仮面ライダー鎧武vsGE2 ~神を喰らう者と禁断の果実~ 作:ジュンチェ
そういえば、今日でシドが本編で退場……
そして、ついに次回で極!個人的にはカチドキのほうが好きですが……ま、ださないけどね!
EP09 歌姫ユノと騎士道・オンステージ?
呉島貴虎の気分は優れなかった。いや、体調が悪いというやけじゃない。
問題は目の前……
「いやはや、うちの娘もアナタのファンでして……」
「いえいえ、拙い歌で恐縮です。」
目の前の甘栗色の髪をした10代後半から20前くらいの少女にヘコヘコしているグレムに副官のように立つレア博士。少女は…白いワンピースに清楚な印象で確か、歌手か何かだったろうか?別にアイドルとかなんだだから毛嫌いというわけでも無いが普段はふてぶてしい大柄な男がイヤらしいセールスマンのようにひっついているのが気に入らないのだ。まあ、こんな男が今いるフライアのトップでありだからこそ、成せることがあるとユグドラシルの支社といえどトップにあった貴虎には解る。
(……まさに、狸オヤジだな。)
こっそり、心の中で呟いて我慢、我慢。口にだしたくなる欲望を抑えながらそっとレア博士に視線を向ける。すると、彼女は少し苦々しい笑みで返してきた。やはり、彼女も彼女で苦労しているのだろう。
「あの、よろしければ本部で慰問コンサートとかは……」
「あ、サテライト拠点の食料事情が解決されるまで、なるべく極東から離れたくないんです。」
「あ、成る程、そういうことでしたか!なら、本部にかけあってみます!」
このふてぶてしい狸が……そんな気もさらさらないくせによく言う。貴虎はそう思いながらグレムとレア博士と共に緩やかにカーブを描く階段を降りていく。
その先には彼が予想していない事態になっていた。
【ソイヤッ!!オレンジ・アームズ!!花道・オンステージ!】
「セイハッ!」
「「「おお……!!!」」」
げ……と貴虎とグレムにレア博士はその瞬間、思った。何で今に限ってここにいるんだとミコノらゴッドイーターに変身をノリノリで披露する鎧武に向けて視線を送った。が、当の鎧武は気がつく様子は無くドライバーのロックシードを入れ替える。
【ソイヤッ!!イチゴ・アームズ!シュッシュッとスバーク!!】
「……セイッ!!」
「「「おおお…!!!!」」」
【ソイヤッ!!パイン・アームズ!粉砕・デストロイ!!】
「セイハッッ!!」
「「「「おおおぉ!!!!」」」」
そして、アームズを変える度に起こる歓声に鎧武は調子に乗りゲネシスコアまで取りだした。もうこれに貴虎は半ば呆れた表情をしながら彼に気がつかれる前に立ち去ろうとしたが……
「あら?あれは何ですか…?」
それより、早く少女が鎧武に興味を示してしまった。止めようとした上役3人であったがもう遅い。ロミオとミコノの合間にふらりと入ってしまう。
そして、ロミオが気がついてしまった。一番、気がついたら面倒くさいやつが気がついてしまった。
「ユノだァァァ!!!!芦原ユノだァァァァァァ!!!!!!!!」
瞬間、フライアの至るところのゴッドイーターたちや職員たちの空気が殺気だつ……あちゃぁ…とグレムとレア博士が顔を抑えた瞬間に貴虎はその意味を理解する。
「ユノ!?」
「……ユノ!!」
「ユノだとぉ!?」
「「「ユノォォ!!!!」」」
何処からか沸いてきたんだお前ら……呆れる数の変態級と化したロミオを中心に少女に群がる男共。あっという間に蛆のようにその場を埋めつくし、ナナを弾きとばし鎧武を呑み込む。
「ユノさん、俺…大ファンなんです!さ、サイン下さい!!」
「え、あの……皆さん、少し落ち着いて………」
【ジンバー・チェリー!!ハハーーッ!】
「何すんだゴラ!」
「「「「ぎゃぁぁァァぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」」」」
そんなアホどもをアームズチェンジしてぶっとばす鎧武。ロミオをはじめとした彼らはミッション受付カウンターの前へ山積みに……。そこには、金髪の美人女性オペレーターにして本名が実は噛みそうなほど長いフランが待ち構えており、にこやかな笑顔で……
「皆様、遊んでいる暇があったらミッションに出たらどうです?」
……現実の辛さを告げた。
「いやあ、すみません…戦うしか能の無い連中でとんだご無礼を……」
すかさず、グレムは少女に謝罪をし少女も『いえいえ…』と苦笑。すると、鎧武は貴虎の存在に気がつき変身を解除して駆け寄る。
「あ、貴t……」
「(ここで、騒ぐな。お前にとっても面倒なことになりかねない。)」
「…」
が、貴虎はグレムの死角を確認し紘汰に耳打ち。そして、素早く離れて元のレア博士の隣の立ち位置に戻る。
「では、いきましょうか……」
「わかりました…」
そのまま、少女はグレムたちと共にエレベーターに向かう。その際、ミコノは軽い会釈をして彼女を見送った。
「誰だろうな、あの娘……」
「何だかお姫様みたいな人だったね……」
紘汰とミコノはぼー…としながらその後ろ姿を見ていたがそこにロミオがボロボロになりながら駆けつける。多分、フランにボコられたんだろう。うん…
「はぁ、はぁ…マジで本物かよ……芦原ユノ!」
「「「芦原ユノ?」」」
「ユノだよ、ユノ!ユノ・アシハラ!!今、人気の歌手だよ!」
ついでに、あの少女『芦原ユノ』についても教えてくれて紘汰にミコノ…並びにナナは『ふぅ~ん』と流した。ぶっちゃけ、興味が無いのだろう。ただ、本人が近くにいるのにこのリアクションは如何に……
「あぁ……まだ、ユノの香りが残っているような気がする…。ほのかなメロンの爽やかな甘い匂い……」
「あ、ロミオ。それさ多分、隣にいたオッサンの方だわ!」
「Noooooooooo!!!!!!!!」
ついでに、夢心地のロミオを絶望させた紘汰。頭をかかえて『あぁぁんまりだぁぁぁ!!!!!!』と泣き叫ぶ様は弄り甲斐を感じさせて仕方ない。そんなことをしているとバインダーを持ったギルが現れる。
「おーい、仕事だ。て、何してんだお前?」
「あんまりだ!あぁぁんまりだぁぁぁ!!!!HEEEYYYYYYYY~~!!!!!!あぁぁんまりだぁ!俺の鼻がぁぁ!?!?」
「ふざけてないで、いくぞ。」
「HHEEEYY~!!!!」
とにかく、泣きわめいてうるさいロミオの襟首を掴んで容赦なく受付カウンターに向かうギル。残る3人もついていこうとするが……
「ブラッドというのは君たちか……?」
通りすがろうとしたところに呼び止める声。しかし、残念ながら全員スルー。
「あ?」
するかと思いきや、ちょっとストレスがたまってきたギル…いや、ギルさんがギロッと振り向いた。正直、怖いが声をかけてきた人物は怯むどころか堂々と喋りだす。
「フフ……話は訊いている。安心したまえ……栄えある極東支部・第一部隊所属であるこのエミール・フォン・シュトラスブルクが来たからには!」
「「「「…」」」」
「あぁぁんまりだぁぁ!!!!」
なんだコイツは…?中世の貴族風な格好して死亡フラグ臭のするドリッとした前髪をいじる青年。なんだか、リアクションといい振る舞いやらオーラやらがなんとも痛々しさ感が滲みでている。そのキャラクター性に絶句していた一行だが、ロミオだけ未だにジタバタと騒いでいた。
「悪い、ちょっと待ってくれ……」
ギルは一旦、話を止めるとステップを踏んでロミオを出撃ゲートへ放り投げた。しばらく、『あぁぁんまりだぁぁぁ!!!!』という叫びが尾をひいてその後、機材らしきものが壊れる音がしてミコノとナナは耳を塞いだ。大丈夫だろうが、気にしていたら話が進まない。
「悪かったな。続けてくれ…」
「……だ、大丈夫なのか彼は?」
「ああ、あれくらいなら死なない。」
「………そ、そうか…」
大丈夫ないだろ。紘汰は内心そう思っていたがまあ良い……タジタジになりながらもゴホンッと咳払いをして改めまして…と自己紹介をする青年。
「では、紹介が遅れて失礼した。極東支部からの増援に来たエミール・フォン・シュトラスブルクだ。次の作戦では共同戦線をすることになった……よろしく頼む。」
「ああ……よろしく。」
「おう、よろしく頼むぜ。」
彼……エミールは極東支部なる場所から来たといい、紘汰はその右手首にミコノたちと同じような腕輪をしていることから彼もゴッドイーターだと判別する。しかし、極東支部なるものはよくわからないのでこっそり、ミコノに訊いてみる。
「(なあ、極東支部って……ここ以外にも人が住んでるのか?)」
「(そりゃあ、まあ……フェンリルの組織の支部は世界各地にありますから。でも、極東は激戦区ですからあの人…キャラクターは痛いですけど相当の手練れかも……)」
「ほう?それは良いことをきいた……」
「「げ!?」」
あ……このタイミングでさらに面倒くさいのが来た。どうして、毎度のように来てほしく無いタイミングでこのバナナは来るのだろう?
「なら、貴様は強者か……?」
「強者………いや、その言葉は不適当だな。僕は騎士だ…。強いかといえばまだ未熟…されど、この手で人々の明日を護る礎にはなれると自負している。」
「そうか………」
まずいぞ、この雰囲気は……嫌な汗をかきながら警戒する紘汰は万が一に備えて身構える。戒斗ならこの場で戦えと言いかねない……そうなったら、止められるのは自分だけだ。
「おい、オペレーター……」
一方、戒斗はフランへ話しかけた。何をするつもりなのか…?フランもこればかりは緊張の面持ちだった。
「次の作戦…俺をコイツと同行させろ。」
「え?」
「聴こえなかったか?次の作戦に俺も出ると言っているんだ!」
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ラケル博士の研究室………
「これは………」
椅子に座ってキーボードを操作するラケルは画面に映るホログラムに複雑そうな顔をした。画面には何処かの地図らしきデータに赤い点。そこから線で繋がれたデータには様々な異形の姿があった。
(この数………恐らく………)
「感応種…だね?」
彼女の背後には凌馬もいた。いつもの屈託ない笑顔で絡んでくるが対照的にラケル博士は珍しく嫌そうな顔をしている。まるで、鬱陶しいハエでも見るような視線だ。
「僕でもそれくらいは分かる。そんな顔しないで、仲良くやろう…博士同士ね?」
「……悪いですが、戦極凌馬……私はアナタ方と馴れ合うつもりはありません。いずれ、これ以上この世界に関与するなら相応の報いを受けることになるでしょう。勿論、葛葉紘汰たちも例外ではありません。」
「いや、それはこちらとしても好都合だ。彼の鬱陶しさは利用価値に比べて遥かに大きい……願ったり、叶ったりさ。まあ、君の言い分も解る………ライバルは少ない方が良い。この世界にある………いや、これから実るであろう禁断の果実『創世の実』のね。」
「!」
凌馬の言葉にラケルは完全に面食らった顔をした。自分とあと他数人しか知り得ない情報を彼は知っていたのだから。
「……サガラですね。教えたのは?」
「さぁ?ただ、君『たち』は喧嘩を売る相手を間違えた…。ヘルヘイムに赤い雨を降らせてオーバーロードたちを牽制するつもりだったんだろうけど、かえって彼等を怒らせて矛先を自らに向けてしまっている。結果、招かねざる客がこうして来てしまった……」
そう言って、招かねざる客は笑う。憎たらしいこの上ないが事実なので反論は出来ない。彼は軽い動きをしながら最後にこう言い残し、部屋を後にする。
「あ、あと君の用心棒にもよろしく。ま、彼でもそう簡単に僕たちを始末できると思わないほうが良い。」
パタン…とドアが閉まる音で凌馬は部屋から姿を消す。それを確認するとラケル博士は一変して暗くほくそ笑む。今は勝ち誇っているが良い……圧倒的に自分が優位だと思っているなら大間違いだ。
「フフ……戦極凌馬、確かに私達は打つ手を少々違えました。ですが、シナリオにまだ狂いは無い……誰にも畑に種を蒔いて手塩をかけて育てた果実を渡しません。害虫や鳥には罠に天敵を……」
彼女はキーボードを操作し、画面を変えると次々と新たなホログラムを開く。
………その中には戦極ドライバーとゲネシスドライバーのデータも存在していた。
「カウンターの準備は…まずは上場ですね。フフ……」
To be continued……
最後のは本編か別にするかで考えているやつのフラグです。
正直、構想自体はまとまっているけどやろうかやらないか迷ってます。
感想まってます。