ブラック鎮守府の整備士日記   作:小椋屋/りょくちゃ

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第十二話

仮称、執務室に、"隊長"などと呼ばれるリーダー格の妖精さんを何人か集め、会議を開始した。

 

「いまげんざい、われわれは318めい、いるであります。」

「そのうち、めだったやくしょくについていないのは、198めいであります。」

「ふむ...。ではまず、資源班を新設します。鎮守府の資材とは別に、我々で自由に使う資材を集め、保管する班です。これの人員は64名。16名一小隊として、海域にて活動してもらいます。」

「りょうかいであります。しげんはんはわたしにおまかせください。」

「それでは、資源班班長に、任命します。」

「資源班班長、拝命しました!」

「整備妖精隊長さん、整備隊の人員を34名、拡張してください。」

「あいわかった!」

「整備隊には今後、戦闘班の武器の作成も行ってもらいます。問題ないですか?」

「あったりまえよォ!」

「では時が来たら、いずれ。次に実働部隊。対人、対艦娘、対深海棲艦、全てにおいて対応して貰います。班員は40名。隊長は……」

「はい!わたしにじつどうぶたいたいちょうを!」

「それでは、よろしくお願いします。」

「実働部隊隊長、拝命!頑張ります!」

「最後に情報部隊。鎮守府内外における情報収集、情報の保護などを行ってもらいます。人員は残る60名。最重要部隊です。隊長は……」

「わたしにおまかせあれ!であります!」

「あなたですか。わかりました。それではよろしくお願いします。」

「情報部隊隊長、拝命!全力を尽くします!」

「あ、あのー……わたしは、なにかないのですか?」

 

1番トップの妖精さんに、役職を振ることをすっかり忘れていた。

 

「それでは……妖精長。妖精長に任命します。私が指示できない場合、全ての指揮権は妖精長に。情報部隊隊長を副長とします。問題無いですね?」

「妖精長……。この任、謹んでお受けします!」

「各部隊、各班の編成や、各部隊の副隊長などの策定は、皆さんに任せます。決定したら、妖精長を通じて報告をお願いします。報告が来次第、任務をお願いします。」

「「お任せ下さい!我ら一同、ご期待に応えてみせます!」」

 

隊長や、班長という役職を与えると、一段と流暢に喋るようになる。人と強い絆で結ばれた艦娘は通常よりも強いという話もある。妖精さんも同じものなのだろうか。そんな疑問を抱えながら、妖精さんとの会議を終了した。

 

 

 

 

「妖精長……妖精長………。」

「実感が湧かないですねぇ。」

「実働部隊隊長か……。」

「おらおら、何しんみりしてるんだ。お前らはこれからまだ仕事があるんだろう?早くしないと、整備班が優秀な人材を全員持っていくぞ?」

「なぁっ!?情報部隊は1番重要な部隊だ!優秀な人材はうちが貰う!」

「実働部隊にも必要だ!」

「……おほん。」

「「「「…………。」」」」

「妖精長より命じる。親分の期待に応えるぞぉっ!」

「あったりめぇよ!」

「一生着いていくと誓った身!」

「今働かずしていつ働くか!」

「全力を尽くすのみ!」

 

各部隊長、班長は地獄のスカウトレースに数日の時間を費やすことになるのだった。

────────────────────────

「整備士さん、もう、やめて貰えませんか。」

「誰に何と言われようと、辞めるつもりはありませんよ?」

「妖精さんを通じて何をしているのか逐一私たちにはわかるんです。……もう、やめてください。…辛いんですよ………。」

「やめません。ここの艦娘を救うまでは、やめません。」

「……………。」

 

これで4度目だ。奴らがこっちの動きに気づいてるとは思えないが、他の艦娘達にはバレている。それが余計彼女たちの心を蝕んでいるようだった。密告されれば一溜りもないが、こちらから何かできることがある訳でもない。あるとすれば…

 

「大淀さん。この鎮守府に所属する、全ての艦娘に、この情報を同期して貰えますか?"私は、いえ、我々は、この鎮守府から、奴らを追放する"と。奴らとは、言わなくても分かりますよね?」

「そんなことできるわけないじゃないですか!?」

「それが案外。汚職、横領、この鎮守府の実態。全て洗いざらい報告すれば、奴らの首が飛ぶのは確実でしょう。」

「なら今すぐ…!」

「出来たらどれほど嬉しいでしょうかねぇ。物資横流しとそれに付随しての金品のやり取り、その他汚職の闇は下手すると大本営、もしくはそのさらに上層まで繋がってますよ。こんな段階で告発すれば、もみ消されて自分が消されるか、責任取りに提督1人が切られて終わりです。本質は何も変わりません。」

「そんな………」

「人は貴女達とは違って、腹黒くて狡猾で、滑稽な生き物です。」

「……………。」

「だからまだ、待って貰えませんか。」

「…………わかり、ました……。」

「御理解いただけたようで、何よりです。」

 

このやり取りも、4度目だ。早く動かなくては、完全に手遅れになるかもしれない。……とはいえ、情報収集もまだまだな上、睦月型、吹雪型のカウンセリングは一切進んでいない。

 

明日は思い切って、吹雪達と話してみるとするか……。

 

────────────────────────

誠和3年4月14日

燃料:93944

弾薬:117242

鋼材:108761

ボーキサイト:83875

 

一晩のうちにボーキサイトの大幅な減少。監視カメラの情報待ち。

雪風、時津風の和解が完了。

しかし雪風の状態には不安が残る。今後もしっかりとカウンセリングを行っていきたい。

満潮は、明日秘書艦なので、しっかりとコミュニケーションを取っておこうと思う。

妖精さん達に役職を与えると、知性が上昇する可能性がある。興味深い出来事だ。

 




妖精さん可愛い
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