ブラック鎮守府の整備士日記   作:小椋屋/りょくちゃ

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第十九話

先日の尋問から早いもので3日が過ぎた。私、吹雪は、睦月ちゃん達に、全く話しかけに行くことの出来ない日々が続いていた。

 

「さて、おはようございます、吹雪さん。」

朝食後、あの整備士の人の部屋へと向かう。4日目ともなれば、慣れてしまった。

「...おはようございます...。」

「今日も、約束通りに来てくれてありがたい限りです。」

「.........。」

「さて、今日もこれから定例会議なので行きましょうか。」

「...了解しました。」

 

 

「おはようございます。朝潮さん、明石さん。」

「はい!おはようございます!」

「おはようごあいます。」

「.......おはよう、ございます..。」

「では、報告をお願いしてもいいですか?」

「はい、燃料:104432、弾薬:127123、鋼材:121651、ボーキサイト:95962、各種資材も変動ありませんでした。その他も特には。」

「ありがとうございます。明石さん、何か報告はありますか?」

「満潮さんより、今のところ、すべて順調、との報告が来ています。」

「わかりました。満潮さんに、引き続き、頑張ってくださいと、伝えてください。」

「了解しました。」

「妖精長、各隊の様子は?」

「情報部隊は、満潮さんのバックアップと情報収集。資源班の遠征作業は順調。現段階で各資材12000は確保しました。戦闘班の訓練は上々。上記の鎮守府であればすぐにでも制圧可能です。整備班、こちらも異常なし。収集してきた物資を使い、艤装の保全補修、新型兵装の開発試作、戦闘班への武器提供、計画通りであります。」

「わかりました、ありがとうございます。それでは、今日の定例会議を終わります。明石さん、朝潮さん、今日は白露型のお2人とカウンセリングをしてみたいと思いますので、お願い出来ますか?」

「はい、わかりました!」

「了解です。色々と準備をしておきますね。」

「他には─」

私を置いてけぼりにして、色々な話が進んでいく。私がここにいる意味は、果たしてあるのだろうか…。

────────────────────────

会議が終わり、会議室を出ると、扉の前で綾波ちゃんが待機していた。

「吹雪ちゃん!会議、どうだった?」

「あ、綾波ちゃん………」

彼女と白雪にも、合わせる顔がない。背を向け、そそくさと立ち去ろうとする。

「待ってよ、吹雪ちゃん。」

「私は……みんなと仲良くする権利なんて…お姉ちゃんでいられる権利なんて……ないんだから………。」

自分に言い聞かせるようにそう言い放つ。

「…吹雪ちゃん………」

「私なんか……………」

俯きがちに歩き出し、その場を離れようとしたタイミングで朗らかな、元気のいい声が響く。

「あ、吹雪ちゃん!」

「ゆ、雪風ちゃん?それに…あぁっ………」

その後ろには、睦月型3番艦の弥生もいた。

顔を合わせないようにしながら通り過ぎようとしたタイミングで、声をかけられる。

「待って……吹雪ちゃん………………」

「私は、私は、弥生ちゃん達にだって酷いことを、したんだよ……?なんで、なんで………」

「………?雪風は、吹雪ちゃんは、悪くないと思います!だって、綾波ちゃんや弥生ちゃんのためを思って行動したんですよ!すごいと思います!」

「でも……でも……………」

「吹雪ちゃんは…悪く、ないよ…。全部、全部、ここの司令官が悪いんだから…………。」

「でも、だからって……!」

「だったらなんで………謝らないの…?」

思い切り正論をぶつけられる。謝れない理由なんて、彼に見破られている通り、許されてしまうのが、怖いからだ。

「!?そっ、それは……………」

「悪いことをしたって思うなら……謝らないと、ダメだよ……?」

「雪風も、そう思います!」

「ごめん、なさい……私なんかが……私のせいで……ごめんなさい……ごめんなさい……………」

一瞬の逡巡の後、ごめんなさいと言葉を発する。載せた思いは本物だが、心から言った謝罪の言葉でないことは、自分でも痛いほど分かりきっていた。

「それじゃあこれで、おしまい。弥生は、吹雪ちゃんが悪いことをしたって、思ってないから……。」

「そんな!」

「………なんで?吹雪ちゃんは、悪いことをしたなんて、弥生は思ってないし……吹雪ちゃんが、自分は悪いことをしたって思うんなら…今、謝ったから、おしまい…でしょ?」

「そ、そんな……………」

「それと、睦月ちゃんが……会いたがってたよ…。」

「っ…………。」

彼女の名前が出る度に、ドキンと1つ、胸が鳴る。

「それじゃあ…皐月と文月が呼んでるから…。行こ?雪風ちゃん。」

「はい、弥生ちゃん!」

「……………ごめんなさい…。」

今度はなぜか、心の底から、その過ぎ去っていく背中に、口をつくようにごめんなさいと言うことが出来た…。

 

綾波に、彼女の居る場所を教えてもらい、数分悩んだ後に、扉をノックし、声をかける。

「睦月ちゃん……居る?」

「吹雪ちゃん?どうぞ?」

「その……睦月ちゃん……?」

謝罪の言葉を、発しようとしたその刹那、彼女口から予想もしていない言葉が飛び出した。

「吹雪ちゃん、ごめんなさいっ!睦月のせいで、尋問とか受けたって……。ほんとに、ごめんなさいっ!」

「睦月ちゃん!?なんで!?私の方こそ謝らなきゃなんだよ!?」

「うぅん、いいの。吹雪ちゃんが、睦月達のことを思って、色々とやってくれたのは、わかってるから。」

「でも、それは……」

「悪気があって、やりたくてやった訳じゃ……ないんでしょ?」

「………………うん…。」

「それなら大丈夫。ほんとに、ごめんね?吹雪ちゃん。」

「うぅ……私なんかのせいで……ごめんなさい、ごめんなさいぃ……」

彼女の、睦月ちゃんの真っ直ぐな言葉のせいで、後から後から涙が止まらなかった。

「吹雪ちゃん!?な、泣かないで!」

「ごめんなさい、ごめんなさい……。私が……あんなことしなきゃ……」

「大丈夫、大丈夫だよ。」

抱きしめられる温もりが、とても、とても、心地よかった。

「睦月ちゃん……ほんとに………ごめんなさい…ごめんなさい…」

「吹雪ちゃん、私も、ごめんなさい。…ね?これでおあいこ。」

「睦月ちゃん………」

「よしよし〜。吹雪ちゃんは、ちゃんとごめんなさいできるいい子なんだから、もう謝らなくてもいいにゃしぃ。」

私は何を躊躇っていたのだろうか。謝っても謝っても、謝罪し足りないのはこちらの方だ。それを許してもらえる仲間がいるというのは、どんなに嬉しいことなのだろうか……。

「はい……ありがとう……ありがとう………睦月ちゃん…。」

 

 

 

私の居場所は…ちゃんとここにあったんだから………。




艦娘カウンセリング編、ここまでで粗方終了となります。

ここからは、情報戦と、ドロドロパートがメインになりそう…

作者の筆も…重くなる…………。

本文に関して

  • もっと説明文的な構成。
  • 今よりも説明的な文が欲しい。
  • 今よりもさらに会話文を増やす。
  • 本文構成は全て、作者に委ねる。
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