「……。な、なにそれ、意味わかんない…!」
「…微かに泣き腫らしたあとのような眼、僅かに腫れている額、おかしな折り目が付き、よれている制服。朝には見られなかった異常です。隣の部屋に注意が向いていたとはいえ、ここまで気づけなかったのは失態です。一体、何があったんです?」
「………何も無いわよ。ただ転んで、頭を打っただけよ。」
「…………そうですか…。ならお風呂に行って、傷を癒してきてください。」
「待って…!今は……そばにいさせて……。傍なら…忘れられるから………。」
「……わかりました…。」
「川原さんの手は暖かくて、優しくて……全然違う…。」
「……………………。」
そっと肩に手を回し、優しく抱き寄せながら頭を撫でていると、そのうちに満潮は一定のリズムで寝息を立て始めた。
しばらくそうしているうちに、部屋に明石がやってきた。
「………?なにかあったんですか?」
「……おそらくですが、外で鉢合わせてしまったんでしょう。そこで暴行を行われたと見るべきかと。確認していませんがおそらく服の下にも数箇所、痕が残っているかもしれません。」
「そうですか……。」
「雪風さんの最大の懸念事項が解決された途端に、これですよ…。まだまだ、道のりは長そうです………。」
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「ふぅ。あの満潮とかいう生意気なメスガキをボコボコに殴って久々に清々したわ。」
「あの小娘はことある事に我々に逆らってきましたからなぁ。兵器の癖に、我々に盾付き、グチグチと文句を垂れる姿は鬱陶しい以外の何物でもない。」
「全く、提督殿は羨ましい限りですなぁ。」
提督室で執務の一切を放棄した提督、大久保と憲兵隊長、西田、それに憲兵副隊長の福山が酒を飲んでいた。
「おい!大淀!まだ終わらんのか!?」
「す、すみません……ここ連日の執務で体調を崩しておりまして…」
「口答えするな!お前らは人間に従順であるべき兵器だ!分かったらとっとと終わらせて酌をしろ!」
「は、はい……。」
「ったく……大淀まで逆らいおって……」
「提督殿、我々憲兵隊が"懲罰"を加えましょうか?」
「えぇ、それがいいやもしれませぬ。」
ニタニタと笑いながら西田と福山が大久保に話を持ちかける。
「いや、私が後で直接やろう。何より、憲兵隊に引っ張られていってしまっては、仕事を全て任せることが出来ないからの。」
その目に醜い欲望の光を灯し、訪れるであろう快楽の波に思いを馳せながら、大久保が却下した。
「そうですか。ではまたの機会ということで。」
「そういえば先日数日貸して頂いたあの羽黒という娘は、いいものでしたなぁ───
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「……やっぱりぼーかんしてるだけなんてゆるせないです。」
「われわれはけっきすべきだ!かんむすのため!」
「まて!まだおやぶんから指示はでていない。はやすぎる!」
「そんなことをしていたらひがいしゃがふえるだけだ!」
「てんちゅーを!てんちゅーを!」
「「てんちゅーを!てんちゅーを!」」
「「「「「てんちゅーを!」」」」」
「……しかたあるまい。おやぶんに、うかがいをたてようか……。」
「おぉぉぉぉぉぉ!さすがはたいちょー!」
「はなしがわかるおひとだ!」
「だが!おやぶんがやめろといったら、ぜったいにやらないぞ!?いいな!」
「われわれはおやぶんにいっしょうついていくとちかったみ!だんじてめいれいいはんはおこさない!」
「……よしわかった。きいてこよう。」
「というてんまつなのです。」
「困りましたね……。」
「しょうじき、わたしとしては、げんじょうでは、ことをおこしたところでなにもかわらないのです。われわれがうごいたところで……」
「えぇ、わかってます。この鎮守府における証拠集めは捗っていますが、汚職、横領、その他の証拠集めも難航していますし、妨害対策も、情報を開示する先も、開示するルートも全て整っていません……。」
「どう、いたしましょうか、おやぶん。」
「全妖精さんを、招集してください。私が直々に、話をつけます。」
「りょーかい!」
工廠の奥である建造ドックのさらに奥、地下秘密基地にていつしか300人を超えた妖精さん達全員が結集した。
「おやぶんからのおなはし!ぜーいん、けいれー!!」
ビシィッ! と効果音が付きそうなほどに見事な海軍式敬礼を、妖精さん達がする。妖精さん達が二頭身でなければ、さぞ絵になっただろう。
「コホン。皆さんの、艦娘を救いたいという気持ちはひしひしと伝わってきました。」
「おぉ〜!ということは…!」
「しかし、待って欲しい。この鎮守府での証拠集めができたところで、それは周りからもみ消されて終わりとなります。証拠を開示するルートとその先。妨害対策、それらは全く進んでいません。まだまだやることは沢山あります。くれぐれも先走らないでもらいたいです。」
「「「「「「「「さーいえっさー!!」」」」」」」」
「それではこれより、実働部隊、鎮守府外情報収集部隊を編成します。一気に進めますよっ!」
「「「「「「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」
リアル麻雀に面子合わせのために駆り出されておりました。
遅れて申し訳ありません。