ブラック鎮守府の整備士日記   作:小椋屋/りょくちゃ

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第二十二話

件の会議から数日。

証拠品足り得る品や書類の類を全て記録し、写し以外は廃棄。

写したデータは、妖精さん達に一任されることとなったのであった。

 

 

 

 

「失礼するわ。」

 

ノックの音の数秒後、ガチャリと扉が開く音と共に、数日ぶりとなる満潮の声が執務室に響くのであった。

 

「お、終わったんですか?」

 

満潮が依頼された任務、それは収集した情報を整理、入力し、データを解析に回し、解析したデータをさらに整理する。

と言ったものだった。

その表情には疲労の色が浮かんでいるが、毎日休息はしっかり取っているようだった。

 

「妖精さんが優秀すぎるってのも考えものね。私の方の処理が終わる前にどんどんどんどんデータが来るんだから。おかげで、やりやすくて仕方がなかったけどね。」

「そうですか…。それで、結果は?」

「現在整理中のデータを除いて、これだけ汚職の証拠が出てきたわよ。それと、この鎮守府のデータに関しても、ね。」

「と、言うと?」

「秘匿されてる所属艦娘及び艦種、所属艦娘として扱われている艦娘のうちで、クソ共に従ってる艦娘、及び抵抗している艦娘。これらの割り出しと、詳細データ。憲兵隊員や整備士の養成所の記録等までよ。」

「…そうですか……。」

「ちなみに、聞きたい?ここに本来所属艦娘として登録されているべき艦種別艦娘数。」

「……………お願いしてもいいですか。」

「駆逐艦87名、潜水艦18名、軽巡洋艦15名、重巡洋艦6名、戦艦6名、空母9名。うち潜水艦全員と駆逐艦は、私たち15名を除いた合計90名が存在を隠蔽、挙句全員無補給状態で遠征乃至、資源調達出撃を繰り返され続けてるわ。ここの資源が立ち行くのも、そのおかげのようね。ちなみに、その出撃で得た艦娘を建造艦として報告したり、別の艦隊の戦果として計上してるようね。」

「………なるほど…そーゆー事でしたか…。」

「まぁ、思った通りではあったわね。」

「当たっていて欲しくはありませんでしたけどねぇ……」

「あー、それと。この汚職、既に大本営憲兵副総監の青木大将、さらにそこから政権与党の自由党幹部にまで広がってるわよ。明らかに首謀者はここのクズでは無いわね。それ以上のクズがどこかに─多分青木とかっていう奴でしょうけど─いるわ。」

憲兵副総監青木康宗。この日本に生きる者で彼を知らぬものはないとまで一時期呼ばれた男で、彼が副総監に着いてから、汚職鎮守府の摘発件数が増加。日本海軍体制の是正を行った人間として有名であった。次期総監となるのは既に内定しているとまで言われている男であったが、今この手元にあるデータを見る限り、敵対派閥を全て粛清し、自分に都合のいいような状況を作り上げた、と言わざるを得ない状況である。

「……予想していたよりも、大きすぎませんかね?」

「仕方ないんじゃないかしら?まぁ、私もここまでとは思ってなかったけどね。」

「逆に…安全な一派はないんですかね……?」

「呉と佐世保の両鎮守府は確実に大丈夫よ。既に妖精さん同士による連携が進んでるわ。」

「となると…」

「えぇ、ほかはダメそうね。」

「そうですか……わかりました。すごく助かりました。」

「別に、そーゆーのは求めてないから、早くこの地獄をどうにかしなさいよ。」

「えぇ、必ず。それが私の仕事ですから。」

「頼んだわよ、親分。」

 

そう言いながら、手をヒラヒラと振り、退出したのだった。

 

 

 

「姐御、相当副司令が板に着いてきましたね。」

そう言いながら、胸ポケットからピョコンと飛び出してきたのは、妖精さんたちの隊長の妖精さんだった。

「姐御って、呼んでるのか。」

「えぇ、親分は親分ですので、姐御がいいかなと。」

「それ、満潮はいいって言ってるのか?」

「うっさい!と言われることもありますが、満更でもないようなので。」

「まぁ、労わってあげてください。」

「それは抜かりないので、安心してください。」

「それなら問題ないですね。」

「えぇ、大丈夫です。」

「あーそれと、近いうちに私自ら呉と佐世保へ向かう予定なのですが、何か伝えるべきことはありますかね?」

「……憲兵隊は信用に値しないこと、それとこの資料だけ、渡して貰えますか。」

「了解しました。任せておいてください、親分。」

 

 

そういい終わり敬礼すると、隊長妖精さんは、早足に部屋を出ていくのだった。

 

 

 

 

 

その日の分の日記をつけていると、不意にノックの音が響いた。

 

「どなたですか?」

「あー…えーと、その……」

 

扉の向こうで言い淀む声が聞こえる。ならばと、少しだけ扉を開けた。

 

「ひぃぃっ!?ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

扉が少し開き、軋む音にすら過剰に反応してしまっていた。

 

「大丈夫ですから。私は何もしませんので、落ち着いてください。」

 

そうやって扉越しに声をかける。

 

「あっ、あぁ……すまんすまん……取り乱してもうたわ……。」

「こんな夜更けに、どんな御用ですか?龍驤さん。」

「あーっとな、うちはあんさんに協力しようと思うてここに来たんや。やけど那智や羽黒が頑強に嫌や言うさかい、うちだけが来たんや。」

「なぜ、信用できると?」

「妖精に好かれるっちゅーことは、問題ないってことや。それだけや。」

「ふむ、そーゆー事ですか。」

「えーと、とりあえず……うちらの現状を、説明させてもろてもええか?」

「えぇ、構いませんよ。ぜひ中でゆっくりお聞きしたいです。」

「………………………ホンマに、大丈夫そうやな。お邪魔させてもらうで。」

 

 

 

こうして深夜の来訪者は突然やってくるのだった。




関西弁風の言い回しが…難しすぎる……

ネイティブ関西人の方がいらっしゃったら、感想等でご指摘くださると助かります……。

本文に関して

  • もっと説明文的な構成。
  • 今よりも説明的な文が欲しい。
  • 今よりもさらに会話文を増やす。
  • 本文構成は全て、作者に委ねる。
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