では、どうぞ。
第21話 取り戻した日常
大規模侵攻から一週間後。紘太は、復興している街を眺めていた。
学校等は、大規模侵攻の影響で現在は、休校。束の間の休息だ。
「(この前の戦いの時に、ブラックトリガー使いの死体を回収するよう頼んだけど何か進展があれば良いけど・・・)」
すると、紘太の携帯に着信が入った。
「・・・親父?」
紘太の電話の相手は、彼の父親だった。
「もしもし?」
『久しぶりだな、紘太。三門市で大規模侵攻があると聞いたが大丈夫だったのか?』
「・・・まあ、母さんから聞いたと思うけどその通りだよ」
紘太の父親。綾瀬直人。
紘太の実の父親で霞の呼吸を使う。
ある民間警備会社の部隊隊長をしている。
『そうか・・・』
「それで?何か用?ボーダー辞めて戻って来いなんて言ったら問答無用で叩き斬るけど?」
『違うよ。それに、お前が日の呼吸使ったら絶対に勝てないから。
それで、早速本題なんだが例の刀の製作の目処がたった』
「・・・今このタイミングでか」
直人の言う武器とは、呼吸剣技には、突き技に特化した剣技が存在しその為に刀を手配したのだが素材が少ない他、調達に時間がかかると言われていた。
大規模侵攻に備えて用意して置こうと考えていたがその前に大規模侵攻が始まってしまったのだ。
『余り無茶はするな』
「今更でしょ。俺が何の為にこっちに戻ってきたと思ってるの?」
『・・・そうだな。とにかく、体には気をつけろ』
紘太はそれだけ聞いて電話を切った。
その後、偶々街で見かけたテレビで城戸が
ダイジェストで記者の内容に関して修を責めている姿を見て額に血管を浮かべていた。
「・・・マスゴミ共が。切り刻んでやろうか?」
などと物騒な言葉を告げてその場を離れた。
数日後。紘太は、本部長の元にやって来ていたのだが・・・。
「・・・鬱陶しいな、この視線」
紘太に何やら興味津々の目で様々な隊員に見られていた。
そんな中だった。
「よう!綾瀬!」
「出水さん」
出水が紘太に声を掛けてきた。
「来てたのか。ちょっとバトんね?」
「いや、今日、本部長に呼び出しされたんです」
「え?何でまた?」
「何でも論功行賞の事で話があるって」
「ああ〜・・・そういやもうそろそろか〜」
「すいません、そろそろ時間なんで」
紘太は、それだけ話してその場を後にした。
無事に到着し中に入ると上層部が一同揃っていた。
「遅くなりました」
「いや、時間通りだ。早速だが、本題に入ろう」
今回は、論功行賞について話だ。
今回の論功行賞はこうだ。
特級戦功 報奨金150万+1500pt
天羽月彦
太刀川慶
綾瀬紘太
なのだが・・・。
「君の働きは、それに納めるには些か足りないと思いその倍を用意した」
つまり、紘太は、300万と3000ptが報酬として出される。
「では、次は、一級戦功に入ろう」
一級戦功 報奨金80万+800pt
空閑遊真
風間隊
迅悠一
小南桐絵
嵐山隊(木虎の単独含む)
二級戦功 30万+350pt
木崎レイジ
烏丸京介
米屋、出水、緑川、東のA、B級合同となる
以上となった。
紘太は、一通り話を聞き少し思案する。
「城戸司令。一つ提案があります」
「何だね?」
「玉狛支部に所属している雨取隊員に私の3000ptを譲渡することはできますか?」
「・・・理由を聞こう」
「今回の敵の狙いは、C級隊員でしたが、雨取隊員一人が重点的に狙われました。
狙われた理由は・・・」
「・・・彼女に内包している莫大なトリオン量だな」
紘太は、城戸の言葉に頷いた。
「
彼女一人になった時に、いつでも戦えるようにする事と逃走出来る様にした方がいいです」
「そうだな!彼女のトリオン量は、貴重じゃ!」
「私も同意見だ。紘太君がいいのなら3000ptは、彼女に与えることにしよう」
「・・・分かった。その件を了承しよう」
紘太は、その話の後、鬼怒田と共に開発室に向かう事になったが・・・。
「紘太君」
「・・・本部長?」
「ありがとう」
「・・・俺は、ここの一隊員。任務を遂行しただけです」
紘太は、それだけ話してその場を後にした。
場所は変わり、開発室。
そこには、鬼怒田、紘太、そしてエンジニアの寺島雷蔵がいた。
「羅刹どうだった?」
「問題なく起動しました。
後、結構理想に近い動き出来るとなると全然違いますね」
「なら、頑張って作った甲斐あったよ。
弧月使っている姿を見た時、アクション映画の現場を見ているみたいな動きだったからね。
久々に本気で作ったよ」
寺島は、趣味が映画を見る事で忍田本部長が羅刹の製作依頼が来た時は驚いた事と戦闘データを見ていた時に興奮のあまりかなり気合を入れて作ったと鬼怒田は、そう述べていた。
「じゃあ、届くのはまだ先なんだね?」
「はい。大規模侵攻の時に間に合えばよかったんですけどね・・・。
何か色々手間取っているみたいで」
父親と話していた新たな武器も羅刹で使えるようにして欲しいように依頼はしている。
しかし、羅刹は、紘太の戦闘データが入っている為、容量に問題があるのだ。
その為、普通のトリガーとは別で定期的なメンテナンスを行わないといけないのだ。
「じゃあ、後は、よろしくお願いします」
「うん、また遊びに来てね」
紘太は、その日は、特に用事もなく帰宅するのだった。
翌日。紘太は、ある人に会いに行っていた。それは・・・。
「お疲れ様です。綾瀬先輩」
「すまないね。約束したのに1週間以上経ってしまって」
「いえ、事情は聞いていたので気にしないで下さい」
紘太が会いに来たのは黒江だった。
大規模侵攻の時に、剣を教えて欲しいと頼まれていたのだが羅刹のメンテナンスや報告書や、各々の学校等で時間をとる事ができなかったのだ。
そして、ようやく時間を作る事が出来たのだ。
「早速だけど、まず黒江がどんな闘い方をするのか分からないからまず一勝負と行こうか」
「分かりました」
そして、早速ランク戦のブースで模擬戦を行う事になった。
「さて、一先ず闘い方としては、戦術面に関しては、今はいいや。チーム戦に関しては、専門外だから省くよ。
問題は、1人の時だな・・・」
紘太と黒江は、戦った後のログを見ながら先程の戦闘を確認していた。
「しかし、『韋駄天』か・・・。面白いオプショントリガーだな」
「これでもまだ試作品だそうですよ」
「マジ?完成形も見てみたい物だな・・・」
紘太は、韋駄天に興味を抱き簡単ではあるがこれ以上は脱線してしまうので紘太自身が打ち切った。
「まずは、弧月を振っている時の力が足りないな」
「力ですか?トリオン体になっているから気にしなくていいと思いますけど・・・」
「確かにそれはそうだけど、知っての通りトリオン体に換装すれば気にしなくていいけどその土台が重要になる。
まずは、単純な握力を鍛えてからだな。それとペラ剣を真っ直ぐ振れるようにする事だな」
「ペラ剣ですか?」
「剣を真っ直ぐに振れる事は、敵を素早く倒す事が出来るようになる。
場合によっては、力の入れ方によっては、新型の装甲を斬れる程の腕をあげる事ができるし剣を振る速度をあげる事ができれば敵のリズムを崩して攻撃を仕掛けやすく出来るからね。
これはやって損はない。それでトリオン体としての闘い方は、そっちの方が詳しいと思うから色々と試してみないとだね。
戦術に関しては、どう立ち回りたいかは、その都度だね」
黒江は、素直に頷いた。
「急がば回れ。焦らずしっかりやろう。
色々と不安になると思うけど、その時その時しっかり教えるよ」
「・・・今後とも、ご指導よろしくお願いします」
黒江は、しっかりと挨拶をしこの日は解散となった。
※オマケ
「所で紘太先輩は、どんな修行をしていたんですか?」
「・・・色々と端折ると、5回の臨死体験の賜物」
「・・・聞かなかった事にしていいですか?」
「・・・そうしてくれ」
その後、2人は下の名前で呼ぶようになり師弟関係を結んだ。
因みに、その事がボーダーに知れ渡り、揶揄ってくる隊員がいたり、那須が嫉妬の目で見てきて宥めるなどの忙しさで疲労困憊になる未来を見た迅は、合掌し修と遊真は、紘太の表情を見てギョッとしながらも心配された。
双葉は、加古に揶揄われるのだったとか・・・。
今回は、ここまでとなります。
一応、双葉が弟子になったのは単純に紘太の剣を見てこの人の闘い方を学びたい純粋な思いからです。
ヒロイン候補という訳ではないので悪しからず。
誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。
月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで
-
出す
-
出さない