正直、些か強引と思いますが、那須隊とのやりとりを追加しました。
模擬戦を終えてランク戦のブースを出る紘太。
そこには沢山のギャラリーが紘太に視線を向けていたのだが・・・。
「太刀川さん・・・。またレポートすっぽかして来たな・・・」
出水は、風間が太刀川の首根っこを掴んでいる姿を見て呆れていた。
「荒船君。狙撃一回しただけで終わっちゃったね・・・」
「言うな・・・。結構気にしてるんだ」
荒船隊のチームメイトにも先程の模擬戦について揶揄われていた。
「鋼が負けるなんて、驚いたな・・・」
「すいません、来馬先輩。でも、次は負けません」
村上は、先程の模擬戦の話をしていたが決意を新たに紘太のリベンジに燃えていた。
「堤〜。お前ボロカスに負けたな〜」
「諏訪さん。悪い顔してますよ」
堤は、同じ諏訪隊に揶揄われいてそれを笹森が宥める。
先程、模擬戦をやっていたメンバーはそれぞれのチームメンバーに良いように言われていた。
紘太は、この光景を見て思わず・・・。
「なんじゃこりゃ?」
「主にお前が大暴れしたからだろ」
米屋が緑川と共に声を掛けてきた。
「やっぱお前とは、サシでやりたかったぜ。
なあ、またやろうぜ!!」
「今日は、この後玉狛に行きますのでまたの機会にして下さい」
「え!?玉狛に行くの!?」
「どうしたんだ?」
「緑川は、迅に助けて貰ったことがあってな。
さっき、メガネボーイにちょっかいかけてそれを白チビがボコったって事だ」
「あぁ、そう言うこと」
「ねぇねぇ。紘太先輩って遊真先輩達と仲良いの?」
「俺は、クラスメイトだからな。そういや、迅さんに連れて行かれたけど、終わったのかな?」
そんな話をしている中・・・。
「アヤセ」
噂をすれば何とやら・・・。
「おっ、空閑と三雲。話は終わったみたいだな」
「無事にな。それじゃあ玉狛に行こうぜ」
「だな。それじゃあ、俺達はこれで」
「遊真先輩!俺も行きたい!!」
「おい、緑川。お前は、防衛任務だろ?逃さねぇぞ」
「ウゲェ・・・。バレてた」
そう言い今度は、米屋が緑川の首根っこを掴み連行して行った。
「紘太、ちょっといいか」
小南を模擬戦でボコボコにして木崎さんが用意してくれた夕飯を頂き、一休みしていた時、迅に呼ばれた。
「ウチの
「あ、そうですね。遊びに来ているとはいえ顔出しておかないとですね」
と言うことで迅と紘太は、支部長室に向かった。
そして、部屋に到着すると一人の髭が生えていて眼鏡をかけた男性が椅子に座っていた。
「お前さんが綾瀬か。俺がここの支部長の林藤だ。よろしくな」
「綾瀬紘太です。よろしくお願いします」
「おう、よろしくな。それにしてもお前さんやるな。上層部でも話題になってたぞ。
小南や太刀川をボコボコにするなんてな。しかも、アンノウンの正体が修達の様な中学生だってな」
「まあ、アレは成り行きでしたけどね。それより、小南さんは何であんな簡単な嘘に引っかかるんです?
色々と心配なんですけど」
「あはは・・・。まあ、それは言ってやるな。
俺たちからして見ればアレはデフォルトなんだ」
と言った感じの挨拶をし、今、紘太と迅は、支部の屋上でコーヒーを飲んでいた。
「お前に今日来て貰ったのは頼みたい事があるんだ」
「何ですか?」
「近いうちに
その時には、紘太に人型
「人型・・・。空閑のような人が来るって事ですか?」
「・・・ああ。それでお前には人型と何人か戦って欲しい。
そうすれば、かなり戦況が有利になるし三門市の被害を抑える事が出来る」
「一つ聞きますけど、その戦いの最悪の未来はなんですか?」
「最初は、メガネ君が死ぬ未来だったり、千佳ちゃんが連れ去られるがあったんだけどお前が入隊したらそれが無くなったんだ。
そして、別の未来が見えた」
「その一番最悪な未来の内容は?」
「一番最悪な未来は・・・。
紘太が死ぬ事だ」
紘太は、その話を聞いて「そうですか」とだけ呟く。
「その未来って確定ですか?」
「え?いや、まだ確定の未来って訳じゃないけど・・・」
「なら、俺がその最悪な未来をぶった斬ります。
それと迅さん。一つ大事な事を忘れてますよ」
「なんだよ?」
「どんな敵であろうと勝てばいいだけの話ですよ。」
紘太は、それだけ話して中に入った。
「・・・はは、どっからそんな自信が出るんだか」
などと呟き、その呟きは、風が吹いて消えて行った・・・。
翌日。
紘太は、本部でランク戦をしに来たのだが、紘太を見た途端に避けていく。
「(何でだ?)」
と考えていた時だった。
「綾瀬君」
突如、聞き覚えのある声が聞こえて振り返ると那須さんがいた。
しかし今回は、友人らしき人達と一緒に来ていた。
「こんにちわ、那須さん。気分はいかがですか?」
「お陰様で。今日は絶好調よ。それと紹介するね。
私のチームメイトよ」
今度は、那須さんのチームメイトの紹介をすることになった。
「私は、熊谷友子。玲を助けてくれてありがとう。
それで、こっちが・・・」
「私は、日浦 茜です!
よろしくお願いします!綾瀬先輩!!」
「改めて、綾瀬紘太です。
最近、ボーダーに入りました」
それぞれ挨拶をし、那須があるお願いをしてくる。
「
「近い内にランク戦が始まるんだけど、主に、村上先輩の対策が必要でね。
それで、もし良かったら頼まれてくれないかな?」
「いいですよ。訓練の相手を探してましたし」
「なら決まりだね。行きましょう」
紘太は、特に問題なく了承し那須隊の隊室について行く。
しかし、この時の熊谷の目は、何やら面白い物を見つけた目をしていた。
「玲。何か私たちが見た事がない笑顔してたね」
「え?そうですか?」
「くまちゃん、茜ちゃん。置いてくよ?」
「今行く!私達も行こうか」
「はい!」
そう言い後に続いていく2人。
「というか、なんで先輩?」
「え?綾瀬先輩って歳上じゃないの?」
「俺、15です」
「「「えっ!?」」」
というやりとりがあったとか無かったとか・・・。
しかし、ここで新たな問題が発生した。それは・・・。
ガクガクガクガク
隊室に戻るや否や、紘太を見た瞬間、部屋の物陰に隠れガクガクと震えていた。
「えっと、那須さん・・・。あの人は?」
「あの子は、志岐小夜子。ウチのオペレーター何だけど、男の人が苦手なのよ・・・」
「俺、退室した方がいいのでは?」
紘太の疑念は最もだ。
模擬戦の相手を頼まれたとはいえ、まさかメンバー内に男の人が苦手の人がいるとは思いもよらなかった。
紘太は、悪気が無いとはいえ居心地の悪さもあり、隊室から出ようかと提案したのだが・・・。
「小夜ちゃんには、少しでも男の人に慣れて欲しいから、少し粗治療をしてもらう事にしたわ」
「那須さん。容赦ないね・・・」
お淑やかな性格に見える那須さんのアグレッシブ度合いに思わず引き攣る紘太。
そして、彼女の心配を他所に訓練に励むのだった。
熊谷は、紘太にある疑問を抱いていた。
那須が以前医務室にいると聞き、チームメンバー全員でお見舞いに来た時は、既に歩ける位に回復はしていた。
その時、何やら雰囲気が明るい感じに思え気になり尋ねてみた。
【ここに運んでくれたC級隊員の子に少し話し相手をして貰って楽しかった位よ】
とだけ話していた。
この時の熊谷は、表情と話の内容である推測を立てた。
それは・・・。
知らぬ間にその少年に
だが、本人のプライベートである故、深く探り込むのは如何なものかと。
その時は、深く追求しなかった。
そして、時は、今現在に戻り・・・。
「・・・あ、綾瀬君。君、ホントにB級上がりたて?」
「そうですよ?」
熊谷は、恐る恐る聞いてきた。その理由は、単純。
村上先輩対策で紘太と模擬戦を行ったのだが那須の攻撃は、簡単に躱すわ、日浦の射撃を切り裂いて一気に距離を詰めて落とすわ、熊谷を簡単に遇らう。
一言で言うと惨敗だった。
余りの呆気なさにやられた本人達も唖然とするしかなかった。
「正直、全然素人の動きに思えなかったんだけど・・・」
「まあ、祖父が剣術の師範だったので護身という名目で教えて貰いました。
んで、楽しかったので極めてみました」
「極め過ぎでしょ・・・」
熊谷は、力無く反論した。それもそのはず。
那須は、バイパーで周囲を囲み動きを封じて攻撃をするが紘太は、どこに飛んでくるのかが分かっているかのうように簡単に躱し反撃をし撃破。
日浦は、スコーピオンを手裏剣のように使い居場所を炙り出し移動中の隙を狙い撃破。
熊谷は、余りの呆気なさに驚きと困惑を交えながら交戦。
だが、紘太の剣術歴は、もはや一目瞭然。
これと言った反撃が出来ずにやられてしまった。
「私達、何も出来ないで終わっちゃったんだけど・・・」
「私なんてスコーピオンを手裏剣代わりで攻撃受けて落ちちゃいましたし・・・」
一先ず、紘太の余りの強さに驚くしか出来なかった。
「どうします?俺は、まだ時間ありますから訓練できますけど」
紘太の言葉に皆は、顔を見合わせ頷いた。
「もちろんやるわ」
「やられっぱなしも癪だからね」
「次は、絶対に勝ちます!」
意気込む那須隊であった。
夕方になり、那須さんの体調も兼ねて今日は早めに切り上げる事になった。
意外なことに紘太と那須の自宅の方向が一緒だという事が判明。
本当は、親御さんに迎えに来てもらう予定だったのだがお互いに仕事の為、タクシーを使う事になったのだが
警戒区域にタクシーを入れるのは流石に不味いので近場のタクシー乗り場まで同行する事になった。
「今日は、ありがとうね。付き合って貰って」
「いいえ。いい訓練になりましたから」
「・・・私達、手も足も出なかったんだけど?」
那須さんは、少し不機嫌な表情で見ていた。
「い、いやあ〜・・・。そう言われましても・・・」
「ふふっ。冗談よ。私達がまだまだだって事は理解しているわ」
「・・・揶揄わないで下さい」
紘太は、思わずゲンナリとした表情をしていた。
「ねぇ、紘太君。どうして、ボーダーに入ったの?」
「どうしたんですか?急に」
「ちょっと気になって。
あんなに強いなら何か特別な思いとかあるんじゃないかなって」
紘太は、ああ〜と言いながら言葉を紡ぐ。
「俺、10歳になる頃まで三門市に住んでたんです」
那須は、思わず驚きの表情をしていた。
「その時は、爺ちゃんと両親と合わせて4人で生活してました。
その後に親の転勤で引っ越したんですけど、爺ちゃんは三門市に残ったんです」
「・・・もしかして、お爺さんは」
「いえ、
第一、90歳になっても自衛隊の精鋭部隊一つを1分以内で潰せる程の強さですよ?
そんな人があんな虫もどきに潰される訳ないですよ」
那須は、思わず固まったのと同時にあるピースがハマった。それは・・・。
「(それだけ強いお爺さんの遺伝子を受け継いでいるのならあの強さは納得・・・)」
と、思考を回していた。
「俺が
友好的に来るのなら無駄な争いはする必要はないですから」
那須は、思わず感心してしまった。
自分より年下の子がここまで考えているとは思っても見なかった。
この時の彼女は、こう感じた。
「(彼の事をもっと知りたい・・・)」
そう思っていた・・・。
そんな話をしていると、ついに迎えのタクシーが来た。
そして、彼女がタクシーに乗ったのを確認し、お疲れの挨拶をした後、彼女は・・・。
「ねぇ、紘太君って呼んでいいかしら?私の事は、玲って呼んで」
紘太は、思わず戸惑い、「じゃあ、玲さんで」と妥協して貰ったが了承した。
「じゃあ、気をつけてね。紘太君」
「はい、玲さん」
そして、タクシーは走り去っていった。
2人は、小さな変化に戸惑っていたがその戸惑いは、決して悪いものじゃないと感じていた。
その3日後、新たな戦いの火蓋が幕を開けようとしていた・・・。
次回から大規模侵攻に入って行きます。
恐らく、アニメや原作とのストーリー構成がかなり変わる可能性があります。
その点は、ご了承下さい。
誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。
月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで
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