ワールドトリガー 〜鬼殺の剣士〜   作:シナプス・フィン

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最新話です。


では、どうぞ。


第32話 玄界(ミデン)の夕陽

紘太は、昨日のトリオン兵を迎撃後、ゼノの根城に戻ってきた。

日が跨ぎ、食事を取る事になったのだが・・・。

 

「お出掛けね・・・」

 

紘太は、頭をカリカリと掻く。

 

「必要な物があるならオレ様が取ってくる」

「やめとけ。お前が抜けている間にリリスが狙われるのがオチだぞ。

物によっては、この世界の金銭が必要になる。お前達、無一文だろ?」

「・・・グッ」

 

紘太が今絶賛お悩み中なのは、雨取が手にしていた雑誌が発端だった。

そこには、四塚市のレジャー施設と言ったものが特集で書かれていた物だった。

リリスの目は、子供のように純粋な目だった。

 

「・・・行ってみたいんだろうな」

 

紘太は、その様子を見て何か案はないだろうかと考えた。その事を、雨取が相談してきた。

紘太が考えていた通り、彼女の精神ケアも必要になる可能性もあり得る。しかし、ゼノはそれを拒否。

理由は、エリアステルスという保護フィールドのようなものを設置しなければならない。

それがないとリリスが敵を見つけて襲撃される可能性がある。

紘太もそれが原因で民間人に被害が出たら不味いと考えていた。それは、修も同意見だった。

 

「・・・とりあえず、何か遊べるものを探してみるか」

「遊べるもの?」

「平たく言うと、ここから出ないで時間潰しになる物を探してくる」

「なら、レプリカを連れて行け」

『私の分身を渡しておく。これを通じて皆と通信できる』

 

遊真の好意に甘え、レプリカを連れて行く事にした紘太は、一度実家に戻った。

実家に戻り適当な物を見繕っている時だった。

 

『コウタ。オサムからだ』

「え?修から?」

『内容は・・・』

 

紘太は、修の提案に思わずギョッとしたのだった。

 

 

 

 

 

 

修の提案で、リリスにショッピングを体験して貰おうと考えたが結論から言うと失敗した。

メインシステムに多大な負荷が掛かってしまいシステムがダウンしてしまったのだ。

その為、リリスは、ショックを受けて暗い顔をしてしまった。

 

「キチンと説明すれば良かった物を・・・」

「でも、それじゃあ・・・」

「修の言い分も分からない事もない。それでも妥協案は、提示するべきだったんだよ。

擬似体験でいいなら可能だと。それだけでも幾らか変わったと思うぜ」

 

紘太は、彼女の精神的ケアも考慮するべきだったと話した。

修は、そこまでは、頭が回らなかった。

 

「あ、でもいい場所あるな」

「本当か!?」

 

紘太は、ある場所に行くのに最適な場所があった。

※因みに、木虎も手伝ってくれたが流石にこれ以上は、面倒だと言うことで傍観していた。

 

 

 

 

 

「見晴らしの良い場所に?」

「今から行けば日が沈む所を見れるから、良いと思うぞ」

「そこは、ボーダーの合宿所からほぼ一本道でそれ以外の場所も人が入らない山道になっている」

「その区間だけでいい。エリアステルスを設置してくれないか?」

「お前達、もういい加減に・・・」

「ゼノ。お前は、ここに来てから彼女の笑顔を見たか?」

「・・・急に何を言い出す」

「リリスを守るなら、連れ去られるのを防ぐだけじゃなくリリスの心も守らないといけない。

今の現状が続くようでは、リリスにも精神的な限界が来る。少しでも彼女の負担を減らしたい」

「なら聞くが、お前はリリスを守れるのか?」

「守れるのか守れないかじゃない。()()()()。俺が今までそうして来たようにな」

 

紘太の瞳に宿した決意は、純粋でとても真っ直ぐだった。

ゼノは、紘太の瞳を見て・・・。

 

 

 

 

 

「勾配が急だけど、大丈夫?リリス?」

「うん。大丈夫!」

「千佳ちゃんも大丈夫?」

「大丈夫」

「コウタは、余裕そうだな」

「これでへばるのは、修だけで十分だ」

「かも!」

「そっちは大丈夫か?」

「誰に言っている」

「ゼノ様に」

 

ゼノは、リリスの頼みを了承し見晴らしの良い景色に向かった。

しかしそこに向かう道中・・・。

 

「!!」

「修!来るぞ!!」

 

すると上空からトリオン兵が現れた。

 

「空閑!紘太!!」

「ああ!」

「了解!!」

 

 

「「「トリガー・起動(オン)!!」」」

 

紘太、修、遊真の3人は、トリガーを起動しトリオン体に換装した。

 

「隠れるところが多い。あそこに逃げ込む!」

 

ゼノは、そう言いリリスを連れて廃棄された倉庫の方に向かった。

修達もそこに向かう事になった。建物の中に入りゼノは、自身のトリオン兵を起動した。

 

「数で勝負しようって事か」

「それならいくらでも対処しようがあるがな」

 

すると、1体のトリオン兵の瞳が輝きだすと周囲の物が浮かび上がった。

 

「何だ!?」

「重力を操れるのか!?」

 

しかし、紘太は、近くの鉄類を足場にし体勢を立て直した。

 

「遊真!連携して倒すぞ!!」

「了解!」

「修とゼノは、千佳ちゃん達を頼む!」

「・・・クッ!」

「分かった!」

 

修は、了承しゼノは、不本意のようだが了承した。

遊真は、紘太の近くに向かい作戦を立てる。

 

『中心部にいる大型の敵が周囲の小型を操っているようだ』

「重力操作の方は?」

『小型の方が行っているようだ』

「なら、小さい方から潰した方がいいな」

「だな。カウント3で行くぞ」

 

遊真は、会釈し了承した。

 

「3、2、1。Go!」

 

紘太の合図と同時に一気に迫る遊真。正面からビームが迫りそれを回避する。

しかし、その頭上に鉄屑に激突し動きが阻まれた。

紘太は、周囲の鉄屑を足場にし乱反射(ピンボール)のように迫っていき1体を撃破。

だが、すぐさま敵の重力操作で身動きが取れなくなってしまった。

そして、敵のトリオン兵がそのままリリスに迫ってきたその時、敵トリオン兵は、背後から攻撃を受けた。

 

「グラスホッパーの使い方は、俺の方が上だね。遊真先輩」

「緑川!」

 

すると、ワイヤーがリリスの隣を通り過ぎると木虎が彼女を保護した。

 

「木虎!」

「全く!世話ばかり焼かせないで!!」

 

悪態をつけながらもワイヤーで足場を生成。

スコーピオンで1体を撃破、その後、緑川、遊真が一緒に撃破した。

重力が消えて皆が地面に足をついた。

 

「みんな、ありがとう・・・」

 

紘太も重力操作で邪魔をしていた鉄骨類をどかし立ち上がった。

すると、金髪の青年と()()()()()()()()()()()()()()()()()がこの場を去るのを見かけた紘太は、慌てて追いかけた。

 

 

 

 

 

『失敗しちゃいましたね。ギーヴ様』

「だが、まだ狙えるチャンスはある」

 

ギーヴと呼ばれる青年が歩いている時、突如、光る何かが飛んできた。

それに気づいたギーヴは、慌てて距離を取った。

地面には、クナイ型のスコーピオンが刺さっていた。

 

「これは・・・」

「お前がリリス達を追っている奴か?」

「!?」

 

木の上から紘太が降りてきた。

 

『あちゃ〜気づかれちゃいましたね』

「(レプリカに似ているトリオン兵・・・。だが、腕の装着しているのは、ゼノと似ている・・・)

何故、執拗にリリスを狙う!」

「貴様には、関係ない!!」

 

そう言いギーヴは、掌から光弾を放つ。紘太は、それを切り裂き攻撃を仕掛ける。

それを躱したギーヴは、煙幕で目眩しをした。

煙が晴れるとギーヴの姿は、消えていた。

 

「逃げられたか・・・」

 

紘太は、これ以上の追跡は不可能と断念し修達の元に戻った。

 

 

 




今回はここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。

月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで

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