仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
そして、迫り来る就活の恐怖!
更新がもしかしたら、徐々に低迷してくるかも……
あと、最後に意外なカップリングが明らかに……
EP08 ギルバート・マクレイン
し、視線が痛い……
ターミナルにいた紘汰の率直な感想……
先日はシグルトとの戦いでかなり損傷が激しかったものの、今はすっかり修復され嘘のようにピカピカ。平常運用を再開はしたが、ここにいるのはミコノやジュリウス……ラケル博士たちだけではなく、他の職員たちもいる。無論、彼等も紘汰たちのことは耳に入れておりある者は奇怪な『モノ』を見るような視線を……ある者は冷やかな視線を送ってくる。まあ、イレギュラーな存在である自分たちには仕方ないことだ。割りきってしまうしかない。
(まあ、あのインベスゲーム騒動よりはマシか………)
こんな時は現在より悪い状況を思い浮かべて対比し、まだこちらのほうが良いと考えるのも対処のひとつ。紘汰の場合、沢芽市のインベスによる奇病騒動にて街中の人間から白い目で見られた時と比べて、具体的な敵意が向けられていないだけマシだと考える…。
そういえば、戒斗は何処だ?こんな環境では一番に騒ぎを起こしそうなものだが………
バキッ
「いってぇ!?何すんだよ!?」
「!?」
なんだ、今のは…!?
まさか………紘汰は嫌な胸騒ぎを覚える。気がついた時には彼は駆け出していた……。
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紘汰がロビーの階段をかけ上がってきた時、そこには数名の野次馬と多分さっきの叫び声のニット帽を被った少年……それと長身…恐らくは戒斗ぐらいの青い服に帽子を被った青年がいた。良かった戒斗じゃなくて……と、内心すこしだけ安心しながらニット帽の少年に駆け寄る。
「おい、大丈夫か?いったい何が……」
「別に、コイツの前いた所とか訊いただけだよ!そしたら、急に殴りかかってきて……!」
どうやら、ニット帽の少年は青い服の青年に殴られたらしい。確かにあまり青年はあまり人相や人当たりが良いようには見えないが……
「ふん……そこのガキがイラついたから殴った…。それだけだ。」
「イラついただけって………そんなことで殴ることは無いだろ!?」
おまけに、理由はイラついたから…。何処の思春期か反抗期だおい。そこへ、ジュリウスとミコノが駆け寄ってきた。
「何があったか……状況の説明してほしあな。」
「アンタがブラッドの隊長さんか………俺がソイツを殴った。除隊でも懲罰房でも好きにしてくれ。」
すぐに隊長として現状の把握をしようと青年に問うジュリウスだが、ぞんざいに言葉を吐き捨て彼は去ってしまった。やれやれ、困った人だ…。戒斗とはまた別で………
「……たく、何なんだよアイツ。あ、ありがとうな!確か、アーマードライダーとかいう…………」
「葛葉紘汰だ。よろしく。」
「あ、そうそう葛葉さんだっけ?俺はロミオ。まあ、こんな形で自己紹介になっちゃったけど………」
この際、ということで自己紹介をするニット帽の少年。オレンジの服に屈託ない印象の表情にクリクリとした人懐こそうな目。彼は『ロミオ』というらしく、見かけのように元気な奴らしい。
「………異世界の人間とか訊いてたけど意外と俺らと変わらないんだな。とにかく、あの暴力ゴリラよりマシかな…」
良かった…ロミオとは善き関係になりそうだ。これならば………
「ロミオ、個人の事情にそこまで干渉する気は毛頭に無いが………任務に支障が出ないように関係は修復しておけ。」
「えぇ!?無理だよ、あんな暴力ゴリラとなんて!?」
…と思った矢先にジュリウスの無慈悲な命令。口で言うのは簡単…やるのは難しいもの。さあ、困ったロミオ………そんな彼が『あ、そうだ!』と思いつきミコノを指さした。
「お前なら大丈夫だろ!あっちが暴力ゴリラならこっちは中身がゴリラだし………!」
「ロミオ…はっ倒されたい?」
「よし、ならばミコノ……お前にもこの件はまかせよう。サポートを頼む。」
「ちょ、ジュリウス!?」
ゴリラにはゴリラ……随分と酷い理屈で面倒事を押しつけられた。おまけに隊長のジュリウスの命令とあっては逆らえない。もう、腹を括るしか選択肢はなさそうだ。
「うぅ………なんで私が…………紘汰さん、手伝ってください。」
「え?」
「こんなか弱い乙女だけで男のところにいけと…?」
「………いや、お前べつにか弱くなk………」
「あぁ?」
「わかったよ…もう………」
ついでに、理不尽にも紘汰も巻き込まれた。
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フライア付近上空………
輸送ヘリ内部…
「へぇ~……中々、ブラッドは面白い人選になっているようですね……」
椅子に座りながら彼は書類に目を通す…。向かい側に座るグレム局長は相変わらずのふてぶてしい態度で葉巻に火をつけているので臭いが立ちこめて酷いの何の………クジョウ博士に至ってはただではえ不健康そうな細い身体が更にやつれてゲホッゲホッと咳きこんでいる。
「大体、これを読めばわかると思うがブラッドの大半の戦力が日が浅い新人が務めている…。正直、これでは元がとれんかもしれないからな。」
「だから、私のような第二世代からの経験がある私を引き抜いた………ですよね?」
「ほう?よく解ってるではないか。あとはイレギュラー要素の監視もお前に課す重要な任務だ。」
「ふぅん………(やれやれ、やること多いですね。おや?」
彼は来るべき仕事に憂鬱さを覚えながら、ある書類で手をとめた。その髪にはあのロミオを殴った青年の写真と経歴があった…。
(ギルバート?………グラスコー支部からの出向…………。もしかして、上官殺しのギル………『フラッキング・ギル』ですかね?)
「フフッ………これは本当に楽しい日々をおくれそうですねぇ…ブラッドは………♪」
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「…」
青年…そのギルバートこと、ギルは庭園と呼ばれるエリアに訪れていた。まさに花園とでもいうべき色とりどりの花が咲く場所は非常に落ち着く。
彼はふぅ……と溜め息をつきながらベンチに腰かけようとしたが先客がいることに気がつき足を止めた…。
(神機使い……?いや、腕輪がついていない………他の職員にしては随分と偉そうだな。)
そう……そこにいたのは……
「なんだ?……気にすることはない、空いてる所に座るが良い。」
ちょうど、くつろいでいた戒斗…。ふてぶてしく、頬杖をついてギルに言い放つと対するギルも『ああ、お構い無く……』と戒斗の向かい側に座った。
「…」
「……」
「………」
「…………」
「………………」
………気まずい。
ギルはしばらくしてそう思った…。1人になれるかと来てみた場所なのに、戒斗のおかげで妙な緊張がでる。おまけに、戒斗は気にする素振りを見せないのだから自分もつい、意識してそうしてしまう。
「…」
「………」
「……お前はこの世界の強者とは何だと思う?」
「え?」
それは、唐突な質問。戒斗から突然に投げかけられたギルは面食らってしまい、内心かなり狼狽えていた。
「俺はな………今、ここでこの世界の強者とは誰か……?弱者とは誰か……?あと、面倒事について少々考えていた。この世界で生きてきたお前はどう思うかと訊いている。」
なんだ、この男は………ギルは奇妙な警戒心を覚えつつも向けられた真剣な視線にふと考える…
強者とは………自分や神を喰らう者たち……その組織であるフェンリル。
なら、弱者は……?
「俺は………」
「おでんパン!」
「!?」
その時、花畑を掻き分けて飛び出してきた少女に驚くギル。一方の戒斗は彼女の搭乗に頭を抱えた…。
「しつこいぞ、香月ナナ………俺はそんな物はいらないといっているだろう!」
「え~……おいしいのに………」
獣耳のような髪型をした頭を鷲掴みにして怒鳴る戒斗だが、一方の彼女、ナナはサンタさながらの袋を片手に…もう片方の手にコッペパンにおでんの具を串刺しにしたもの(本人曰く、『おでんパン』)を持っているではないか……
「あ、ブラッドの新しいメンバーさんだね!私はナナ………お近づきの印にはい、これ!」
げ、こっち向いた……と思った時にはもう遅い。ギルの目の前にはおでんパンが差し出されていた。
「美味しいよ?」
そうには見えないぞコレ。パンの間には自分の見たことない食べ物
おでん
が挟まってるし、何か汁垂れてるし………
「あ、わりい……遠慮しとくわ………」
出来るだけ、やんわりと拒否の意を示しておでんパン攻撃を退けた。
「さて、俺は戻るか……機会があったらまた会おう。」
「あ、待ってよ戒斗さぁ~ん!」
そして、戒斗は気をつかってくれたのかナナを引き連れる形で庭園を後にした。これでやっと落ち着ける…
(はぁ………入隊早々につまんないことしちまったぜ、ケイトさん。)
いざ、静かになると恩師の顔がふと頭をよぎる。何だか憂鬱になってくるギル。
そこへ、また新たな人物がやってくる。
「え、えぇっと………」
「ん?」
ミコノ………完全にギルにビビって震えている貧乏くじの彼女とついでに紘汰だ。すぐにギルは自分の処分が決まったのだと察して立ち上がった。
「よう、お前か………俺の処分は決まったのか?」
「そ、その………えと……」
あ、これ駄目なパターンだ。身長差から生じる威圧感に彼女は縮みあがっている。
こうなったら、仕方ないと紘汰は助け船をいれる。
「……アンタの処分はロミオとの仲直りだ。つまり、今回の件は不問ってことだよ。」
「…ほう、そうか………」
すると、ギルは厳つい顔に笑顔をみせた。どうやら、そこまで問題児な人ではないらしい………
様子を見れば威圧感とは裏腹に明るい表情だ。
「悪いな………入隊早々につまらんものを見せたことは謝るが、後悔はしていない。ま、これでも槍をそこそこ5年は使って来た端くれだ。任務には支障が無いようにはしておく。」
さあ、雰囲気も良くなってきたところで改めて自己紹介…
「俺はギルバート・マクレイン…。さっきも言ったが槍をそこそこ使う。よろしくな。」
「…私は相川ミコノ。ブラッドの………下っぱです。」
「…俺は葛葉紘汰。一応、ちょっと特殊な助っ人みたいなもんさ。」
こうして、新たな仲間が増えた紘汰たち。しかし、ギルは心の中で戒斗に言われたことをずっと考えていた。
(弱者………その言葉が相応しい人間がいるとしたら………それは…)
(俺自身だ…。あの日、ケイトさんを救えなかったあの時から…)
紘汰たちはギルの心の闇を知ることはまだ無い。だが、いずれ…彼自身も仲間と共に向き合う日がくるのは………まだ、先である。
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一方、神機兵保管庫………
鉄の力強い巨人たちが試験管に入れられ、壁に所せましと並ぶ空間でレアは作業をしている…。広大なドームのような空間で無機質な機器たちを彼女はしきりにチェックしていたが、そこに近づく人影………
「成る程、これが『神機兵』か……」
「…!」
驚いてレアは振り向くとそこにいたのは貴虎だった…。何時ものようにスーツ姿で彼はまじまじと壁に並ぶ巨人たちを眺める。
「紹介が遅れました。呉島貴虎と申します。」
「あ、いえ………レア・クラウディスです。もしかして、貴方は…」
「えぇ……葛葉紘汰たちと同じ世界の人間です。フライアには局長への葛葉紘汰たちへの処遇について交渉するために来ました。」
やはり……しかし、彼の雰囲気は年齢故にか紘汰たちとは違う落ち着いたものを感じるレア。歴然の戦士にも似たオーラは彼女に彼はただ者ではないと教えていた。
「……あの…」
「こちらの世界の事情については把握しています。ですが、こちらにはこちらの事情があります。まずは、そこをご理解を……」
「…」
「交渉については、交渉のテーブルで………」
すぐに、紘汰たちのことについて訊ねようとしたが先に釘をさされてしまった。これではどうしようもないと黙るレアだったが…………貴虎は壁に並ぶ巨人たちをみながら呟いていた。
「………神機兵、素晴らしいですね。」
「え……えぇ………。これが完成すればより多くの人を護れるようになりますから。」
「より、多くの人を護れるようになる…か………」
その時、彼女は貴虎の視線に影が出来たような気がした。まるで、疲れきったボロボロの戦士のような………
(多く人から、限られた人間しか護れない俺とは…彼女は真逆だな。)
彼は事実、重圧とこれから背負うであろう十字架に苦しんでいた…。また、よりたくさんの人々を救うために邁進するレアが眩しく見えたのかもしれない。
罪を背負って生きていく自分と明るい未来を担っていく彼女…。未来をつむぐために努力するのは同じなのに、現実は非情にまで在り方が違う。
「あの………」
「……まだ、何か?」
そこまでは解らないレアだったが気がつけば彼女は貴虎を呼び止めていた…。何故か、少し放ってはいけないという気持ちが働いたのである。
「良ければ、私の部屋で一緒にお茶にしませんか?是非、葛葉紘汰たちの住む世界についてよく知りたいんです。」
「……そうだな。では、頂こうか………」
せっかくの美人からの誘い……これからの交渉の重要人物になりえるであろう彼女を邪見にするほど貴虎は愚かではなかった。
ただ、これが後々に凌馬の暴走の引き金になることなど彼は夢にも思わなかっただろう…この時は………
To be continued……
いかがでしたでしょうか?
貴虎×凌馬より貴虎×レア博士のほうが救いがある気がしません?(だって本編がねぇ…
さて、気がついたこと。ユノの登場シーンを省いちゃってたよ☆
よし、次回だ!次回は確実にいれよう!
では、感想をお待ちしております。