編がなかなか凄いことになってるからなぁ……
感想まってます。