ホロライブラバーズ トロフィー「夢覚めぬ者」獲得RTA   作:うろ底のトースター

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当社比いつもの1.5倍くらい血なまぐさいので初投稿です


第2回バトルロワイヤル-5

「彼らは、[古狩人]と呼ばれる者達だ」

 

あの悪夢の帰り、夢の中の老人──ゲールマンというらしい──に、あそこで見た全てを伝えると、あの狂った狩人について、そう答えた。

 

「狩りに溺れ、血に酔い、獣性に堕ちきった、人でも獣でもない憐れな狩人の成れの果て、それが彼らだ」

 

そう言うゲールマンの表情は、憎悪とも悲哀とも呼べない、複雑なものだった。

 

「彼らの膂力は見ただろう」

 

「あれこそ、獣性の証」

 

「獣性は、血によって更なる力が引き出される。だがそれは、人間を逸脱することに同義だ」

 

「どうか、君はそうならないでくれたまえよ」

 

この言葉に、私はどう返したのだったか。

 

 

 

 

 

 

「うぅぅぅ、相変わらず攻撃が重い!」

 

「すごいなノエル、力で余と張り合える人間など今まで見たことなかったぞ!」

 

あそこで小さなクレーターを作り上げてる2人は、古狩人と呼んでもいいのではないだろうか。いや、それ以上だろうな。

 

この場でもっとも非力な玲香は、遠い目をしてそう思った。

 

「う、おりゃぁぁ!!」

 

「うぉ!?」

 

ノエルがあやめを吹っ飛ばした。だが、あやめは危なげなく着地した。

 

「うん、楽しいな!」

 

「楽しそうで結構ね」

 

都合3発の水銀弾を撃つ。走り出しを殺す気で撃ったその弾丸が、必要最低限の動きで回避される。

 

さっきからこの調子だ。さすがに4VS1なので掠りはするが、追撃をさせてくれない。

 

百鬼あやめは巧い戦いをする、この短時間で、玲香の下した評価である。

 

このままの調子でいれば、恐らく勝てないこともない。地道に削り、体力を消費させて狩る、要は我慢比べだ。

 

それは、玲香のもっとも苦手な分野であり、だから、つい攻めすぎる。

 

「来るか!」

 

間合いに入らなように細心の注意を払いながら、リーチの差を活かして斬りつける。常人であれば回避不能の攻撃範囲だが、それら全てが躱され、逸らされ、防がれる。

 

決め手のない現状に苛立っていた。

 

「玲香たん、そんな焦って戦わなくても大丈夫だよ、堅実にいこう?」

 

「・・・分かってる、けど」

 

もっと血が欲しい。狂おしいほどに血を浴びたい。

 

再度突貫する。

 

袈裟斬り、後ろに下がって躱される。逆袈裟、真上に向けて逸らされる。踏み込んで一閃、防がれてそのまま鍔迫り合いになり、間もなく、飛ばされる。

 

ギリッと、奥歯が鳴った。

 

足りない。

 

足りない!

 

足りない!!

 

苛立ちを込めて、全速力の突きを放つ。

 

「玲香!攻めすぎ!」

 

「───あ」

 

点の攻撃は、避けられやすい。そんなものに全力を尽くしてしまった。

 

この鬼からすれば、玲香を斬る絶好の機会だ。

 

「貰ったァ!!」

 

「ぅ・・・ぁあ・・・!」

 

双刀が深く、深く胸を穿つ。紛れもない、致命傷である。

 

「玲香ぁぁぁぁぁ!?」

 

悲鳴が辺りに木霊した。

 

 

 

 

 

 

「獣は素早いだろう?」

 

「ええ、正直厄介ね」

 

そうだ、前にもこんなことがあったか。なかなか斬らせてくれない獣がいたの。狩りはしたけど、時間がかかった。だから助言を求めに行った。

 

「その左手の銃で動きを止める、というのが最善策だが」

 

「そんなの分かってるわよそのくらい、それが通じなかったときの話よ」

 

「ふむ・・・あまり推奨はしないが、ときにはわざと食わせるのも手だ」

 

「バカにしてるの?」

 

私は、嘲りを含んだ目でゲールマンを見た。

 

「バカにはしていない。我々には回復手段がある。傷すら塞ぐ魔法のような手段がね。であれば、己を囮とするのも悪い策では」

 

「はぁ、話にならないわ」

 

イラついていたのもあって、話を半ばで切った。

 

「・・・では、これだけは言っておこう」

 

「何?」

 

「狩人は、焦った者から呑まれる。気を付けたまえ」

 

その言葉を、私は無視した。

 

 

 

 

 

 

さすがは助言者を自称するだけはある、胸に刺さる刀を見てそう思った。ゲールマン、かつては高名な狩人であったと言うがどうやら本当らしい。

 

確かに玲香は焦り、そして今報いを受けている。

 

少しばかり後悔がよぎった。だが、すぐに笑いが込み上げてくる。

 

「えぇ、えぇ、認めるわ。あなたの助言は全て正しかった」

 

ありがとう。

 

「おかげで勝てそうよ」

 

玲香の頬が、三日月のように歪んでいた。

 

「勝てそう?そんな死に体で一体何を」

 

その言葉が、最後まで続くことはなかった。

 

突然玲香に抱き寄せられ───

 

「ようやっと、捕まえた!」

 

────[千景]を、腹に突き刺された。

 

「かはっ!?」

 

ここに来て、百鬼あやめは初めて血を吐く。久方振りに感じる痛みと、血の抜けていく不快感に顔を顰めた。

 

「どこに、そんな力が!?」

 

驚愕に声が震える。ある程度耐久性に秀でた鬼に、死にかけの人間が重傷を負わせるなど、ありえないのだ。

 

身長の高い玲香を見上げる。

 

この時、不幸にもあやめは玲香の瞳を覗いてしまった。

 

「アアアァァァァぁぁぁぁぁぁ、良い・・・」

 

「ッ!?」

 

紅い、血のように紅い瞳だ。果たして、この者の瞳はこんなにも紅かったか?

 

まるで、今しがた、血を浴びて色鮮やかに染まり直したかのような────。

 

「なん、なんだ、お主は・・・!?」

 

今相対してるのは本当に人間か?

 

斬り合いに興じているときは、洗練された狩人のような印象だった。だがこれは、まるで獣、いやむしろ、狂気じみた別世界の存在か。

 

「いや」

 

思考を廃棄する。今は何より距離を取ることが先決。

 

そう切り替えると、あやめは玲香の腕を振り払おうとして、()()()()

 

「なんだと!?」

 

こんな細腕に似合わない、骨さえ砕かんとするほどの万力のような膂力だ。

 

「まだ逃げないでもらえる?()()()()()()()()()()()()()

 

「は?」

 

[千景]を手放す。

 

「さっき戦った黒い狐の子も良かったけど」

 

 

「あなたの血も好きよ、だから」

 

 

「ちょうだい?」

 

 

血飛沫が、舞った。





戦闘描写が書けないモーーン!!!
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